メンズのビスポーク・スーツ用の生地でレディズをつくる、というコンセプトは創業以来ずっと一貫しています。ガルゼやジョーゼットやシフォンやサテン、ファンシーツイードなどの婦人物らしい生地を敢えて使わず、紳士物のクールな面構えをしたクオリティの高い生地をつかいます。
紳士の風合いの生地は、日常着としてヘビー・ローテーションでも大丈夫な佇まいがあります。婦人物にありがちなんですが、生地からしてすでに(それが無地であったとしても)すこぶる個性的で、それがさらに個性的なデザインで、加えて個性的な着こなしだった場合、クドすぎてしまいますよね。
エドワードの婦人物の美意識は一貫していて、“ 曲線より直線、見せるより隠す ”、という点に集約されます。女性が選びがちな、かわいらしい曲線のカッティングよりもクールな直線のほうが、しばしば女性本来の曲線をひきたてる働きをしますし、絶妙に隠すことでノーブルな大人のセクシーさを滲ませることができます。
上のボタンはパリ・クルニャンクールのヴィンテージショップにてデッドストックで購入したフランス軍の白銀のボタンです。これもネイビーブレザー(いわゆる紺ブレ)についているような黄いろ味がかった金ボタンですと、あか抜けない甘すぎるプレッピー風味になってしまいます。
メンズのクオリティの高い生地をたっぷり使って、美しいドレープ(生地の揺らめき)を愉しみながら颯爽と春の街を歩く、、、ステキじゃないでしょうか。こちらのモデルはレディズをディレクションしている上原がヴィンテージのシャネルをいくつか研究して企画制作しました。敬意を表して、シャネルが優雅にクリエイションを連発させていた思い出の土地、ドーヴィルをモデル名にしています。