2010/01/30

コドモたち、そして新人パパ&ママ、、、


さいきん、お子様連れでもにぎわっております。わりとみなさまおりこうさんですね。ちいさいこどもたちは、20年後くらいに、そういえば、パパについていってオーダーメイドの店に行ったことあるな、と記憶しているのでしょうか?セピア色の記憶の中で、オーダーメイドしているパパ。その時パパがちょっと誇らしい、、、コトモMEETSオトナの世界。



ふだん靴をエドワードにオーダーしに来られたS氏、仏・デュプイのフレンチカーフにてツイン・バックルのオーダーです。ツインバックルのスタイルは、エド ワードⅧ(ウィンザー公)もお気に入りのデザインですし、ちょっとドレッシーかつ小粋なクラシックスタイルですね。

S氏は、左右大きさが違います。右26.0のEで、左が25.5のE、丁寧に作り分けるオーダーならではのフィットです。さらに、実用性を考えて、つま先を部分的にゴムを埋 め込んでおり、踵(かかと)部分はビブラム・ソールでグリップ力を上げております。つまり、雨の日地下鉄でつるっつるっに滑りまくる(上質の靴のお履きになる方にはよ~くわかるハズ)心配なしです。

※カーフは、仔牛のなめし革。牛革の中での高級革。特徴は肌理がこまかくしなやかで、かつ耐久性 がすぐれています。特にそのカーフの中でも、フランス産のFrench carf は最高級。



さあ、アドリブでいろんなコドモちゃんたちも遊びに来ます。マッフィー&マッキーママ。異文化交流@ネバーランド。



特別出演、お正月、義理の姪、モヨちゃん。さあ今のうちからアヒル口を鍛えて、男の子にモテようぜ!



義理の甥シンジくん。シンジくん、男たるもの紳士たるもの、時には周囲に気を取られることなく、一心に集中する時も大事じゃ!



たとえそれが 『魔女の宅急便』 であっても



さて、第5のコース! (いきなり水泳選手呼び出しの掛け声)、近所のヘアサロンのMさんジュニア。日仏のハイブリッドですね。このコドモ服はトム・ブラウンとアニエスbのコラボモデルです(冗談)。



は~い、第6のコース! タキシード・フォトグラファー梅さん(なぜかいつもタキシードにボウタイでパーティー写真を撮る名人)の愛娘さんのUちゃんです。美人顔の相がでております!そしてさっそくワイン好きの相も。ワインセラーの家に嫁がせる、親の野望をしっかり背負って逞しく生きてくださいね(笑)よくまあ梅さんからこう、、、おっとっと失礼。さぞかしベストショット撮りまくりでしょう?

昨年のエドワードクリスマスパーティーでキャットウォークした方々、梅さんの一眼レフ動画が出来上がっております(今日か明日あたり届く予定です)ので、ぜひ観にいらしてくださいませ。

メイドインジャパンでありながら、フランスでもブームになりつつあるワインをおみやげにいただきました。英国でそだてようかスイスで育てようか、などと野心的に子育てを考えておられる模様!一緒にチャーミングな学校をつくりましょう。親が持ち回りでコドモに教える授業やったり、すごくおいしいオーガニックフード食べられる、おしゃれな学食やカフェテリア作ったり。図書館も大人も子供も利用可能、みたいな。


第7のコース、ひかりちゃん。神楽坂アグネスホテルにてお父様に納品しました。一度、登場しておりますね。すくすく育って健康優良のかわいいベイビーさん。お父様お母様もセンス良い方なので、おいしいもの、すてきな、人、もの、場所、つくづく多方面のアンテナに教えられること多数。京都のすてきな世界をいろいろおしえてくださいませ。それにしても、先週日曜日の24日は4組のベイビー親子とお会いいたしました。世の中少子化って本当ですか?という感じの一日。あたたかくみんな外に出歩いていたから、神楽坂では数歩あるけば、誰かと会う状況、つくづくイイ街ですね。



ほんと人の出会いはえらい不思議です、3つも偶然が重なって、結果的にこの集まりでランチになりました。@神楽坂アーディッシュ。


2010/01/28

DawnWalker @花と土


なにしろ自然の美しさにはかなわないですね。せいぜい人間は、よくできた自然のしくみに驚き続けて、感心しつづけて、味わい続けられるように感謝して大切にしたいものです。午前9時、千駄ヶ谷口から入った新宿御苑。早朝は空気も澄んでいて、さまざまな美しいものと出会いました。落ちた花もきれい。

M氏に仕立てているトラウザーズ。こちらも、街歩き・森歩きとしてもロマンティク、コーディネートの愉しみがひろがります。ウールはそもそも優れた生地です。細胞が開いたり閉じたり水分放出したり。

スポーツ使用・仕様に向いています。EDWARD的にはスポーツという観点からも、冬の白ボトムは、デニムではなく、ホワイト・フランネルおススメするようにしています。ホワイトフランネルのトラウザーズ、これは現代にあってはかなりの上級者、ハイファッション、ハイスタイルです。



ところで、ジョギングやサイクリングなど、自然の中で楽しむスポーツが流行っていますが、退屈なほどあたりまえな、そしてそれをスポーツと呼んでいいのかどうか微妙なほどにアタリマエな、“歩く” を個人的にはずっとメイン・スポーツと設定しております。


どこでも普通に革靴にスーツ姿で歩きます。スーツでガンキメのまま、興が乗って、勢い余って、築地行って場内市場で朝ごはん食べたりもします。最近でこそ、いっそう自然回帰、Deerstalkerならぬ、DawnwalkerStyle【ドーン・ウォーカー・スタイル】を意識して、それ用ジャケット&トラウザーズですが。

オーソン・ウェルズ主演、『第三の男』のラストシーンのような並木道↑。ところで、新宿御苑といっても、平日午前9時の千駄ヶ谷口と、休日午後3時の正門付近とでは、まったく別の場所といえるほど違う空間になりますね。お気に入りの散歩コース発見も楽しみのひとつです。ウォーキングは無理なくいつでもできます。



健康や美容など考える際、労力と効果のポイントで『対処療法的活動』か『根本的・習慣的活動』か2つに分かれます。僕にとっての早朝ウォーキングは、“生活習慣の筋トレ”というようなイメージです。


この冬エドワードで御提案したコート。これはアルスターコートとガーズコートの折衷的なものです。伊、Kitonのパターンを参考にして作ったモデルです。アルスター・コート(Ulster coat)はバックベルト付きだったり、6~8個の釦がついているもの(※アイルランド北部の地名に由来)ですが、ガーズ・コート(Guards coat)は、全体デザインはほぼアルスターと似ていますが、衿きざみ(上衿・下衿が上向き・下向き)で違いがあります。

基本的にタイトにお仕立てしておりますので、体に巻き付けるように粋に着用します。税込み¥126000.カシミア100%(500グラム)、写真は、小粋なシルエットに魅かれたT氏のもの。僕個人のは、やや素朴さを持つ日本の老舗生地メーカー葛利毛織の、ウール100%ビーバー仕上げ。カシミアよりちょっとバサっとしています。

2010/01/21

スーツに合うビジネスバッグについて、

個人的使用として、またスーツに似合うものとして、ごくごくファンダメンタルなデザインで結構、と思っているのですが、なかなか探しても見当たりません。伺うお客様への礼儀もあって、革のクオリティも上質で、ごく際ステッチで、そのステッチのピッチはきめ細かく、バッグ自体、経年変化でも磨いていくと、イイ感じになりそうで、デザイン的には持ち手が短く、特に目立つような金具使いをしていないで、ブランドのロゴが見えるところに入っていないもの、そして大手メゾン製でないもの、どちらかというと、目立たないもの、、、というようなダメ出し的リクエストを満たすものを探していました。

しかしながらその条件で、探してみるとわかりますが、全然売ってないです。ないです。予算20万くらいと設定してもぜんぜんないですね。んじゃ、若干面倒くさいが作ろう、ということで、抜群にお洒落な知人のマダムがヨーロッパで職人に作ってもらっているものを参考に見せてもらいました↑。エルメスのサック・ア・デペッシュ風のデザインで、革の色・材質・サイズまで細かいところまでカスタムしておられます。すでに10年以上使用されていて、よく使われていてこの状態なので非常にクオリティ高いことがわかります。


しかしながら、マダムのそのカスタムだと、結構予算的にオーバーしそうだったので、既製にて、SUTOR MANTELLASSI(\240,000)のビジネスバックをこの冬購入しました。これもデザイン的にはシンプルで申し分ないです。しかし、ここで生意気なことを言い出してしまう非礼をお許し願いますならば(誰に対して?エルメスに?)、女性には良く合うと思うのですが、男の僕にとってはこの金具部分はファンシーすぎて“妥協点”です。普通に開け閉め確実なシンプルな磁石のバックルで結構、というかその方がクラシックなスーツにも合います。それ以外は、ほぼ満足してます。



できれば、この中にポケットが付いていれば、消しゴムとかホッチキスとか蛍光ペンとかデジカメとか、そういうゴチャゴチャしたものがきれいに収まります。書類入れとしてはばっちりです。


↓これは、マルベリーのものプロパー価格的にはマンテラッシと同じです。どちらも、ダークブラウンですが、こちらは肩から掛けられます。そして、ちょっとふにゃっとした質感なので、カジュアル寄りですね。マルベリーというブランド自体が好きなので、贔屓に使っています。バックは外ポケットがあると便利ですね。文庫本なんかを入れて、時間ある時、すぐ取り出せますし。








↓こちらも、お揃い色違い。エドワードの女将のもの。これも同ブランド色違いです。メンズのバックを持つというのもシックでいいかな、と思いました。レディズのバック見てて、ヴァニティバックならわかりますが、一生懸命働く素敵な女性用のビジネスっていうデザインがなかなかないように思いました。センスのよい普通のOLの方などが、あまりクリエイティブにリキむことなく、クールに実用的に上質なバックを良心的価格にて作ればみんな買うんじゃないでしょうか。

2010/01/20

乗馬由来、


昨夜はシティ&カントリースタイル一式の納品にて、さながらサロンにてファッションショーでした。ベイシックなヘリンボン生地ハリス・ツイードの3ピーススーツ、400グラム近いヘビーウエイト生地(ネイビー×赤のストライプ:今年はこのテイストを良く使います)で英国“オイスター”でのダブルブレステッド6釦×2掛けの3ピース、厚手400グラムほどのコットンでスポルベリーノタイプのコート、ロロ・ピアーナのウール100%のカシミアタッチのビーバー仕上げのトラウザーズ、という組み合わせ。

その中で、いくつかのフィーチャーにおいて、しつこいながらも若干の疑問点があったので、それを解消すべく本日昨年からよく質問を溜めてはお教えいただく、初老のテーラーT氏に訊きにいきました。彼はフル・ハンドメイドで当時の白洲次郎氏はじめ(そのNHKのドラマにおいても)お歴々に仕立ててこられた職人です。

たとえば、フックベント。やはり馬がらみで、現代の僕らは、フックベント=アメリカン・トラッド(アイビー)をまずは連想しがちなのですが、もともとは、やはり英国の乗馬絡みなんですね。さらに正式には背中はちょっと正礼装のモーニング風に切り返しや釦がついているようなノリでフックベント。馬に乗る時のちょっと洗練された感じ。

一方、サイドベンツはカントリー的な雰囲気もありつつ乗馬という認識とのこと。なるほど。ちなみに白洲氏はカントリーなのでサイドベンツ。僕は今回、R氏にフックベントで作りました。エッジを7ミリステッチにして。あくまでマシンメイドなので、ハンドメイドのように表地・芯地の数段重ねにはならず、縁はそこまでぶっとくなることはありません。


自分用にもスコットランドでもドーン・ウォーカー(※エド造語:朝焼け見ながらゆっくりウォーキングするのが好きな人間)なので、スコッチ・ツイード(ガンクラブ・チェック柄)でノーフォークジャケットをつくっていますが、これは敢えてステッチは入れないで、シンプルに作っています。といっての、背中はバックベルト、スロート・タブ、など結構、ベタな特徴つけていますね。下は、先日朝、散歩した後楽園、空気が澄んで最高の気分でした。



日本でも一世を風靡した1970年代のアメリカ・アイビースタイルは、英国のクラブ(テニス・ボート・クリケット、、、)ジャケットの夏バージョンとして、コードレーンやサッカーなどコットンでボックスシルエットで作ったもの。色もさすがにピンクやサックスブルーなどさわやかで軽快な感じ、そしてそうなると、英国的上着丈の長さが気になるので、だんだん上着丈が短くなって、ということですね。

そして、本切羽(ほんせっぱ)についての蘊蓄が僕は初めて聴いたものでした。もともと、本切羽は、手袋を入れとくためのもの、ということでした。濡れても大丈夫な実用性高いペッカリー(野豚)の手袋などを押し込んでおく、、、。もっとフォーマルな、でも濡れたらぐちゃぐちゃになる鹿革なども。それからモーニングなどの正礼装では、現代の白手袋は本来は鹿革なんだそうですね。歴史もおもしろいものですね。

写真は、昨年末あそびに来られたM御夫妻からのお土産。御夫婦で乗馬をやらてているので、馬イベント絡みのチョコレートでした、これは美味かった。この赤いパッケージが素敵だったので、現在ではエドワードのタグはこの箱の中に保存されております(笑)やはりエルメス含めて、馬がらみは上品なグッズが多いんですね。スーツの歴史の、軍服由来に加えて、乗馬由来、クラブスタイル、、、起源はとことんありますね。昔のダンディたちのセビア色の写真を見ていると、あっという間に時間が経ちます。

2010/01/19

お子様連れもOKです、


お子様、お母様とご一緒に生地選びをされたMさん。ドームホテル高層階にてびっくりするほど良い眺めを楽しみながら、午前中の楽しいひとときでした。

ふだん、京都にお住まいのため、旦那様のスーツを奥様が選ばれております。今まで、エドウィン・ウッドハウス(英国)の“ディグニティー”地のダーク・スーツ、マーチンソン(英国)のイングリッシュ・フランネル生地(チョークストライプ)でのスポルベリーノ・コート、そしてハリソンズ・オブ・エジンバラ(英国)“ハバナ(ピンストライプ)”、ロロ・ピアーナ三者混(毛・絹・麻)のサマージャケット、、、。今回はハリソンズの“ファイン・クラシクス”の黒地に赤のストライプ。370グラムの英国的な生地。

いつもどちらかというと男らしい落ち着いた紳士テイストながら、カシミア混だったりアンコンストラクテッド仕立てだったりと、柔らかさ・優美さを持つ佇まいがお好みですね。適度なゆとりとシャープな英国的シルエットでのオーダーを承っております。その美意識と確かなセレクトに、いつも感心いたします。神楽坂界隈にも以前、住まれていて彼女から教わった和食『八百萬(やおよろず)』はこれまた洗練されて美味しい、素敵なお店でした。


さて、今回はMさん(と旦那様)の貴重な作品をお持ち(お連れ)いただきました。完璧なアーモンド・アイではち切れそうなほっぺたですね。赤ちゃんというのは、桃とかリンゴがパンパンに表面張力したような存在ですね。おっかなびっくりで抱っこさせてもらいました。おおっ、落としちゃいかん、泣かしちゃいかん、あわわわわわ、ってことで軽くビビっておりました。それにしてもおりこうさんでした。最近京都に新居構えたクリス氏にヘアカットしてもらったとのこと、新しい神楽坂⇔京都ラインの完成にワクワクしてます。



※さきほど、や~っとこさ画像処理ソフト、Picasa使って、2009年の『クリスマスパーティー@神楽坂エドワード』を参加者にお送りしました。遅くなりました。もし届いてない(こちらの不手際と思われます)、という方はメールにてご連絡ください。共有招待のメールを送ります。左よりクリス氏・マイク氏・タケシ氏・SHUZO氏。


2010/01/16

たとえば、ハイブラウ&ビューティな女性と美術館デート、

などという、ありがたい場面を想像した時、そんな名誉ある殿方はいかなるスタイルで臨めば絵になるでしょうか。その女性は美意識も高く、しっとりと落ち着いて、上質な空間を静かに楽しみたい、というようなデートを指向している場合、、、、

そんな時、このダブルクロースのシンプルなジャケットなどはピッタリではないでしょうか。DOUBLE PLAIN CLOTH(ダブル・クロース)。この秋冬このミッドナイト・ブルー&シャドーストライプのダブルクロース生地にて数着、ご注文あり人気でした。

生地観的には一見上品でドレッシー、フォーマルの面構えなのですが、実は縦横双糸で通常縦横の2倍の糸を通して織られていてタフな生地です。10×10のところを20×20に織ってあるので、しっとりした手触りにも関わらず、実は420グラムのどっしりした生地ということになります。昔ながらの伝統的なテーラーでは、いわゆるまさに高級ラインという評判が確立している生地です。

そういうちょっとオールド・スクールな高級生地使いでサラッと美しいシルエットのジャケットを作る、というのも粋です。しかしながら、気をつけるべきポイントがあります。ダブルクロスは、しわになりにくい生地なのですが、いったんしわが入ると、復元しにくいです。ということは、スーツ使いよりもジャケット使いのほうが向いています。パンツに使用した場合、一回膝が出ると戻りにくいので、(裏技としては裏返しにして裏からアイロンをかけて戻す)エドワードでは、ジャケットでのみの使用です。

前釦や袖釦を包み釦で作ったり、ちょっとドレッシーにひっかけたりするような大人のセクシーなニュアンスですね。着こなしがいあります。そうとうな粋なトラウザーズを持ってこないと、ジャケットの超上質なパワーに押しつぶされるので、ファンキーな柄でいくか、まともに、シルク混などのパワー負けしない上質なカジュアルスタイルで決めるのがコツだと思います。


※ 写真は、Grace Kelly。展覧会がありますね。

2010/01/14

EDWARD的 “ハッスル” ビフォア・アフター


画像公開の快諾を得て、ビフォア・アフターのコーディネートの実(体)験台になっていただきました。ご自身お持ちのスーツ着用にて来店。ネクタイのコーディネートに、ちょっと悩んでおられた模様。ここからスタート。


合わせが物足りなく感じたので(フィッティング的にもエドワード的には肩幅・胸幅をもっと出して、絞りの位置をもう少し下、全体縦長だけど、ゆったりシルエットにします)エドワードに大量にストックあるタイのうち、カーキ色のソリッド・タイを選びました。これがピタっとくるまで、シャンパン・ゴールドのニットタイや、ウールタイなど3本ほど試しました。そして基本の白ポケット・チーフをチョイスしました。



しかし少し何かが違う、、、



どんなスーツやシャツ、靴、鞄で積み上げていっても、眼鏡が違うと雰囲気が全然違うものになると思います。


僕の私用のウェリントンタイプの眼鏡をチョイスしました(結局、リーズナブル価格で中古販売しました)。ご本人の自前のコクのあるバーガンディ色のブーツにも良く合います。

知人の紹介で、年末エドワードに来店されたT氏、20代前半。将来セレクトショップをやりたいという目標を持って一歩一歩前進中とのことです。高校時代、 ラグビーをがっちり3年間やりつつも音楽が大好きで、ドラマーとしても活躍。しかし優先順位的には音楽が上だったので、手先を怪我しないように、そして ファッションも好き(タータンのスカート着用の経験もあり!)だったので、首が太くなりすぎないようにしていた、というタフでロマンテックなポテンシャルの高い若者であられます。

たびたび遊びに来てくれ、昨今のアイテム情報を教えてくれます。将来に対する情熱も感じました。神楽坂エドワードにて、水曜日、早朝1時間だけレッスン時 間を設けることにしました。1時間を3つに分けて、最初の20分はエドワードの考え方・僕自身のアウトプット、次の20分は具体的なメジャーリング方法 (接客・採寸の仕方)、次の20分は、レッスン聴いて感じたこと何でもアウトプットしてもらう時間・質問という時間割です。


初回はMICHERANGEROで、二度目の採寸時はKENT & CURWENで登場。写真はケント~のもの。今風の着こなし・フィッティングながら、方向性がクラシックに向いていておられますが、もともとはアメリカ逸品(アメカジという言葉、どうも違和感あります、“逸品”を携帯辞書で引くと、rarity,gem,choiceとのこと、、、アメ・ジェム?しかしどうもしっくりこんな~)が好きとのこと。写真は、青森の弘前駅前近くにあるSというお店の逸品であるラッセル・モカシン。



結局、梅春を見据えて、このミノヴァの生地でダブルのスーツを仕立てました。決して今風の着丈短すぎ、タイト過ぎではなく、ちゃんとゆったりした着こなしをします。気持ち袖幅を細くしたり、ウエストをややフィットさせる程度です。ピタピタはちょっと見苦しいです。多少、効かせる部分としては、ダブルの場合、打ち合いの横どうしの釦の間隔は気持ち狭くしたほうがスマートに見えますね。

ところで、教える、という行為をすると、知らないことの多さに気がついて、自分自身、いっそう謙虚に研究していこうというモーチベーションになります。で、生徒役は、今度は自分が先生役になって誰かに教えなきゃいけない、という意識を持つと、一番効率的に習得します。自分がいっそう深く・継続して研究したいことがあったら、とりあえず先生役をやる、というのメソッドは良く機能します。

ところで、ナードな着こなしといえばウェス・アンダーソン監督ですね(一番上画像、『ロイヤルテンネンバウム』より)。氏の映画には、ナードでバナール、そしてちょっズラした着こなしのキャラクターが登場します。彼自身の着こなしも、いかにも業界人、クリエイティブ人、というようなあちこちディテールをいじったスーツではなく、鹿や馬の剥製が飾られてるような古めかしいビスポーク・テーラーでそのまんま、べろんと仕立てたようなスーツをフツーに着ていたりするところが“クリエイティブ”ですね。

ロンソン兄妹版 『ロイヤル・テンネンバウム』 “The Royal Ronsons”
もともとは↓この一家。

2010/01/13

Harris Tweed、スリーピース・スーツそして白洲次郎


画像はNHKで放映された白洲次郎のドラマより、ロビン役の3-pieceスタイル。アイビー、プレッピー的なニュアンスとちょっと違って、タフで堂々としたスタイルです。ちょっとやそっとじゃ“揺るがんぞ、”というような、伝統とつきあ(わされている)っている逞しさを感じます。





ツイード生地の柄関して、やはりヘリンボンは『らしく』ていいですね。フリー&イージーのツイード特集号を先日買いました。そのテキストによると、編集者だとか、ビジネスとクリエイティヴのギリギリの中間地点にいる人々に似合う、といういうようなことが書かれてありました。

ドレスコード的には、ジャケットという点で必要条件だけれど、ツイードには、ざっくりした独特の野趣があるので、独特のキャラク ターの強さがあります。しかしその強さの質感は、オーガニックで、背景に自然があるから邪魔にならないでむしろリラックスさせる、な存在です。

下は、エドワードで使用している裏地(主にハリソンズ・オブ・エジンバラをご注文の場合)です。来月7日からの、スコットランド詣でにおいて、エジンバラにて現地ダンディ(もちろん、ご高齢の)とのディナーをアテンドしてくださっている、同世代のジェームズ氏。こ れらの裏地は、ジェームス氏が代表を務める総合マーチャント、ダンスフォードのもの。

ハリソンズの場合もそうですが、生地取り寄せに1週間時間がかかります。独特のどっしりとした質感と発色、滑りの良さなど、愛用しています。エジンバラ地元のダンディたちの、様々なる意匠・衣装をとじっくりお付き合いして まいろうと、楽しみにしております。なにしろ、2月7日は、スコットランド対フランスのラグビー戦があるらしく街中大騒ぎとのことですね。












これは良く使う、ゴールドの裏地です。この裏地の裏を使います。そうすると、下地がゴールドで、表面がブルーなので、フェルメールのブルーを描く手法のように、ブルーの霞がかかった、ちょっとミステリアスでセクシーなゴールドが出現します。


ヴェルムランド公爵カール・フィリップ王子殿下@スウェーデン。現在、結婚を控えたT氏のために、最新型の世界の礼装スタイルを研究しています。伝統を重んじる、基本姿勢を持つ世界王室関係の着こなしは参考になります。小さいディテールながらチャレンジングなスタイルで臨んでいる王子も世界各国多く見られます。現在エドワードでは、ホワイト・コットン・ピケと、生成りのジャガード・ストライプの、エドワード・オリジナルの礼装用ボウタイ(結婚式などでも、せっかくなので、0から結ぶタイプでいきましょうよ!)を製作中です。もちろん、自分用にも同じものを数種類を購入予定。エジンバラのヴィンテージ・ショップでもさらに見まくって研究してきます。納得できる、かっこいいのがなくて困っていました。