2016/12/03

Sence of sports スポーツから抽出できるはずの黄金




服飾研究で先週渡欧していました。“ スポーツ ” というテーマがありました。もともとは、息抜き、気晴らし、楽しみというようなフランス語に由来する単語の変形らしいですね。日本では、油断すると少年野球や学校の部活に代表されるように、あるひとつの価値観で洗脳教育に近いスタイルで、単調につっぱしりがちに思えます。


実は、スポーツから克己心や根性ではなく、他のもっと貴重な栄養分を抽出しているっぽいぞ、と日本でも気づき始めたように思います。たとえば、クラブ文化。1.お姐さまたちがいるクラブ、2.DJのいるクラブ、3.スポーツの後ジャケットを着てくつろぐクラブ。この3番目です。クッキーを欲しがった冒頭写真の紳士は例外的にドレスコード“裸”なのですが。。




ところで、シャカシャカ系(石油系のワークウェア、スポーツ・ウェア)個人的には、ほぼパタゴニアとモンベル(高価なモンクレールでばなく)です。シャカシャカは必要最低限でありたい、そしてできるだけツイードとかフランネルなど、ウール使用でのスポーツ・ウェアでありたいものだと心しています。英国スタイルがお好きな方はみなそういう指向に行かないとおかしい、と思うのですが、、、

しかし、早いもので12月です。。2016年は激動の年でした、世界も変わり始めていますし、個人的にビジネスの考え方も大いに変わった年でした。大きなツリーの中心から、風変わりな和風オーナメントとなって、早めのメリー・クリスマスを叫びたいところです。




上は、乗馬を巡る、馬場や厩舎や事務方の交渉ごと、ホース・ショーでのエドワード・エクリュの装い。3ピースでのハリス・ツイードにペイズリーのタイ。ウール・タイがふつうかもしれませんが、ちょっと交渉寄りの時はタイを挿したほうが、みなきもちよいと感じます。

ウィーンの街中のトラッド・ショップには、ごくごくフツウのまっとうな(昔からある柄という意味で)プリント・ペイズリーのアイテムが揃っていて、滞在時間約5分の中で、いっしょにいた2人の紳士のために速攻大人買いしました。有名な紳士スタイル本、ベルンハルト・ルッツェル氏のインスタでも紹介されていました。とはいっても、現在エドワードエクリュのオリジナル・タイを製作中。2017年初旬に完成予定です。




素朴なヨーロッパが残る南ドイツは、イタリア、フランス、オーストリア、スイス、リヒテンシュタイン、東欧諸国と機動力が高くポテンシャルを感じます。ハンガリーを拠点にして、ヨーロッパ各地の都市部へアクセスする感覚は、都内の東に慎ましく住んで西に出かける感覚に近く、親近感を覚えます。新鮮な食材があって、空気がきれいで、サービスも素朴で暖かい、となるともはやそれ以上をイメージできません。






昨月はケイイチロウ氏がバロン氏にブリーフ・ケースを納品しました。形も色も端正で大いに気に入っていた模様。天気がよかったので、表参道のアニヴェルセルにて。ケイイチロウ氏が着ているセーターは彼のお母様の手編みのもの。職人の方がたに新しい生き方のインスピレーションを与えることができる青年だと、毎回会うたびに感じます。速攻、バロン氏はつめ先で表面に傷つけてしまいましたが、それを気にしないところも、けっこう大事なセンスだと思いました。。



2016/10/25

『 木を見て森を見ず 』 は、装いにおいてはオススメできません、要注意!





靴とか生地とか、それ単体でのめり込み過ぎる人が増えると、自分とのかかわり関係なく、物単体を崇めるコレクター的な傾向になるので、ショッピングを好きな人が増えてきて、経済効果は上がります。ただ、それによって各人の装いの全体観が損なわれます。

物自体のみを語る、つまり靴単体や生地単体の薀蓄を歴史から、組成から語ることに喜びを見出す(服飾史家や学者のような)方々の存在は、見識が豊かになるので、貴重な方々ですし、重要な方々です。

しかしながら、一般的な人々にとっては、優先順位的に、装いの全体観のほうが大切なので、自分と切り離して、物だけ見て語る服飾史家になる必要もないし、むしろマイナスに作用することも多く見られます。

トリビア好きは、優先順位が壊れておられる方も多いので、木を見て森を見ずで、本人の実際の着こなしが残念な人が多い、というのは同業者の一致する意見です。(おそらくどの業種でも)




たとえば、素人(しろうと)の目線は、靴だけを凝視するので、目線をたとえていうと上から2番目のような写真になります。この写真が素人の目線です。

靴だけを見ます。パンツが後ろに引っ釣れてるのに。。そして、滑稽なシルエットである一部流行のトラウザーズ(パンツ)のシルエットも手伝って、この2番目や3番目のような目線で見るのですが、それは残念な目線の例といえます。

一見、このように写真で写すと、ロングノーズで素人ウケする、シャープで尖ったシルエットに見えるので一般男子はカッコいいと思ってしまいます。世界中の instagram などで、90%近くの靴マニアがこのようなアングルの写真を撮っています。

しかしながらこれは、画面がパンして、もし引きで全体を映し出したときに、その着用者が “どんだけ ピノッキオやねん ” または “ どんだけルパンⅢ世なんかい ” といった有様であることが白日の下に晒されます。これを 『 木を見て森を見ずの(素人)目線 』 といいます。




どんなに、手の込んだ、こだわった、職人的な技法であっても、裸に靴だけを合わせるわけではないので(そういえば、その装いを街で見かけることはあまりありませんね)、必ずトラウザーズとの連なり、組み合わせの目線が必要になります。

ですので、1番上の写真の目線だけがプロの目線です。商品選びのすべてに言えることですが、一品、一品はどんなに素晴らしいものであっても、それは装いの一部である、と正確に認識すること、つまり “ パーツの認識・わきまえの認識 ” によって、美しく納得できる自分らしい全体観が獲得できます。そもそも、完成されたひとりの紳士の着こなしですら、景観のつらなりの一部でしかありませんから。。

ちなみに、1番上のモデルは神楽坂『Berun:ベルン』の竹内君。靴はJohn Lobb トラウザーズ(スーツ)は、裾幅22センチ、でハーフクッション(ゆるやかに靴にかぶさるくらいのユトリ)ちなみに、“生地”はハリソンズ・オブ・エジンバラのFine classic の淡いブラウンのシャークスキンです。

短めのパンツ丈の裾が輪っかになって、ぐるぐるフラフープのように自由自在に動いて、そこにきてロングノーズ気味の靴がドヤっ!と存在を主張しているのは、もともと短い脚の日本人が一層短足に見える、という残念な結果になってしまいますので、要注意です。

1番上の写真のように、ちゃんと、このようにナチュラルに靴に軽く被さって収まっているほうが、大人の落ち着きがあって美しいと考えますし、自分たちはアジア人の骨格を持った日本人であるという変数も加味した良識ある(わきまえた)全体観とバランス感覚だと思います。


2016/09/12

開発やアドヴァイス、小さく深く進行中。




これは、3年前パリに渡ったマダムMさん用に企画製作したものです。馬術・乗馬服や狩猟や野外用のトラウザーズ(パンツ)など、タフな素材で、極めて英国的な生地、Bedford cords(ベドフォード・コード) を使っています。それをコーレスポンデント靴仕様にして、グレイッシュな黒で合わせています。靴先の洗練を強調させるべくチゼルにしたりロング・ノーズにしたり、尖らせたりするよりも、ちょっと英国風の素朴なシェイプである部分が大切な微差(びさ)だと思っています。見せたいところはアクセント1つだけ、あとは、その通常からしたらイレギュラーな仕様に沿うようにできるだけ自然に、やらかさずに通す、ということです。

素朴さは、風通しのよい余白のようなものなので、できるだけ、デザインの判断において、トンガリかふんわりか選ぶ局面があれば、エドワードエクリュ的には常に迷わず、“ふんわりして素朴”のほうを選びます。このあたりは、尖がって鋭いものが大好きな男子感性と違うところかもしれません。英国×仏国×男性×女性その4つの要素の組合わせがテイストづくりの鍵かもしれません。

これを、無地ワントーン・コーディネートのグレイッシュな挿しアイテムとして使うと、とてもステキだと思います。小脇にフィガロ誌でも挟んで、カフェでお茶している姿が似合いそうです。このコードという生地は実に風合があって、大好きです。これが組織が薄くなると、最近なかなか手に入れにくい、ピケ素材(×コードレーン ⇒ 〇ピケ:Pique)になります。

この秋冬は厚手コットンの白のトラウザーズを作ろうと思っていますが、素材探しがたいへんだろいうなあ、と思います。個人的な2016年の春夏はイタリア・カルネ社のエクリュ色のコットントラウザーズ3本がとても重宝しました。カーキほどワークではなく、白ほどカジュアルではなく、淡い白、練乳色の白、極めて淡いまくりのベージュ、というようなエクリュ色のやや厚手のコットンは、端正で上品なので、どんなジャケットやポロシャツにもよく似合いました。




こちらは、ネクタイ用に描き起こしたペイズリー柄です。上の明るい黄金色で実際にタイを作りました。人気だったので、自分の分までクライアントに販売してしまい、サンプルタイもなくなりました。なんなんだろう?ペイズリーって、と思います。あまりにも、売っていないので、スコットランド・ペイズリーまで行きました。結果、博物館しか存在なくて、そこもチロチロ資料しかなくて、大したものが売っていませんでした。というわけで、作りました。おそらく、人間が目を閉じたときの瞳の裏の光の残像のようなものだと思います。

人間の(いや、犬もネコもかもしれないが、、)意識が混濁した時に、古今東西を問わず、意識・無意識の中に出現する模様、というか。。曼荼羅やマンデルブロー曲線のようなものですね。昔から存在する、土の色、煉瓦の色、エンジ色、緑色、辛子色、といった地味でオーガニックな色だけを使った、何の変哲も無い、トラッド調のものがほしいのですが、なかなかいまだに見つかりません。スコットランド・エジンバラに行った際には必ず寄る(インスタでもフォローしている笑)、老舗トラッドショップのスチュワート・クリスティにはボウタイも含め売っていましたが。。

人生の記憶に残っている、クラシックなペイズリーといえば、数年前日本橋三越の一階で見た、企画物のネクタイのカスタム・オーダーで、タイ・ユア・タイのコーナーにあった、生地サンプルに最高のペイズリーたちがありました。それ以来、一度も製品としてクオリティの高いペイズリーを見たことがありません。時々、写真でいつもぼんやり眠そうな表情のルチアーノ・バルベラ氏が、さらっと普通の挿しているのを見るくらいです。



なにしろ、今年の4月からフェイスブックをはじめ、ライン、インスタグラムと愉しんでいますからね。数年前の自分はどこへ行ったというくらいの、2016年の心境の変化っぷりです。そして、先月は、ポール・スミス展にも行ってみたという、以前の自分では絶対にやらない選択肢でした。って、ことで、わりと、ファッションに対しても自由な感覚にここ15年ぶりになっているのですが、上のヴィヴィアンも実はヴィンテージ資料として数年前に買っていました。アーマー、ツイードでどんな仕組みになってるのかな?と。連結部分はいったいぜんたい、と。でもこれは、やはり、凄い発想だと思うんですよ。買ったとき、正直、猛烈にトキメク自分がいました。

70's 80's いずれもやりたいことの宝庫。特にヒネって、オリジナル風に加工する必要も感じないくらいに、そのまんまパクりたいこともたくさんあります。さすがにアーマーはやらないでしょうが。。この秋冬はあくまでも普通のジャケット、普通のヴェスト、普通のトラウザーズ、というアイテムをメインでやりたいと思います。そのふつうって何?ということですが、たとえばトラウザーズならば、股上26~28センチ前後あり、わたり幅、ゆとり寸もしっかりあって、裾幅も最低20センチ前後あって、そして今年の一番重要なリトマス試験紙ポイント・チェックポイント、その着手のスタイルに対するスタンスが一番良く分かる部分でもあるパンツ丈。それも、ハーフ・クッションくらいしっかりあって、といった至極真っ当なかんじで行こうと思います。最近業界的に多い着こなしである、8分丈、9分丈のスーツスタイルでのパンツ丈が極めて滑稽なものだ、と認識される(カジュアルならアリですが)のには1年とかからないだろう、とエドワードエクリュのクライアントたちは見ています。

追伸:
今月9月22日は、表参道にて中規模パーティーを催しますが、今回は基本レディズ発表会とちょっとした記念バースデイなので、そのどちらの要素もいずれも関係ありそうな方にだけ、お声お掛けしました。午後6時ジャストにショーが始まりますので、くれぐれも遅くとも午後5:00時までには、受付を済まされて、地下のボールルームまで降りられて、ご歓談していてくださいませ。5時50分ごろから、入り口入っても、下り階段が使えなくなりますので、ショーが終わる19時からの再入場になってしまいます。くれぐれもご了承お願いします。


2016/08/01

徒然なるままに、生地についてあれこれ。



以前一度、急遽翌日までにブラック・タイ仕様の小物一式を揃えないといけないことになり、黒のボウ・タイ(蝶ネクタイ)を老舗トラッド系のブランドショップに買い求めに行ったことがあります。結果的に、タキシード用の黒のボウタイと白の麻のポケット・チーフが同時に在庫してあったお店は、ひとつもありませんでした。考えてみたらたった1年前の話ですね。これだけ、トラッド・ブームといわれ、こまかいディティールがどうこう、とか盛り上がり語られまくる昨今、タキシード用のまともな黒のボウタイが東京の有名店に無い、との事実。優先順位ロス(優先順位を考えずに、物自体、ディティール自体に集中してしまい、全体観と優先順位の思考がゼロ、ロスしていること、僕の造語)している状況でした。

エドワードエクリュ的に、こまかいディテールは興味ない、むしろ全部要らない、基本のアイテムと、必要最低限のルールめいたものだけをしっかり知っていれば良いと、この時ほど怒りながら心に期したことはありません。結局、ヴァルカナイズ・ロンドンのターンブル&アッサーでコシのあるシルクの(しかしもちろん既製なので、アジャスターとフック仕様でした)ボウタイと、銀座和光で、ふつうの麻のポケットチーフを購入しました。全ヵ所タクシーで移動したので、在庫探しの都内小旅行につき、移動代が普通ではありませんでした。バーニーズ、ブルックス・ブラザーズ、ラルフ・ローレン、ポール・スチュワート・ダンヒル、在庫無しでした。




一番上の画像については、ホーランド&シェリー、老舗生地ブランドの生地バンチです。印象としては、生地全体が価格がやや高い印象があります。しかしながら、冒頭の話に戻ると、生地の品揃えが、紳士服飾文化の教科書のように、世の中がどのような流行になろうが、売れようが売れまいが、これとこれは絶対に在庫している、という一本の強靭な柱をしっかり持っています。そこに、おそらく10%~20%想像よりも原価コストが高価であっても、よい気分で、まさにあっぱれ!という、一票投じる心意気で、購入するのです。

トラディショナル風のテイストで展示し、商品を飾るのも良いでしょうが、オーセンティックなお店を名乗るのであれば、何時寄っても大事なものは変わらず在る、という絶対の信頼こそ、まっとうであるように感じます。色にしても、女性のモードの世界とも違いますから、あまりクルクル替えられると、2年3年越しで、お目当ての色を楽しみにしていた顧客がさびしい思いをすることになり、申し訳ないことになってしまいます。

上は、馬場馬術(Dressage)で数々の表彰を獲得し続けているスタリオン(牡馬:オスうま)である、“ エドワードエクリュ号 ” と前田氏です。エドワード号の毛並みの美しさと、ホーランド&シェリー社のミッドナイト・ブルーやブラックのギャバジン生地は最高の相性です。5年前から礼服全般の定番の生地としており、タキシードもギャバジンで作ります。質実合憲、失礼、剛健、優雅なドレープ。前田氏を始め、ジュニアの歴代チャンピオンもエドワードエクリュのスワロウ・テール・コートでドレサージュの最高峰を演じます。




とまあ、やかましい序章もほどほどにして、昨今ジャケットに限らず、スーツの色も徐々に選択肢が広がって来ましたよ。もちろん、スーツ世界にエントリーしたばかりの新人君たちは、ネイビーとグレイの2本柱で、春夏5着・秋冬5着は、必要最低限を揃えた後での話なのですが。。。どうしても、着数増やさず次に進みたい方は、エドワードで何度も提唱しているように、体型の似ている後輩ちゃんを見つけて、贈って全体着数を調整してくださいませ。

一番いいですよ。お古(ふる)教育ですよ。若いうちから、じゃんじゃんお金を使って、高価なブランドの洋服を購入する、というスタイルはあまり好ましくありません、例外はありますが。ふつうはセンス(テイスト)が身につかないように感じます。経済的な成功にフォーカスして生きる方々が、ハングリーだった期間をとても大切にしているように、センスにもそのような、ハングリー期がすごく大事です。すごく欲しいけど、買えない、というのは、自己センス育成黄金期です。非常に貴重ですよ。

ちなみに、上のイー・トーマスは、色彩のセレクトにおいて、アタマひとつ抜けています。コスト・パフォーマンス的な見方が好きな方も、お気に入りとなるでしょう。ただ、ついでで言うと、コスト・パフォーマンス、という考え方は絶対ではありません。それを嫌がる層もいることを知っていること、頭の片隅においておくことも必要です。ちょっと、照れくさそうに、コストパフォーマンスもいいですね、、、と言う感じが塩梅良いワキマエかもしれません。コスパを高度のプリンシプルのように認識して振り回すのは誤りです。世界が狭い。意識的には、日本においても、上の価値観レイヤーが3層以上はあります。




チャコール・グレイのシャークスキン生地。全身一式完全製作において、多用します。もしかしたら、2001年創業以来、一番使っている生地はチャコール・グレイのシャークスキンかもしれません。エドワードで多用する、フランス風の色彩、ペイル・トーンと非常に奇麗に合いますし、どのような色にもシックに決まります。鮫肌の刷毛目の風合が、マットでべったりしたグレイと違って、まるで大島紬(つむぎ)のような立体感です。なんといいますか、印刷などで、モノクロなんだけど多くの色、C/M/Y/K 特色を使うような感じです。

白も、ブルーもピンクもラベンダーもどのようなペイル・トーンも、グレイのシャークスキン生地のスーツは、すべて美しく控えめで頼りがいのある額縁として、寄り添ってくれます。これは、イタリアらしい、カルロ・バルベラの柔らか質感の生地です。カルロ氏の息子のルチアーノ氏は業界的に知らぬ方がいない、有名な世界的なドレッサーです。セーターの上に腕時計をするスタイルはどうしても好きになれませんし、絶対に真似しませんが、それ以外、特にイマドキでない、ジャケットやパンツのゆとり幅などは、完全に共感します。ルチアーノ氏の身に着けるアイテムのゆとり幅は、流行関係無く、目立つところの無い、ごくふつうの・まっとうなゆとり幅ですから。その考え方が良き英国風ともいえます。



上は、ポーラーという多孔性(多くの孔:あなが開いている)の生地です。よくフレスコといいますが、これは英国の硬派で優秀なマーチンソンという老舗生地会社の商標登録名なので、よりニュートラルにはポーラーというほうが良いようです。と言いながら、ふと感じたのですが、あまり用語にコダワリ過ぎなくていいんですよ。フレスコでイイです。間違えても良いくらいです。あれだけ、文法的な間違いを恐れすぎるあまり、みょうちきりんでナードな完成度で英会話をぎこちなくしてしまう、日本人のメンタリティを鑑みるに、洋服用語を完璧に使わないといかん、という強迫観念からスタートしてしまうと、臆病で神経質な感覚に拍車がかかり、長期的な時間軸で見るた時に、服飾文化の進化にマイナスです。良く学ぶ・研究することがゴールではなく、われわれは、現役の価値(今を生きている価値)つまり良く装うことがゴールですから。学ぶことが教養というよりも、知っていることを含めて “ 装える ” ことが教養です。

自由にどんどん、スタイルについて語る中で、正確な用語使いについての生き生きした、好奇心を持ち続ければよいと思います。絶対的なルールであるとしても、それをやわらかく前向きに捉えて “ 歴史を愉しむ好奇心 ” 程度の優先順位で弛まずコツコツ精進するくらいが、結果的に文化全体をわがものとするように思います。あとは、トラッド・ショップの親切なスタッフに教えてもらえば良いだけのように感じます。って横道に逸れましたが、このポーラー生地、いやフレスコ生地は、生地バンチ(生地を選ぶ際にめくる生地見本ブロック)において、クラスにいる、めちゃくちゃ美人で魅力的なんだけど牛乳瓶底眼鏡(ぎゅうにゅうビン底めがね:この表現自体が昭和すぎる)を掛けている、教室の隅で目立たない女子のような感じです。そして罪なほど地味すぎる佇まいをしていることに要注意です。

これも、スタッフがお教えするしかありません。この生地が、シワになりにくく、(あっても、太くてゆったり流れる良いシワ)ハリ・コシがあって、全体のシルエットをゆったり形作りやすく、落ち着いた生地であることは非常に気づきにくいです。発色も深く落ち着いていて、いい空気感を作ります。強捻の3プライ、4プライとありますが、少々重い感じなのですが、涼しさも確保されていて、優秀な生地といえます。たいがい、皆、最初の印象のギャップから完成品に驚き、そして気に入ります。このことで何が言いたいかと言うと、いつも顧客の好みにばかりに寄り添って、叶えまくり100%の存在でいると、顧客が装いの豊かさや美意識が育つ機会を損失することになるという、わかりやすいパターンだということを言いたいです。

たびたび、言っているように、オーダーメイド(カスタム)服一年生の脳みその中は、一般的には、セレクトショップの商品の知識と、ファッション雑誌の移り行く情報で出来上がっています。つまり、在庫を売るミッションのある、セールス・トークと、クライアントのCM・プロモーションをしないといけない立場からのポジション・トークを、“アドヴァイス”だと勘違いしている脳みその状態にあります。トラディショナルな服飾業界人であるならば、一旦ここをリセットしてさしあげてから、最低限の基礎知識、ルールを教えるという商売から離れた義務からクライアントとの関係性をスタートさせる必要があります。

世界的な傾向として、サラリーマン社長が、クォータリー(四半期)で、おのれのために短期的な利益を取り逃げする、短期的利益を確定しようとする。そして投資家がそれを期待し応援し促進させ自分が乗っかる。そんな行き過ぎたグローバル・ビジネスの悪しき側面(Greed is good principle )が、長期的な視野で育てるべき、あたかも美しい森林のように涵養すべきものである装いの文化を食い尽くします。刈り取りのみ一点に病的に精を出す(ためのマーケティングの終わりなき追及)、その状況が今です。ヘッドハントされてきた経営陣は、以後10年間の会社の運営に定量的に責任を持つ仕組みが必要なのかもしれません。

そんな立場主義、自分(=エゴ)という立場では最大に利益を上げ、全体では損失をしている、部分最適・全体損失が会社人の裏メニュー的な本音の価値感になりつつある昨今です。

さらに、昨今、日本の政治家のスーツ・スタイルが、あまりに酷いので、もはや、どんどん発信しないと間違ったお手本を日本中に振りまき、このままいっちゃいそうな、そんな暴走っぷりです。



昨今、このような美しいブルーもちょっとしたブームになりつつありますね。1トーンで秋冬はハイエンド・モデルを作っています。秋冬は、以前おもしろがって挑戦してみた動画もありますが、最高級カシミアでのビスポークのタートル・セーターもあります。タートル部分、袖丈、着丈などたて寸を中心にカスタムできます。昨年は実はシルバー・フォックス・ファーも企画製作しました。あといくつか企画したいものが湧き上がってきました。やはり、スニーカーもどうも、納得できないので、いずれ、コットンかレザーの白スニーカーを作らねばならないと感じています。さいきん、いいT-shirts などを作っているメーカーが出した2色使いのスニーカーを見てつくづくそう決心しました。やっぱり、つくらないといかんと。。近々、運営が簡単なヤフー・オークションでカフリンクスやボウタイの販売を始めます。7月の予定が、やはり8月になってしまいました。そこそこの忙しさの中で、最近フェイスブックで世界各地のあちこちをサーフしており、世界へと好奇心が拡大し、しょっちゅうチェックしているために、極端な電話嫌い・メール嫌い(よくそれで接客業が成立していると呆れられるものの)連絡もずいぶん進歩していると思います。もう一息の努力で社会人適応レベルまで行けそうな予感です☆





2016/07/11

2016年の夏は、ハットとホワイト・レザー・シューズでドレス戦を制圧





1930'sのお気に入りの優雅な佇まいです。エドワードエクリュでは、ドレス文化やスーツにおける重要な用語である、Drape : ドレープ という言葉に関して、従来のように、“ 襞・皺 (ひだ・しわ) ” とは訳さずに、“ ゆらめき ” と訳しています。そのようにクライアントにも話しているんですよ。


だって、そっちのほうが、全体観あるし、なによりステキでしょ?皺(しわ)って、べつに僕はアンチ・エイジング信奉者でもありませんが、いやむしろ、エイジング派なのですが、ゆとり幅があって、風にふわふわ揺らめいて、人の動きに寄り添うようにゆらめく、というほうが、装う人中心の表現だし、装い軸の表現としては自然だし正確だと思うからです。


スーツを消耗品としないためにも、最低5年~10年(エドワードでは常に10年目標・ただし週一回のローテンション前提、ツイードは50年~100年)は長持ちさせ、経年変化を味わうために、ある程度のゆとり幅でテンションを散らして、生地をいためずに持たせるためにもそのドレープは必要です。ゆらゆらしてることが大事なんですね。


ここ5年くらいの流行のスパイダーマンのような、モジモジ君のようなピタピタではそれは到底かないませんよ。理想は10年着たら、後輩ちゃんに譲るというのが最上級の理想系です。体型の似た後輩ちゃんのチューターになってあげて、1~2万円くらいで、下取りしてもらっても良いと思いますよ、きちんとパーフェクトにナチュラル・クリーンでクリーニングしてお直しして。。。




ところで、今年2016年の装いの栄えあるチェッカー^フラッグは、以下のたった2点の注意ポイントで制圧できると考えてるんですよ。まずは、世の中のちょっとバカバカしいけど(つきあってあげるか、って程度の)対応すべき、Cool_Biz 、やばい。。。数年アンチ・クールビズと言っていると、だんだん、クール・ビズという言葉がなんだかヴィンテージ感出てきて、80年代のダサかっこいい歌謡曲みたいに思えてきて、きらいじゃあなくなってきた(笑)。。

。。という話はとりあえず、置いといて、、、日差しも強いし暑いんでしょうから、ハットを被りましょう、ということです。フツウのパナマで充分です。太陽燦燦で、日本人の漆黒のヘッド部分を直射日光に当てて、熱して、沸騰させておきたい理由は何かありますか?ほかと違っていると嫌だ、という臆病な横並び精神に過ぎませんね。必ずしも、ボルサリーノである必要ありません。若者はノーブランドで結構です。むしろそれくらいストイックなほうがイイ。。

さて、もう一点は、靴です。今年のコードレーンやシアサッカー的な白系のスーツにはどうしても、明るい色の靴を挿したいところ。ここで、きちんとグッドイヤー・ウェルトの自分用のサイズの合ったホワイト・レザー・シューズを持っているか、いないか?二つに一つですね、これ。ハッキリしています。スニーカーでハズシといって、ニューバランスあたりで、ヒネリでお茶を濁すか、どうか。一応持っていることが大事です。この2点になります。

上は、エドワードは10年くらいずっと定番のホワイト・レザー・ツインバックル、バックル部分は金、というモデルです。これは通常のレザーとヌバックがあります。白とこの生成りの革生地の色がよく合うんですよ、それとこの金のバックルが最高に粋な組み合わせです。これをここ数年でしきりと採り上げたのは、女性誌のFUDGE というお洒落な雑誌でした。往年のマガジンハウス社の女性誌“オリーブ”になれるか、ってなもんでした。上は、アーチストのitu' ( イトゥ- ) が、アート・クトゥールする前のもの。エドワードエクリュで何足つくったかわからない、夏の定番です。




番外編:

これは2010年6月ごろですが、このころはitu' はあらゆるクラシック・ドレッシングやヨーロッパのリュクスな色やスタイルを体験し尽くすべくエドワードが挑戦的に提案していた時期でした。すでに6年前ですが、現在世の中で流行っている、8分丈を、シャイニーな、サテン生地で作っていました。この生地は、英国・ハリソンズ・オブ・エジンバラの元の会社、ダンスフォード社のライニングを使用していました。彼はドレススタイルのほぼ全てを体験している、と僕は認識しています。

それをさらに裏使いしたりして。。。靴は、絶対に素足でよろしく、ということで、レペットのジジを10足くらい所有していたはずです。今見ても、切れ味良い美しい(お互いがお互いを際立たせ合う・pale:ペイルは蒼みがかった寒色の蒼だから、ピンク表面の蒼を拾って、ボトムの青へとつづく)配色です。このころ、彼はライム・グリーンのランボルギーニ購入前のアルファロメオでした。ジャケットはキメの限りなく細かいヴェルヴェット、Pale Macaroon Pink (ペイル・マカロン・ピンク)で、上がふわふわヴェルヴェット、ボトムはスリーンなロイヤル・ブルーという世界中のゲイ・ピープルが大喜びしそうなすばらしい配色です。

2016/07/10

デザインは無口なほうがイイ





車や航空機のボディのデザインは空気力学や全体の機能・役割を考えた上でのシンプルな意匠になることが多いですね。あたりまえの機能という最低限の要素を満たすためのデザイン。だからこそ、デザイン過多になることがなく、潔くて無駄がない。最短距離で、立体を形作る3次元の美しい曲面になるのでしょうね。ひとつひとつのパーツがおしゃべりし過ぎると、全体の調和が乱されます。全体観が失われます。

ひとつひとつのパーツ(パート)が、おのおの自分の役割を粛粛と果たし、それらが全体として組み上がった時、それはつるんとしたシームレス、切れ目の無い美しいシェイプになります。まるで野生の動物のように。洋服のコーディネートも同じだと考えます。ひとつひとつが、おしゃべりだと、全体が演奏のヘタクソなイケてないチンドン屋のようになります。

今の世の中、そっけないくらいクールなふつうのビジネス鞄ひとつ買うのでも、すごく苦労します。デザイナーもバイヤーも、店頭でほかと比べて目立つ、売り場で一番輝く商品を企画するのでしょう。そっけないくらいの普通のデザインで、クオリティ高いものとなると、これまた僕が半ばブチ切れながら、作り始めることになります。顔も見えない、世の中の鞄デザイナーたちに向かって 、なんで正攻法でクラシックなテイストで作ってくれないんだ!とぼやきながら企画・製作し始めることになってしまいます。




と思っていたところで、偶然神宮前のユニオン・ワークスさんにて発見しました。さっそく顧客に伝え、というか無理やり連れて行き、購入をすすめました。こんなふつうの真鍮の金具は、昨今皆目見かけることがなくなりました。有楽町でも新宿でも、いざバッグを探すとなってもたいがい、鏡面仕上げとマット仕上げを混合させた、一工夫入れた、より手間を入れた、モノづくりアピールしている、クドイ、デザインばかりになります。

この真鍮の金具の素朴でそっけない感じ、これが最高です。これで、この手は僕が開発する必要がなくなりました。蓋の縦の長さと、鞄全体の天地の長さとの比率がイカしています。これが、蓋の天地が、ちょっと短いところが粋ですね。軽快さが感じられます。そのニュアンスだけで充分デザインです。金具にひと工夫いらないし、本体の意外なところの切り替えしなどの一切必要ないです。

持ち主は、全身一式エドワードエクリュの、ドレッサーでもある、Kanji君でした。エドワード的には、今後のスーツの生地に関して、春夏は、淡いハイ・トーンのグレイ ⇒ 淡いサンド・ベージュ ⇒ 淡いラベンダーという風に、春夏のスーツもヴァラエティが増えていくと思います。すくなくとも、夏場は淡い色、明るい色、白系の色へと、おそらく定番は変化していきますので、こちらを読んでいただいている顧客の皆様、あたまの片隅に入れていてくださいませ。



2016/07/02

東京の粋なB面、神楽坂を絡めながら、おしゃべりあれこれ、




2016年になってからですかね、仕事でもプライベートでも、すこし心境の変化がありました。世の中的にも、2016年と2017年は大きな変化の年、それも、いままでの既存価値観レイヤーが壊れるような変化・変革がおこるように思います。

ちらほら、世界でその兆候も現れ、身近な友人・知人たちもシンクロニシティを起こし始め、今までと違う生き方のレイヤーに移る人々が現れはじめました。おもしろいですね。

やりたいことを今、もうやっちゃう、というような。年取ってから、と言っていた、白い麻のスーツにパナマハット被るスタイルを今やっちゃう、みたいな。ぼくらDresssir@:ドレッサーにとってはそれはふつうではあるんですが。

しかし、これは、いったいどういうことなんでしょう?

いよいよ地球も後半戦に入ったということを人類が無意識に察知しているのでしょうか?そろそろヤキがまわり切るよ、と。人間のGreed is good哲学の問題で、と。やりたいこと、後半にもってくると条件が今より厳しくなりそうだよ、という暗黙の予想なんじゃないでしょうか。

後生大事に取っとかずに、この世に生まれてきて、一番やりたかったことを早いとこやっとこう、早めに取り掛かろう、そういう戦略に変えてきたんじゃないかと仮説を立てています。自分のテーマで、人生をすぐ生き始めるというような。あとに取っておく意味がほとほと見出せなくなったのかもしれません。

我慢くらべのように、狂気ともいえる暴走列車・競争列車に(なにかがおかしいと感じながら)しがみついていることを止めて、ようやく本来の正気の自分に戻って時間を忘れて自分の道を進む。

そうですね、競争というよりも、シンプルに『 正気(しょうき) 』 に戻る、という方向性だと感じます。小さなスキマを見つけて徹底した差別化で命を削るように頑張るのではなく、ノボセ上がっている人間のほっぺたをパンパンと叩いて、ふつうに戻る、というか、本来にもどる、基本にもどる、というような。永遠に満足することなく優れたモノやサービスや儲けの仕組みを優位に作り出す、という行き過ぎた思想が世の中を行きにくく、不便にしているように感じます。

たとえば服飾業界にしても、ほとんどの人にとって、もとはお金儲けではなく、好きで入った洋服の世界のはず。せいぜい服飾業界くらいは、まともに戻ってフツウに良いものを、適量作って、だれも苦しめない適正価格で販売して、過度にコストや競争戦略で、人間じゃないくらい頑張りすぎて、おかしなことになるのをやめようよ、と思います。

今まで、エドワードは2001年創業以来、大百貨店やセレクトショップ、ファッション雑誌を仮想敵国に想定して多分に反逆するモーチベーションを力に変えていた部分がありました。しかし昨年2015年末、老舗百貨店の関係者に一定の評価をいただき、これまた直接話してみると、非常に謙虚で友好的で、尊敬すべき紳士であったこともあり、仮想的国が崩れてしまったのでした。

いま、必要なことは、過当競争に勝つことではなく、ある意味、その競争フィールドを去って、業界全体が正気に戻る、というようなことじゃないかな、と感じたのでした。そして、次世代は競争力優位であっても、競争というフィールドにいること自体が、新しい自由な価値観によって時代遅れにされていく、という未来が来るのかもしれないと。他の業界と競争すればよいのではないかと。より、正気にまともに、ふつうに余裕をもってまっとうなビジネスをしている業界になることの一助となるような。

ゆったり、気持ちに余裕をもって生きられる世界。たとえば、2016年現在の日本(のマスコミが作り出す全体人格)を “ ひとりの人間 ” にたとえるとしたら、どんなマインドの人間になるだろうか?倫理的な人格評価が大好きな、アゲアシ取りの、他人にはものずごく厳しい、あら捜しが大好きなタイプの人間といったキャラクターなのかな?  いやはや~ できることなら、距離をもってつきあいたい、というかできることなら付き合いたくない。。。って、ことは今の日本とつきあいたくない?ってこと?う~ん、むずかしいな~




現在は、長野の松本の田舎で育てているエド・ジュニア、コードネーム:Scottくんと竹内君です。徐々に慣れてきてついには膝にのっかるほど調子に乗って慣れてきました。​國枝くんや竹内君に、オレ(オにアクセント有)とかけっこするか?とパパの知らないところで、男子力を発揮している模様。ひたすら走らせているので、かけっこだけは自信があるらしいです。8分丈だの、ケミカルな発色の洋服だの、わからんドメスティックブランド服だのパパは全然こだわらずに、親類のお古が流れてきたままに、素直に使わせてもらって、雑草のように育てております。時々パパがヨーロッパからポツリポツリとおしゃれなブルゾンを買ってきたりしますが、失くしたりしています。それくらいでちょうど良いと思っています(笑)




下の子、は12月24日生まれなので、マリアとつけました。だって、世界中で一秒で覚えてもらえますよ。おいしいです。僕は神道なんですが、神道は宗教ではありませんので、日本人の融通効く感じで、そういうふうにつけました。Berun前の、いまや神楽坂で大人気のイタリアン。スタジオーネ・フルッティフィカーレです。こちらは、成田くんというエドワード杯・手結びボウタイチャンピオン選手権大会で第7位と獲ったナイス若紳士が店長をつとめております。どんなムリ目の無茶振りギャグにも、切り返す反射神経の持ち主です。ちびっ子ギャング2名の来襲を受け、まるで、ハロウィーンの風習のように、ジュースを外テラスでいただき、収めようと試みていた模様でした。




さて、ここからは子供は入れません。大人の紳士の世界です。神楽坂ファミリーの夜ジェントルマン部門を一手に引き受けてくれる、吉田氏です。かれこれ、神楽坂の夜で、夜のマダム・パピヨンたちとともに良きお酒でも飲みながら語り合いたい時には間違いなく蝶グループということになります。
2013年にアジア向けのCEO雑誌に僕が1年弱、挑発するようなスタイルで、紳士のクラシック・ドレッシングの方法論と神楽坂の紳士の遊び方を執筆した際も、こちらでのエレガントな遊び方・作法を書きました。こちらも、ニュースレターにして、近々クライアントに配ろうと思います。

昨今のジェームズ・ボンドが置き忘れてしまった、古き良き殿方の粋な遊びエッセンスを込めたつもりです。さて、このピアノ・バー、全部で6店舗あるキレキレの蝶グループにおいて、毘沙門天そばのフランス(では実はフツーのパン屋)のPaul のビルの地下にあります。そこでは、端正に白の麻のポケットチーフをTV フォールドにした、凛々しい吉田氏(コードネーム:リンちゃん)が頼もしく出迎えてくれるはずです。


エドワードエクリュのタグをチラッと見せて、今日はこのモードで!と符牒を言うと、ある男気キャッチボールのフォーメーションに入ります。御興味あるクライアントにはお教えいたします。ある意味、危険でもありますので、事前解説も必要になりますが、資本主義を超えた、ビジネスを超えた価値を追求するエドワードエクリュでは、共感するサーヴィスではないかと思って、特殊なアライアンスを結んでいます。いつでも、お尋ねください。

2016/06/24

その人らしい自然に近い眉型が、一番美しいです





2016年、求めている美意識の持ち主にリーチするにあたって、ひとつのリトマス試験紙があります。その人らしい自然な眉が、太かろうが細かろうが、一番美しい、と知っている方々です。こればっかりは、現在探してもなかなかいませんよ。ちょっときれいな顔立ちをした男子はみんないじりますから。ここで、踏ん張っていじらない、そのままにしておしゃれさを成立させている若者がいたらそれは大したものです。ヘッドハントします。これは100人中1人以下です。1%以下ということですね。

上の2年ほど前の神楽坂で撮影したボーイズ君たちの写真ですが、まず彼らにお願いしたのはヘア・サロン風のエアリー・ヘア禁止に加えて眉の形を作りすぎるのやめてね、ということでした。その芸能人ワナビーなスタイルは99%のその他大勢の一般人に任せて、君らは眉いじるの一切止めて、髪型はスリークにしてアタマ小さく見せよう、というアドヴァイスです。

男子⇒紳士が、シンプルで上質な装いをして全体の佇まいが美しくまとまる必要条件がありますが、洋服以外の要素で、着こなしの装い全体がダメになってしまうことがあります。Dresssir@( ドレッサー : 装いのアドバイザー )の仕事は、クライアントの全体のルックの仕上がりに責任を持つことなのですが、たとえば、いくらフルハンドメイドの120万円のスーツを着ていても、最後の仕上げ、Finishing touch でミスると、12万円のスーツに完膚なきまでに敗れ去ります。

120万円のスーツで装い、一般人であるにもかかわらず、眉毛が女形のようなヴィジュアル系だと、クラシックな着こなしにおいて、台無しになります。たった眉毛ごときで。。。必要があって、そうしている方々は問題ないとして、良かれと思って御自身でされている場合は、失礼にならないようにその旨をアドヴァイスします。眉の形作り過ぎ、とノータイした白シャツに黒ボタンや見たこともないアクセントはワンセットです。



​國枝君が通っているバーバーでも、そのままが一番いいじゃん、と言ってくれるらしいです。それが最近やっと増えてきたバーバーにおいて、旬のバーバーか、ちょっと残念なバーバーかのリトマス試験紙じゃないかと思います。できるだけ、そのひとの持つ素材を生かしてくれるほうがナチュラルだし一流のものが表現できますよね。スタッフ自体があまりにも、人工的にイイ男風に、作り込み過ぎている場合も彼が表現する・作り上げるものが、どんなものになるか、少々厳しいです。テーラーも一緒です。クラシックにいくのであれば、という意味ですが。。

昨今、銀座・丸の内・日本橋・青山・新宿界隈を歩いていて、おしゃれに気を使っていて、比較的きれいなスーツの着こなしをしている男性ビジネスマンのほぼ98%が自分の眉毛の形を作りすぎています。なぜかイタリアン・レストランのスタッフもそうです。服飾系じゃない人のほうが、作りこみすぎます。

眉の下の部分を剃り、爽やかになることはありません。コワく見えます。必要最低限のお手入れが一番です。昨今、スターの座をいろんなスキャンダルで失脚してしまった(再起は可能でしょう)スポーツ選手やキャスター候補の人工的な眉型を今一度思い起こして欲しいです。手軽に安く出来るデザインではなく、習慣と美意識が表に出るパーソナリティからにじみ出るニュアンスで勝負するほうが高級な心意気です。

自分を自分と違ったものに見せたい努力は、本当の自分を認めていない印です。眉はそもそも、自分がどんな人間なのかを相手にわかってもらう為にあります。⇒ これは、知人の家具屋のジョージさんの御祖母ちゃんがジョージに言ったアドヴァイスですが、エドワードもまったく同じポリシーで大いに共感しました。眉で何かを表現するとしたら、その最高のものでさえ、それは記号論的にいうと “ 素朴さ” だけです。  先日、表参道近所に自然眉コレクターを感動させる男性がおりました!いつも美味しいお蕎麦をありがとうございます。。




番外編 : 

神楽坂エドワード時代の2014年、女性スタッフ2名にシャネルの開発エグゼクティブの方に太眉の作り方をプロ・コーチングしていただきました。それぞれに、強烈に自分のモノにしていったと思います。当時、複雑怪奇なエドワードのプレス・総務全般をしていたころのCopel こと上原さん。

シンプルでシュアーなデザインを早々に完成させないと、(一番大切な)ニュアンスを出す段階まで行かない。ニュアンスを出すためには、一々、今風の流行に左右されるヒマはない、シンプルに決めていかないと、ということが彼女の装いに現れています。今年の9月22日に、かなり大きなパーティーを催すので、そこで、彼女がオートクチュールという魔法を使って何を出してくるか大いなる愉しみです。






2016/06/17

Cufflinks  淡い色、端正な佇まいのカフリンクス





エドワードエクリュでは基本的に、1アイテムにつき、1オリジナルデザイン&製作しています。もちろん予算の関係もあるのですが理想の終着駅はコレですと言い切りたいからです。たった、一個のアイテムで言い切ると、表現したりないことがたくさん出てきてもどかしい部分、満たされない部分も出てくるのですが、打ち出したいコンセプトがシンプルにひとつ発信できた、という点に気持ちを集中させると大いに満足します。購入されるほうからしたら、意図がわかりやすい、明解だ、というメリットがあります。ああ、なるほど、エドワードエクリュはそんな美意識なのね、というわけです。

まず、ガワ(縁・フチ)が薄いこと。トップの周りのフチの薄さは技術力の証明です。たとえば、繊細に作られた銅版印刷の名刺だと、名刺のフチの線が細ければ細いほど版ズレが目立つので、よっぽど精度に自信がないとできません。薄いフチは1920年代前後の、東洋からの影響もある繊細な線の意匠の時代であるアール・デコ的な美意識もあります。技術力を目立たなくさせることに使います。時計などでも、ガワが厚いG-shockから、クラシックな1920~1950のロンジンやブレゲなどの繊細なガワまで、好きなものは人それぞれですが。。。ここでいうと、ガワとは表に見える純銀の部分です。

トップの部分が、手仕事の宝石である七宝焼(エマイユ)で、そして淡く色づけされている理由は、白・淡い青・淡いラベンダーが基本の必要シャツ・バラエティにおいて、シャツとのコントラストをできるだけ、小さくしたいからです。コントラストを無くす方向に行きたいからです。アクセントをできるだけ減らしたいわけです。アクセントはいらない(だれかのシャツのボタンのように、だれでもできるし、つくりがちだし、安くアクセントづくりができる簡単なものだから)、ニュアンスがあればいい、という感じです。トップに刻まれる畝(うね:ヘアーライン)によって、反射の屈折率の集合体によって、さらにやわらかい光沢が出現。そして、身体サイズの大きい欧米人用のカフリンクスよりもサイズ的に80%に小さくしてあります。ことごとく、高い技術力を、アクセントをつけないようにする努力、目立たなくさせる努力、引き算をするためにつかっています。




ただし、採用している大枠、クラシックの大切なフレームは変えません。つまり、ここでは、文字通りカフ・リンクス、袖のリンク、つながっている2つのトップ、チェーンで2つのトップが連結されている、一番オーセンテックな仕様です。余計なアクセントは一切つけていません。ただ、シルバー925ではなく純銀99.99%である証明、としての表記Silverとだけ、書かれています。純銀は独自のトロっとした “ やわらかさ ” があります。  傷もつきやすいです。ですので、そのオーナーの傷をつけることに価値があるので、最初は完全にクドいくらいの梱包がされています。ご自分の傷をつけてください、というわけです。

色は、1.淡いシャンパン・ゴールド 2.淡いピンク 3.淡いブルー 4.淡いライム・グリーン のストックがあります。各税込み75,600円です。(お問い合わせからも購入できます)俗っぽい説明を許していただければ、1ペアに2つのトップがついていますので、合計4つのトップ、つまり通常のカフリンクスよりも2倍の材料と手間がかかっているわけですね。そう考えると、大切に落としたりしないように(トップはガラスですからね)使うと、孫の代までもちますので、いい買い物ではなかろうかと存じます。7月中には僕のヤフー・オークションのアカウントで購入できるようにする予定です。

さて、スーツ文化について、現代のスーツへと続く起源というテーマで追求していると1901年にヴィクトリア女王が崩御して、エドワード7世が厳しい母親から開放された瞬間を起源と捉えるのが自然のように感じています。そうなると、スーツ生誕115年、ということになります。崩御という形で、ようやく権限が委譲されてきて大いなるエドワーディアン期がはじまります。それが現代に続くスーツ文化の(非常に愉しい時代の空気からの)始まりのように思えます。カフリンクスの装いも楽しんだことでしょう。もちろん19世紀のボー・ブランメルの苦味走った精神・引き算の美意識がしっかりと刻まれつつも、アメリカのタバコ商人によってタキシード・スタイル誕生でゆるく外野から権威付けられ、ついには若干問題児とおもわれていたエドワード7世の世界観が大人気を博す中で、堂々と大手を振って上着の尻尾をチョッキン切って、美味しい時代の幕開けを迎えたのではないでしょうか。。。


2016/05/21

ガラパゴス・エクリュ、i-phone ⇒ Line ⇒ Facebook





とにかくニヤニヤ笑われます。あれだけディスり倒して、コケにしまくってましたからね、あらゆる通信機器類や、あらゆるSNSについて。4月1日、エプリル・フールの記念にとばかりにi-phone デビューして(外圧に屈服して)臆面もなく、節操もなく、そしてあっさり雪崩をうったようにあたらしいオモチャへと進んでいます。


Facebookでは正直に心が動いたものに『 いいね 』して、そのうち発信も『 いいね 』と感じた人・モノ・事をアップしようと思います。現状使い方も良く分かってません。。このブログは徒然気分でそろそろ10年。白とえんじ色とピンクのデザインも気に入ったままなので、そのままです。


裏でどのような意図が働いているかわからないニュース(=スキャンダル 2016年現状)をインプットする時間より、せいぜいモノを売るという(程度の・ある意味健全な)意図を渾身の力で集中させたコマーシャル・フィルム観て気分をチューニングさせたほうが、賢いように感じる今日この頃。。


"calling" とか "Femme Fatale" とか "Drape of Château Margau"とかタイトルつけたくなるような、、、感動しました。



2016/05/12

Wedding, Dress and Tuxedo




タキシード一式の装いを全身一式完全製作させていただきました。ラヴリーなジェントルマンH氏。それぞれのアイテムの意味や歴史、そして装い方。すべてご説明して、ハレの舞台へ。Wedding、まさにbrilliantly in love.























聖なる運命の神秘を感じさせながら、あたたかみある家族的な盛り上がり。そしてクリーンな空気感。端正に装った紳士たちのTuxedoの佇まい、、クラシックでなければ出せない世界観。



2016/05/08

Gentleman's Voyage " Matsumoto "





ゴールデンウィークは自宅に帰省(?変な表現)していました。松本市内の中町通りからちょっと横道に入った喫茶店。静か・クラシック音楽・上品なマダム・奥座敷あり・上品でコクのある珈琲。昨今のファッション誌の撮影ロケーションは、昭和の喫茶店や洋食屋ばかりですが、つまりは佇まいが絵になる場所というのは、経年変化が必要ということなのでしょう。古き良き純喫茶を穏かに応援しております。

ここの座敷で珈琲味わいながら、ピザ・トーストつまみながら、また珈琲お替りしながら、装いやスタイルや哲学めいたものや、美しい地方都市ネタや風景や風土や、さいきん読んだ面白い本や、バカ男子ロッカールーム・トークや、旅ネタ話や、お気に入りスポットやおいしいもの情報などなど、尽きせぬ問わず語りを愉しみたいもんです。もちろんひとりでボンヤリ人生に想いを馳せるのも、それも亦、よきことですね。




家族と、美しケ原高原界隈をドライブして、標高1510メートルの茅野市北山の蜂蜜の蔵まで行ってきました。そこでようやく、日本有数のグルメスポット金沢でお世話になった方々3名に贈り物を発送することができました、ホッと一息。松本の得意とするアカシア蜜をはじめ、その他、トチ、ミカン、菩提樹、ケンポナシ、クリ、ソバ、などありました。それにしても、車窓の風景はスコットランドの風景のようじゃあないですか?最近、なぜか身近にスコットランド借景ブームです。




秋葉原、鉄道博物館跡地、そのさらに前は松田優作主演『探偵物語』事務所跡にできたMAACH ecute 神田万世橋の一階入り口傍の常陸野ビールのアンテナショップも気持ちよいバーですが、徐々にそういった素敵な地ビール系のバーが松本にも出来てきています。数日前から営業している松本ブリュワリー。こんなフツウで味わいがあって、ヌケが良いフォントのプレート見ると、ついつい寄らないわけにはまいりません。

ちなみに、こちらのプレートは、やはり英国好きのご主人が、松本・新橋の魅力的なアンティークスペース、ヴィクトリアン・クラフトにて購入されたとのこと。確かにこのショップに寄ってしまうと必要もないのに、味のある真鍮製のネーム・プレートなどを買わずにはおれなくなります。魅力的なアンティークに溢れています。グッとくるジョウロとか、郵便ポストとか、萌え萌え止まること無しです。ああ、味のほうも、トラディショナル・ビター味で、モルト感アリ、美味かったです。




ホテル花月、こちらも以前宿泊しましたが、コージーで快適でした。松本はほとんどの旅館で、一階の佇まいが素敵です。すこし陰影がある室内に松本家具や木工家具がどっしりと置いてあって、和洋折衷なインテリアのテイストで、コックリした珈琲の香りが漂い、山好きの老紳士が、キツネ色にこんがり焼けた厚切りトーストを片手にゆったりと新聞を読んでいる喫茶エリア、といった王道な絵があります。ゆで卵、もちろんついています、厳かな調子でスプーンの裏で卵の殻をパチッパチッと割って。。。

最近は、海外からのインバウンド客で静かな人気に盛り上がっている松本です。そして世界の紳士たちが、訪れるにあたって、せっかくのことなのでエドワード的にGentleman's Voyage 的なスポット@松本をご紹介できればと思います。たとえば、このホテル花月のオープンテラス、次の予定がなくて、飲み食いしていなければ必ずや寄ってハイボール一杯くらい愉しんでいたはずです。この日、初めてオープンテラス設定になっているのを目撃しました。いいですね。




書体も良いですね。うっとりします。松本駅ロータリー降りてすぐのところにも、松本、とこの筆致であります。今月末28、29日とあがたの森で、クラフト展がありますが、これがもはや全国区となっており、日本各地から職人が木工や漆器や陶器、ツイード織物まで出品します。宿確保、駐車場確保たいへんですが、お天気がよければ飽きることのない、いつまでも時間を忘れる楽しい展示会です。作家の方々とのおしゃべりも楽しく、毎年、ちょっとづつ、ここで買い揃えています。




ホテル花月さんの前には、これまた魅力的な古書店バー 『 想雲堂 』 が出来ていました。脱サラされて、本と珈琲とお酒とジャズがお好きなご主人が開いたお店。シングル・モルト系のお酒も充実して、夜のひと時はさぞかし愉しかろうて、とこのテイストが好きなヒトは夢見心地になるはずですね。家族と一緒の時間に寄りましたが、たまには1日くらい、バチェラー的に、古書やジャズやシングルモルトに溺れてみるのもよろしいのではないでしょうか?個人店でもこれくらい魅力的な空間がつくれるものなんですね。






最近は若い方がオーナーとなってギャラリーを併設したカフェも増えてきているようで、ぶらり途中下車の旅的に、メインストリートからちょっと入った路地の奥のねこ道を歩くような愉しみがあります。日本全国京都や神楽坂のように奥の小道へと誘われる空気感があって、味わいとコクと香りのある街並みになると、日本全国じわじわ元気になるのではと想います。雑居ビルの一室や、自宅の一室で、技術やセンスに磨きをかけて、愉しい人生と愉しいモノ作りを両立させている職人の方々が、ちょっとづつ増えているように感じます。



2016/05/01

" Borsalino " Gentleman's Finishing Touch




スコットランド・エジンバラ、Calton Hill,Old Observatory, 旧天文台です、と絵葉書として届きそうなこの1枚、昨日マジック・アワー前後にJames から送られてきた写真です。by Mr.Tack@明治記念館(笑)。お見事。

自己存在の佇まいを、描きたい景色(≒理想の世界)のFinishing Touch としています。この場合、英単語単体でいうならば、理系的なランドスケープ:Landscapeというより、情景、シーン: Sceneという感じなのでしょうか。

どのアイテムも主張しすぎていない。服=パーツが自己を主張しすぎず、ただ 淡々と role ( 役割 ) を果たし、1つのアイテムがその次のアイテムへまっすぐ・すみやかにバトンを渡した結果、全体の端正な佇まいが完成する、といった感じです。

古典絵画がお好きならば、その理想の景観へと溶け込ませるイメージで。その風景が持っているポテンシャルを最大限引き出すためには、よろこんで風景の一部になりましょうぞ、といった紳士の心意気で。








昨年このブログの 『 クラシックに装う紳士たちへのご褒美 』  に書きましたが、シュアーに(:的確に)、体に合ったゆとり量のある、気が抜けるほどふつうのカットの3ピース・スーツにこそ、ボルサリーノは似合います。

細いパンツだと、そのままイタリア・ピッティにいるおしゃれオヤジ一直線になってしまいますから、そうならないように気をつけてパンツの裾幅、膝幅をよくよく検討して目立たなさを追求すべきです。つまり、必要最低限の仕様で、ふつうにやればよいだけですね。

昨日は、一枚目の画像のJames氏(code name)と “ ラインで(笑!)” やりとりして、今年のボルサリーノを選んでいました。シーズン入るとここ数年の動きを見ていると一気になくなりますよ。しかし、あれだけ数年、真夏には品薄なのに、街でかぶっている人が少ないのは何故だろう?シャイなんですよ、殿方は。。。

初心者は、伝統的な黒リボンではなくて、色が甘めの(コントラストが弱い)モスグリーン(上から3番目)のほうが、合わせやすくお薦めします。よりドレッシーにいくなら、オフホワイトよりも真っ白ですね。ジェームズ氏のキャラは真っ白+エクリュ(上から2番目)です。ネイビーと白はマリンスタイルというコントラストの歴史・背景がありますので、使いやすいです。ブルーグレイや赤茶は応用編かもしれませんね。




最近は、表参道のCopel にいることが多いです。この画像は、一階のショールーム。​國枝君がシャツの採寸中です。以前は、ブルーボトル・コーヒーそば、と言っていましたが、最近は、Shozo珈琲そば、あるいは、キルフェボンそばと言うようになりました。南青山、さすがに良きご縁も増えて愉しくなってきました。ぜひ、アポの上、お気軽にお寄りくださいませ。