2016/05/08

Gentleman's Voyage " Matsumoto "





ゴールデンウィークは自宅に帰省(?変な表現)していました。松本市内の中町通りからちょっと横道に入った喫茶店。静か・クラシック音楽・上品なマダム・奥座敷あり・上品でコクのある珈琲。昨今のファッション誌の撮影ロケーションは、昭和の喫茶店や洋食屋ばかりですが、つまりは佇まいが絵になる場所というのは、経年変化が必要ということなのでしょう。古き良き純喫茶を穏かに応援しております。

ここの座敷で珈琲味わいながら、ピザ・トーストつまみながら、また珈琲お替りしながら、装いやスタイルや哲学めいたものや、美しい地方都市ネタや風景や風土や、さいきん読んだ面白い本や、バカ男子ロッカールーム・トークや、旅ネタ話や、お気に入りスポットやおいしいもの情報などなど、尽きせぬ問わず語りを愉しみたいもんです。もちろんひとりでボンヤリ人生に想いを馳せるのも、それも亦、よきことですね。




家族と、美しケ原高原界隈をドライブして、標高1510メートルの茅野市北山の蜂蜜の蔵まで行ってきました。そこでようやく、日本有数のグルメスポット金沢でお世話になった方々3名に贈り物を発送することができました、ホッと一息。松本の得意とするアカシア蜜をはじめ、その他、トチ、ミカン、菩提樹、ケンポナシ、クリ、ソバ、などありました。それにしても、車窓の風景はスコットランドの風景のようじゃあないですか?最近、なぜか身近にスコットランド借景ブームです。




秋葉原、鉄道博物館跡地、そのさらに前は松田優作主演『探偵物語』事務所跡にできたMAACH ecute 神田万世橋の一階入り口傍の常陸野ビールのアンテナショップも気持ちよいバーですが、徐々にそういった素敵な地ビール系のバーが松本にも出来てきています。数日前から営業している松本ブリュワリー。こんなフツウで味わいがあって、ヌケが良いフォントのプレート見ると、ついつい寄らないわけにはまいりません。

ちなみに、こちらのプレートは、やはり英国好きのご主人が、松本・新橋の魅力的なアンティークスペース、ヴィクトリアン・クラフトにて購入されたとのこと。確かにこのショップに寄ってしまうと必要もないのに、味のある真鍮製のネーム・プレートなどを買わずにはおれなくなります。魅力的なアンティークに溢れています。グッとくるジョウロとか、郵便ポストとか、萌え萌え止まること無しです。ああ、味のほうも、トラディショナル・ビター味で、モルト感アリ、美味かったです。




ホテル花月、こちらも以前宿泊しましたが、コージーで快適でした。松本はほとんどの旅館で、一階の佇まいが素敵です。すこし陰影がある室内に松本家具や木工家具がどっしりと置いてあって、和洋折衷なインテリアのテイストで、コックリした珈琲の香りが漂い、山好きの老紳士が、キツネ色にこんがり焼けた厚切りトーストを片手にゆったりと新聞を読んでいる喫茶エリア、といった王道な絵があります。ゆで卵、もちろんついています、厳かな調子でスプーンの裏で卵の殻をパチッパチッと割って。。。

最近は、海外からのインバウンド客で静かな人気に盛り上がっている松本です。そして世界の紳士たちが、訪れるにあたって、せっかくのことなのでエドワード的にGentleman's Voyage 的なスポット@松本をご紹介できればと思います。たとえば、このホテル花月のオープンテラス、次の予定がなくて、飲み食いしていなければ必ずや寄ってハイボール一杯くらい愉しんでいたはずです。この日、初めてオープンテラス設定になっているのを目撃しました。いいですね。




書体も良いですね。うっとりします。松本駅ロータリー降りてすぐのところにも、松本、とこの筆致であります。今月末28、29日とあがたの森で、クラフト展がありますが、これがもはや全国区となっており、日本各地から職人が木工や漆器や陶器、ツイード織物まで出品します。宿確保、駐車場確保たいへんですが、お天気がよければ飽きることのない、いつまでも時間を忘れる楽しい展示会です。作家の方々とのおしゃべりも楽しく、毎年、ちょっとづつ、ここで買い揃えています。




ホテル花月さんの前には、これまた魅力的な古書店バー 『 想雲堂 』 が出来ていました。脱サラされて、本と珈琲とお酒とジャズがお好きなご主人が開いたお店。シングル・モルト系のお酒も充実して、夜のひと時はさぞかし愉しかろうて、とこのテイストが好きなヒトは夢見心地になるはずですね。家族と一緒の時間に寄りましたが、たまには1日くらい、バチェラー的に、古書やジャズやシングルモルトに溺れてみるのもよろしいのではないでしょうか?個人店でもこれくらい魅力的な空間がつくれるものなんですね。






最近は若い方がオーナーとなってギャラリーを併設したカフェも増えてきているようで、ぶらり途中下車の旅的に、メインストリートからちょっと入った路地の奥のねこ道を歩くような愉しみがあります。日本全国京都や神楽坂のように奥の小道へと誘われる空気感があって、味わいとコクと香りのある街並みになると、日本全国じわじわ元気になるのではと想います。雑居ビルの一室や、自宅の一室で、技術やセンスに磨きをかけて、愉しい人生と愉しいモノ作りを両立させている職人の方々が、ちょっとづつ増えているように感じます。



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