2017/07/30

Tie



エクリュ色をベースに、ピンクがかったグレイ、深みのあるオリーブグリーン、黒っぽいサファイヤ・ブルー、、、2色の大判のレジメン・タイは売っていなかったので、エドワードエクリュで企画製作しました。1~2年後くらいに世界的に流行るだろうと思っていたら、今年のメンズのタイの流行柄ということになっています。でも、世のレジメンは、3色だったり、英国的か米国的な細めの意匠ですが、これらのタイは少々テイストが違うかもしれません。

ちなみにエドワード・エクリュという社名は、エドワードという典型的な英国の男性名と、エクリュ、つまり生成り(絹の原糸の色)というフランス語の合体なのですが、これらのタイは、自社名のテイストそのものです。形は、大剣9センチ、小剣5センチ、ネック部分4センチという太めの、英国ケント公がスタイルとしている太めのアウトラインに加えて、色調2色という少なめの配色とマニエリスム的な色調。

ジャケットと一般的に言っているものが、実はスポーツ・コートという正式名称であるように、このタイはスポーツ・コートという語源からのインスピレーションでもあります。白のレイヤーを愉しむクラシックテニスのスタイル、ルネ・ラコステや、フレッド・ペリー本人のスポーツ・コート・スタイルにこのタイを挿すと、似合うんじゃないかな。ホワイト・フランネルのトラウザーズ、白のカーディガンやセーター、、、

ぼく自身が現在自宅のある長野松本で、テニスを再開して、着こなしも楽しんでいます。ネットで(ヤフーオークションの即決扱いで)販売しようと思っていたものの、2017年に入ってからの若干の忙しさに甘え、アップしようと思ったまま、ボケ~っとしていたら120本ほどの在庫があと10本になってしまいました、2017年7月末。。。ありがたいことです。また、ちょっと違うのを10月完成くらいで製作予定です。

2017/05/05

5月GW、そしてクールな季節





2017年がはじまったと思ったら、もう5月です。半年弱、ほぼ・はんぶん過ぎてるんですよね、ほんと時間経つのはやいですね~。4月は忙しくさせていただきましたが(ありがとうございます)、最近、端正で正統派スタイルの指向が熱いようです、予想外。先日縫製工場の方とここ数年の紳士服業界の3ピース・スーツのブームについてWhy ? と話してました、


『 3年くらい前に、この “ 流行 ” はずっと続きますかね?と私が訊いたんですよ、すると、いやいやこのブームは5年くらいで終わりますよ、ってコバさんは答えてたんですよ 』


とのことでした。微か~に記憶あります。ってことはあと2年くらい?2020年オリンピックの頃?たぶんハズレてます。現時点予想では10%くらいの紳士たちが底堅くベースにいてフツーの顔して3ピースとネクタイで装っているんじゃないですかね。頼もしいことです。美人でちょいと知れた顔の、神楽坂の御姐ニャ~さん、タイドアップしてれば、ちょっかい出してもきっと応えてくれるはずです。




ほれ、ところでいよいよ5月からクール・ビズです。気まぐれアウトプットしているインスタで、ボルサリーノをクールに被っている友人Jへのコメントで、クール・ビズを勝手流に" Japanese unprincipled bad habit " と訳して喜んでいますが、とうとう世の中アンチ・クールビズが増加してます。安心です。ほんと今年の夏はどんな感じなんですかね~ハードさのレベル?


今年は(も)、夏の着こなしのポイントはたった1点。『 ハット 』 です。力まずフツーにかぶる。かぶるとなると、いきり立ってボルサリーノの最高級モデルをいきなり買う、そんな日本人特有の不思議な “ ドヤ感覚 ” をいったん横に置いてですね、フツーでいいから楽に被る。真っ黒頭のてっぺんを太陽の直射日光で炙る(あぶる)理由はありません。街角も体感もクールになりますしね。


※追伸:
5月5日(金)~11(木)は、エドワードエクリュはお休みいただきます。インチキ英文のインスタは気まぐれムラッ気 Keep on アプトプット。

2017/03/18

おしゃべりしながら、スタイルを考える場所





オートクチュール・メゾン・コペル。
その雰囲気を上原さん(以下コペル)と星さんに伺いつつ書きました。

最初は “ おまかせ ” からスタートするのが一番賢いですね。おしゃべりしながら、ヒアリングしながら、作り手側がクライアントのお話を傾聴しながら、徹底的に考えて作ります。クライアントは、作り手にゆだねて、それに一度は乗っかっていただけるとありがたいです。

自分が似合わないと思い込んでいた色や素材、そのあたりも、一度プロに任せてみると新鮮なイメージのフローが起こります。キマリ事のない世界で色や素材を選んで、キマリ事のあるスタイルの世界でそれを出現させてみる。。。スリルがあって、とってもロマンティックな自分への冒険です。

とくに自信を失くして傷ついているケースが多いのですが、標準体型から外れている自分自身の体型について前向きに認識するというコツです。自分の特長を最大限ひっぱり出す、ふくらませる、育ててみる。既製服では、標準体型からはみ出した個性を全部封印しています、もったいない。いたわってあげてくださいませ。

たとえば、上のNさんの場合は、肩から上は昔の舞妓さんのように、小さくて丸い顔、細くて長い首、なで肩、と和風のつくりなのですが、長い腕だけは、アングロサクソン風だったりと標準値から外れている部分があります。そこを黄金率の変数として捉える、ということも大事です。彼女の場合は、ボレロというアイテムになりました。軽快に動く腕を個性にする方法。




マヌカンとしてコペルのショーでもたびたび登場する、Fさんの場合も着物が似合いそうな全身のシルエットですが、ビューティーの研究家ということもあって、体型管理にストイックです。彼女の顔、首、肩はお着物似合いそうな傾向なのですが、全身では健康的なメリハリのある体型をされています。それをコペルのほうでホルダー・ネックとしてアウトプットしたりしています。歩き方や表情や主に着用している場所で、どういうアイテムを企画するかを考え始めます。起点がモノではなくて、着用者自身というところが大事です。




コペルのミューズでもある、Harunaさん。年間を通じて、季節の装いをコペルは提案しています。シックな黒から色彩を愉しむシリーズまで。黒柳徹子さんばりのコペルのお喋りにも、たびたび付き合ってくださっている模様。細身の華やかな佇まいの彼女に似合うドレスということで、過去のメゾンのアーカイブをさんざん研究している様子です。アマゾン時代の昨今にも関わらず、NYからたくさんのアーカイヴ書籍を買い込み、ああでもない、こうでもないと皆で装いの研究に余念がありません。




オーガンジーのブラウス。クラシックなブラウスはとても贅沢なアイテムです。仏エルメスでオーダーすると価格的にも大変贅沢なことになります。英ジョン・ロブのビスポーク分くらいではないでしょうか。これも日本で、アトリエで作るとなると現実的な価格になります。手づくり、オーダーメイドのブラウス、素材によって多少価格が変わりますが、シンプルなブラウスは、それだけで上質のニュアンスがあります。素材は上質に、デザインはミニマルに、ニュアンスをふんわりとゆたかに、というイメージです。妥協なくチューニング中です。




Aさん、映画 『セクレタリアト 奇跡のサラブレッド』 からのオマージュで製作したドレス。31馬身伝説名馬のオーナーのドレスを参考にしました。シルク・スクリーンで本体生地を作り、オートクチュールドレスで再現しました。必ずと言って良いほど、大きな成功の一歩手前に大きな試練やピンチがあるという王道ストーリーの映画。31馬身もチギッてくれる馬主もそれまでの苦労を一撃で消し飛んでしまうのではないでしょうか。大井競馬場にて。




神楽坂ベルンにて。金沢からの客人小西さんを神楽坂ツアーに。必ず立ち寄らないとなりません。時々、ベルンでエドワードのお客様の採寸などもしています。僕がいたころは淡いベージュの床でした。最近亡くなられた、内田繁氏の内装はそのまま生かしています。ご実家がテーラーであられた彼女の興味は竹内君がロンドンで買ってきたカフ・リンクスに注がれていました。

自分のために買っているのか、お客様のために買っているのか、もはやその境界線も、とうの昔にわからなくなっている、あいまいな水平線を持つ竹内君。そのあたりが最高に信用できる人物。まず自分が欲しい、欲しくない、って明解な感性が一番信用できます。在庫ですらコレクションの喜びになるわけですからね、売れるのが悲しみになるのは困ったもんですが(笑)そんな力のある商品が並んでいるのは幸せですね。




春夏始まりますね。ヴィンテージのコットン・プリントのドレスもいろんなバージョンあります。しかし、基本デザインはどこかの映画で観た事あるような仕様にしておくのも素敵です。目新しい刺激となる目新しいデザインもいいのですが、主役になるのは服ではなくて、御自身ですから。最近のデザイナーの動向よりオートクチュール・ドレスの話題になると着用者自身の感性のはなし、選択の理由、自然に持っているセンス、魅力的なファッション、それに対する歴史観 (そこまでいくとかなりレベル高い)、そして判断についてのちょっとしたプリンシプルや哲学、といったように、御自身本人にスポットが当たって、影響力が増した、柔らかなフローが起こる時間になりますよ。




あの映画の、あのドレスを

というテーマであっても、何ともロマンティックな~、ということになりますね。それ以上に、そのロマンティックを実現させる力が着用者からその相手に伝わるはずです。自分発信でプレゼンスを作り出している自信のようなものが頼もしく、(小さなことではありますが)想いを達成させたひととして伝わるのではないでしょうか。




メンズのオーダーは、表参道コペルで採寸をやっていることが多いです。基本、紳士ビスポークは、エドワードエクリュの独特のスタイルなのですが、全まかせ、という大胆なスタイルが多いです。全身一式完全製作です。作り手には一番プレッシャーがかかるスタイルですが、一番やりがいがあります。『この予算でスタイルを全開でパワーアップしたい』といってエドワードの口座に突然振り込んで来られる場合は、丁寧に内訳を作って必要なアイテムを企画することになりますが、全体を考えて半期や年間計画を立てるので、一見乱暴のように見えて、結局は、単発買いよりも堅実なオーセンティックなワードローブを組み立てられます。採寸は早めに済ませちゃって、一杯飲みながら服以外のお喋りや、バカ話や世間話したほうが、きっといい物ができますよ。




3つ年上の姉のまさ子さんに経理の仕事をお願いします。自宅に出勤してきてくれるのですが、僕の蔵書も良い本たくさんあるね~といいながら、借りていっておられるようですが、時々自分の本も持ってきています。上の本もそうでした。彼女も僕と同じアナログ人間で、パソコン苦手なので、パソコン使用最低限でアナログ目に経理仕事と、事務所(自宅)の書類の整理や部屋のカタズケまで(コーチング)してもらっています。

非常に優秀なお片づけコーチで助かります。絶対にこのエリア片付かない、という数年来の積み上がりコーナーを解決してくれたり感謝しています。亡くなった父が3月3日生まれだったので、毎月3の日に父を偲ぶという供養も兼ねて、家族会で軽いランチ会を始めたのですが、これがもう丁度2年次回で24回目となります。家族同士の近況アップデートは深い部分のパワーづくりです。




シニア世代、凄いですね。アラハン(100歳)とかですからね。アラサーとかフォーとかフィフというレベルよりもう数段、いってみれば5段上ですからね。もはや、哲学的にならざるを得ません。こりゃスタイル論も深まりますわ。在り方、堂々とされている。シワもまた魅力という世代。カッコいいコメントが多いです。経年進化されておられる。身近な家族もそうですが、知恵を求めるに、遠くに隠された複雑な宝物を求めるのもいいのかもしれませんが、身近な、文字通り近しい友人や、さらに言うと、もっとも近しい家族にシンプルでまっとうな知恵を求めます。生まれた時から50年来の友であるわけですしね。何かと喧騒の世ですから、外に目が行きがちですけどね。姉と母。深い部分のエドワードにパワーを与えているアドヴァイザーです。母83歳。




表参道のアトリエでは、ちょっと前にインスピレーション溢れるシーンが展開しました。15年前、記念すべき一番最初のレディスのクライアントでもあります。友人であるあけみ嬢(左端)。海のものとも山のものとも分からないぼく自身のテーラー業開始時代からの15年来の友人です。彼女とお義母さま(中)のメイミーさん、そしてコペル(右端)です。譲れぬ高い、フランス寄りの美意識でもって、お互い頑固者通しということもあって、喧嘩に近いやりをしたこともありますし、何かのオトシマエ(予約してた生地が手に入らなかったとか)で僕が坊主にアタマを丸めたりと、かなりのドラマがあります。

そのあけみ嬢が仮縫いしている間、お義母様が、コペルのサンプルドレスやコートをどんどん試しフィッティングしだしたのでした。サイズがちょうど頃合いがいいのもあり、さらに世界中のいろんなドレスを着こなしてきた経験からか、着こなす力が溢れておられ、あらゆるサンプルを自由自在に着こなします。どれもトコトン、よく似合っている。。。皆が納得するお似合いぶり。ヴィンテージのマッキントッシュのパターンを参考にした超タイトなコートの仮縫いで、身動き取れないせいもあってその様子をうらめしそうに見ているアケミ嬢。




その状況を見ていて、この絵が理想的だ!と直観したのでした。シニア世代、あるいはやや上の世代、もしくは3、40代の世代にあっても、スタイルづくりに際して、(精神的にも)大人なほど・成熟しているほど似合う、というドレスが理想的だ、と。経年進化して、いくらかお顔にはシワが刻まれておられるかもしれませんし、腰もそろそろ曲がっておられるかもしれない、しかしその堂々した在り方を映えさせるようなドレス。多くのおしゃべりの中でそれがコペルも星さんも皆共通の認識でした。

かなわんな~と感じながら、20代30代は年上に憧れるという姿。ほんとうは、メンズもそうなのですが、シニア世代が今風の若者の格好をしてしまい、ますます若者が調子に乗っちゃう、ナメられている、とか、お母様世代が10代の娘の格好をして、美魔女の私は10代の格好でもイケる、と満足している痛(痛し)い状況にならなくて済みます。大人は大人らしく、若者世代に、そこそこ、どこかしら憧れられるような存在でありたいものです。落ち着いた、上の世代にも優しい社会、それがほんとうは自然なことだと思います。下はあけみ嬢を受け継ぐ第3世代。2010年代生まれ!行く川の流れは絶えずして、、、、、




2017/02/02

Copel : オートクチュール・メゾン・コペルの進化




写真は、2016年末、Breakfast at Tiffany's を地で生きつつあるコペル(こと上原さん)@ニューヨーク。現時点でフェイスブックもインスタグラムもやっていないコペルは、直接の顧客のもとへ行きます、たとえ海外であっても、全体観が合っていれば。。職人を抱えた小さなメゾン=注文服の商いなりに、コペル・ブランドの信念に強く感じ入ってくださる100人のミューズたちとの出会いを世界を舞台にして、コツコツつくりあげつつあります。ある意味、王道すぎて、昨今では非常識かもしれません。最高の顧客をさがしている、と。

積極的にこちらが動くと、作り手は意思的に最高のクライアントと出会うことができるはずだ、そういう信念で動いています。マーケティングも信じていない。データを信じてブティックで服を畳んでぼんやり外を見て未知の顧客の来店を待っているスタイルは、ちょっと信じられないとコペルは考えています。受身で待つことを前提とした従来のアパレル的なマーケティング・データも机上の空論、ひじょうに空虚に感じる、と。運命は受身でなく、自分でつくれるはずだ、と。僕もCopel Advisor:顧問として動いています。




こちらは、昨年末のメゾン・コペルのアトリエ長、製作長の星さんの講演@文化服装学園byファッションスタディーズ。フレッド・アステア似のおだやかな紳士ですが、われわれファミリーの例外に漏れず、一般的なアパレル業界の常識からすると、強烈に異端的・反時代的なマインドで日々仕事に臨んでいます。つまり、新しいタイプの職人です。エドワードのきわめて英国的な装いを纏って(そらもちろんタイドアップして)、ニュールック時期前後、オートクチュール黄金期のすこぶるフランス的なドレスを製作しています。

皆、星さんの仕事ぶりには、“伊勢神宮からの風”とあだ名をつけていて、製作中の彼が放つ清浄な空気感には、サボり症のぼくも身が引き締まる思いがしています。まるで、純喫茶ウエストの厨房に貼ってある『真摯 ( しんし )』 、あるいは紳士、あるいは神事、といった風情です。製作伝票一枚仕上げるのにも、ふうふういってしまう、自らを恥じざるをえません。




ほぼ直前に帰国したコペルも参加、一瞬登壇しました。学生の方、先生の方、みなさま真剣に聴いておられました。星さんの語りも、いわゆる英国的なaffectation : 訥々とした、少々放送事故一歩手前の心配芸含みの高度な“間”が行き交うスタイルは星さんならではでした!今、テレビ文化が浸透しすぎていて、それがひとつの基準になっているので、皆せっかちに沈黙を埋めますが、それでは、情報を行き交っても、間や空白からくるニュアンスや情感はとどきません。沈黙したければ、そうすればいい、ヴィトゲンシュタインでなくても個人的にはそう思います。

コペル最高の相棒である、星さんは、シャツブランド 『 Astair : アステア 』 も展開しています。今日も納品でしたが、セミウィンザーの立体的な佇まいとか、ふんわりしてすばらしかったですよ。剣先9センチがウエストコートにパシュっと収まっていました。この全体の長さのバランスとかスーツのVの開き、ウエストコートのVの開きとの係り結びとか、そのあたりの形作り方、仕様、バランスはほとんど語られませんが、超大事で、視覚インパクト大なんですよね。。。丁寧にオーダーして実を取りましょうぜ(現実の全体のルックにフォーカスしましょう!)、と常々強調しています。




しばしば、星さん特集もしようと思っています。人生を愉しむ才能に溢れる星さん、コペルが一気に起こしたデザインを、これまた一気に形にする。思い切りのよさ、潔さ、一筆描きの精進はふつうのコントロール能力ではないので、日々の自分の感性との付き合い方が成績表のように出ます。無意識に足を運んだ旅先の景勝地の地平線の風景が一本の自然な線として描かれたり、ふと立ち寄ってカフェの窓辺でお茶をゆっくり飲んでいた叔母さまのジプシーテイストの装いがインスピレーションになったり、一年前に観たお気に入りの恋愛映画だったりと、すべては普段の習慣や暮らしの中で五感に収まったものがアウトプットされるだけですね。

昨年は金沢に二度ほど、紳士の装いについてトーク・ライブする機会があって、そこで参加いただいていた小西さん(いまでは企画を一緒にプロデュースいただくパートナーですが)から、東京でオススメの既成スーツのお店を教えてください、という質問に(本音で正直に語る、を売りにしているのですべからく率直に)こたえたのですが、1.バタクさん、2.天神山さん(1.2.どっちがどっちか曖昧)と応えました。その質問があった数日後に、骨董通りのハンバーガー屋で偶然バタクの川部氏に会ったので、訊いてみたところ、伊勢丹時代はやっていましたが、今はやっておりません、とのことでした。。。コペルこと上原さんとのめずらしい一枚です。。




で、2回目にはラルフ・ローレン、ブルックス・ブラザーズ、ポール・スチュワートのファッション要素のできるだけ少ないもの、という答え方をして、われながら、つまらない・気が効かん・ぼんやりしたダサい答えやなあ~と自己嫌悪になったことを記憶しています。気の効いたこたえを逆におしえていただきたいです。お客さん連れて行くので。。。まあ、ぼくも作ってはいるわけですがね。

そういえばコペルは、もともと老舗といえる都内の英国古着ヴィンテージ・ショップに勤務していました。彼女のお父様もすこぶるお洒落な方で、ツイードの輸入のポール・スチュワートのジャケットをさらっと軽やかにお召しでパーティーも来られていました。高校生時代にマックでバイトしハンバーガー大学を卒業し店長まで出世した(学生時代も)勉強そっちのけで学校以外の世界が好きだった娘に手を焼いていた、という噂ですが、なんらか生きる哲学をおしえていたのではないでしょうか。




心のふるさとといえる神楽坂、お兄さん分でもあるクライアントのU氏といっしょに。コードレーンの3ピースにエドワード別注のアルニス・タイをされています。靴もライトブラウンのコーレスポンデント・シューズを挿しておられます。コペルこと上原さんの個性溢れる逸話はつきませんが、たしかこの数日前か前日だったか、あまりに友人知人からの(心配からか)連絡が多かったので、メンドクサイならいっそ捨てちまえばいいんじゃないの?というアドヴァイスにインスピレーションを受けて一瞬で決心してそのまま水辺に投げ捨てました。


映画なら、遠くに放物線をえがいて、劇的にちゃぽーんと水しぶきが立つところでしょうが、案外現実はもっさりしていて、中途はんぱに投げ損ねて、ごく手前の物に当たって、ごく手前の水辺にぽとんと、落ちたという顛末でした、、、。まあ、乱暴ですが腹がきまってる人だなあ、と大物の片鱗を感じた記憶があります。そういえば、今期オリジナルのネクタイも完成してきました。ドレスアップした時代のスポーツがテーマだったので、2色の太めのレジメン・タイばかりを企画製作しました。個人アカウントのヤフーで販売する予定です。グリーンやヴィンテージ・ブルーや、グレイなど、難しい色目ですね。レジメンの向きは英国斜です。(税込み\23,760) 大剣9cm、小剣5cm、ネック4cmの職人泣かせです。。




骨董通り、FIGAROにてU氏と。ひさびさの近況アップデート兼ねた新年会をぎりぎり1月31日に(笑)人生論やロマンス話で盛り上がり、エンドレスなひとときでした。ありがとうございます。おしゃべり好きのわれわれの良きトーク仲間。オーセンティックな装いがどれだけ威力があるか、御自身の実体験でお教えくださり、大いに励みになっています。トラッドの着こなしのあらゆる変化球も着たおされるので、調子に乗ってコードレーンやシアサッカースタイルをぐんぐん推し進めてしまった一昨年でした。コペルの世界進出にもいち早く注目されて、皆でファミリーの暖かさを持って乾杯に溢れる一年であることを誓った愉しい夕べでした。。。



2017/01/23

和歌山のみかん男爵





上の画像は、Harrisons of Edinburgh Holland & Sherry William Halstead の英国の老舗一流生地が“ 上野さんという主役に向かって(合わせて) ”にじり寄っているの図、総動員されているの図です。今月14日土曜日。

これこそが、いわゆる“ブランド”といわれている物とのDestination : 終着駅的な付き合い方です。あくまでも、主役は着る人ご本人。ご本人のテーマにブランドを合わせる。

若いうちは、物の力を借りたり、物に自分を引っ張り上げてもらうような使い方もあります。少年、青年まではそれで充分ですが、大人になったら自分のテーマに物のほうに合わせてもらいましょう。上野さんは、ご自身のライフワーク、つまり確固たる人生のテーマをお持ちだからそうなれています。



和歌山のオレンジ男爵こと、上野さんは、紀伊国屋文左衛門という和歌山を拠点にして、みかんを中心にしたネット・ショップを経営しておられます。普段は和歌山におられ、たまに大阪そして先日は4年ぶりに東京ということだったようです。先日は楽天甲子園の講師として、上京されておられたようです。

もとは、著名な出版プロデューサーの会の二次会で出会いました。僕を誘ってくれた愛知県の実業家の方は、このプロデューサー氏自身の装いをなんとかしたいという友人愛のような願いから、実は裏ミッションありで僕が招集されていたのでした。

しかしながらちょっと世間話を交わした時に、装い分野において(表面的な)自我を手放せないタイプの方だな、潔くふんどし一丁でまな板の上に乗ってきてくれない人だ、とわかったので、僕はあっさりその場でプランB に移行してしまいました。

お酒飲んで、楽しんで、おもろそうな人間を見つけてバカ話でもしよう!と思っていた時になんとなく紹介されたのが上野さんで、そのままのノリで会話が始まりました。

上野さん)   ネットでみかん売ってます。そろそろ、自分の装いをプロの方にお願いしたいと思っているんです。

そうですか、それなら全身オレンジでしょう。

上野さん)   もちろん、そうです。(リアクションコンマ1秒でその線で考えてた感あり)

マジですか?(振ったわりに若干焦るが、そのドライブ感の良さに大物感アリ)

というやりとりだったと記憶しています。生真面目で少し内気な雰囲気でしたが、素朴で癒しを感じさせる笑顔で微笑んでおられました。これがたしか2005年夏のことです。最初は、国産生地の、ヤヤくすんだ蜜柑色(みかん業界用語では、晩生:おくて)でまだ、おしゃれにも振れる余地を残したものからのスタートでした。



顧客カルテの200名分のクリアファイルの中には、一か所左端寄りにひときわ目立つオレンジのファイルがあります。もちろん、オレンジ男爵こと上野さんのカルテです。いつも目の端に上野さんを見ていることになって、基本営業しないエドワード的にもシーズンごとに気になってしまいます。

自分色を使用しているから目立つ、間違いがおきない、という強みを発揮しておられます。この点をエドワードも真似し、好みもあって、エドワードエクリュのコピー用紙などの書類はすべてエクリュ色(オフ・ホワイト)を使用しています。

オレンジ色のファイルを手にとって、カルテを見ると面白いです。国産の中堅どころの生地からイタリアメーカーの彩りの良いジャケット生地の宝庫ロロ・ピアーナ、国産礼服生地“王侯の装い”まで、使用しています。カルテを見渡すたびに、この12年あまりの年月に感慨無量です。


いやおう無く目立つんだけど、愛嬌がある、でも基本を押さえた王道で作っています。神楽坂にてリオン料理のルグドルム・ヴション・リオネのオープンテラスにて、くつろぐの図。



そもそもがその爆発的な目立ち方ですが、一度、学芸大学駅前で前で待ち合わせしていたときに、駅前のとりわけ主張の激しい商店街の看板以上に目立っていて、登場されるシーンが看板の全てを無力化しながら、歩いておられるようで、感動を今でも鮮やかに記憶しています。駅前の看板超えしてる、という事実でした。素朴で、生真面目な印象の上野さんが、装うからこそ、俺が俺がというマインドというよりも、

これだけ、シンプルにしときましたんで、おぼえていただけますやろか?

と、ご贔屓筋への愛嬌ある親切心に思えてきます。間違いなく、エドワードでは振り切り系の元祖、先駆者といえます。(後々この分野では、モンスター・異星(性)人が登場しますが)




昨今では、御自身の純度の高い徹底性のおかげでTVCMで和歌山発の地元キャラクター名物(名士)として登場。綾瀬はるかさんとの共演された時のもの。(※ 現在はこのCMの方向性が、いかにも短期利益モデルが組み立てられそうな、ゆるキャラ登場にかわりつつあるけど、人か?ゆるキャラか?、といったら、意識の先進性はひと・ベースのほうが先に行っていたと思います)を愉しんだり、と地元の企業スポンサーのラジオ番組もレギュラーでやられておられます。

さらに、僕が上野さんの大ファンであり、共感する理由が、ITを駆使しているにも関わらず、その捨て身の全身オレンジスタイルの根っこにある、王道を進もうとする “ あきないの哲学 ” の部分です。このこともあって、表参道にてレディスのオートクチュール、メゾン・コペルの上原さんにも紹介した次第です。

今風の髪の毛ツンツン・ピタピタスーツのファッション業界ちっくな若者たちよりも、和歌山でみかん売ってる上野さんのほうが商いの王道を進みたいメゾン・コペルのインスピレーションの元になれると思ったからです。

氏は、書籍も出されています。僕もアマゾンの感想文を書かせていただいております。

昔からネットの技術に頼りすぎることには疑問をお持ちでおられました。SEO対策で上位表示に批判的だったように感じます。むしろ、時流に寄ってかわるものに、自分の軸を置いてはよくないですよ、というスタンス。

深い部分では、地方にいながら、その土地の豊かな歴史や文化や地場産業、ひいては地元で家族と一緒に平和に暮らすことや、地元の人々を豊かにしながらの、自身の生き方を確立する、という壮大な実験をやっておられるように思います。昨今、地方というコトバが、海外からのインバウンドの分野でも、それ以外の理由からも、無限のポテンシャル・ワードとなっています。




ビジネスの先駆性の部分では、最先端の商い“意識”を、かつての信用ベースで成立した“おまかせ”スタイルや、ご贔屓スタイルなど、古き良き日本の商いのスタイルから掘り起こしているように感じました。たとえば、納期を一日でも遅れたら、全額返金など、現在さかんにいわれる過剰サービス(≒アピール)寄りの無駄に気づき、その逆の発想をされていました。

鮮度を大切にする商品の場合に、納期・期日を厳密に決めてしまうと、店側は、どれだけおいしいものをお客様にお届けするか、というよりも、ペナルティをおそれて日程の帳尻あわせを優先順位第一にしてしまい、過剰な防腐剤や無理でしんどい物流作業を強いられたりします。

それとは逆に、ちょっとでも鮮度の良い美味しいものが届くのだったら、納期はおまかせします、とやっておいたほうが、皆が自然な流れで、美味しいものが届けられて、結果的にどれだけ賢いかということを10年前から言っておられました。販売者側の、がんばり(好き?)過ぎる、過剰労働傾向のある店側と消費者の意識のギャップを早くから理解しておられました。



サービスの工程全般での、落ち度やちょっとしたミスにつけこんでくる人々というのは、ネットショップをしているとごく一定の割合ながら経験するものですが、おそらくここにフォーカスしてしまって対応に過剰な“ディフェンス・コスト”をかけるくらいなら、より良い関係を農家さんとつくることに、情熱を注ぐ、というようなプライオリティ感覚を感じました。

くどいようですが、みかん色の装いの作り方とその心境をおさらいすると、


1.ただ、ちょっとフツウの人たちが無理っ(と勝手に怖気づく)と感じる羞恥心的な部分をいったん、横に置いてみる。

2.あえて、まず自分を石ころを見ているように俯瞰で見てみる。

3.その上で他人目線で自分を装ってみる。。

4.そもそも、自分はみかんを扱っている(商いをしている)

5.だから全身一式みかん色。


だれでも考えられそうだけど、自分を他人目線にもっていくのは、相当難しいです。みな単に、自分の気が済む様に、装ったときの自己満足を満たすためだけに、個人で起業しているひとであっても、なんとなく皆その業界のこなれた感じの装いを選んでいます。居心地よさそうに思えるから。

そしてさらに上の1~5を実際徹底的にやる人は1%くらい(200名の顧客中役2名)。それだけで、みなと違うスタンスを取ってそれでいて目立つ、というのは宣伝効果が期待できるので、結果的に扱うサービスのクオリティが高ければ売上げが上がる、ということになります。

外見が勝手に24時間営業しています。極端な話、社長がそれを着て街をうろうろしているだけで、働いていることになるわけですね。

そして、面白いことにというか皮肉なことに、“みかん色しばり”でいることで、オレンジ色という串で、世界を串刺しにするという展開があることです。将来エルメスが上野さんにコラボレーションを持ちかけてくる可能性もあります。パリ右岸のエルメス、左岸のアルニス。アルニスも真っ青の、エドワードオリジナルのグリーンの手巻きボウタイを作ったこともあります。これは、みかんのヘタの部分です、と言って納品しました。




実は、個人的に先週金曜日(1月20日)あたりから、仕事しながら体調が良くない自覚があって土曜日明らかに風邪の症状があったので松本の自宅にて、半日治療モードで対応しました。

蜂蜜を少し食べて、塩を少し入れた白湯を飲んで熱々のお風呂に浸かり、一気快復を待っていたものの、土曜日になって一気に40度近くまで熱が出て、あれ~いつもの風邪と違うなあ、とのことで、医者に行ったらインフルエンザA型という結果がバッチリ出ていました。どうりでいつもと違うと。ついに25年ぶりに風邪ひきました。これは完敗でした。

そこで、上野さんのところで年末に2箱注文したビタミン豊富な良いみかんを猛烈に体が欲していたので食べました。熱が出ていると汗をたくさんかくので、水分が不足しますから喉はからからです。どこで、唯一欲しくなるのがみかんでした。小粒でプリッと甘いみかん。体調も体温も36.6分まで戻り、大いに感謝した次第です。七福神の中にいてもすんなり同化しそうな笑顔の上野さんでした。



2017/01/09

ドレッサーの新しい心得 ( こころがけ、つつしみ、たしなみ )




数年前の成人式にブラックタイ一式(タキシード)を揃えたYuuki 君、最初にエドワードに来たのはまだ、10代だった、と回想します。あれから密度の濃い数年を過ごしていたようで、もともと気質的に持っていた自由できれいなもの好きの感性を生かす方向へ進んでいて何よりです。ベルンの竹内君と3人で歳末、男子会。エドワードエクリュ・ミシュランで2年連続ナンバー・ワンの、地元民しか行かない新潮社近所、最高の洋食屋 『mario』 にて乾杯する直前の一枚でした。

エドワードで製作しているスーツや小物類は、すべて基本に忠実なアイテムです。クラシックの意匠を大切にして、物自体のデザインはできるだけ目立たせないように、全体を組み合わせた中ではじめて輝くように作られています。物自体はシンプルに上品に(ってことはクラシックな範囲での美意識)クセが無く余計なヒネリもハズしも効かせていません。

この秋冬も、キャメル(素材そのものだったり、色だったり)のコートや、ブラック・ウォッチのスーツ、ダブルトップのカフリンクスをモダンな要素すらひとつも入れずにさらっとつくっています。充分なんです、それで。新しい要素一切いりません、ニュアンスは、勝手に入ってきますから入れようとしなくても。そういう薄味なくらいで、ちょうどいいんです。




それならば、意識して新奇な流行を入れないとレトロなのか?というと、そうでもありません。装いの(どの時代を自分の軸として据えるか含めて)優先順位の塩梅(:あんばい)を『自分の自由意志で絶対感を持って』選ぶという “ 意識の自由さ ”のほうが、むしろ旬だからです。

流行も一種の “ 囚われ ” ですし、物のデザインに過度に “ 拘り” 過ぎるのも、文字のニュアンスからも感じられるように、拘留された囚人のようで自由ではありませんね。

なんてこと無い、ダブル・ブレストのキャメルのアルスター・コート。これをドやっ!とエラそうに見せずに、いかにフツーに爽やかに着るか、のほうが大事です。凄く作り込んだ、伝説の名匠の逸品を手に入れるよりも。ドレッサーのYuuki君が着ている一番上のコートもごくふつうの、昔からエドワードで製作してるアルスターというデザインのコートです。デザインよりも大切な “ ニュアンス ” が充分に出ますし、もちろんデザインは目立ちません。

ただ、エドワード・エクリュのクライアントの感謝すべき特長でもありますが、みなさま自分自身の体をある程度、習慣的に鍛えておられます。必要最低限ではあるにしても、装い以上に、フィジカルのケアに気づかっておられる方が多いです。ちょっとした運動やファスティング含めて。ドロップ寸6から10(胸囲と胴回りの差寸が12センチ~20センチ)の楔型(くさびがた)が多いです。




2001年創業時から、『 アタマの先から爪先まで全身一式・企画製作 』 と謳ってきましたので、アタマの先から爪先までポイント・ポイントで必要最低限“ざっくり”気を配ることをオススメしてきました。でもだからといって、度を越して神経質になり過ぎることのないよう、全体バランスを意識しています。そして無理せず愉しみながら習慣的に精進することをオススメしています。

最近は、新しくオススメのガイドラインに採り入れたものとして、最低限の 『 爪ケア 』 があります。以前は、爪を女性のようにぴっかぴかに磨き上げていたり、マニキュアをつけていたりというスタイルは生理的に拒絶していたものですが、必要最低限レベルでの爪ケアは(特に接客的なひとびとにも)必要と感じました。




印象美というテーマを掲げ金沢発信の、Benediction : 正式名称:ベネディクション・エフ・月:祝福(発売元:WORDROBE ⇒ コトバをテーマにしているところから敢えてwordと表現)というネイルケア商品をオススメしています。 http://wordrobe.biz/store/( こちらで 購入できるそうです)

おもしろいですよ、もともとは、女性用に企画されたものとのことですが、野生種オーガニックの香りが全て硬質で凛々しい(男前っていったらいけないのかな?昨今)ものばかり、椿オイル、シトラス、シダーウッド、フランキンセンス、サンダルウッド、ダマスク・ローズ。金沢の漆作家や書家を動員した、限定品もギフトとして素敵かもしれません。

WORDROBE代表の小西さんには、金沢らしい水引でできたカフリンクスもプロデュースしていただだいています。これは、香道やお茶の際に、茶器を傷つける可能性のある金属類が付けられないことからの要請で、お願いしました。僕と生年月日がぴったり同じ(ということは、ペガサス☆)金沢の水引き作家の方に作っていただいているそうです。




上質な靴を手に入れると、靴が勝手に魅力的な場所へつれていってくれるように、きれいに整えた手もとは、必ず美しいものを手にするのではないかと思います。

確かにファッションにおけるデザインも技術も少なからず刺激がありますが、そもそも日本には古来からスタイルを語る上でうつくしい言葉がたくさん用意されています。自戒も込めつつ、そう思います。

装いをかたちづくるものの一つ一つが、やさしい心がけや、つつしみや、心づかいでできあがっているとしたら、そこから立ち上がってくる装いは、迎える方に手渡される花束のような存在になるのではないかと思います。



2017/01/01

2017年(酉年)新年あけましておめでとうございます!





激動の2016年からの2017年、皆様におかれましても、昨今の変化に富んだ世界を、賢く美味しく愉しめる一年であられますよう、エールをお送りいたします。今後とも、気兼ねなく気の合った仲間が少しづつでも増えていけば、と存じております。良き先輩・後輩的な雰囲気があったり、ボウタイの結び方や、まともな小物の選び方など、センスの交流ができるクラブ的な場になれば最高です。

2016年9月に50歳を迎え、少々自由なスタンスにトランスフォームさせていただきました。実際の営業場所は、1.表参道、2.田園調布、3.神楽坂という3拠点になります。会社の登記上は江戸川区小岩の東京の自宅においております。表参道はメゾン・コペルというアトリエ内で接客し、田園調布は、ラウンジとして、英:アンダーソン&シェパードをレスペクトしつつの紳士空間にしています。

現在、神楽坂は、弟子の竹内君が自分自身のお店 『Berun : ベルン』 として、営業しております。彼自身、基本クラシックスタイルの生真面目な信頼できるテーラーです。僕も、どうしても神楽坂がいい、というクライアントの場合は、ベルンの場所を借りて接客などやることもあります。ベルンの竹内くんも、結構旅ばっかりしていてね、誰かと一緒であんまり店にいないようなのでね。。(笑)




私事ながら、一昨年に僕自身含め、家族で長野県松本市に自宅を移しています。ですから昨年の都庁選挙も選挙権ありませんでした。今は長野県民です。一番上の写真は昨年11月11日に代官山のギャラリーで催されたイラストレーター・松尾たいこさんの展示会のものです。そのまま、一羽だけが特別に見えてしまったので購入して、松本の自宅の玄関先で飼うことにしました。見上げると、ワタシ元気よ、ちゅんちゅん、と挨拶してきます。

マーケティングやテクニックからではなく、精神の奥底の部分の衝動から生まれだしたような素朴で繊細な佇まいが気に入って衝動買いしました。買った瞬間、即ここで飼おう、と決めていました。気に入っています。こどもたちが大人になった時、遠い記憶の中に家族を思い出し、玄関先の小鳥も思い出すんじゃないかな。

2017年、スーツ・スタイルを中心として引き続き、頭の先から爪先(※って15年間言ってたら、ほんとうに爪先のアイテムが引き寄せられてきました。次の記事にて)までの全身一式製作を行なってまいります。フェイス・ブックやインスタやこのブログのそれぞれの個性がちょっとだけ新人なりに理解できたので、2017年はネット上でおしゃべりになりそうです。





2016年はクライアントはもちろん、職人の方々や、そして、社内的に強力なアドヴァイザーとなっていただいたアカデミック世界の人々、学びをもたらしてくださる方々との出会いが多くありました。ほんと、最高レベルでありがとうございます!特に9月から10月、11月、12月と激動と学びと閃き(ひらめき)に溢れすぎて、脳や精神がついていけていたかどうか、自信がありませんでした。

9月のパーティー前後の打ち合わせによって、多くの学びとインスピレーションをいただいた仏文学者のまい先生を筆頭に、まい先生からのご縁で、今後ファミリー的な存在になる穏やかなお兄様的存在の紳士、世界のプロトコルに通じておられ、眩暈がするほど切れ味最高のカスタム・ヴィンテージのコレクターでもあるタックさん:(Tak)さんなど、スタイルについて鳥瞰的に語れる体制が整いました。

弊社の名前を冠した、乗馬馬である、エドワードエクリュ号とバロン氏こと前田氏の精進もものすごく、Sクラス ⇒ インターメディエイト ⇒ セント・ジョージ ⇒ グランプリ とたった6年で駆け上がっている努力はモンスター級だと感じています。先日、ハンガリーの乗馬クラブで、際立って美しい・優秀なライディングをしていた同世代がいましたが、訊くと26年のトレーニングとのこと、バロンが6年と聞くと信じられないと驚愕していました。天才的な伸び率に賭けつつ、応援団もひそかに増えてきています。




上写真が、アーチスト(イラストレーター)であられる、松尾たいこさんです。ファン・サービス慣れしておられるようで、フレンドリーに肩口にとまってくれている感じのポーズで、作品とご本人が似ておられます。御自身の精神に対しても愉しみながら静かに探求されておられるご様子で、大いに共感しました。一年間服を買わなかった経験を雑誌CREAに書いておられるようです。ショッピング全盛の時代からの次のステージ、服に対する新しい姿勢がシンクロニシティとなって各方面で生まれはじめているように感じています。