服飾研究で先週渡欧していました。“ スポーツ ” というテーマがありました。もともとは、息抜き、気晴らし、楽しみというようなフランス語に由来する単語の変形らしいですね。日本では、油断すると少年野球や学校の部活に代表されるように、あるひとつの価値観で洗脳教育に近いスタイルで、単調につっぱしりがちに思えます。
実は、スポーツから克己心や根性ではなく、他のもっと貴重な栄養分を抽出しているっぽいぞ、と日本でも気づき始めたように思います。たとえば、クラブ文化。1.お姐さまたちがいるクラブ、2.DJのいるクラブ、3.スポーツの後ジャケットを着てくつろぐクラブ。この3番目です。クッキーを欲しがった冒頭写真の紳士は例外的にドレスコード“裸”なのですが。。
ところで、シャカシャカ系(石油系のワークウェア、スポーツ・ウェア)個人的には、ほぼパタゴニアとモンベル(高価なモンクレールでばなく)です。シャカシャカは必要最低限でありたい、そしてできるだけツイードとかフランネルなど、ウール使用でのスポーツ・ウェアでありたいものだと心しています。英国スタイルがお好きな方はみなそういう指向に行かないとおかしい、と思うのですが、、、
しかし、早いもので12月です。。2016年は激動の年でした、世界も変わり始めていますし、個人的にビジネスの考え方も大いに変わった年でした。大きなツリーの中心から、風変わりな和風オーナメントとなって、早めのメリー・クリスマスを叫びたいところです。
上は、乗馬を巡る、馬場や厩舎や事務方の交渉ごと、ホース・ショーでのエドワード・エクリュの装い。3ピースでのハリス・ツイードにペイズリーのタイ。ウール・タイがふつうかもしれませんが、ちょっと交渉寄りの時はタイを挿したほうが、みなきもちよいと感じます。
ウィーンの街中のトラッド・ショップには、ごくごくフツウのまっとうな(昔からある柄という意味で)プリント・ペイズリーのアイテムが揃っていて、滞在時間約5分の中で、いっしょにいた2人の紳士のために速攻大人買いしました。有名な紳士スタイル本、ベルンハルト・ルッツェル氏のインスタでも紹介されていました。とはいっても、現在エドワードエクリュのオリジナル・タイを製作中。2017年初旬に完成予定です。
素朴なヨーロッパが残る南ドイツは、イタリア、フランス、オーストリア、スイス、リヒテンシュタイン、東欧諸国と機動力が高くポテンシャルを感じます。ハンガリーを拠点にして、ヨーロッパ各地の都市部へアクセスする感覚は、都内の東に慎ましく住んで西に出かける感覚に近く、親近感を覚えます。新鮮な食材があって、空気がきれいで、サービスも素朴で暖かい、となるともはやそれ以上をイメージできません。
昨月はケイイチロウ氏がバロン氏にブリーフ・ケースを納品しました。形も色も端正で大いに気に入っていた模様。天気がよかったので、表参道のアニヴェルセルにて。ケイイチロウ氏が着ているセーターは彼のお母様の手編みのもの。職人の方がたに新しい生き方のインスピレーションを与えることができる青年だと、毎回会うたびに感じます。速攻、バロン氏はつめ先で表面に傷つけてしまいましたが、それを気にしないところも、けっこう大事なセンスだと思いました。。