11月4日 23時16分 恵比寿ウエスティン・ホテルにて。ホテルの車寄せに向かってゆっくりと黒のクラシックなロールズロイス・ファントムが滑り込んでくる。手結びのボウ・タイをあしらったショーファーが降り、機敏な動きで紳士側のドアを開ける。
ピークドラペルのタキシードで装った紳士が降り立つ。観音開きの扉とショーファーの間をスウェイし、猫背のファントムの後方を廻りこみ、反対側の扉を開ける。ブラックドレスの女性が現れる。紳士は手を差し伸べ、女性が降りるのをアテンドする。。
日付が5日に変わる直前、23時58分。22階スカイラウンジ、“ コンパス・ローズ ” へ1ダースの取り巻きを引き連れて、シャンパンで乾杯しているこの紳士は、いかなる理由で美酒を戴くことができたのであろう?いったい、どんな成功を収めたのであろうか?
とりまきの一角は自ら経営する会社の社員たち仲間たちだった。何かしら労っている様子だ。皆イイ笑顔をしている。ふつうの会社の上司や代表に見せるような笑顔ではなくて、さんざん心配かけた子供を見守っている優しい親のような表情だった。。
ストレートのパワーは俺の方が強かった、、。
18時44分。美酒から約5時間前、八芳園のリングサイドにて。彼の応援団(の一部)この日の城戸氏のスーツスタイル&タキシード全般を仕立ているエドワード・眼鏡も写っている。ウエストコートの右ポケットの変なアクセントはチケットの半券らしく黒いデザインに見える。ダサい。気を付けて欲しいものだ。。
城戸輝哉氏、スマサガ不動産の代表をされている。ご自身が佐山悟氏が創立したシューティングの格闘家でもあった。不動産業界、リノベーション業界のチェ・ゲバラと呼ばれ、日々情熱に突き動かされつつ行動している。熱い一方、素朴かつどちらかというと不器用で、少年のようなピュアなお人柄と仲間内では認識されている。
20時1分。美酒に酔う4時間前。彼はリングに向かっていた。
エドワード・眼鏡 談:
バンゲリングベイのイベントでは人物紹介がリアルに丁寧になされ、身近な人物としてイキイキと伝わってきました。。リング上の人物に感情移入しやすいようになっていて、人物にしろチームにしろ、観衆自身に投影できて、ぞんぶんに心を乗せることができるように上手に演出がなされていたため、前振りの映像だけで、すでに気持ちよくアルコールがたっぷり入った僕の涙腺的にはすでに降水警報発令でした。興行的な巧者というのでもなく、主催者の新田代表自身が、自身の哲学をただ素直に表現した結果、このような素敵なイベントとなっていたように感じます。。
陳腐な表現でしょうが、人間皆ひとりひとり生まれた時点で、リングに上がっている、特に成人を迎えた時点で社会というリングに上がっている。闘いたくなくても、闘わないとならない時もあるだろうし、気がついたらゴングが鳴っていたりするもの。
城戸氏の相手は、自身より19歳年下の若者。さらに、その若者は格闘技の経験年数は上だったりする。年齢的なハンデはもちろん、スキルでもどうかわからない。城戸氏は前日自身のテーラーエドワードと 『 グルメな時間を愉しんでください 』 『 哲学的対話を愉しんできますよ 』 とやりとりしている。
パンチ、キック、存分繰り出していた。しかしながら、20歳若い闘士のパンチ・キックのテンポが非常に速いことで、少々ペースを乱していたようにも素人目には感じられた。回転の速さはアピール力となったのかもしれない。さすがにラウンド後半に城戸氏の表情に疲れが目立ったかもしれない。
20時10分
ご自身では納得いかなかった勝敗かもしれない。当事者としての強烈なくやしさ。勝利を目指して練習してきた日々を回想しつつも、かつて、20代、30代のころの自分自身との違いをリアルに突きつけられた瞬間かもしれない。
しかし、いつも強気の表情しか見せない城戸氏が、茫然として無常感そして達観へと入らんとするような風情が、十分に気持ちを乗せている観衆にとっては、感動へと誘われ、涙腺決壊となるのでした。
わたしは闘っています、という形容詞を使う経営者は多いでしょうがリングで実際に闘っている男の言葉には迫力、そして魅力があります。闘う社長の背中を見て社員の心はポジティブに変容するのではないかと思われました。
20時18分。試合が終わり、初めて相手のことを知る城戸氏。相手は保育士格闘家のナイスガイだった。。数分前になぐり合った、けり合った間柄には見えないさわやかな表情。。これが格闘技の、いやスポーツの本質なのかもしれない、と再認識させられ、多くの気づきもありました。
20時20分 誰よりも勝者に見えた試合後の一コマ。試合の後の行動が、この出来事をどうご自身の栄養にするか、愉しみに昇華するか、決定するように感じました。社員全員格闘技を始め、仕事への集中力・生産性・健康度が高まったチーム・スマサガ。
試合後完璧なタキシードの装いに着替えた姿を見て、控室にて当日の闘士でもあったハリー氏(ショップジャパン代表)が驚愕&賞賛したとのこと。最高の休日、美酒に酔うひと時はこうやってスタートしました。
上写真のほとんどは、タック氏撮影。そして意気に感じてロールズ&タック氏を送り込んでくれたJ氏に感謝しきりの夜でした。23時、会場である八芳園を出て恵比寿ウエスティンホテルへと向かう。ここから冒頭へとつながります。
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