“ こんな人馬が、まだ存在していたとは、驚いた、、、”
EDWARDÉCRUS®号とバロン氏(=フィリップ氏)が、記念すべきデビュー戦
≪8月16日:御殿場馬場馬術競技会 JEF馬場馬術競技M1課目2013≫ 16日、18日、両日出場し、両日ともに優勝しました。 冒頭のセリフは、審査員の一人のつぶやき。
クラシック・スポーツの最高峰の晴舞台に、完璧にクラシックな装いで登場したバロン氏。
南ドイツからやってきて、3か月の最低検疫期間を終え、満を持して登場したEDWARDÉCRUS®号、しかし実は日本の気候に適応中で、まだ本調子ではありません。
静かに歩いても、テンポを上げて走っても、力が漲ってしかたがないドイツ産のジェントルマンです。
富士演習場の砲撃音も、競技場のアナウンスやベルも動じることがない、、、地面の虫や自分がたらしたヨダレの反射にも驚く馬独自の気質の中にあって、彼の落ち着きは見事。彼が徹底的に意識を集中しているのは、騎手バロン氏の指示だけ。一流の証です。
全体のプロポーション、動き、優雅さ。人馬ともに徹底的に直球で挑む、馬術の王道を悠然と進む姿に感動します。
バロン氏のこだわりは、ヘルメットではなく、敢えてリスクもありハンドリングも快適とはいえない、シルクハットで臨むところ。シャツもロングスリーヴ(通常はフェイクのロング、、つまり袖先だけのディタッチャブル)、カフリンクス、タイまで徹底すること。そして何よりも、挨拶の所作を丁寧に行い、人馬ともにジェントルマンスタイルを貫くところです。
この世界が少々詳しい人にとっては、バロン西伝説が有名ですが、人馬一体、愛馬精神においては、城戸俊三騎兵中佐と久軍号の逸話を忘れるわけにはいけません。
人と馬の関係も絶妙なバランスが大事です。お互いが依存しあう方向性で関係が深くなってしまうと、馬術競技としてはうまくいかなかったりするようです。馬好きなDRESSSIR®小島君。下は優勝トロフィーとリボン。しばし人馬ともに健闘を讃え、労い、お店に飾っておきます。