2010/03/30

ときには時事ネタ、そして日本の歌謡曲



これだけ日本も世界も激動しているわけですし。まあ、あんまり長く語りすぎた場合には、私見(注意:クドさ強)にカテゴリーしておきます(笑)。昨月くらいに、ブログの『カテゴリー分け』設定をススメられて、自分の記事を探す際に、その便利さに(どんだけワンテンポ遅れてる?)感心しております。

先日亡くなられた、しばたはつみさん、マツダのスポーツカーのCMとして子供のころ好きだった「マイ・ラグジュアリー・ナイト」という曲。当時ガキながらも、なんだか大人なロマンティックなメロディが好きでした。

この曲を作った来生たかお、えつこ姉・弟、のコンビは天才メロディメーカー&作詞家ですね。郷ひろみや中森明菜、薬師丸ひろ子などヒットした昭和歌謡たくさんつくっておられます。カラオケでもよく耳にする曲ってことですね。

そして、曲を作った彼自身のヴォーカルもいいです。たまたま僕の3つ上の姉きが彼のヴォーカルを好きだったってこともあって昔エアチェック(録音をこのように表現していた)したやつをよく聴いて(聴かされて)いました。郷ひろみ、や明菜、薬師丸ひろこの曲と、来生氏自身が歌うと、ちがいますね。アレンジのキーボードなどが昭和っぽいところもいいです。

昨今は、ひたすらR&B系の若者が多いですが、演歌でもないし、こういう一見フツーの日本の歌謡曲っぽいものを提供する歌手枠が空いていて、チャンスなのかもしれませんね。しかし、そうとうに精進したというバックグラウンドもある方ですね。

、、、、好きなアーチストや楽曲として、フランシス・レイ(映画『白い恋人たち』のメインテーマ)、ヘンリー・マンシーニ(「Moon River」)、バート・バカラック(「Raindrops Keep Fallin' On My Head」)、エミット・ローズ、マイケル・ジョンソン等を挙げている[36]。 “無人島に持って行く1曲”を問われた時は、映画『太陽がいっぱい』のメインテーマ(作曲:ニーノ・ロータ)を選び[22]、古今東西の楽曲の中で一番好きだと語っているが、別の番組では「Moon River」を一番好きな楽曲としている、、、、 ウィキぺディア『来生たかお』より


2010/03/25

The Shape of the Gentleman.


3月19日、Nさんからのご案内で、『粋人会議@代官山TABLEAUX LOUNGE』に行ってきました。大人文化、ダンヒルパイプ、ジャズ、シューシャイン、手巻きタバコ、テーラード・スーツというキーワードでした。結構ケムリがモクモクだったのですが、普通のタバコと違ってシガーとパイプの煙(というエッセイもありますね)は、それほど圧迫感がないのですね。妻も一緒だったので、最初は入った時、この場所は30分が制限時間かもしれない、と思ったのですが、結局上映されてるジェントルマン映像も、ゲストの方のちょっとした講演も、参加者との会話も楽しく、最後までゆっくり寛がせていただきました。


このお店および、僕も一ヶ月に数回は利用する(発作的に、大盛りボンゴレを食べたくなる時に駆け込む、銀座泰明小学校近くのボエム※お店によってはボンゴレ・ビアンコがメニューに無い店もあります、たとえばお台場店)グローバルダイニング代表のH氏もおられました。『タフ&クール』という彼の著書を読んだことがあります。彼のジョギング観を訊いてみたかったです。特に大人のパーティーという点でも参考になりました。パイプ携えた、40、50、60代かなと思しき紳士たちが大勢おられ、圧倒されました。きれいにスーツを着こなした往年のハリウッドスターのようなカッコイイ佇まいの紳士を見ているだけで、僕の場合は充分シアワセな気分に満たされるので、仕事帰りのかなり疲労状態だったものの、わくわくさせていただきました。2010年は、個人的に微力ながら関わっている『和文化』とも絡めながら、新しい大人の集まりを催したいです。

2010/03/14

Peter Johnston @EDINBURGH


キャメロン氏からの紹介でピーター・ジョンストン氏に お会いしました。奥様ともどもとても感じの良い、素敵なご夫妻でした。今度、伊勢丹でも展開されるよ うです。彼が本気で提案する2つ釦のスーツはまさにエジンバラの文化と歴史を感じさせるような静謐な大人のためのスーツでした。 Understatmentアンダーステイトメント、の世界です。



基本的には2つボタンを提案しているとのこと。仕上がり後、すぐ街中に着用して行っても、何も違和感ないような自然な佇まい、でも非常にハイエンドなスーツの数々を見せていただきました。ロロ・ピアーナの柔らかめのツイードで俳優仕様に特注でつくっているジャケットも見せてくれました。




Polka Dotのスカーフです。この写真だとちょっとドットが強調されますが、実物ではこのドットの大きさとピッチが完璧でした。ピーター氏と知人になったからと購入したわけではなく、完璧な仕様だったので買いました。春の巻物、通称ハルマキはいくつあっても足りません。



エジンバラの一等地、Queen Street Gardenにあります。この街の自然、建物の色、森の色、歴史、文化、すべての香りが大人の美意識を湛えています。ここからの眺め最高だよ、ピーター氏 は微笑んでいました。



スクエア柄のブルー・ジャガード・タイ。アンダーステイトメントの世界ながら、猛烈な物自体の内在するパワーを感じます。ブリッと胸元にあしらって、勝負タイにします(30代顧客のためにバイイング)。美しいものをまっすぐ美しいものとしてアイテム化することは、たいへんな技量と感性が必要だろうと思います。



本人の画像が別のデジカメにあり、明日画像探してアップさせる予定です。『うわ~、なんだいなんだい!エドは写真上手すぎだよ!カメラマンの仕事してるわけ?』と肩叩いて驚いてくれました。撮る前に、“僕は結構、いい写真とるけど覚悟してね” と吹いてたので、乗ってくれたのだと思います(笑)



この日、初対面の会話で、僕のムートン・レザーのブルゾンとコレスポンデント靴をピーター氏がすごくかっこいいな、と褒めてくれました。“これは実は祖父のお古でさ、祖父がよだれをこぼした跡がココに地図みたいにあって、それがいい味だしてるんだ! ”と僕が返したら、大ウケして、一気にリラックスして会話が弾みました。近々、ピーター氏は神楽坂に遊びに来る予定です。



やはり、ここでもハリソンズのバンチが置かれていました。品質には絶対的なものがありながら、新企画もどんどん打ち出していくハリソンズのラインアップ。神楽坂ではまたいつものアーディッシュに連れていく予定です。(少しづつスコットランドのジェントルマンの間で、神楽坂アーディッシュが名の知れたレストランになったりしたら、結構愉快です)


2010/03/12

How to play...

瞬間的に、今・ここにある現実の世界から、どこか心地よい別世界へと意識を一気にもってかれることがあります。その時は目の前のプレーヤーの存在さえ、ある意味、魔法使いのような無色透明な存在になります。完璧なプレイを演じたい、難易度の高い技を、完璧にクリアして、審査員・観客にしっかりアピールしなければ(あれれ、急に歌の話題から何か別の話へ行く?)という意識の置き方をしている選手が結果的に力を発揮できず銀メダルになってしまって、技はもちろんのこと、観客をどれだけ深く感動させられるか、という自身の精進をエフォートレスなものに見せる意識もある人が、結果的に金メダルを獲ってしまう今日この頃(ああ、フィギュア・スケートの話だったんですね、、、)でした。昨年の荒川静香選手を観た時も同じように感じました。


2010/03/09

Gentleman's item


先日、たまたま顧客先に行く途中で、丸ビルのドゥーズィエム(レディス)に寄ったら、結構カッコイイストールが売ってました。ほぼメンズアイテムといえるようなサイズと柄。↑は、エジンバラにて。確かに、ジェントルマンズアイテムを女性が小粋に巻くのも、ボーイフレンズ・デニムの進化系といえなくもないですね。しかし、ものすごく若い女の子がこんなアイテムしてたら、逆にちょっと心配になるかもしれません、彼女のボーイフレンドって?と。ちなみに、以前読んだフランス雑誌によると、フランス10代女性の恋愛したい男性No.1がジャック・ニコルソン、、日本は?福山雅治さんあたりですか?



新品にして、このように色・柄どうしがぐっと親和しているものは、インポートでもなかなか見当たりません。おそらく一般バイヤーの方がクラシックで端正なものは売れない、ちょっとは奇をてらったものでないと、と思い込んでるのではないでしょうか。新奇な柄にしようとリキむと、たいがいポップな五月蝿いデザインになります。80年代90年代はそれで面白かったのかもしれませんが、今、ポップなデザインはシーズン終わりにはセール対象商品になる運命です。ブルックス・ブラザーズ、ラルフローレン、ポールスチュワートの一部ハイエンドの結構立派な価格のアイテムを見かけますが、これらで本気で良いモノづくりを目的に企画した商品はセールにはなりません。イイですね。

『絶対セールにならない保障』というゴールドのシールを貼っとけばいいんじゃないですかね。ある意味、セールにするかどうかは、それがどれだけの価値があるかが見られるリトマス試験紙です。これは、たとえば自分が読むべき雑誌を見つける過程に似ています。いろんな雑誌が発表するその年のベストドレッサーを知ること、たとえばダニエル・クレイグを挙げるのか、プリンスマイケル・オブ・ケント公爵を挙げるか、これもまたリトマス試験紙です。堂々とした存在感を持つそんな商品には、純粋で強気のパワーがあって、これまた不思議なことに、同じように元気が良くてエネルギーのある人物が買っていきます。気が落ちてセールに回された商品は、人気を落とす力があります。まさに、“気”をつけましょう。



こちらは、キャメロン氏からご招待された、創業が18世紀なのに『ニュー・クラブ』というちょっとしたジョークですか?ってくらいニューではない、歴史あるエジンバラのジェントルマンズクラブでした。この机は手紙を書くための部屋に置かれていて、便箋封筒まであります。仕事を終えて、自宅に帰った後、帰る前に、公人でも家庭人でもない、インディヴィジュアルな一人の男として静かなひと時を楽しむ空間とのことです。

スヌーカー・テーブルにギャラリースペース、豊かな蔵書のライブラリー、バー、レストラン、宿泊施設などあり、時間帯によっては一部女性もくつろげるラウンジ・スペースもありました。これまた期待を裏切らず、最高にスタイリッシュ(もちろんクラシック)に決めた老紳士たち(70後半だと思われました)が数人、満たされたイイ顔をして静かに食事していました。さすがに写真を撮る気になれず浸りました。独特の社交場。食事も、ヴォリューム、味ともに贅沢なものでした。彼が神楽坂来たときはどこにお連れするか、こりゃ相当真剣に考える必要があります。

2010/03/07

セクシーなツイードのミニ丈、


エジンバラの街角、ショーウィンドウのスナップ写真から。シャネル調というよりもソリッド原色の生地。インパクトあります。色の力もあるのでしょうが、街を歩いていて、何度もドキっとして振り返ったマネキンでした。街の色合いが赤みがかったグレイなので、とりわけこの色が似合うのかもしれません。今年のエドワードの春夏はレディスにおいて、シンプルなボートネックのワンピースも展開しております。イタリア生地、スーパー120や150のしなやかで艶がある風合いは、上品なりりしさがあってビジネスにも大活躍のアイテムです。

水の中を進む、


先日納品した、ドーメルの雨に強い生地“アクアプラン” EDWARD販売価格 SV(スーツ上下)¥134,000.SVP(3ピース上中下)¥158,000.にて。リアブラウン・ダンスフォードの裏地をさらに裏使いして、センシティブに、シェイドのかかった淡いモス・グリーンを出しました。清流の苔に見えます。今期、期待されるロロ・ピアーナのレインシステム生地も先日届きました。古くはイザイアのスパイダー、どれもナノレベルでの撥水加工です。


今期はゼニアの清涼生地であるクールエフェクトなど、挑戦的・未来的な生地が登場しています。エドワードでは機能性も大切と考えているので、未来的生地もどんどん使っていこうと考えております。



先日スコットランド行きのプレミアム・オーダー向けにセレクトした鱒のカフリンクス。ちょっと遊び心があるので、若手20代のT氏に似合うだろうと購入しました。僕自身も購入。左から右に泳ぐように、装着すると同じ方向に進んで見えます。先日まじめなスーツに合わせてみたのですが、ちょっと違うかなという感じでした。これこそカントリージェントルマンを気取ってツイード・ジャケットに合わせるとぴったりですね。

2010/03/05

Fabulous Knowledge


Paisley柄は、そもそも不思議な柄ですね。中東(ペルシャ)やアジア(カシミール)、そして英国(そしてスコットランドのペイズリーで商品製造的に成功)へと伝わったとされますが、日本にも勾玉型として存在しています。もともとは、普通に(あるいは、普通じゃない状態で)人が目を閉じた時に光の残像として真っ暗の瞼の裏に見える模様から来ているのではないかと僕は想像しています。これが世界を舞台にシンクロニシティが起きて、それがさまざまな道ゆきを経るたびに、豊かな意匠へと結実したのでは、と思っています。

キャメロン氏は、イングリッシュマダーのペイズリーを見せてくれました。深く命を感じさせるような陰りを帯びた赤、オーガニックゆえの上質な発色を持つアイテムでした。グッと〆て、効かせられる小物はすばらしいですね。自戒も込めつつ逆に考えると、仮に50万円のフルハンドメイドのスーツを着ていたとしても、いまいちなアクセサリーをつけたとしたら、そこがすべてのコーディネートにおけるボトル・ネックとなり、全体の中でその部分の印象だけが残るのかもしれない、ということですね。


他人の目とは、よくも悪くも、着用する本人の(たとえそれが、物語や文化的トリビアに溢れていたとしても、それは、バクっと見た印象評価にいともあっさりと凌駕されてしまったりもするし)自己満足を許さない、“客観性”という名の残酷さを 持っています。まずは基本的なスーツを含めた全体のベイシックなワードローブをそろえきってから、一点豪華に走らぬように判断の美学を発動させて、全体のベースラインをじっくりと上げていくのが賢いやり方です。一点一点も素晴らしいアイテムでありながら、全体的に豊かな生活感が溢れている、キャメロン氏のクロゼットルー ムを拝見しながら、そう感じました。


2010/03/04

Mr. Fabulous

ハリソンズの代表のJames氏が “fountain of knowledge”と言って繋いでくれたCameron氏。ヨーロッパ、ニューヨーク、どこの誰にでもつながっている人物でした。前日は、スコットランド対フランスのラグビー戦で、スコットランドが負け、“昨日はイマイチな気分だった”と笑っておられましたが、ホテルまで迎えに来ていただき、自宅に案内していただきました。

自宅に到着し、外で来ていたスーツの上着を脱いで着替えたジャケットが、ハリソンズの最上級ラインのMillionaireという100%ピュアカシミア生地を使用したものでした。まさに、知人を自宅に招待し、クラブに食事に出かける前に食前酒をちょっとひっかける、というシチュエーション用のジャケット。学ぶことが多いです。

ラウンジ・ジャケットのように、優雅にエレガントに寛ぐ、という愉しみ方ですね。古今東西、ヨーロッパ、ニューヨーク昨今のモダン・ジェントルマンスタイルについて貴重なお話を伺いました。ジャグアから降り立ち、ニコニコ佇む氏を見ていて、ホテルの玄関先にいたちょっとトッポイ感じのお姉さんがポツリと “Oh! Fabulous !”と呟いたのが非常に印象的でした。ファビュラス、という囁き声、脳味噌にズバッと刺さりました。

クラシックというよりも、ファビュラス!(ロマンティックというニュアンス含有しつつ素敵!)という若い世代の受けとめ方こそが、伝統的なものへのリスペクトにつながって、クラシックをイキイキとしたものにしています。さらにそれを旬の魅力として採り入れ、紳士はいっそう悠然として優雅にいられるし、街はますます素敵な街になっていくでしょう。ブキャナン氏ネタは次回も続く、、、