2008/02/06

Boutonniere その1 タイト・ジャケットの工夫。



Boutonniere、ブートニエールは「ボタン穴」を意味するフランス語で、広義では衿穴(眠り穴)と、そこに差すための花まで含む。自分用に仕立てているスーツはシルエットがやはりタイトだから、留めるボタンは常に過労気味だ。ついには生地の縫いつけ部分から伸びてきて最後はボロリと昇天してしまう。昨年仕立てたばかりのハリスツイードのジャケットも第2ボタンが伸びてしまって時間の問題で取れそうだ。

なぜ第2ボタンかというと、あらかじめ第1ボタンは装着頻度が高いのがわかっているので、第1ボタンの引っ張り消耗度数を少しでも減らすために、第2ボタンばかりを使っているうちに先に伸びてしまったのだ。確かにジャケットのインナーに厚着するスタイル、そして、そもそもがタイトすぎるからそうなるんだ、ということだろうが、生地にボタンを縫いこんであるという加工自体を根本的に考えてみた。

いつもピアスのトップを耳から引っ張っているような不安がある。そもそも一点引っ張り剛性、なんて想定されてない生地。縫い付けられている狭い範囲に集中的に力が掛からないように、できるだけ全体に引っ張られる力が分散されて消耗しないで済む方法があるはずだ。定期的にボタンが取れてくれて、メンテナンスにかこつけて次なるセールス展開が容易、という考えはこの際捨てる。スタッズボタンとしての機能を持つT字カフリンクス型のスタイルはどうかと思って出来上がった。



で、ちょっとしたアクセントにもなるし、手持ちのカフリンクスでも使えるものがあるはずだ。ナチュラルなロジャーブランドのカフリンクスを装着。さっそく、東京積雪の日曜日夜、知人のホームパーティにこれで参加した。黒の細コーデユロイ(生地は逆目、しかしコーデュロイはいつも逆目がいいとも限らない。昨年自分用に発注した淡ベージュのコーデュロイは逆目より順目の方がよりイメージに近かったとトライ・アンド・エラー中)結構使える。



ボタンを気にせず安心してタイトなジャケットが着られる。好き嫌いの問題かもしれないが、これで普通のボタン型カフリンクスをつけると、外から見ても何も変わらない。ただボタンまわりが消耗品ではなくなった、という点が違っている。

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