2013/09/26

神楽坂、街の香り





昨日、ふと寄った街の純喫茶が今月30日で閉店するとのこと。会計の際、世間話にて(この5年間で、初めてまともにマスターと言葉を交わした、、)やりたくても体がもたない、とのことだった。。

お店の名前は『珈琲美学』、熱いのは飲み物だけではない。店主の魂が滲みわたる。窓の外の街が朝日で霞んでいるような時間に一服すると、なんともいえない至福の境地に達した。会話すら必要としない、完璧に美しい余白の空間。

学生時代を理科大で過ごしたという方にお知らせしたところ、えっ、“美学”が閉店?と口にされた。なるほど、地元では『美学』が愛称だったんだ、、消えゆく街の記憶の隅で、香ばしい香りを残す。。店主の思いが成就した瞬間かもしれない。



2013/09/24

ジャカード織り、





この連休の後半、家族で群馬県の桐生(きりゅう)に行ってまいりました。最近では日本各地の地場産業センター巡りというのが、ひとつの旅のテーマになっております。“ Lerning and discovery of wonder Japan ” といったところです。

勝手に日本ローカルに眠る、逸品ハンティングに愉しみを見出している今日この頃。桐生は、フランスで19世紀初頭に発明されたジャカード織機がさかんに使用されていたエリアです。

とりわけ桐生から輸出用に作られていたミッドセンチュリーのアーカイブがたいへん魅力的でした。とはいっても、やはり地方都市の現実。シャッター街の通りがあちこちに見受けられました。

上写真は、直近のEDWARDÉCRUS®のタグです。モネ・ブルーという緑がかった青色をベースに、昨年(半)前に怪我で天国に行ったバロン氏所有ハナミ号が暴れている動画を切り抜いてデザインしています。こちらも、2001年創業から5代目になります。光陰矢の如しです。




2013/09/17

夏の名残り

 

 
 台風めいたものが通り過ぎ、今朝は外は冷気を湛えております。9月も半ばを過ぎました。私は個人的な話ながら、誕生日が今月の22日、47歳になります。この日は秋分の日の前日なので、暦の上では夏の最終日ということになるかもしれません。

今でこそ、セントジェームズ界隈の~、エジンバラの~とか、なんとかかんとか、北の国の話題を偉そうに語りますが、誕生地は南の果ての鹿児島、分類的には島気質の人間です。日向くさいカンカン照りの午後がそもそも大丈夫なのも、結局はDNAかもしれません。



写真は、2010年8月2日、鳥取砂丘にて。3ピースにて砂丘を横断した時のもの。砂丘の行き止まりは中段の写真のような断崖で、眼下に海が広がっていました。飛行機の時間があったので無理でしたが、当初の予定ではバロン氏と泳ぐ予定でした。

後で、聞いたところでは、海辺は強い離岸流があって、あっという間に沖に運ばれるよ、泳がなくてよかったですね、と言われました。エドワード感覚カレンダーでは、今日、秋宣言。数回揺り戻しは来ましょうが、夏からの使者はそろそろ彼岸入りです。。


 
 
 

2013/09/14

ビスポークのトップハットを贈る





昨日金曜日、先日のドレサージュで健闘したバロン氏をねぎらうべく、ビスポークのトップハット(通称シルクハット)を贈ろうと、西麻布のハットのオートクチュール老舗のHaute Mode Hirata (以下Hと略)へ。H氏ご本人、奥様もおられ、採寸中も楽しい時間を過ごしました。

一般的にシルクハットを呼ばれるものは、ラビットの毛皮をスムースなビーバー加工にして艶出ししているもの。前回バロン氏は大会時は、他社のビスポーク・ハットだったものの、少々固すぎて、フィット感が良いとはいえない状況でした。

実は、こちらのお店のhatは、個人的に今年夏用の私用として購入していました。そして、先月発売されたムック本 “ Order Made Guide Ⅱ(ギャップジャパン) ” の最終ページにてDRESSSIR®小島くんのスタイリングでこの私物を使いました。

エドワードエクリュの変人店主の異常なメディア嫌いも、そろそろ許してもらえなくなってきました。ちょっとづつ、露出していくことになりそうです。ビフォア・アフターの特集だったのですが、編集長が面白がってくださり、2ページの予定が出来上がってみると特集 (特殊) 10ページになっていました(笑)

上写真、Hにて。ロンシャンやアスコットのエンクロージャー席向けの顧客にお作りしていたりする歴史を感じます。下写真、当分熱海に研修に行っている小島君。港町マルセーユにいるスカ好きのルードボーイの雰囲気でスタイリングしました@店の前にて撮影。


2013/09/12

定休日、変更のお知らせ

 
 


今までは(水曜日)・(日曜日)が定休日だったのですが、9月からは(木曜日)・(日曜日)が定休日となっております。定休日は電話は留守番電話となっておりますのでご了承くださいませ。 画像 Emile Claus :夏の夕暮れ

2013/09/11

足元を磨く

 
 


手元の歳月記によると、時期的には今を “ 白露(はくろ) ” と呼ぶらしいですね。草に降りた露が白く光って見えるころ、とあります。まあ、さすがにそこまでは秋ではありませんが。

ようやく残暑が引けていき、本格的に秋が訪れてくるとのこと。 永遠に続くようにすら感じられた息苦しい密室亜熱帯にも終わりがあるのだ、とホッとしつつ小さな悟りの感さえ持ちます。

さて秋冬物の準備をと勢い込む前に、ちょっと一服入れたいところです。

香ばしい秋冬の落ち葉を踏みしめる、、そんな足元のメンテナンスはいかがでしょう。エドワードでは、上の写真のセットをミニマム一式と考えています。

ほったらかさず、甘やかさず。必要最低限はこれだけで十分。右から、1 銀イオンの殺菌・消臭スプレー 2 馬毛ブラシ 3 シュークリーム 4 クリームを塗るブラシ 5 塗ったクリームを全体に広げる布 6 手袋型で毎日磨くための布。

先日某国の参事官との夜の一席にて、日本が世界に誇れる一番は“ 倫理観 ” ではなかろうか、とありました。多くを考える良い機会になりました。

スイスやシンガポールのようなコンパクトでパワフルなクオリティ国家の強さがあって、古都としての静けさと素朴さを両立できれば、と(敢えて楽観的に)思います。さらにローカルとしての贅沢さに徹すれば、独自の魅力づくりができる、と感じます。

2020年東京オリンピック。大金を払って希望という贅沢な買い物をしたのかもしれません。安心して深呼吸できる日本にするために、まな板の鯉となる覚悟で敢えて自らを世界のさらし者にして、各国からの容赦ない外科手術によって“ 新しいKAIZEN ” を果たしたいものです。

2013/08/23

New Face on the King's Road     新人 兼 王者

 

   
  “ こんな人馬が、まだ存在していたとは、驚いた、、、”

EDWARDÉCRUS®号とバロン氏(=フィリップ氏)が、記念すべきデビュー戦
≪8月16日:御殿場馬場馬術競技会 JEF馬場馬術競技M1課目2013≫ 16日、18日、両日出場し、両日ともに優勝しました。 冒頭のセリフは、審査員の一人のつぶやき。


クラシック・スポーツの最高峰の晴舞台に、完璧にクラシックな装いで登場したバロン氏。


南ドイツからやってきて、3か月の最低検疫期間を終え、満を持して登場したEDWARDÉCRUS®号、しかし実は日本の気候に適応中で、まだ本調子ではありません。


静かに歩いても、テンポを上げて走っても、力が漲ってしかたがないドイツ産のジェントルマンです。


富士演習場の砲撃音も、競技場のアナウンスやベルも動じることがない、、、地面の虫や自分がたらしたヨダレの反射にも驚く馬独自の気質の中にあって、彼の落ち着きは見事。彼が徹底的に意識を集中しているのは、騎手バロン氏の指示だけ。一流の証です。


全体のプロポーション、動き、優雅さ。人馬ともに徹底的に直球で挑む、馬術の王道を悠然と進む姿に感動します。






バロン氏のこだわりは、ヘルメットではなく、敢えてリスクもありハンドリングも快適とはいえない、シルクハットで臨むところ。シャツもロングスリーヴ(通常はフェイクのロング、、つまり袖先だけのディタッチャブル)、カフリンクス、タイまで徹底すること。そして何よりも、挨拶の所作を丁寧に行い、人馬ともにジェントルマンスタイルを貫くところです。




この世界が少々詳しい人にとっては、バロン西伝説が有名ですが、人馬一体、愛馬精神においては、城戸俊三騎兵中佐と久軍号の逸話を忘れるわけにはいけません。


人と馬の関係も絶妙なバランスが大事です。お互いが依存しあう方向性で関係が深くなってしまうと、馬術競技としてはうまくいかなかったりするようです。馬好きなDRESSSIR®小島君。下は優勝トロフィーとリボン。しばし人馬ともに健闘を讃え、労い、お店に飾っておきます。


2013/08/16

Dressage そして、いよいよデビュー戦

 
 
今、御殿場に来ております。上写真は昨月中旬におこなわれたジュニア全国大会の2日目の模様です。神楽坂のアグネスホテルにて朝食摂りながらフィリップ氏と2人でライブ観戦していました。初日には実際に観戦できました。

Sさん、ホーランド&シェリー社の黒ギャバジン生地、ハンドメイド仕立ての燕尾服です。着こなしも凛々しく堂に入っておられます。そして今年もジュニア王者に輝き昨年から引き続き2連覇となりました。おめでとうございました。

練習中のたいへんな怪我にもひるまず、当たり前に練習・試合を続けられる姿勢をはじめ驚嘆すべきご自身の数々のエピソード、お母様からうかがっております。やはり圧倒的な実力には、圧倒的な集中力と精進があるのだな、と学ばされた次第でした。

縁起物でもあり、われわれのタキシードやモーニング、イブニングにもたびたび使用しております。今年12月に催す予定のクリスマスパーティーなのですがドレスコードはブラック・タイ以上の予定ですので、正礼装の優雅なドレープが見られるはずです。

いよいよ本日は、我らがEDWARDÉCRUS®号のデビュー戦。南ドイツから来日して3か月あまり、さらに日本国内の異常な気温・湿度で厳しい中の出場いたします。来日して1度会いに行きましたが、どこにいてもナチュラルなどっしり感は変わらずでした。戦況報告は、またアップできればと思っています。

2013/07/30

Se balader sur un arc en ciel          虹の上を歩く

 
 
 昨年からお客様であられるI氏。氏は少々足にハンディ(一般的・理解の最大公約数な表現にて失礼いたします)をお持ちで、可動域などにも特別な注意が必要となります。

しかしながら、オーダー一着目は、敢えてそれらの要素をそれほど加味せず一気にパンチのあるゴージャスなキャメル地の3ピース・スーツをお納めいたしました。
もちろんタイ・シャツまでオリジナルで合わせて、DRESSSIR®としてミッションを果たすべく着付いたしました。最初の1着は決して普通のスーツにはすまい、と決めていました。

1着目に未知の高揚感を感じられておられたご様子でしたが、2着目3着目、この時点では固めに、エグゼクティブな風格を感じさせるビジネス用スーツをおつくりいたしました。氏の仕事においては必要十分のアイテムです。

そしてこの春夏はココでいったん一区切りかと思いましたが、私は夏用白系(盛夏用の白っぽい3ピース)のスーツを作ることを強くレコメンドしました。夏の紳士にふさわしい白地に淡いグレーの麻素材のコードレーンの3ピースです。

確かに2着目3着目のビジネス・スーツは、ビジネスにおいては必要十分の役割を果たしておりましたが、彼のポテンシャルに満ちた “人生全体において” はたしてそれは必要十分条件であるか?という問いとともに、絶対的に不足している何かを感じました。

ご了承いただき、夏白系のスーツの納品の日に神楽坂の帽子店にて購入したパナマハットを合わせて徐々に、優雅なプレゼンスが出来上がってきました。

しかし、まだ何か足りない、、、、

あれこれ思いあぐねつつ、ジグゾーパズルの決定的な最後の1ピースに気づきました。。。クールなステッキだ。

ステッキという答えにたどり着いた瞬間には、そのステッキのデザインや材質がはっきり映像として浮かびました。数年前、僕自身がビスポークした英国FOX社の銀無垢のアニマルヘッド(馬)の傘での体験が生きました。持ち手を握るタイプのシンプルな銀製の黒い支柱のステッキ。

ステッキ購入においても、サプライズながら、イイ出会いがありました。赤坂見附ニューオータニ内、“ ブティック・ロイ ”  こちらのオーナーが、これまた素敵なセンスとマインドのマダムでいらっしゃいました。人生は常に想定外のQuestです、つくづく物語は良くできています。

ステッキの高さ調整カスタマイズのための待ち時間、こちらのオーナーママOさん。意気に感じて僕ら2人をホテル内のレストランにつれていってくださりました。パフェ(笑、役回り的に息子たちとお母様?失礼、お姉さま。)をごちそうしてくださいました。

I氏のプレゼンスがステッキの画竜点睛によって完成したことなどを話すと、大いに感動され、共感してくださりました。まるで、必然的に僕からOさんにバトンが渡ったようでした。。

さっそく彼女は、慣れないI氏のステッキでのウォーキングレッスンを買って出られました。驚くほど美しい脚(朝起きてやるべき脚の運動理論など明快で、説得力あるものでした)の超美魔女(ミーハーな表現を勘弁願います)であられました。もちろん、紳士のステッキ使いもよくご存じでいらっしゃいます。


ここで僕は次アポがあったため、その時間まるごとのお付き合いをすることはできませんでしたが、あとで聞くとオータニのメイン・ロビー廊下を、通行人や他店舗のスタッフたちの不審げな目線を一切気にすることなく1時間に渡って、決然たる様子で、感動的なスパルタ・レッスンが続いたそうです。まことにありがたいことです。感謝いたします。

僕自身トレーニングを数分間見ていたのですが、ここで大いなる発見がありました。そもそもI氏は、まわりに気づかって、ひじょうに急いで歩いておられたようです。そして、あえて杖も持っておられませんでした。自分(が他人に気づかう)目線と他人(がある程度客観的に見る)目線の違いがここにあります。

そのせいで、動きが非常に大仰になったおられた。上下運動・回転運動が激しくなってしまっていたようです。まず、周りの安全を確認することは前提としても、意識を少々変えて、世界は自分のためにある、といったん考えて見られてはいかがでしょう、、、と。無理のない範囲で、動きがとてもスムーズで平行移動、優雅になられたように感じられます。


真夏の昼間、ゆっくりと、ステッキを使って歩く、、、、絵になる風景です。ご婦人とすれ違う際に、悠然と立ち止まり、帽子をちょこっと持ち上げて、ご挨拶。白昼夢的かもしれませんが、それもまたラブリーな光景ではないでしょうか。

自分の世界を大事にしながら愉しむようにゆっくりと歩く特権的スタイル。うつくしいステッキを持った紳士がゆっくりと歩く姿は、まるで虹の上を歩いているよう。ふつうの人間には虹を歩くことはできません。虹は壊れやすいもの。不思議な力で虹の上の小道を、エレガントにゆっくり歩く、、

そんなシンプルなフレーズが浮かんだので、マダム・ミヤビに仏訳してもらいました。すてきなフレーズならすぐ覚えますよ。

Se balader sur un arc en ciel
スゥ バラデ スゥール アン ナルク エン シェル

2013/07/24

Jet氏の休日

 
 
やることすべてが、粒立ちの良いネタになりすぎて、むしろ書くのに困る最近のJet氏やフィリップ氏ですが、先週日曜日に会う機会がありました。普段のウィークデイとちがって、たいへん寛いだ雰囲気で、スタイリッシュにキメています。
 
場所は銀座4丁目(交差点、一階がドトール)、三愛ビルの8階にてテラウチマサト氏の富士山をモチーフにした展示会を観に行きました。世界目線、世界感性で日本を鳥瞰しているポップ富士、チャーミングなヌケ感があり最高ですね。
 
最近のJet氏は休日はサイコロを振ることなく(※ここ半年くらいスタイリングはサイコロの意志(導き)により決定している)意図的に愉しみつつスタイリングしているので、安心できるスタイリッシュな雰囲気があります。
 
青山のヴァルカナイズ・ロンドンで、ふと立ち寄った際に見つけた、草木やお花や虫などの柄のリバティー・プリントを使って、エドワードⅧ(ウィンザー公)シルエットのニッカ・ボッカー。そして同じ柄のボウ・タイ(BatWingBow)で首元をあしらっています。淡い乳白色エメラルド色の地。


息子のスコット君はいっしょにベトナムで遊んでもらったりと、記憶があるのか不思議と早々に打ち解けている模様。
やはり見た目にインパクトあると子どもにも覚えてもらえるのかな~。直近号の週刊SPA!で彼のコラムのページで僕個人について書いてくれています。おもしろがっておりますが、ありゃ~少々大げさやろ、、と言うと、まわりはいやいやそのままだ、といいます。

書いてくれた勢いなのかJet氏の担当するニコニコ動画(週刊SPA!編第7回ジャイアンの倒し方)にもゲストで出ています。自分の映像はスタッフトレーニングの際にムーヴィーを使っているのでテレはありませんが、日々の反省になるので、とニコニコ動画を観ようとしていたのですが、諦めました。

有料登録などの手続きを2回、何とかかんとか済ませて、さて見ようとしたら、今度はアドビの動画フラッシュソフトのアップグレード無しに見れないとのことで、数回アッグレードしたものの、その都度、アドビのアップグレード・ページがら先に進むことができません。スタッフに訊いてもわかりません。

その時点で、根気が0%、即解約手続きを開始すると、月極め課金中につき解約できませんとのこと。つくづく、向いていないことがわかりました。こうやってさらに自身のキャラクターが一層宇宙人化するのでしょう(笑)。神がおまえは他のことに時間を使えい!と言っているのでしょう。

いずれにしろ、本当は自分が日常どんな表情をして、会話表現をしているかチェックするのは役に立つことなんですが残念です。神楽坂では26日(金)、27日(土)が神楽坂が阿波踊りがあります。普段ご贔屓いただいている皆様には、休憩サロンとして解放いたしますので、シャンパンで一息入れてください。そして詳しい方がおられましたら閲覧方法をお教えてください。

時間が経つのは早いもので、伊藤氏のためにひと肌脱いだ “ エド紳匠郎 ” から2、3年経ちます。方向性のみ指示を受け、全員脚本無しのノリ一発でたいへん楽しかったです。


2013/07/22

BARBER Talk 床屋談義




髪の毛を切るに際して、理容(りよう)と美容(びよう)2つの世界があります。結論的に、エドワードエクリュにおいては、2001年創業時より変わりなく、“ 理容寄り ”の感覚 をおススメしております。

頭を大きく見せてしまうエアリーヘアの髪型や、さらにアウトラインを細く作り込み過ぎた眉毛はクラシックなスーツ・スタイルには向きません。

しばしば、お客様で、残念なヘアサロンを利用されたせいで、“ごく直近の”石川遼選手(最近拝見して目を疑いました)のようになってしまわれることがあります。

トラウザーズに合わせる白いソックスがマイケルジャクソンにしか許されないように、そもそも作り込み過ぎた眉毛は、夏の甲子園球児の専売特許と決まっております。

眉毛はあくまでも、やや素朴に見えるくらいに最低限に整える、という“イイカゲン(良い加減)”がバランスよろしいかと思います。

ごく最低限に整える > 何も整えない > 形を作りすぎている 

という順番かと思います。舞台俳優、ひいては芸能人はあくまでも演じることを本業としている人間なので、そのルックは、舞台化粧のひとつであって、彼らのスタイルを丸ごと真似するのは現実的ではありません。

ここ数年海外においては大手メゾンのファッションショーにおいてもそうですが、ハリウッドスターも(デヴィッド・ベッカムあたりも)、メンズは一斉にヘアサロン的ニュアンスからバーバー(床屋)的ニュアンスに移行しています。やっている人はヘアスタイリストでしょうが、モードのショーでさえ、ニュアンスはクラシックなバーバーヘア、特にスリーク・スタイルです。

とりあえずなのですが、東京にはクールなバーバーが悲しいくらいに少ない(過去数十年で、全ヘアサロン化した)ように感じます。美容・理容専門学校を卒業した若者たちの感性が、これまた極端に同質化しすぎている、と感じます。

むしろ今後は独自のバーバー・スタイルを打ち立てるチャンスだと思うのですが、若手の方々に健闘していただきたいものです。ぜひ神楽坂にも、いくつかできて欲しいと常々思っております。

※)上写真は、ネットで拾ったブラッド・ピット氏。Bat Wing Bow(蝙蝠:コウモリの翼の形をしたボウタイ)、つまり、上辺の弧が直線に近く、下辺にボリュームがあり、垂れ下がるようなシルエットをしているボウタイ。最近のエドワードエクリュのフォーマル時のオリジナルボウタイはこのスタイルです。







2013/07/10

まさに礼装。いやいや冷装。あるいは涼装。





タイムリーの炎天下なので、涼しい装い、涼しげな装いについて考えました。七夕過ぎあたりから、ちょっとした異常気象の様相を帯びてまいりました。梅雨明けも普段よりずいぶんと早く、いくつかの点でふつうと違っています。あらゆる業界のマーケット的には、夏は暑くて冬は寒いほうが、景気は良くなるそうですが。。

しかしながら、いよいよ、クールビズ勢力が追い風に乗って、完膚無きまでにアンチ・クールビズへ猛攻撃している状況です。2ピース族も、ついにクールビズの軍門に下る、という有様ではないでしょうか。

エドワードエクリュでは、酔狂なネタづくりとはいえ一昨年は3ピースで、真夏の鳥取砂丘を縦断完歩していますし、つい今月の一日には、京都の伏見稲荷の頂上へも登って降りてきましたから(そのまま、先斗町の床 ⇒ 祇園お茶屋遊びしたくらいなので)、40度だろうと、どうってことありません。

感覚的な話なのですが、熱めのお風呂に裸で入るのと、スーツで入るのとどう違いますか、というような世界じゃないでしょうか。そもそも気温が35度を超え、40度近くまでになると、もはや極端な話、裸でいようが服きていようが体感的にはそれほど違いないように思います。

薄着の体感・快適度は、20度~30度前後のレンジでの違いの問題ではないでしょうか。そんなことより、むしろ帽子をかぶることをお薦めします、本気で涼を求めているならば。かんかん照りの炎天下で、帽子無しで長時間いるほうが、個人的には耐えられません。5度以上は体感温度が下がります。太陽放射を直接頭部に浴び続けて、脳味噌が沸騰してめまいしますよ。

クールビズという現象が、涼しさ・省エネを指向するという合理性から施行されいるのではなくて、漠然とした群集心理、あるいは帰属意識(人と違うことはコワい)から来ていることが、この、ギラギラの炎天下で帽子をかぶっているビジネスマンがほぼ一人もいない、という状況から感じられます。

ところで、最近、法人向けのクールビズ対応のドレス・コードを考えるオーダーがあり、シンプルに結論を出しました。頭のイイ、発注元の経営者の超合理的な考え方のお陰でもあります。

タイドアップの3ピースで、ジャケット無し、というスタイルです。従来、秋冬の時期の3ピースは納得できますが、春夏時期の3ピースは(暑すぎて)ちょっと無理があるのではなかろうか?という違和感もこれで解消できました。

春夏だから、クールビズだから、ということで、妙ちきりんの頓珍漢アイテムを新たに買い足す、という経済的無駄遣いをすることなく。むしろクラシック軸に沿っていて、アンチ・クールビズからの理想的な回答ではなかろうかと思います。

そして、再度くどいようですが、目立つことを怖がらずに外出時に帽子をかぶることをお薦めします。ヘアスタイルを気にする人は、ご自身の信念に沿って構いませんけども。少なくとも、熱中症予防には効果絶大です。いいじゃないですか、ボルサリーノでやりすぎ感出過ぎの中年が続出しようが。アリですよ。

帽子を選ぶ時のコツは、スーツに合わせる場合、スーツのラペル幅とある程度合せることです。それから、リボン部分があまり主張していないものがおススメです。日本人は、アングロサクソン人種とちがって、頭蓋骨の鉢(はち:額のほぼ横幅)が大きいので、自分の鉢のサイズ、スーツのテイスト、ラペル幅と総合してから帽子を決定したほうがよろしいです。

さらに帽子をかぶるとなると、ますますもってエアリーなヘアスタイルではなく、スリーク・スタイル(頭を小さく見せるバーバー・カット)になります。バーバーネタは、ありすぎて、語りだすとキリが無くなるので、語りません。しかしながら、これらの、作りこんで行く数々の特徴は、クラシックな佇まいづくりとしては全体的に一層理想的な方向性といえます。

40度、SoWhat? です。





2013/06/25

Inspiration from “Special” BRITISH GRAND PRIX


ここ最近の都内移動で、電車タクシー以外で一番乗っている移動手段は、Jet氏のランボルギーニ・ガヤルドかフィリップ氏のAudiR8、という貴重かつ特殊で恵まれた状況もあって(さらに来月は戦車にまで乗せていただくことになりそうですが) 車関連の動画を見ていたところ面白いものを見つけました。



単純に、そもそもの設定が違うと、結果は根本的に違ってくるのでしょう。 動画に登場する、一般車、ラリーカー、フォーミュラ1のそれぞれのセッティングは、人にとっては、自分自身でコミットしている(肚の底で、自分はこうだ、と決めている)ことに当てはまるのかもしれません。

どの分野でも 1.初心者、 2.得意な人・本気の人、 3.プロ・ガチの人つまり命を懸けている人 と分けられるように感じます。実際、1 ⇒ 3 に向かって命の危険があるわけですが。。。 一般車、ラリーカーの加速の横を、さらに圧倒的な加速ですっ飛んで行ってしまうイメージ。

 かたや、 プロから初心者を見ると、こういうふうに見えている、、、



さらにイメージとして体感できるのは、どんなジャンルであれ、圧倒的である、ことは脳天を貫くような強烈な絶頂感(エクスタシー)を味わえる、ということ。これは大きなモーチベーションですね。どのセッティングを生きるかで人生が決まります。いずれにしろ、どの階層を生きるにしても、死ぬまで精進なのでしょう。

2013/06/20

The Geat Gatsby 。。。アリだ!



昨日水曜日、定休日。後輩格竹内君からの誘いで、“華麗なるギャッツビー”を六本木東宝シネマへ観に行きました。金曜日にスコットがおたふく風邪を発症し、規定の中5日のお休み期間の最終日で預かり当番。母に頼んだり、全員で神楽坂に移動したりして何とか調整でき、10時30分到着。、、、すいません、午前中は3Dしかないんですよ。。。と竹内君。

ただでさえ、クール・ビズ嫌い、携帯端末(の過度なモデルチェンジ)嫌い、イマドキ電気機器は全部嫌いの僕にとってGreat Gatsby を3Dで? 無い。無理。となりました。何かとこの時代、生きにくい我々が3Dなんかい?そう怒りを爆発させた後、フト、ネタ的には面白いのかもしれん、、、自分では絶対にしない選択肢、どこかで聞いたセリフですね。。

いつもエドワードにおいてクライアントに言われるセリフじゃないか、、、ということで、今回は自分では絶対に取らない選択肢、3Dでギャッツビーを観ることになりました。オリバー・ピープルズのボストン眼鏡(ゲーリー・クーパーのモデル)の上にさらに、モダンな3D眼鏡をオン。その時点で、きわめて、すこぶる非日常です。

シャツが美しすぎて泣けるデイジーの文脈も今回の製作側の解釈がニック・キャラウェイの口から語られていたり、と充分楽しめました。徐々に重くなっていく後半の展開に際しても、ほう、こうきたか、ほほう、ここで一気に行くか、などと、若干オッサン的に心の中で突っ込みを入れつつ愉しめました。

ディカプリオが見せる、往年のハリウッドスター的表情もある種、型に忠実であり、観るほうは物語に乗っていけました。そもそも原作のギャッツビーのキャラクターを考えると、前作ギャッツビーを演じたレッドフォードの甘い風貌は、どちらかというと心のバランスの取れた柔らかい人の表情をしており、逆にそこのギャップがミステリアスの発生源だったのですが、今回のディカプリオの集中力顔は思いつめた人生を送る思い詰めたギャッツビーらしい風貌ともいえるのかもしれない、と思いました。

一度横から、『これ、ボタンダウンで合わせてますよ、、、』などと服飾的突っ込みが竹内君から入ったりして、『背中にいくつもプリーツが入っていて充分カジュアル・フィーチャーだからアリだ、(などと真面目につぶやく自分もいたりして)』ちょっとしたお祭り、トラッド祭りでした。

股上はそうとう深かった点は画期的だったように感じますが、パンツが細めなのも、現代的には充分アリだと思いました。最近エドワードではサスペンダーボタンは後ろは外、前は内で、ループも無しが100%に近いのですが、ゆったりパンツに抵抗がある方はおられます。トラッド勢力は欲張らず、大事にいくぞ~とばかりに、1ヤードづつモード勢力のベースラインを押し戻しております。

3Dによって洋服の立体感が良くわかりました。アクション・シーンで目が回るようなシーンが過度になかったのもよかったでした。クラシックな建物に入っていくようなシーンは立体感と奥行きにはわくわくさせられました。映画を観た後の醍醐味はアフターでエラそうにあれこれ言える権利であり快楽ですが、ほどよく突っ込みどころもあって、大いに愉しんだ数時間でした。

2013/06/12

新日本紀行 @新潟

 

時が経つのは早いもので、思い出を書き留めようと思いながらはや一か月。一般の方々より一歩遅れてのゴールデン・ウィークのお休みに、家族で5月20日から2泊3日で新潟へ行ってきました。


松本さんとのご縁、燕三条の物づくり(磨き)、鮭、海の幸・山の幸、温泉、という魅力に誘われました。とはいっても、“観光”より“テーマ”で動くほうが面白い、という昔からの木場家の旅の(こむずかしい)方針もあるせいで、今回も松本さんのアテンドで社会科見学の要素もたっぷり入れました。


新潟の印刷機械部品メーカーの代表を継いでおられる松本氏。青年海外協力隊時代に、ヨルダンにて柔道のナショナル・チームのコーチをしていました。神楽坂に来られるたびに、何度も素晴らしい日本酒やご当地のあられ(新潟産のお米で作ったもの)や甘いお菓子をお土産で持ってこられ、新潟の魅力に完全に背負い投げで一本負け。今回もすばらしい旅を演出してくださいました。ありがとうございます。


シンプルで美しいアイテムの数々。手のぬくもり、丁寧にきちんとしたものをつくろう、という意志を感じる逸品があふれています。使いやすいなんてことのない普通のデザインでありながら一生懸命丁寧につくられたものが一番使いやすいです。


燕市中央通り2丁目の『玉川堂(ぎょくせんどう)』さんです。カンカン、、、と店の裏手の工房では始終響いておりました。われわれが見ている時に、大手乳酸菌飲料の社長ご一考も視察に来ていました。なるほど、“ツバメ”つながりということらしいです。一度工房の音を聴くと、それからは、湯呑みを見るたびに耳の奥でその音が聞こえてくることになります。


自分のペースでのモノづくり環境を作っているとの、経営者の方のお話でした。職人たちへの深い愛情や思いやりを感じました。人・モノ・そして地場を愛して、営々とモノづくりをされておられる姿勢は、自分たちが作り出しているものへの長期的なスタンス・視野を表しているように感じさせられました。


モエ・グループからのオーダーでつくられた逸品。社長も直接寄られたとのこと。さりげなく飾られていました。僕も現在アルコールを控えている妻にビール飲み用のコップを購入しました。


この地方によく見られる、一直線の土間。


このような日本の日常の逸品がたまりませんね。それぞれがすばらしいものでした。


こちらは、一番最初に i-pod の非常に高いレベルのオーダーを圧倒的に超えてみせた伝説のK研業の壁の配電盤。10年以上前でしょうか雑誌でこちらの工場について知って、一度は来てみたいと思っていた場所です。社長のお話を2時間近く聞くことが出来て、たいへん勉強になりました。

やはりやんちゃさ、もお持ちで、野性的で猛烈な闘志を彼の魂の中に感じることができました。息子のスコットを抱っこして写真撮ってもらいました。すばらしい人間に会う、という一次体験こそ何よりぜいたくな英才教育です。そして大人にとっては学びこそ人生最大の遊びです。

松本さんの実家の工場も視察させていただき、そっくりの弟さん、お母様、おじい様おばあ様とご挨拶いたし、たいへん勉強になりました。ありがとうございます。工場は、丹念に整理整頓されており、動きの工数や距離など作業の効率を限界まで高める工夫をしており、静謐ともいえる空間でした。


豪農の家、(渡邉家)。士農工商、日本のクラス世界。もともと商だった、この家は金融を営むことで、土地を増やして行き、最終的に農地を大きくしたので、結果的に農、それも“豪”農となった。非常に興味をそそられる間取りでした。北から南に向かって一直線に大きな土間。それも年貢を納める馬が通りぬけられるほどのもの。

北は飯炊き人から始まって、南側の旦那が接客する場所まで、それぞれの身分に応じて15センチくらいづつ高くなっていく。。。格の高い家からの嫁入りの際に、華やかな場所で一週間近い宴が繰り広げられたとのこと。。。妄想族の僕には、余裕でその場面が、花嫁の化粧メイクの細部までイメージできてしまいました(笑)


改装中でしたが、池で鯉にエサをやってきました。


左手が上座、右手が下座。さぞ人間ドラマが繰り広げられていたのでしょう。


屋根はこれが完成形。派手にせず、地味に。家訓も見せていただきましたが、一定の年齢になるまで、綿を着るべし、などなど、そのワキマエと知恵が刻み込まれるがごとく、記されておりました。華やかな中庭。大名貸し、という大名にお金を貸していた豪農。ちょうど、ヨーロッパで、国にお金を貸す金融家が影響力を増大させ、結局は歴史をつくっていったように、日本にも同じような立場で歴史をつくっていった部分があったのでしょう。


伊藤家』。 七代目文吉氏は、アメリカのウォートンスクール卒業。終戦直後の進駐軍の担当が同じ学校だったこともあり、その彼の協力もあって屋敷を残すことができた、というくだりが、ソサイエティの匂いがして、興味をそそられ8代目文吉氏の著作を購入して現在読んでいるところです。


つわものどもの夢の後をのんびり妄想している父と、ソフトクリームを食べさせてもらえず(卵アレルギー)悔しがるスコット。


シャケに関する博物館の中ではおそらく世界一ではないか、と思われるスケールのイヨボヤ会館。藩の中の知恵者が、鮭の繁殖について工夫し、発明し、養殖に成功。米、鮭、と新潟の豊かさを決定づけることになったのだそう。発酵した鮭の塩分が大好きなので、これにはずいぶん刺激的でした。シャケばっかり食う熊として、生まれ変わったとしても、僕はそこそこやっていけそうです。


宿は鷹ノ巣温泉、喜久屋(喜は、七を3つの草書体)。でした。すべてが離れの部屋で、各部屋に内風呂・外風呂・露天風呂があり、ちょっと離れた露天風呂もあり、ここに松本さんと入りにいったのですが、ほぼ熱湯だったにも関わらず、ぬおう、と叫びながらも二人してしばし首まで浸かって、ホウホウの体で部屋に戻りました。しかし不思議ですね。お湯に向かっていく時は熱さを感じないのですが、出る時にギャ~っと叫びたくなる体感になります。大笑いしながらのいい思い出になりました。


早朝の風呂も最高です。“ マークー、ワイコー ” と鼻歌を歌いながら、早めに上がりました(笑)時々熊いるそうなので。自然満タン、ということですね。


最終日は、宿泊先の部屋にてみんなで会食。松本さんの素敵な奥様の前で、コチンコチンに緊張していたスコット。ピクリとも動かず5分経過。保育園でも、お姉さん先生の前だと、どうも固まってしまうクセがありますね。全般的に大人も子供も楽しくすごせた連休でした。スーパーアテンドだった松本さんに感謝いたします。また新潟はいきたいです。