シルエットは凛々しく、印象はやわらかく、仕立てもやわらかく、丸みを持たせて。肩はマニカ・カミーチャ(※1)仕立て、バルカポケット。作りをできるだけ軽く。静謐な夜のニュアンスで。
『濃さ(黒の深さ)』、
『底艶(そこつや)』、
『ひたひたと、冴えわたり』
(※1)マニカカミーチャについてですが、その形状から 雨降り袖、差込み袖と呼ばれることもあります。まず型紙上の違いですが、マニカカミーチャは袖山の盛り上がりがないので通常よりも袖山が低くなります。縫製では袖山の縫い代の処理が主な違いです。袖山の縫い代の処理は袖側に片倒し、もしくは割りが通常ですが、マニカカミーチャは縫い代を全て身頃側に片倒しにします。これによって袖山を支えるものが無くなり雨が降るようにシワになり落ちます。袖を身頃に差し込んだだけのようなので差込み袖と言われるようです。
附属の違いはタレ綿、肩パットなどです。タレ綿は袖山の盛り上がりが不要なので薄くて張りのない綿ドミットなどを使用します。肩パットはマニカカミーチャの柔らかいイメージに合わせて薄いものにするのが一般的です。だからといって、マニカカミーチャは通常の袖よりも機能が特に優れているわけではありません。マニカカミーチャのもつ柔らかいリラックスした雰囲気を生かす為、附属や裏仕様などを軽くするのが一般的です。それが、着用者への軽みのある着心地に繋がります。
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