2023/04/26
"Local PNEUMA" 富士界隈、あるいは隠された(日本の、に限らず世界の)財宝と意匠。
2020/12/23
里加子サロンのひととき
長崎での2日間のアトリエ・ショーが無事に終わりました。みなさま、ありがとうございます。
里加子サロンは、まるでCabinet of curiosities(キャビネット・オブ・キュリオシティーズ) と私房菜(Home Cuisine)をマリアージュさせた「風の時代」にふさわしい味わいと深みのあるサロンでした。
Cabinet of curiosities(キャビネット・オブ・キュリオシティーズ)とは15世紀ごろのヨーロッパ貴族の趣味でそれが展開して博物館や美術館へ育っていった、人類の好奇心の起源のようなものです。
旅や冒険のあかつきに謎に満ちた異国から持ち帰る蒐集品が入った展示用のキャビネットから来ています。
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そして私房菜(Home Cuisine)とは東洋の国々で自宅で食べさせる自身の個性や特徴に特化させた半プライベート食事処です。仰々しい店構えではなく、隠れ家的な風情で自宅の玄関からお邪魔して"特別の"お料理をいただきます。
色の専門家である鳥沢先生を通じてこのサロンの主人、里加子さんがくらしのドレスを気に入ってくださり、共感いただきまるで "風のように" 南麻布のアトリエに遊びに来ていただいたところからこの長崎でのアトリエ・ショーへと育っていきました。
最近ネット用語で聞く「サロン」ですが、このコトバの歴史的ルーツを調べてみました。以下、By Oxford dictionary of English (2nd Edition revised)
このもともとのサロンの意味を踏まえて『里加子サロン』の素晴らしさをお伝えしたいと思いました。
①旅と自由
②好奇心とquest : 探究 (pilgrim : 巡礼)
③人生を愉しみ、切り拓く美意識
世界各地を自由に、テーマを持って旅する中で、面白い!良い!と思うものを見つけてしまいます。従来ではここで"バイヤー"というカタチでビジネスに紐付けられるのが落とし所なのかもしれません。
しかし里加子さんはモノではなくて美意識や知恵を持ち帰ります。何に紐付けられるか、られないかは自分が決める、それこそが自由で優雅な精神ですね。
昨今のビジネス用語でよく登場する「スケールしない・スケールする」という成長戦略のタームですが、ちょっと待って!それ誰が決めた?ハイスキルモデルじゃダメ、再現性のあるロースキルモデルにしなきゃ!」いやいやそれ誰が決めたの?誰のためにかな?と立ち止まれる知性も大切ですね。
サロン主人のお気に入りのアンティークショップ、そこに併設されていた大村湾の眺望が美しいカフェ。いただく新鮮な手料理、世界中を旅してテーマを持って探究された体験談の数々。好奇心や探究心を自由に解放させてあげる中で、多くの知恵や美意識を焚き込んでおられます。
2021年、ふつうの想像を遥かに超えてくる前例の無い出来事、あるいは大きな価値の転換を迎えます。いかなる人にも等しくリスクがあり時間と空間という機会が与えられる状況に向かっています。
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くらしのドレス、オーダーメイド、愉しく対話させていただき、それぞれにご注文いただきました。ありがとうございます。時代の境目に、長崎の霊性にも触れるリトリートでもありました。クリスマスも迫ったこの時期に、2020年の素晴らしい締めくくりを行うことができました。ホントありがとうございま-す!
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#旅
#風の時代
#Kunstkammer
#CabinetOfCuriosities
2020/04/27
きれいなことばとなって響いてきました。
『 失われたことばを取りもどす 』くらしのドレスが、小さなさざ波のように広がっていきました。100年に1度のこれだけの有事にあって、なお人々にとっては、そこには装いの愉しさが存在したのでした。素敵。。SuperMoonProjectの仮説と検証は、遠くの汽笛のようにゆっくり響いて奏ではじめ、楽しげな唄声こそが、ひとつの解答でした。ありがとうございます。
紅茶とヴィクトリアンケーキのお店(ティーコジーはエドワード製)の御主人だったMさんからの今朝のメールのコトバが素敵だったので、ご了承のもとで転載いたします。コクシネルは、英語のDrapeドレープを一般的な皺しわ、と表現せずに『揺らめき』と表現していますが、ここにもうひとつ訳語が加わりました!Drape『さざ波のようにゆらゆら~』いいなあ~
フェルメール・シリーズで使用した生地は、ほぼ全員『上質なシルクのようですね~』と表現されるのですが、これだとウールの素晴らしさがシルク換算になるので自分たちで使うのは避けていました。
でもホントは1番わかりやすいんですよね笑。そんな感じで、コトバにこだわって意地を張るのもたまには大事なんですよ。ウールってすばらしいですから。隅田川沿い散歩してすれ違う99%はシャカシャカ石油系のスポーツウェアです。。先日駒形橋から蔵前橋までの間すれ違った約50名の通行人(ほぼジョガー)のうち、ぼくともう一人だけが、石油系ウェアではなかったです。ちなみに、こちらはウールのパンツとセーター、もうひとりは、アメリカ人風の男性でネイビーのアランセーターとデニムとコンバースでした。
ちなみに、さざなみを英語では、rippleといいます。これは実はよくできたもんで、転じて縮緬(ちりめん)の英語でもあります。2018年9月、みんなで丹後シルク、ちりめんを体験しに与謝野へ行ってきました。下はKuskaさんの工房にて。シルクもちりめんも優れた素材です。
この2020年の夏物スーツもベージュ系、砂漠色系のウールの縮緬素材でのスーツを推しています。これはスーツ生地の中で世界一涼感であることと、トラベラーズ・ウェアであることに理由があります。旅装として最高だからですね。くしゅくしゅっと丸めてトランクに入れてもひと晩で皺から復帰します。。すごいことですね。
シルク系の話題に戻ると、20世紀初頭のフランスのドレスメーカーの社名であるジョーゼットも縮緬属の一般名なのですが、18世紀前半にはすでに丹後ちりめんがどんどん創られているわけですからね。もともとはアジアで育まれています。ジョーゼットの厚手はデシン、薄手はシフォンとなります。どちらもことばの響きが奇麗ですね。
シルクデシン、つまりシルク・デ・シンのシンはChinaのことですし、シルクシャンタンはシルク・シャンタンのシャンタンShandongつまり山東省ですね。東洋のエレガントなTycoon:大君の残り香です。StayHomeに見出す愉しみは、C禍以前のブレーキが壊れた暴走特急内で繰り広げるどんちゃん騒ぎから一転して、小さな出来事から価値をていねいに掬い取る静けさにあるのだろうと感じます。
2020/04/14
understatement
『君かっこいいね~』 金曜日夜の丸の内、いまどきのスーツスタイルで装った年上のビジネスマンから声をかけられる。『あぁ、はい、どうも、、』 一見ぼんやりしたその微笑みに、どんな想いSpiritが宿っているのか相手はわからないだろう。understatement アンダーステイトメント:たびたび、その訳として『控え目な(謙虚な)』とファッション雑誌などでは言われる。