2013/07/10

まさに礼装。いやいや冷装。あるいは涼装。





タイムリーの炎天下なので、涼しい装い、涼しげな装いについて考えました。七夕過ぎあたりから、ちょっとした異常気象の様相を帯びてまいりました。梅雨明けも普段よりずいぶんと早く、いくつかの点でふつうと違っています。あらゆる業界のマーケット的には、夏は暑くて冬は寒いほうが、景気は良くなるそうですが。。

しかしながら、いよいよ、クールビズ勢力が追い風に乗って、完膚無きまでにアンチ・クールビズへ猛攻撃している状況です。2ピース族も、ついにクールビズの軍門に下る、という有様ではないでしょうか。

エドワードエクリュでは、酔狂なネタづくりとはいえ一昨年は3ピースで、真夏の鳥取砂丘を縦断完歩していますし、つい今月の一日には、京都の伏見稲荷の頂上へも登って降りてきましたから(そのまま、先斗町の床 ⇒ 祇園お茶屋遊びしたくらいなので)、40度だろうと、どうってことありません。

感覚的な話なのですが、熱めのお風呂に裸で入るのと、スーツで入るのとどう違いますか、というような世界じゃないでしょうか。そもそも気温が35度を超え、40度近くまでになると、もはや極端な話、裸でいようが服きていようが体感的にはそれほど違いないように思います。

薄着の体感・快適度は、20度~30度前後のレンジでの違いの問題ではないでしょうか。そんなことより、むしろ帽子をかぶることをお薦めします、本気で涼を求めているならば。かんかん照りの炎天下で、帽子無しで長時間いるほうが、個人的には耐えられません。5度以上は体感温度が下がります。太陽放射を直接頭部に浴び続けて、脳味噌が沸騰してめまいしますよ。

クールビズという現象が、涼しさ・省エネを指向するという合理性から施行されいるのではなくて、漠然とした群集心理、あるいは帰属意識(人と違うことはコワい)から来ていることが、この、ギラギラの炎天下で帽子をかぶっているビジネスマンがほぼ一人もいない、という状況から感じられます。

ところで、最近、法人向けのクールビズ対応のドレス・コードを考えるオーダーがあり、シンプルに結論を出しました。頭のイイ、発注元の経営者の超合理的な考え方のお陰でもあります。

タイドアップの3ピースで、ジャケット無し、というスタイルです。従来、秋冬の時期の3ピースは納得できますが、春夏時期の3ピースは(暑すぎて)ちょっと無理があるのではなかろうか?という違和感もこれで解消できました。

春夏だから、クールビズだから、ということで、妙ちきりんの頓珍漢アイテムを新たに買い足す、という経済的無駄遣いをすることなく。むしろクラシック軸に沿っていて、アンチ・クールビズからの理想的な回答ではなかろうかと思います。

そして、再度くどいようですが、目立つことを怖がらずに外出時に帽子をかぶることをお薦めします。ヘアスタイルを気にする人は、ご自身の信念に沿って構いませんけども。少なくとも、熱中症予防には効果絶大です。いいじゃないですか、ボルサリーノでやりすぎ感出過ぎの中年が続出しようが。アリですよ。

帽子を選ぶ時のコツは、スーツに合わせる場合、スーツのラペル幅とある程度合せることです。それから、リボン部分があまり主張していないものがおススメです。日本人は、アングロサクソン人種とちがって、頭蓋骨の鉢(はち:額のほぼ横幅)が大きいので、自分の鉢のサイズ、スーツのテイスト、ラペル幅と総合してから帽子を決定したほうがよろしいです。

さらに帽子をかぶるとなると、ますますもってエアリーなヘアスタイルではなく、スリーク・スタイル(頭を小さく見せるバーバー・カット)になります。バーバーネタは、ありすぎて、語りだすとキリが無くなるので、語りません。しかしながら、これらの、作りこんで行く数々の特徴は、クラシックな佇まいづくりとしては全体的に一層理想的な方向性といえます。

40度、SoWhat? です。





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