2016年、求めている美意識の持ち主にリーチするにあたって、ひとつのリトマス試験紙があります。その人らしい自然な眉が、太かろうが細かろうが、一番美しい、と知っている方々です。こればっかりは、現在探してもなかなかいませんよ。ちょっときれいな顔立ちをした男子はみんないじりますから。ここで、踏ん張っていじらない、そのままにしておしゃれさを成立させている若者がいたらそれは大したものです。ヘッドハントします。これは100人中1人以下です。1%以下ということですね。
上の2年ほど前の神楽坂で撮影したボーイズ君たちの写真ですが、まず彼らにお願いしたのはヘア・サロン風のエアリー・ヘア禁止に加えて眉の形を作りすぎるのやめてね、ということでした。その芸能人ワナビーなスタイルは99%のその他大勢の一般人に任せて、君らは眉いじるの一切止めて、髪型はスリークにしてアタマ小さく見せよう、というアドヴァイスです。
男子⇒紳士が、シンプルで上質な装いをして全体の佇まいが美しくまとまる必要条件がありますが、洋服以外の要素で、着こなしの装い全体がダメになってしまうことがあります。Dresssir@( ドレッサー : 装いのアドバイザー )の仕事は、クライアントの全体のルックの仕上がりに責任を持つことなのですが、たとえば、いくらフルハンドメイドの120万円のスーツを着ていても、最後の仕上げ、Finishing touch でミスると、12万円のスーツに完膚なきまでに敗れ去ります。
120万円のスーツで装い、一般人であるにもかかわらず、眉毛が女形のようなヴィジュアル系だと、クラシックな着こなしにおいて、台無しになります。たった眉毛ごときで。。。必要があって、そうしている方々は問題ないとして、良かれと思って御自身でされている場合は、失礼にならないようにその旨をアドヴァイスします。眉の形作り過ぎ、とノータイした白シャツに黒ボタンや見たこともないアクセントはワンセットです。
國枝君が通っているバーバーでも、そのままが一番いいじゃん、と言ってくれるらしいです。それが最近やっと増えてきたバーバーにおいて、旬のバーバーか、ちょっと残念なバーバーかのリトマス試験紙じゃないかと思います。できるだけ、そのひとの持つ素材を生かしてくれるほうがナチュラルだし一流のものが表現できますよね。スタッフ自体があまりにも、人工的にイイ男風に、作り込み過ぎている場合も彼が表現する・作り上げるものが、どんなものになるか、少々厳しいです。テーラーも一緒です。クラシックにいくのであれば、という意味ですが。。
昨今、銀座・丸の内・日本橋・青山・新宿界隈を歩いていて、おしゃれに気を使っていて、比較的きれいなスーツの着こなしをしている男性ビジネスマンのほぼ98%が自分の眉毛の形を作りすぎています。なぜかイタリアン・レストランのスタッフもそうです。服飾系じゃない人のほうが、作りこみすぎます。
眉の下の部分を剃り、爽やかになることはありません。コワく見えます。必要最低限のお手入れが一番です。昨今、スターの座をいろんなスキャンダルで失脚してしまった(再起は可能でしょう)スポーツ選手やキャスター候補の人工的な眉型を今一度思い起こして欲しいです。手軽に安く出来るデザインではなく、習慣と美意識が表に出るパーソナリティからにじみ出るニュアンスで勝負するほうが高級な心意気です。
自分を自分と違ったものに見せたい努力は、本当の自分を認めていない印です。眉はそもそも、自分がどんな人間なのかを相手にわかってもらう為にあります。⇒ これは、知人の家具屋のジョージさんの御祖母ちゃんがジョージに言ったアドヴァイスですが、エドワードもまったく同じポリシーで大いに共感しました。眉で何かを表現するとしたら、その最高のものでさえ、それは記号論的にいうと “ 素朴さ” だけです。 先日、表参道近所に自然眉コレクターを感動させる男性がおりました!いつも美味しいお蕎麦をありがとうございます。。
番外編 :
神楽坂エドワード時代の2014年、女性スタッフ2名にシャネルの開発エグゼクティブの方に太眉の作り方をプロ・コーチングしていただきました。それぞれに、強烈に自分のモノにしていったと思います。当時、複雑怪奇なエドワードのプレス・総務全般をしていたころのCopel こと上原さん。
シンプルでシュアーなデザインを早々に完成させないと、(一番大切な)ニュアンスを出す段階まで行かない。ニュアンスを出すためには、一々、今風の流行に左右されるヒマはない、シンプルに決めていかないと、ということが彼女の装いに現れています。今年の9月22日に、かなり大きなパーティーを催すので、そこで、彼女がオートクチュールという魔法を使って何を出してくるか大いなる愉しみです。