2011/01/18

GrandTour2011 1月7日(出発・到着・初日)


Gentleman's Voyage2011(ジェントルマンズ・ヴォエジ)、あるいは英国の優雅なスタイルをなぞらえてGrand Tour(グランド・ツアー)、あるいは、主に時間という制限の中での不可能に挑戦する、というような弾丸ツアー Cannonball Tour(キャノンボール・ツアー)、それぞれの要素を持った今年の旅は、エドワードエクリュの2人僕(以下:エド)とM氏(以下:バロン)の旅に、ベイルートを経由したI氏(以下:ジェット)が途中ブーメラン合流し最強の3人となって珍道中を繰り広げる、というプランでした。



今回も最高のタイミング・円高メリットを生かして、Z層(マーケティング的に、最終属性)紳士向けのツアーとしてのプランニング&実践しました。ブリティッシュ・エアウェイズの、もともとはプレミアム・エコノミーだったのですが、チェックインの際のちょっとした会話のやりとり ( ヒミツ ) でアップグレードして、フルフラット・シートでの幸先よい旅立ちとなりました。機内は足元が冷えるので(北極付近を飛びますからね)、普通のスリッパでは寒い。ルームシューズはそれ用に開発されただけあって、保温性も抜群のスグレモノでした。



バロンとは互い違いのシートで12時間30分。結構時間がたつのが早く感じました。バロンはゲームに徹底的に没頭し、僕は渡英直前にすごく相性の良いテキストを見つけた嬉しさから(とはいっても僕は受験英語レベル)徹夜受験生のように、英語勉強に没頭していました。それにしても機内はやや寒めですね。防寒はかなり慎重にやるべきですね。スタートの体調管理は超大事ですから、行きだけでもフルフラットを利用することは賢い投資だと思いました。



ソニーの超高性能ノイズキャンセリング(防音ヘッドフォン)を日常使いにしているバロンから試させてもらい、そのあまりの高性能ぶりに、免税ショップに走り即買いしました。これは汎用性が高い。最新メカには常に大いなる疑念を持っている僕が、ひさびさに最新テクノロジーのすばらしさを認めた瞬間でした。



食事は僕的には相当美味しいと感じました。メニューも洗練されていて、ゆっくりワインを飲みながら食事を摂る、enjoy your meal ! というフレーズを額面通りに感じるメニューでした。なぜか機内ではつねに結構飛ばし気味に飲みます。これからの旅の始まり、ワクワクしつつ、ほろ酔い気分で、最高のひとときです。


英語と睡眠とおしゃべりだけで、アメニティー機能一切つかわないまま、ヒースロー到着となりました。早く感じました。



悪評高いヒースローの入国審査も一瞬で済み、ゲートではひときわ目立つ騎兵隊風のリッツのポーターが、爽やかな笑顔でぐんぐん近づいてきて駐車場まで案内してくれました。 そこにはゆらゆらとした霧の中に、ロールズのファントムがドドーンと待ちかまえていました。



ヴィトンの大型バックを一度盗難されてトラウマがあるバロンと、新しいバックをこの旅のために買いました。“ドンキ”で買ったものです。日本で入手可能な既存の有名バッグがなんとなく予定調和的だったので、ちょっと違うな、と感じていて、最初は “ ドンキで行って現地でスウェイン&アドニーあたりで購入したバッグに一気にトランスフォームだ~ ” という作戦でした。



しかしながら、僕はすでに成田あたりで、“ なにかのはずみで2、3日面倒をみてしまった子犬のように、ドンキ・バッグに愛着が湧いてしまい ” ロンドン着あたりでは、これはなかなか使いやすい、色もハンドリングも上等じゃないか、ぜんぜん充分じゃないか、ずっと使おう と思っていました(笑) 騎兵隊君に、君でかいね~というと、あなたがたも決して小さくないですよ、、、と言って笑っていました。室内は意外と天井低いです。



結構でかいらしく、結局トランクに二個は入らなかったらしく、助手席へ。ショーファーのウィンストン氏は、あんまり人の話を聴かないタイプながら、ソウルフルな声で最高にイイ奴でした。最終日に3ピーススーツをビスポークすることになる、セヴィル・ロウ通りの一本横の道にあるアンダーソン&シェパードの前をゆっくりツアーしてくれました。みな半端なく車内をのぞきこんできます。残念ながら、普通の2人の日本男児ですよ。



ホテルにチェックインしました。またしても、ちょっとしたやりとりの中でアップ・グレード。一瞬めんくらいましたが、普通のシングルから二人ともジュニア・スイートになりました。バロンが日本紳士のイメージを覆す革命的な勢いで、ターボ効かせながら、チップを渡し始めていました。男っぽく粋な感じで、これで日本紳士の印象もちったあ変わったでしょう。ファントムのショーファーに50£切ったことが後に効いてくるとはこの時は想像しませんでした。



どうやら、部屋のブッキングは服装を見て、客の好みを読んでセレクトしてるようですね。バロンは青、僕はピンク系。確かに、コーディネートでは、その色がそれぞれ軸になっていました。僕はピンクのタートルを着ていましたからね。



到着早々、アポあったので、セントジェームズのデュークスバーにいそいで向かわなければならなかったのですが、ホテルの外に出ると、ウィンストン氏が律儀に待ち構えてくれていました。狭い路地を、静かに縫うように走り、最終的に狭い狭い路地にむけて、バックさせながら、あのでっかい怪物戦車を豪快にケツからぶっこんで行くスタイルでの(ナビのアラートがけたたましく鳴りまくる中)バーの玄関先に登場となりました。たった数メートルであっても、客を歩かせない、完璧に玄関先に付ける、水たまりの位置も計算して。。。プロフェッショナルでした。


待ち合わせの相手は、ビスポーク・スーツ本『ロンドン・カット』の著者で、最近『 Bespoke: The Men's Fashion of Savile Row Bespoke: The Men's Fashion of Savile Row 』 という書籍を出版されたジェームズ・シャーウッド氏でした。一昨年、偶然老舗テーラー『ハンツマン』でこの最新本の撮影をやっていて、彼にヘアサロンを教えてもらったご縁がありました。お忙しいところ、時間いただき感謝しております。



40度ほどのグラスになみなみ注がれているマティーニを味わいつつ、(時差ボケの後でこれ飲むとジェームズ・ボンドでもひっくりかえるのでは?)もろもろ談義を楽しみました。かなりの健啖家と見ました。お酒も、食事も、たばこも、スポーツも美容も、そして人生もすべて愉しむ英国紳士のシャーウッド氏でした。一番紳士にふさわしい出会いの挨拶は何か?とか、いろんな解答をこちらは楽しみました。エドワード製のルームシューズも批評していただき(褒めてもいただき)、フィードバックさせていただきます。



ロンドンの飯はまずい、という先入観を覆すレストランへと2次会的に移動。一見落ち着いて家庭的なセントジェームズにあるレストラン。しかし、結局のところ、この第一日目のこのジェームズ氏に連れて行ってもらったレストランが、旅の全レストラン中、1、2位の美味しさだった、というわけでした(笑)女王陛下もお忍びで来られるとは納得です。お腹がパンパンの状態から、さらにそうとう量食べました。



ホテル内はすべてルームシューズでした。最高度のレベルでドレスコードが厳しいこのリッツ・ロンドンにおいても充分このルームシューズが愉しめることを確認しました。リッツでは、昼間はしょっちゅうドレスコードにひっかかった人がいて、誰かがゲート付近で止められていて、それをこちらは耳をダンボにして聴くことがちょっとした勉強になっていました。

10回観たのですが、ホテルのヴィデオで “大多数のお客様は、男性女性問わず、T-shirtsにジーンズにスニーカーというスタイルを好みません”と流れていて、コレコレ!日本にはこれが大いに必要だ!と感じた次第です。店の世界観は客が作ります。世の中の99%の店は、ドレスコードが無いわけですから、カジュアルが好きな方は、どうぞご自由にと、そこを好きなだけ選べばいいわけです。

わざわざ、ドレスコードが存在する1%の店を選んで、世の中の平均値カジュアル的(キッズ的)世界へと引きずり降ろそうとするマインドがそもそも間違っています。きちんとしたドレスアップスタイルが好きな人がいく、ドレスコードの厳しい店が、日本にもできてほしいものです。


今回スーツ2着、ジャケット1着持って行きました。高回転で回すために、クリーニングを利用します。出来上がり、仕上がりは上々だと思います。ドライクリーニングでのスーツなどは、注文時に、ちょっとしたコツはありますが。ネクタイもプレスサービスがお薦めです。ランドリーサービスではアンダーウェアを出します。ポケット・スクウェアもプレスがきれいでした。



その夜は、アルコールのせいもあって、胃もたれ後先考えることなく満腹っ腹かかえたまま、一気に服着たまま爆睡。夢も見ませんでした。すでにある意味、夢のような一日でしたから。


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