連休も終わり、街もひっそりなるかと思いきや、相変わらずにぎやかな神楽坂でした。ここで日常的に働く者が憩えるお店はというと、ほっと一息気が抜けたり、ぼんやりできる場所かもしれません。土地柄、新店ひしめき合う、といったお店同士の切磋琢磨もありがたいことなのですが、余白な時間を静かにすごしたくなる時もあります。
すこぶる快適な朝時間を過ごせる飯田橋の意外な穴場スポットや、エドワードのナナメ前にできたイタリア食材商社のアンテナショップ “ Dolce Vita ” のランチの美味しいお弁当セット(生ハム・チーズ、スープ、ブラッドオレンジ、エスプレッソ)、いくら食べても翌日胃もたれすることのない美味しい餃子と紹興酒を味わえる街中華の名店などなどたいへん貴重です。
最近の企画開発製作物としては、リング(エンゲージ・マリッジ)があります。ダイヤを使い、シンプルでエッジーな逸品を完成・納品いたしました。クライアントのお披露目前なので、画像で出せませんが、プラチナとダイヤ、カラーダイヤと用いたものでした。現在さらに製作中のリングではいまだ私自身見たことのないダイヤをふんだんに使用したデザインで完成待ちです。
モダンジェントルマン仕様の新デザインのカフリンクスに関してはほぼ完成し、バリエーションを作り始めています。こちらはオーセンティックな一品です。すでに2か月ほど着用実験をしており、強度の面・耐久性、着脱の容易さなどを試しています。いままで一番使いやすいと認識していたものよりも使いやすいと認識しています。
Little Black Dressは、ドレス・マヌカンの上原さんとの協力で研究を重ねてハレの日に限らず、日常的に着用できる一品に仕上げています。さらに、ディオールのニュー・ルックへのオマージュとして、クラシックでドレープの美しいフレア・スカートも完成しました。
かつてシャネルが当時のコルセットのような拘束スタイルからパンツスタイルによって女性を解放したように、むしろ現在のピタピタなパンツスタイルやリクルート的スーツスタイルを、自由に動き回れて優雅で女性らしいフレアスカートによって解放しよう、という新しい試みです。フレアのドレープの動きとタイトなジャケットは相性が良いので、新しいスタンダードを作る野心的な試みです。
さいきん、エドワードのお礼ハガキでは、写真家でもある上原さんがモノクロ撮影した神楽坂エドワード・ジェンツの写真を使用しています。余韻と余白がたっぷりとられたハガキはたいへんな好評をいただいております。なにしろ、エドワードにはスーツの完成品がありません。すべてが受注・発注なので、完成品はすべてお客様のもとに行っているわけです。
それもあって、近々神楽坂エドワードにおいてプロジェクターで、映像を映し出そうと企画しています。みなでシャンパン味わいながら紳士たちの装いを愉しむという時間も優雅でいいのかな、とも考えています。控えめで包容力のある英国スタイルの紳士と自由で女性らしいフランス女のスタイル、同時代的にもステキじゃないかな、と考えています。