2010/06/30

キレ味のイイものを身につける、


やっぱり神楽坂はつくづく良い街ですね。激戦区だけあって、美味しいものがたくさんひしめき合っていますから。エドサロンの目の前の道は、成金横丁という名前の通りです。縁起がイイ響きで気に入っています(笑)その白銀公園寄りに上のジェラート屋さんがあります。ちょっと苦手な事務処理をやる時、甘く冷たいもので自分を甘やかせながら、なだめすかしながら、作業しております。

つい今さっきは、エド・サロン界隈での一番のお気に入り蕎麦やである神楽坂 “山せみ” にて夕食軽くすませたんですが、ほんと季節感ぜんぜん関係ない行為なのですが、日本酒の熱燗と蕎麦の組み合わせが至福の時になっています。たべものというか、味覚の切れ味をいただいている感じです。むしろお腹はふくれないかんじです。

スタイルのコーディネイトと一緒でやはり、それぞれの素材の旬がきちんと立っているのが気持ちいいですね。昨日はたまたま休みということもあって、早朝、寿司屋にいたのですが、季節の旬のお話をいろいろ教えてもらって得した気分でした。たべものの旬はお寿司屋から学べますし、お茶やお花をやっている方はそれぞれの素材から実感できるので、いいですよね。

季節の移り変わりから、時の流れの速さを知り、人生の道行き、ペースを再調整する、、、、。ビジネスにありがちなのですが、色気の無い、時間という数字の束縛から、自分を追い込んでいく行為とちがって、人生という長いスパンで、優雅に・真剣に急ぐところは急ぐ、ゆっくり味わうところは味わうという感じで、理想的です。

時間という定量に絶対的に沿うのなら、機械やコンピューターのほうが正確で優秀です。プランの奴隷になることなく(奴隷となっても、できることなら時間限定で)、人生を実存的に生きているために、季節感はすばらしい杖かもしれません。


昨日は、シャイ二―パンツ御注文のジェット氏のコーディネートで青山、日本橋をまわりました。上は、左から “Moss(苔)” “Gパン(Gold Pants)” “Sexy” というシリーズです。すべてシルク100%のウェポンです。やっぱり、せっかくエドワードで誂えるならば、1着、2着と呼べないような迫力あるアイテムにしていただきたいです。上のGパンなどは、おそらく小判を数えるように、一両、二両、、、一基、二基、と数えるほうが楽しいです。

というわけで、たまたま昨日は氏の知人の結婚式のためのBowTie(ボウタイ)を探して、ヴァルカナイズ(ハケット・ロンドン) ⇒ トム・ブラウン ⇒ ポロ・ラルフローレン ⇒ ポール・スチュワート と青山をまわりました。しかし、正直、買うレディー状態にあるにもかかわらずキリリと切れ味のあるアイテムがなくて、ベターはあるけどベストが無い、状態でした。最後の切り札を出すか、という感じで日本橋三越の“シャルベ”に行きました。店内入って一秒で決まりました。

日本橋三越は楽しい場所です。以前、5、6人の上海人実業人の集団をマカロンの“ラデュレ”に連れて行き、薔薇のマカロンを強制的に食べさせて、彼らの味覚に絶対に合わないとわかっていたのですが、案の定、『ううう~ん、まずい!』をうならせたことがあります。日本のスノッブたちは、これを美味いといってすごしている、と説明すると、真剣にうなずいていました。遥かなる異国の都市伝説がつくられた瞬間でした。



シャルベは、ネクタイ、ポケットスクエア、ボウタイ(パピヨン、バタフライ)、それぞれ品ぞろえが充実しています。やはりさすがフランスなのですが、エレガントでありながらも、ぎっしりと打ち込まれた生地目に、大きなパワーを宿します。きわめてフランス的で、伝統的なスタイルかもしれませんが、昔好きだったエミスフェールのお店のように、色のこまやかなグラデーションで木目細かく陳列してあって、自分の好みの色彩のトーンを微調整ができて、チューニングの妙でセレクトすることができます。色に関しては、米国(そして英国的な)、強すぎるコントラストに息がつまることもなく、淡い世界を遊べます。

シャイニー・パンツのオーガニックな艶は、決して大味のファンキーなテイストとして企画したものではないので、造作が華奢な白スニーカーに合わせて、美しい早朝のブローニュの森をゆっくり歩くイメージで履いていただきたいです。エスパドリーユ履いてもいいですしね。パンツは、8分丈もつくっていますし、夏のちょっとキレの良い装いとして、優雅に気分を上げてくれるアイテムです。

本日は、近々、知人の結婚式用に誂えようとの目的で、ジャスティン・ティンバーレイク風の英国人青年がご来店され、このブログにも上げていたディープ・ネイビーのサテンシャツをたいへん気に入られオーダーされました。着心地といい、挿し色的にも今シーズンのヒットアイテムですね。人気あります。黒とミッドナイトブルーの合わせは、リスキーでむずかしいですが、キマると圧倒的です。きっとまわられるエジンバラの街角でも自然に似合いますよ。

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