2011/12/25

Ave Maria





一週間後には正月を祝う節操ない日本人の一人として
2人の、母と子の絆を想像してみる、



2011/12/23

すべては歴史の調整局面、



『歴史』は、気が遠くなるような時間の経過であり堆積物。12月初旬、知人であり顧客でもあるM氏に連れられて、代々木上原にて、屋根裏のフレンチと、そこから流れてオーセンティックなバーで素敵な夕べをすごさせていただきました。まことにありがとうございます。僕はどこか名産のイチゴのカクテルを飲んでいましたが、氏のオーダーを少し味見させていただきました。

1950年、マッカラン50、レッドリボンという希少な逸品とのこと。七色の味の変化、というか確かにもう熟成されてブランデーのような味に感じました。味の変化がグラデーションでいろんなところに連れて行かれる感じでした。ネガティブ寄りの表現で語弊を恐れず言うと、“魑魅魍魎(ちみもうりょう)”の味を感じました。

歴史は一朝一夕では作り出せない世界。。。しかしながらこれも、崩壊する時は想定外の唐突さで、一瞬で、人々に『未知』を突きつける。あっ、と叫んだ時には、崩壊し、新らしい秩序が生まれる。

政治も経済も2012年は、ちょっとしたハリウッド映画よりもスペクタクルなことになりそうですね。本日、国内金融市場での1つの大きなニュースを知り、方丈記の一節が頭を巡っていました。

2011/12/22

韓国体験、


11月半ば、弾丸韓国ツアー。新羅ホテルのスウィートをアテンドいただきました。韓国のオーセンティックなスケール感のあるホテル。スポーツ界の名士たちを採寸し、夕食では韓流のスターたちも次々と合流して、地元夕食でのご一緒させていただき、貴重な体験をさせていただきました。


体型的にいうと、日本の芸能界は、少年系。韓国はしっかりした大人の男の体格をしています。徴兵制を含め様々な理由があるのでしょうが、徹底的に厳しくストイックに仕上げてプロとして芸能界に入るという認識が強いのかもしれません。真剣さ、たくましさ。アジアにおいて、つい横綱相撲を取りたがる日本は大いに学ぶところがあるように感じます。


お酒の席で気が付いたら意気投合していたスポーツ界の名コーチ、Mr.Lee から、彼自身が愛用している人参エキスをいただきました。来日したガタイのいいレスリングの教え子たちさんたちが、ぜいぜい言いながら運んできてくれた時には、お酒の席での話ながら、よく覚えていてくださったな、とちょっとジ~ンときました。Thank you very much Mr.Lee ! 2012年は、これ飲んでから、ガンガン水泳でもやろうかと思ってます。

2011/12/20

琵琶湖でのひととき、、



11月半ばの日曜日、N御夫妻のお住まいのゲストルームで一泊、琵琶湖湖畔のオープンカフェでのひとときはとても癒されました。湖畔まで散歩に出かけて早朝ごはん。ちょっとした映画のワンシーンのようでうっとりしました。


ノスタルジックな『ミシガン号』、船内のレストランにてコースを愉しみながら、ぼんやりと遊覧を堪能しました。遊覧船とはいえ、大きくどっしりしている乗り物は時間もゆっくり過ぎるようで気持ちがいいです。

都内、両国から出ている遊覧船もいいですよ。昼過ぎの、世の中をなめた妙な時間に、ビールをゆっくり飲みながら東京湾を一周する、これも何かと癒しがあります。自分が今やっていることを距離を置いてぼんやり考えることも、たまには大事ですね。


2011/12/19

金曜日深夜2時、空車タクシーを



求めて青山通りブルックスブラザーズ前から表参道に向かって進行方向を遡りながら歩いていた先週金曜日。来るには来てもすべて乗客を乗せています。まずいな~体が本調子でないので、できるだけ体を冷やしたくない、、、。しかたない、よっぽど来ない時は、青山通り沿いのモントレーにでも泊まるしかないか、と思いながら。

そう思いつつ、さらに通りには絶望的なまでにタクシー待ちが4~5人いる状態。アタタ、、こりゃ洒落にならん。気が付くと表参道交差点まで来てしまいました。ふと見ると、根津美術館側に、一台ポツンと白のセドリック個人タクシー空車。おおっ、見つけた~。その瞬間同じようにはしっこい人間が数人気が付いた模様、つまりおよそ5~6小グループ、総勢17、8人弱の競争率。

かなりグルメな状況でした。交差点の一番インのポリスボックス角に待っていた僕は、信号が変わるずいぶん前から手を挙げ、“ここに~止まれ、ここに~止まれ~”と意識を集中していました。信号が変わり、空車タクシーはゆっくりしたカーブを描きつつ、投げたブーメランのようにこちらに向かって近づいてlきてピタリと僕の目の前で止まりました。

その瞬間、各交叉点の4角から絶叫ともいえる悲鳴が、、、、半ば酔っぱらっている叫び声で『It's mine! It's mine!』背後からも横からも叫び声。ざっと見たところ、たいがいが酔っ払い。“深夜に大騒ぎは良くないよ、少々アタマを冷やしたまえ”とばかりに憎まれ役に徹してサクっと乗り込みお先に失礼しました。

なぜ僕の前で止まってくれたのか、愛想の良い中年ドライバー曰く、一番シラフできちんと見えたとのこと。きちんとした装い、ありがたい限りです。僕がもしドライバーでもまずは大丈夫そうな、“やらかす危険性がなさそうな”乗客を選びます。まあ(ミニスカ)サンタでも登場すりゃ話は別でしょうが。

2011/12/18

どちらかを選ぶ瞬間



11月中旬、新郎の全身一式をすべてオーダーでコーディネートさせていただきました。独自のお色直しのスタイルを作り、ボウタイとオッドベストだけを変える、というスタイルでいきました。

ボウタイにおいては、ややシャルベのパピヨン寄りのカッティングをしたボウタイを作りました。

2種類の柄のボウタイを2つの仕様で作って渡していました。ひとつは、完全手結び、もうひとつは、結び目が出来上がっているもの。知人ご挨拶の場面、舞台の前で僕は新郎に直接訊ねました。

今、どちらのボウタイをされていますか?雛壇から新郎答えて曰く『自分で結びました』。小さなことながら、心の中でガッツポーズをした瞬間でした。@大阪帝国ホテル・朝。

2011/12/04

Grace Kelly @MONTBLANC GINZA



12月に入りました。それにしても11月は仕事での100人組手的スケジュールに加えて、制服案件、そして大阪、韓国、ヨーロッパと、夜はほぼ即寝・爆睡コースでした。それに加えて、ブログの入力システム変更は困りますね。更新するのが致命的に億劫になります。

文章と文章の間にイメージ通りの余白がつくれず(異常に詰まりすぎたり、異常に開きすぎたりして、BrBrとか、タグを愚直に直接打ち込まない限り気に入った余白量がコントロールできない)怒り心頭に達します。オート・コレクト機能に始まる一連のこのパソコン系おせっかい機能にはまいります。

さて、緊急の仕事が本日一区切りしたので、10月まで遡って、心を動かされたことを思い出しながら書こうと思います。12月に入り、夏の肌持ちが完全に記憶から消え、ここ数日すっかり冬ですね。時間がたつのは早いです。

書きかけた一番新しいブログの下書きを見ると、10月ももはや今日で終わり、という書き始めで、驚きました。ミヒャエル・エンデの小説『モモ』ではないですが、あまりにも忙しいと時間泥棒が住み着いてしまいます。

さて、10月14日金曜日にご招待いただいたパーティー(モンブラン@銀座本店)は抜群に印象に残る、気配りの行き届いた完成度の高いパーティーでした。時間ぎりぎりまで神楽坂で仕事だったのですが、息子Scott君を銀座の託児所に預け、妻と一緒に行きました。

ヒッチコック映画のスリル&恐怖シーンで、彼女の正統派的美貌は、物語を一層ひきたたせる一種の『型』を(これこれこういうスリリングなシーンには、こういったまっすぐに優等生的美人がでてくるもんだ、、、というようなスタイルを)確立したように思います。ヒッチコックに関しては、物語展開の“圧”とキャスティングなどの“抜き”の切れ味が抜群の妄想紳士ですね。

モンブランは歴史的に、グレース・ケリー、そしてモナコ公国とは特別の関係があるとのことで、彼女の肖像写真を公の場で正式に使用していいのは、モンブランだけらしいです。他ブランドにおいて、彼女の名前を関した“有名すぎる”あの商品を持つブランドでさえ、正式には使用できないとのこと。スクリーンに登場する、お約束の物語・表情・演技、飽きることはありませんね。

2011/10/23

酒好きめ!




時間が、あいかわらずものすごい速さで過ぎていきます。自分の時間が取れない中『酒好き』な日々を送っております、というのはこれ全くの冗談、せいぜい晩酌程度にアサヒスーパードライを350ml、缶ビールひとつ飲むくらいです。とにもかくにも、連日キャパシティを超えバタバタしている昨今、出勤前出しなに唱える言葉が、

サ 財布
ケ 携帯
ス スイカ
キー 鍵

となっております。しかしながら、本日クライアント先にテープ・メジャーを忘れる、というここ10数年で初めての大失態をやらかしてしまいました。クライアントがレベルの高いホテルに滞在されていたお蔭で、コンシェルジュ・コール一本で、テープメジャーを部屋まで持ってきてくださり、ギリギリ助けられました。ということで、即・失態をフィードバックして本日2011年10月23日より、

サ 財布
ケ 携帯
ス(発音上ズとリエゾン) スイカ
キー 鍵
メ メジャー

に変更することになりました。寛容なるクライアントとホテルの最高度ホスピタリティにフォローされながら、最上級のご提案をせねばならず、厳しい状況の中、BOWER ROEBUCK SpunCashmere100、梳毛のカシミア100の独特の味わいあるファブリックで3ピースでのご提案にお付き合いいただきました。同じヘリンボンでも、spunCashmereのただならぬ質感は、カーボン素材の貴金属系(audi R8の猫背部分のような)の、めったにお目にかかれない底艶があります。

ここ最近パリ関係の情報・ネットワークが充実してきました。時間を捻出し11月24日から渡英仏いたします。クライアントからのリクエストが増えてきたアイテムやラインアップを一流の職人たちの手をお借りして制作するべく準備中です。凛々しく抑制の効いた英国的シルエット、やわらかいフランス的素材感センス、それらをエドワードエクリュ流に、オリエンタルマインドの奥ゆかしさで配合させていただき、愛すべきアイテムを出現させようと思います。上写真は、老舗フランスベルトメーカー@日本の展示会。

2011/10/09

Not fashion,but code



たとえば、ヨーロッパの田舎を移動する鉄道の旅。見慣れぬ東洋人が乗り込んでくる、かすかに走る乗客の緊張。コンパートメントの空間には、英国人風の老夫婦、そしてゲルマン系の中年の紳士。謎の東洋人はスーツの内ポケットから宿泊先の絵葉書を取り出す。右手にはモンブラン。


この時点で、この見知らぬ東洋人は、ヨーロッパ系乗客から人としての信用のおそらく半分以上は稼いでいる。軽い挨拶、着用しているスーツ、取り出した絵葉書にちらっと見えたホテル名、そしてさらさらと流れるように動くモンブラン。乗客は彼がいったいどういった人物かを知る手がかりを十分すぎるほど与えられている。あとの50%は本人の人生を愉しむ才覚だろう。


スーツはもちろん、鞄から筆記具にいたるまで、Gents世界では“Code”にまで高まったアイコン的アイテムがある。時には、確信犯的に、わかりやすく選び、わかりやすく効かせることが賢い。Fashionでたびたび登場するコーディネート用語、ヒネル、ハズす、アソブ、、、、。しかしながら、モノ世界内で閉じて小さく遊ぶよりも、口笛を吹きながら軽々とCodeを突破して、人生という大人の遊び場でぞんぶんに遊んだほうが愉しい。写真(※氏はモンブランにてペンGAIUS MAECENASを購入、一番下のダレスバッグはmade in Japanの万双製)は、重量感溢れるモデルを購入されたP氏@銀座モンブランブティック。

2011/09/30

Crazy classic



英国本国から直接仕入れております。超クラシック(※か、あるいはクレイジーか)のキレのあるアイテム。クリスマス・シーズンも遠くのほうに見えてまいりました。タキシードまわりのパワーアイテムも納得いくものを妥協せず整えてまいりましょうね。



2011/09/20

要注意!クール・ドランカーの紳士たちへ



例年といっていいほど9月20日前後、突然気温が下がる日が来ます。これは以前先輩テーラーから教えられました。この日が、秋冬商戦の大事な日だ、と。ふっと寒くなって初めて秋冬の支度を考える、、、、しかしそれは一般人の話ですね。

ここ数年のエドワードエクリュのクライアントは、残暑のころから秋冬の生地が出そろう直後には冬物のコートをオーダーされます。月末の最終日に振込に銀行に大行列する人々があまりクールじゃないように見えることと共通するようにギリギリで何か焦ってヤル、というのはあまり優雅ではありませんね。

20年以上風邪ひいたり、食アタリ(牡蠣2回)以外は体調壊したことない体調管理バッチリの僕でさえ、例年のこの時期は警戒モードです。一年中3ピース設定なので、一気に気温が下がるとグラグラっと不安定になりかけます。いわば、真夏の揺り戻し、自律神経の反動です。気を付けましょう。

最近、頼んでいた名刺が出来上がってきました。 “Engraving” という銅版印刷を試しました。ボストンの拠点のあるクレーン社が有名なのですが、メイドインジャパンでやりました。フォントを選び、ミリ単位で指示を出させていただき、お付き合いくださったデザイナーの方に感謝しております。銅版印刷は紙幣の印刷手法。銀のインクで印刷しました。

記載されている内容はシンプルに、名刺の佇まいが、自分が今後アウトプットしていくであろう成果物のクオリティを予感させるもの、語るものでありたいと思います。有名なブレッド・イーストンエリスの(かなり笑えるブラックな話)小説が原作の映画『アメリカン・サイコ』のワン・シーン。彼らもシンプルなレイアウトながら、この銅版印刷を使っています。ここの“名刺合戦”に出したとしても、メイドインジャパンのクオリティは1番でしょう。

2011/09/15

911 ピクニック運動会



Scottと妻、そして姪っ子・甥っ子連れてみんなで新宿御苑に行きました。昨年にくらべてちょっと湿度が高く、がんがん走りまくるにはちょっとハードなお日柄でした。体育教師よろしく、熱中症にはさせないように、はい、水飲んだね?などと確認しつつ。

元気すぎる子どもは走らせるのが一番。遊びに来た甥っ子姪っ子連れて、今年で2度目です。子どもは走りまくり、体を鍛え、大人はゆっくりおいしいサンドイッチ片手にワインやビールやシャンパンで大人時間を一服、というのが理想的な子どもと大人のWinWin時間でしょう。

しかし昨年より知恵がついてきた彼らは僕を走りに巻き込もうとしてきます。いちど全力疾走させられました。後半、巻き返し、遠くのほうを指さして『あの、激ヤバいくらいの遠くにある、あのピカチューみたいな木は何かな?あれ、やっばいな』などと言って、何度も長距離も往復させることに成功しました。


僕は、前回のフッティングとはちがって、この日はそうとう着倒して色も褪せているカチョッポリの麻100%のジャケットと、コットンピケのウエストコート、チノパンにスペルガの白、復刻モデルでした。麻素材のスーツは、着古すと限りなくデニムの感覚に近くなります。体の形に馴染み、ここちよい柔らかさが出てきます。究極の1着(1着を無人島に持っていくとしたら?的な)は麻のスーツだ、と答える老テーラーは結構いるようです。

ぼくも、これは一度アフリカ送り(※この甥っ子姪っ子の故郷マラウィに、着古したスーツ、ネクタイ、シャツ、そしてレコードやCDなどを年2度ほど送ります)にしようかと思って麻の変化をしっかり1次情報として見届けねばならん、と思い直したのでした。色落ちてますがよく着ています。麻はちなみに、『盛夏』ではなく、初夏・晩夏のものとして調節して着用されるとよいのではと思います。


※この時期のピクニックの注意点  “ くんたちはこの時期、じゃっかん神経質 ”
この日、鉄砲玉スズメ蜂が、スコットくんの50センチくらいの距離まで接近したのですが、それには理由があります。後で気が付きました。数分前かくれんぼごっこで御苑の森の中を走り回ったのですが、おそらくそのどこかで繁殖期のスズメバチの巣の近くに限界を超えて接近したのです。役割に忠実な門番スズメバチが警告にやってきたのでした。彼らは自分の役割に忠実なGentlemanなので、リスペクトしてあげましょう。森には森の、dress code ならぬ wood code 、森の文法、があるんですね。

2011/09/08

知ってると自由になる



セルフ・メンテナンス方法、賢いローテーション、知っていると、スーツまわりのワードローブも必要最低限になります。

2011/09/02

Scottish highland



スコットランド・ハイランドの風景、硬質な空気、圧倒的な透明感、ときに残酷・ときに寛容な歴史、気が遠くなるような寂寥感、古代ヨーロッパの痕跡、車窓からの景色を愉しむ老紳士“我が心はハイランドにあり、、、、”


もちろん、(僕は嗜みませんが)クラシック・ゴルフ好きにもスコットランドの魅力は尽きることがないでしょう。早々入手していたセント・アンドリュースのクレストも出番待ちです。 ロイヤル・スチュワート柄でパピヨン寄りのカットのボウタイ+ウエストコート(オッドベスト)製作しました。今年の秋冬も楽しくなりそうですね。



2011/08/31

L.O.T.J.



さて、明日から9月。L.O.T.J. Lovely old tweed jacket の季節が近づいてきました、といってもこればっかりは2ヶ月、3ヶ月先の話でしょうが。遠くにL.O.T.J.秋冬物の存在が感じられる季節になってきた、といったところでしょう。ツイードは、ひたすらカントリーで素朴な存在と思って油断しててはいけません。
世界には自分ひとりしか存在していないんじゃないか?と感じるくらいの不謹慎なほどの早朝、むしろ不健康?って心配するくらいの早朝に、L.O.T.J.に身を包んで澄み切った森の中をゆっくりと歩く、夜の眠り世界から、夜明けから朝に向かって神経系が噴き上がるように開放、、、、妖精見えますよきっと。




2011/08/23

シャルベのパピヨン



本日、日本橋三越のシャルベにて仲間用にオーダーしていたシャルベのボウタイ(シャルベではパピヨン・蝶と表現します)を受け取りに行きました。ヨーロッパはバカンスに入っていたので、二、三か月弱かかりました。もちろん、作り付けの最初から結んであるタイプではありません。フック無し、アジャスター無しのフル・フラット納品。おそらく、日本橋シャルベの店舗販売では日本初のフルフラットオーダーではないかとのこと。

数か月前、ショップにある、シルクファブリックのスワッチ見本を、全部隅から隅までメモとりながらチェックして2人の顧客用にオーダーしました。受け取りの場で装着感を確認してもらいました。メモで完全に素敵なファブリックをチェックしてあるので、そのまま速攻で4点追加オーダーして、次回の11月前後の出来上がりを待ちます。なにしろ彼らは現在もバカンス中トホホ、、、しかしそれでこそいい色・いい形が生まれるのでしょうね。

もちろん、エドワードエクリュでもオリジナル作っています。まとめて作ってもすぐ売り切れるので在庫現在0ですが。なかなか時間に追われて、企画時間が取れません。困ったときのシャルベ頼りですね。平日の日本橋三越は落ち着いて店内見ることができて一番おススメしていますし、僕自身一番よく行く百貨店です。冬は、メローラのグローブを3回同じものを買いにいきました。(コートのポケットに入れていて、何度も落とした結果)ポケットチーフもいいものが紛れています。

本日、チラッと見たところでは、タイ・ユア・タイのオーダータイがよかったです。幅9センチのふんわりした質感。既成で自信を持って太幅タイを提案しているのは、知名度高いところではトム・フォード、フランコ・ミヌッチくらいかもしれません。国内ショップは、常に“みんなといっせいに同じ”なので、細いネクタイが流行るとショップの陳列は95%近くが細いタイとなってしまいます。自分なりのスタンダードな物差しを持つことが、末永く付き合えるアイテムと出会える秘訣ではないでしょうか。

2011/08/21

高気温・高湿度、



この1、2週間、3ピーススタイルでおられた 方々は各々、気温・湿度高い中で平然としておられるコツを体得できたものと存じます。先々週、木曜日でしたか、昼間は熱帯のような一日で、昼早めに神楽坂下の鰻老舗の『志満金(しまきん)』にて鰻定食を摂り、昼は30分仮眠して体調を整えました。

睡眠が十分で、朝ごはんもしっかり食べて、呼吸はゆっくり静かに、(多少の)アドレナリンを出しながら歩くと、副交感神経(自律神経)も円滑に働き、灼熱の戸外であろうとも平常心でいられます。

立場的には秋冬ものの話題がいいのでしょうが、僕は、『商品力』+『運用力(どのように着るか・使うかの知識)』=『価値』と思っているので、どうしても、きょうび気になるところです。


<今日は、ひさびさ神楽坂で一日中事務仕事をして、ランチを定番の『アーディッシュ』にてとりました。数か月前にシェフの方が変わり、フランスにて数年修行された仏文出身のNさんがバトンを受け取った先頭走者となっておられます。びっくりするくらい美味しく、いよいよ本気を出して来られたんだなと認識した次第です。スイーツのあしらいも美しい一品でした。

2011/08/13

明治紳士の佇まい、



仕事柄、“心を動かされる”くらいの男の風貌やスタイルについては、アンテナを張って吸収しています。身近な友人たちのたたずまい、粋で男前な行動からも多くのインスピレーションをもらいます。

ハリウッド映画の古典的な男たちのイメージや、各分野でのひとかどの人物と直接お付き合いさせていただくことで、さらなるインスピレーションをいただいております。しかしながら、歴史上の人物とは直接お会いすることはできません。

顧客の注文伝票を書き終え、たびたび気分転換に近所の本屋で立ち読みします。先日衝動買いした二冊。各、重光葵氏は明治20年生まれ、土光敏夫氏は明治29年生まれ。どうもこの明治期の男たちの気骨、そして哲学、そして風貌、佇まいは、大正・昭和の男たち以上に高い“大人度”を感じます。

土光敏夫100の言葉(出町譲著)は、妻の復職祝いがわりにプレゼント、重光葵(福富健一著)は自分用に、二冊を夏休みの課題図書にしました。

2011/08/11

育パパ旅行記@香港

一気に写真30枚分の旅行記です。セレクトした写真見ると、われながら“親バカ育パパ日記”となっております。やはりパパ家族旅行といってもそこはそれ、キメる時には緩まずキメたいところ。装身具類カフリンクス、フラワーホルダー類はジップロックに入れ、ギシッと入れて動かないようにして、ケースに入れます。 先日の渡仏時にシャンティイーにて購入したケース。中にはミラーもついて非常に使い勝手がいいです。お土産に買って帰り喜ばれました。
香港は初めてだったので、王道からおさえないと、と7のことでペニンシュラ香港を選びました。渡香のスタイルは、ウィリアム・ハルステッドのキッドモヘアのダブルブレストのジャケット+ヴェストとライクラ素材混のシワになりにくいベージュのトラウザーズ。

今回は旅用のワードローブの研究・実践(実験)もそうとうフィードバックできましたが、おおよそ狙い通り、予想通りのパフォーマンスを確認できました。クリース(パンツの折り目)が5時間のフライトくらいでは全然変化なく、かつ旅のあいだじゅうずっと折り目がきれいにキープされていました。 老舗ホテルに行ったら、館内案内のヴィデオや冊子でドレスコードをチェックします。(単純に厳しければ厳しいほど喜ぶ)しかし、ディナータイムはみなさま、きちんされていましたが、ここはやはりオリエント、昼間の半パン・サンダル姿など、全体まだまだゆるすぎる印象を持ちました。
今回、3セットの上下でしたが、綿100%のコードレーン3ピースは、ややドレス度高いイメージに使いました。
『ほれ、まずはなによりもここ、“Traditional”とついているものを選ぼうね、将来キミが、スーツの袖口の切羽の色を違う色にしたい、などと言ったら勘当するからね。それから、今の日本の総理のようにシャツのボタン穴の色でアクセントをつけたり、変なところを工夫しているつもりで、アレンジしていじくっていたらパパは許さんぞ、、、』教育中(笑)
英語の下に漢字がついている、萌え、ですね。いちいち覚えて学習していました。
ビル街のスケールの大きさ、乱立(連立)ぶり、たいへんなパワーを感じました。
しかし、足場は噂通り竹なんですね。このたくましさがまぶしいです。まちがっても日本はアジアの中で横綱相撲取ってる場合ではないですね。
あれれ、ついシャッターを押していました。Let's Shine!
知人からプレゼントされたボンポワンのシャツを着て。腰で座れるものの、時々横に倒れるので、育パパ的にはあまりよそ見ができません。色っぽい看板見てる場合でもありません。
今回、さらに試したものが、このウール100%のシアサッカーの3ピースでした。これも旅行用に開発された特殊織の生地素材で、非常に軽く、クシュクシュっと丸めて畳んでボストンに軽くコンパクトにまとまります。ウールはそもそも非常に優れた繊維なので、夏でもよくできたものはパフォーマンスが最高です。

香港の亜熱帯に3ピースで挑むにはピッタリでした。これで海水浴にも行き、それにボウタイを加えて、レパルスベイホテルのヴェランダにてランチしました。ウォッシュ・ルームには執事がいて、僕がボウタイを装着するのをずっと凝視していました。手を洗った後ハンドタオルを手渡ししてくれたので、重いコインのチップを渡しました。
海水浴に行く直前に朝ごはんで食べたお粥。LAW FU KEE NOODLE FOODS。妻がピータンのお粥、僕が海老のお粥。どちらもびっくりするくらい美味しいでした。一人前250円前後。レディズのお客様でもあり友人Yさんからの香港通レッスンによって、外すことなく、とてもいい旅ができました。感謝いたしております。
香港は、潮州料理がおいしいとのことで、代表的なこのホウレンソウとチキンのスープがこの旅で一番印象に残りました。
海辺にベビーカーごと運んでいく途中、安全ベルト忘れて、砂浜にボトッと落とされたスコット君でした。砂浜に大の字になって爆泣きして、育パパ免許の点数が5点減点されました。一応、日焼け止め塗ってもらっています。
おそらく今年最初で最後の海水浴。早い時間だったので、人も多くなくてよかったです。天気にも恵まれ、なんとなく、昭和40年代くらいの日本の夏休みの雰囲気を思い出しました。
レパルスベイホテルのインテリアや内装はクラシックながら、とても洗練されていました。ペニンシュラグループでもあり、やはりヨーロッパの香りがしっかり存在していて、中にあるショップ、インテリアやリネンショップなど素敵なショップばかりでした。


お絵かき道具など与えられ、(ひたすら画用紙を食っていましたが)おりこうにしてくれていました。一度、むずがったので、ちょっとホールを出て落ち着くまで散歩に連れ出しました。



あなたは、クラシックテイストがたいへんお好きなのですね!こちらは我々からのサプライズ、特別なスフレです。。。マネージャー氏からの粋なプレゼントにハッピーな気分になりました。セピア色の絵葉書セットまでいただきました。

しかしながら、こうやって見ると、この写真の僕の飲み物の飲み方は悪い例です。お茶を飲む僕の唇がカップに向かってにゅ~っとお迎えにいております。シガーの吸い方同様、人間がモノを迎えにいっちゃあいけません。カップを口元までひきつけてこんといかんです。


スフレィ~という発音が耳の奥に残り、この思い出は2011年夏の素敵な記憶のひとつになりました。

C’est un gâteau qui ne supporte pas la médiocrité.

(セッタンガットゥー キ ネシュッポルトゥパ ラ メディオクリテェ)『これは、凡庸さに耐えないお菓子だから』今度、“オーダーメイドする語学テキスト”の話は別の日に書きます。

夜は親子ボウタイで、ホテル内の広東料理spring moonに行きました。ダブルボウのパワーか、アカゴ連れながらセンターポジションの大人席に通されました。スコットがこの時はちょっとワンパク・モードで落ち着きがなかったので、すわ!リタイアか、という気になりかけましたが、ちょっと散歩に連れ出し、3分くらいの間に揺り籠メソッドで、完全に寝かしつけて復帰できました。


前向きにエルゴでScottをだっこして静かに動いて、起こさず食事することができました。まわりに迷惑かけない範囲で、あきらめずチャレンジしました。
コードレーンの3ピースに、 黒のタキシード用のスタンドカラーのシャツに黒のボウタイを合わせました。

なんとか、果敢に大人の場所に連れて行き、うまくやっていた彼でした。
朝6時から泳いでいた父に付き合って、プールサイドにもつきあってもらいました。僕は、プールにいたトレーナーのルイス氏にフォームを見てもらいました。フリースタイルでは肩をぐっと上げて、コンパクトに、インサイドに、というアドヴァイスをもらい、ずっとコーチしてもらいました。結局プールは3日間利用したのですが、明らかに進化させてもらいました。

ヒコーキの気圧問題も元気に過ごしていたのですが、最終日、疲れもたまっていたのか、出発数時間前、朝ごはんでのシリアルかブラウントースト(口にした瞬間マズイ!という表情をした)なのか、アレルギーを発症。ちょっとアセりました。妻がコンシェルジュに緊急状況を伝え、最速で近所の病院に到着することができたので、大事に至らず、予定の便で帰国することができました。 かなりアレルギーによって、ただでさえ福耳が、一層おめでたい超福耳になった次第でした。
帰りの飛行機では元気が戻り、いつも通り愛想よく、(特にお姉さま方には一層愛想よく)ご機嫌に帰国したScottでした。ワーカホリックの父親のコーディネート検証やら、新作スーツのパフォーマンスチェックなどもたっぷりできて、もちろんゆっくり楽しむこともできた2011夏休暇でした。