2015/12/17

12時間の遅刻 @ 羽田 ⇒ 香港

 
 


17日1:00 とあったわけです。早めにということで11:30には羽田に到着し、さて、つるとんたんでうどんでも食おうかとしたところ、案内にて本日早朝(深夜)1:00に出発だったとのこと。。。何とか代打便にて、香港に夜到着予定、トほほ。。今年の総厄落としということで、なんとか切り替え中。上画像は、先日僕の小岩自宅に採寸に来てくれた今本君。真鍮のフラワーホルダーも購入。





時間つぶしに、ベルトルッチの映画 『イル・コンフォルミスタ(暗殺の森)』。この映画のインテリア・ファッション、音楽の世界観が大好きで、同タイトルのルーティン・DJを10年ほど前小さなブラジルレストランで毎週やっていました。懐かしくあると同時に、今見てもステキです、ネコ・ダンスも。18禁ですが。。。さあて、挽回するぞ~ 19日夜帰国いたします。



 
 

2015/12/05

すてきな CM 、印象と余韻

 
 


オレンジ男爵ことエドワードの古くからのクライアントである、和歌山の上野さんが、和歌山のゆるキャラを差し置いてエドワード一式で CM登場 しておられるようです。有名出版プロデューサーの集まりか何かで最初の出会い頭に 『 自分のスタイル今考えています 』 『 そりゃ、もうみかんなら全身オレンジでしょう 』 『 やはりそうですよね、わかりました 』 『 えっ、マジでいきますか 』 『 もちろんです 』

   






時間があってぼんやりしたい時、珈琲飲みながら好きな雑誌のバックナンバーをちくちく読んで至福を感じたい時があります。二子玉川ツタヤでは、ネコ・パブリッシングの『ヴィンテージ・ライフ』、代官山ツタヤではマガジンハウスのanan の1970年代~1985年ごろまでのバックナンバー。









過去の雑誌を読みながらページをめくる手が止まる瞬間とは、見知らぬ会社の広告ページの魅力的なフォント、味やコクのあるデザインと出会った時です。ちょっと間が多めにあったり、余白のバランスが絶妙だったりと、しばし見とれつつ、、、。1960年代から70年代にかけての資生堂MG5のCM、ぶっきらぼうな言い切り型のナレーション、優雅なズッコケの余韻。MG5、復活してほしいものですね。。


 
 
 

2015/11/24

Tone , manner and philosophy of EDWARD

 
 
 

 
“右岸”のエルメスに対して、“左岸”のアルニスと呼ばれ、地元の粋と親しまれた、パリの遺産。上画像はエドワード別注のアルニス・タイです。エドワードではレジメンタル・タイの色はすべて2色使い。3色だとトーンが散ると考えます。よっぽど歴史的な柄で、3色使いでも、それ自体が確固とした1つの意匠に見える、という場合以外は3色使いにはしません。
 
昨今のヨーロッパ、中東、アジア全体に言えることでしょうが、それにしても、人生の愉しみが健康あってのものであるのと同じで、人類全体にとって、本来幸福は、平和あってのもののはずですね。パリに限らず世界全体に平和が戻ることを祈念しながら、パリの紳士たちがフォレスティエールを着流す自由な文化を愉しめる平和の街を想いつつ。。。
 

 


U氏。グリーンとカーキの2色のアルニス・セッテピエゲのエドワード別注レジメンタイ。靴はコーレスポンデントのタンレザー×白。夏の3ピースのコードレーン・スーツ。ご自身のスタイルはもちろん、街もお訪れる店も、どこかしら懐かしい Modern Gentleman Style な佇まいの紳士が華を添えます。街にいてもレストランにいてもバーにいても、結果的にお客さんを惹きつける絵になる( =街のグランド・デザインに貢献 )佇まい。




 1918年第一次世界大戦スペックのトレンチ・コート、裏地はハリソンズ・オブ・エジンバラのブラウン・ウォッチ仕様。1909年創業のコービー・ファクトリー製。全体の印象は素朴で無骨。20年代、30年代という紳士スタイル黄金期に入る手前、つまり夜明け前のちょっと控え目な粋があります。




着用のAlex青年。いつも旬に思える1960年代後半・エドワーズ時代のレーサー福沢幸雄氏やユーミンこと荒井由美のデビュー当時のカプリーヌ帽などでキレキレにドレスアップしたスタイリング、優雅で微量にデカダンなメイク。彼女のマニアックにヴィンテージ画像・映像をネット上やyou tube上でトコトン集めています。あのころの資生堂のモノクロのCMコマーシャルもとてもクールです。

kidsであることを嫌がりgentsであろうとした青年たちの痕跡が感じられます。当エドワード的に昔も今も草刈正雄氏の飄々とした甘いイメージには大いに共感します。画像のAlex君からは草刈氏の才能あるご子息の夭折の件を教えられました。。残念な話です。




code name : James こと堀江氏。氏は 007 SPECTRE の影響からか、ラペルに赤い花、というスタイルを好みます。エドワード・オリジナルのフラワー・ホルダーをあしらっています。シャツ、タイ、スーツすべてエドワードでの装いですが、すべてのアイテムは必要充分のシンプルなアイテム。必要充分で高品質ゆえ統一感と静かな印象が得られます。当然、夏のボルサリーノ、冬のボルサリーノ、とてもナチュラルに愛用しています。

格好つけたい時に、ファッション業界人ウケするレア・アイテムに走るより、ストレートで衒いがなくて爽やかに感じます。それがモノ的にどんなに希少なものであっても、それが着用者本人に向けて作られたもので無い限り、どれだけ歴史的価値が高かろうが、着用者とは何の関係性もありません。

たびたびメゾンなどのブランドを批判する一般的な言説で、ひとつの高級ブランドで全部スタイルングする、ということが槍玉にあげられますが、ヴィトンであれエルメスであれ、むしろひとつのブランドで95%くらいの純度に揃えた佇まいのほうが、異なる高級ブランド同士をガチャガチャ合わせるよりも佇まいも(フトコロも)ずっとスッキリするはずです。。





現代的な意味、一般的な意味において、スーツの分類で、イタリア風・イギリス風などと表現できるかもしれませんが、企画・製作側がスーツの歴史を追求していればいるほど、その境界線にあまり意味を見出さなくなる傾向があります。敢えて、一般的な意味で、イタリア風の柔らかい春夏用の3者混スーツで装っているBaron氏。

スーツ・シャツ・ブートニエールはエドワードのアイテムですが、確かタイは仏老舗タイブランドのシャルベじゃなかったかと思います。ラペルに着けたブローチは、純金製の神奈川県マークである、カモメのブートニエールで、神奈川県代表チームの制服と一式で企画製作しました。

2015年10月にあった和歌山国体(三木ホースランド)に神奈川県のDressage 競技: ドレサージュ:馬場馬術選手として出場したBaronのためにプレゼントした一品でした。ちなみに馬術チームの制服は、ミッドナイトブルーの中肉ウーステッドのノーフォーク・ジャケットを企画・製作しました。




こちらは、I 氏が経営するご自身の会社名の頭文字を取って、オリジナルのフォントをフリーハンドで描き、サンプルを製作してものです。通常は、銅版印刷の文字を使用するのですが、そのフォントを使用するとあまりにも固くなりすぎたので、親しみやすい塩梅を模索しつつフォントを作りました。とはいうものの、あくまでもダブル・トップ(裏が無く、クリップ式でなくチェーンタイプ)であるという作りはオーセンティック・スタイルで作りました。









こちらはBaron氏ですが、秋冬のボルサリーノのソフトですが、毛足がバサつかないフィタッとしているラビット・ファーで、ブリム(ツバ・ヒサシ)の幅はラペルや身長・肩幅などの全体感覚で。リボンの色に関しては、フェルトに関しては共色(地のフェルトの色と同じ色)が理想。ここがクラシックのまんま黒だと一気に老ける印象になるように感じます。




現在、息子の英才教育?(将来の趣味を同じくする友とするべく誘導教育?)のため、松本の自宅にTVはありませんが、DVDで“世界の車窓から”、と映画“ Chariots of Fire (炎のランナー) ” を観せています。世界の~は、将来彼にヨーロッパの旅をアテンドしてもらうためで、炎の~のほうは、息子Scottも気に入っているようで、練習シーンを得意のかけっこに活かしてほしいものです。


パパは第4次炎のランナー・ブームがマイブームとなっており、セント・アンドリュースの風景から始まる、あらゆる絵になるシーン、そして特典映像であるディレクターズ・カット、監督による解説が非常に面白く、納得することや新しい発見やらでウィスキーのソーダ割りを嗜みながら最高のひと時です。主人公のハロルド・エイブラムスのハットのあしらいも自然です。

この映画のプロデューサーは中東系の故アフファイド・ドティ氏で、かの故ダイアナ妃の最期の同乗者として有名はハロッズのご子息でした。監督はケンブリッジのキーズ寮の出身らしいですが、ユダヤ人である主人公含め、コーチもまた中東系ハイブリッドのマサビーニ氏といった具合に生え抜きではなく、その周辺からの目線で作られています。労働者階級で古着屋出身のジェレミー・ハケット氏やラルフローレン氏の演出力やパーソナリティに共通したものがあります。




こちらは、James氏の夏のパナマ。やはりボルサリーノは定番といえます。エドワードのクライアントにはリボンは黒ではなく、淡いブラウンを奨めています。氏は猛烈なトレーニングを日々課しているため、ドロップ10というプロ・ボクサーレベルの肉体になっています。リングに上がる日も近いと思われます。バーのカウンター越しからハットをちょいと上げて挨拶、と爽やかにやってのけます。

外国人の友人が多いのもその衒いなさゆえなのでしょう。昨今、ストリートスタイルで、外しでボルサリーノ、はよく見かけますが、銀座・日本橋界隈で、端正に装った紳士がふつうにハットで装う時代が来ることを強く願っております。少々見慣れずにコスプレっぽく見られようが、カジュアルなkidで溢れる街に向かうことに少しでも逆らっていただきたいものです。




最近独立した上原さんが、南青山のブルーボトル・コーヒーから徒歩30秒のところに2店舗出店しましたが、 Copel 企画・製作のウーステッドのエクリュ・フレア・ワンピースです。DRESSSIR®は、Harunaさん。モデルと違って、ドレッサーと呼ぶのは、ご着用のアイテムが彼女の持ち物だから。モデルはいわば、ハンガーとして既製服を着用してプレゼンテーションしますが、オートクチュールで作られたこのワンピースは彼女のためにつくられた一品。紳士テーラー用の生地でつくられたドレスは耐久性もあり、ショッピング文化の世の中に一石を投じるスタイルづくりのための一着と言えます。




プレーン・トウの白い革靴。津久井さんメイドのエドワード別注です。コバの生地の色と白の相性がすこぶるエレガントです。春夏は白の靴が履きたい。シンプルですが、日本では、なぜか大胆な領域にあります。日本の洋装文化ごときは、ここ30年あまりにも劣化しすぎなので、まっとうなメッセージを込めて、悠然と越境しましょう。同質化しすぎた消費文化にハマりすぎやろ?、業界人の仕掛けや洗脳にハマり過ぎやろ?と。雑誌文化とセレクト・ショップ文化の弊害である、『編集脳』から抜け出そうぜ、と宣言したいところです。




エドワード・オリジナルのコーレスポンデント・シューズも自分好みで色が選べます。基本タン・レザー色(少し染色しコガシバター風味)やグリーン・グレイ色のツインバックル。現在、エドワードは赤坂駅徒歩3分圏内にに木場自身の個人オフィス兼、エドワード赤坂出張所を借りようと計画しています。オフィスはコーレスポンデント靴で溢れさせてインテリア替わりにしようかと思っています。(それくらい好きです)ロンドン歩いても、パリ歩いても道でもカフェでも人気者です(笑)


 
 
渡独の際も、白のヌバックのツインバックルと横浜馬車道の信濃屋さんで購入したカントリーシューズを持参しました。フランクフルトで130年の歴史のある老舗ホテル、シュタインベルガー・フランクフルタ―・ホーフでもホテル内のスパ兼バーバーのオーナー氏から話しかけられ、靴を大いに褒め
られ、思い出に残るツアーをしてもらいました。
 
 
靴に関しては、確かに薀蓄とクラシック・アーカイヴスの宝庫でしょうが、そのアーカイヴ知識を生かして自由に作りたいものを作ってみる、というスタンスでいます。パリで活動している itu' もエドワードに彼がペイント加工した靴が特集され、大いに盛り上がっているようです。ある意味、特殊な形でエドワーディズムを継承しているitu'ことジェット氏ですが、近々またたまった画像アップしようかと思います。
 


 
 
ブレイシズ(サスペンダー)はやはり、まだまだアルバート・サーストンを扱っています。いずれオリジナルを作ろうと狙っています。真鍮使い、柄は無地、ドット、ストライプ、モアレ、おそらく2001年からブレイシズ個人販売実績は僕が日本一だと確信しています。白ジャカート柄、白モアレ、黒モアレ、ドット、ストライプ、そして夏はストッパー部分が白、というスタイルです。


 
 
 
世界で一番カッコいいブリーフケースと、未だ信じて疑わないSwaine Adeney のブリーフケース。正確には、日本仕様。なぜならば、内側に外ポケットがあるから。。でも、これくらいのカスタム(≒ローカラーゼーション)は良いんじゃないでしょうか。 仕入れた分がすぐ売り切れ、自分用にとっていたロンドン・タン(画像向かって左)も女性クライアントに買われてしまい、結局僕自身は持っていません。。
 
 
日本製は、金具を鏡面仕上げにするのがすきなので、つや消しのシンプルな金具の佇まいが一個たりとも気に入ったものがありません。あまりにも無さすぎるので、いっそ真鍮パーツ屋を始めようかと、ギリギリまで考えたことがあります。ノスタルジックな航空機のように単純なリベット締め風のしつらえ。時計の金属ベルトと一緒で、職人はいろんな技術が出来るとすべて出したくなる傾向があるとは思いますが、ガチャガチャやらずに、腹6分に抑えたほうがクールです。
 


 
 
販売二年後のスウェイン。こちらは、バーガンディ色だったものを大切に使っておられます。持ち主は前回ブログの主人公である、城戸さんです。ブライドル・レザーをクリームで大切にお手入れされています。靴やかばんは、買い物の趣味の良さというよりも、お手入れの良さ、習慣としてのその人の在り様が現れます。結構ほっぽらかす時もある自分自身の自戒としてお手入れは大切ですね。
 


 
 
ウェデイングのために、テニス好きの新郎のために、企画製作した、白ノーフォークジャケット。編集者であるH氏。ラコステの白のロングスリーブとアスコットタイ、ブレイシーズ、そして白のトラウザーズ。エクリュのボウタイも用意しました。靴はローテクなコットン白スニーカー確か、日本製でした。なんなら、このままテニスに興じていただきたいものです。
 
前出の炎のランナーでも、海辺を走った後、セントアンドリュースのカールトン・ホテル前の芝生の上を走るシンプルな白上下のランナーたちと、風景の一体感。ひじょうに美しいものです。
 
これが現代だったらどうでしょうか。グレーや紫、黒や赤の思い思いのシャカシャカジャージで、緑の芝の美しさや近くを歩くトップハットとヘッドドレスの女性、クラシックで優雅なカールトン・ホテルの調和もへったくれもあったもんじゃあないです。『 モノと自分 』 という籠った(こもった)、文字通り風通しの悪い関係性にハマりこんでしまって、『 風景 』 というグランド・デザインのコンセプトを忘れてしまっています。
 

 


上はひさびさ登場のitu'氏。ある意味、エドワーディズム特殊継承者ともいえるかもしれません。左端は銀座の帽子専門店とらやで購入したラビットファーのトップハット、右は、ジェットのために作ったマニエリズム的(※バロック期とゴシック期の間の時期の絵画手法全般)色調のジャケットの数々。懐かしく今でも鮮やかに感じます。。





2015/11/09

美酒に酔うひととき @11月4日 バンゲリングベイスピリット

 
 
 
11月4日 23時16分 恵比寿ウエスティン・ホテルにて。ホテルの車寄せに向かってゆっくりと黒のクラシックなロールズロイス・ファントムが滑り込んでくる。手結びのボウ・タイをあしらったショーファーが降り、機敏な動きで紳士側のドアを開ける。
 
ピークドラペルのタキシードで装った紳士が降り立つ。観音開きの扉とショーファーの間をスウェイし、猫背のファントムの後方を廻りこみ、反対側の扉を開ける。ブラックドレスの女性が現れる。紳士は手を差し伸べ、女性が降りるのをアテンドする。。
 




日付が5日に変わる直前、23時58分。22階スカイラウンジ、“ コンパス・ローズ ” へ1ダースの取り巻きを引き連れて、シャンパンで乾杯しているこの紳士は、いかなる理由で美酒を戴くことができたのであろう?いったい、どんな成功を収めたのであろうか?




とりまきの一角は自ら経営する会社の社員たち仲間たちだった。何かしら労っている様子だ。皆イイ笑顔をしている。ふつうの会社の上司や代表に見せるような笑顔ではなくて、さんざん心配かけた子供を見守っている優しい親のような表情だった。。




ストレートのパワーは俺の方が強かった、、。




18時44分。美酒から約5時間前、八芳園のリングサイドにて。彼の応援団(の一部)この日の城戸氏のスーツスタイル&タキシード全般を仕立ているエドワード・眼鏡も写っている。ウエストコートの右ポケットの変なアクセントはチケットの半券らしく黒いデザインに見える。ダサい。気を付けて欲しいものだ。。




城戸輝哉氏、スマサガ不動産の代表をされている。ご自身が佐山悟氏が創立したシューティングの格闘家でもあった。不動産業界、リノベーション業界のチェ・ゲバラと呼ばれ、日々情熱に突き動かされつつ行動している。熱い一方、素朴かつどちらかというと不器用で、少年のようなピュアなお人柄と仲間内では認識されている。




20時1分。美酒に酔う4時間前。彼はリングに向かっていた。

エドワード・眼鏡 談:
バンゲリングベイのイベントでは人物紹介がリアルに丁寧になされ、身近な人物としてイキイキと伝わってきました。。リング上の人物に感情移入しやすいようになっていて、人物にしろチームにしろ、観衆自身に投影できて、ぞんぶんに心を乗せることができるように上手に演出がなされていたため、前振りの映像だけで、すでに気持ちよくアルコールがたっぷり入った僕の涙腺的にはすでに降水警報発令でした。興行的な巧者というのでもなく、主催者の新田代表自身が、自身の哲学をただ素直に表現した結果、このような素敵なイベントとなっていたように感じます。。




陳腐な表現でしょうが、人間皆ひとりひとり生まれた時点で、リングに上がっている、特に成人を迎えた時点で社会というリングに上がっている。闘いたくなくても、闘わないとならない時もあるだろうし、気がついたらゴングが鳴っていたりするもの。

城戸氏の相手は、自身より19歳年下の若者。さらに、その若者は格闘技の経験年数は上だったりする。年齢的なハンデはもちろん、スキルでもどうかわからない。城戸氏は前日自身のテーラーエドワードと 『 グルメな時間を愉しんでください 』  『 哲学的対話を愉しんできますよ 』 とやりとりしている。









パンチ、キック、存分繰り出していた。しかしながら、20歳若い闘士のパンチ・キックのテンポが非常に速いことで、少々ペースを乱していたようにも素人目には感じられた。回転の速さはアピール力となったのかもしれない。さすがにラウンド後半に城戸氏の表情に疲れが目立ったかもしれない。






20時10分
ご自身では納得いかなかった勝敗かもしれない。当事者としての強烈なくやしさ。勝利を目指して練習してきた日々を回想しつつも、かつて、20代、30代のころの自分自身との違いをリアルに突きつけられた瞬間かもしれない。

しかし、いつも強気の表情しか見せない城戸氏が、茫然として無常感そして達観へと入らんとするような風情が、十分に気持ちを乗せている観衆にとっては、感動へと誘われ、涙腺決壊となるのでした。

わたしは闘っています、という形容詞を使う経営者は多いでしょうがリングで実際に闘っている男の言葉には迫力、そして魅力があります。闘う社長の背中を見て社員の心はポジティブに変容するのではないかと思われました。




20時18分。試合が終わり、初めて相手のことを知る城戸氏。相手は保育士格闘家のナイスガイだった。。数分前になぐり合った、けり合った間柄には見えないさわやかな表情。。これが格闘技の、いやスポーツの本質なのかもしれない、と再認識させられ、多くの気づきもありました。




20時20分 誰よりも勝者に見えた試合後の一コマ。試合の後の行動が、この出来事をどうご自身の栄養にするか、愉しみに昇華するか、決定するように感じました。社員全員格闘技を始め、仕事への集中力・生産性・健康度が高まったチーム・スマサガ。

試合後完璧なタキシードの装いに着替えた姿を見て、控室にて当日の闘士でもあったハリー氏(ショップジャパン代表)が驚愕&賞賛したとのこと。最高の休日、美酒に酔うひと時はこうやってスタートしました。

上写真のほとんどは、タック氏撮影。そして意気に感じてロールズ&タック氏を送り込んでくれたJ氏に感謝しきりの夜でした。23時、会場である八芳園を出て恵比寿ウエスティンホテルへと向かう。ここから冒頭へとつながります。




2015/10/27

クラシックに装う紳士たちへのご褒美





シンプルなヘッドライトとグラマラスな流面体のボディ。表面的に目立つ部分はシンプルにあっさりと仕上げ、意識の深いところにせまってくる部分はしっかりと手間をかけてつくられています。現代の車のデザインとみごとに“逆”の美意識を誇るヴィンテージ・カーたち。キング・オブ・タイのケント公も大好きな英国の有名なヘリテージ・カーのイヴェントより画像をお借りしています。


人間の脳味噌のごく表面的な刷込みと反射である “ 刺激 ” に基づく、新商品第一主義の通信機器のマーケティングは、本来長年連れ添うべき道具を消耗品と定義づける戦略に基づいています。何年も相棒として使い込んでみて初めて感得できる道具本来の味わいや、操作に習熟して意識せずとも手足のように操作できる喜びの境地など、昨今の商品には想定されていません。商品( 道具っぽいもの ) が一年に何度もモデルチェンジすることに違和感を持たない時代になっています。


常にバージョンを思考の表面的なところにひっかけておいて、機械を操作している状態ってどうなんでしょうか。道具と人間の理想形である、自分の手足のように自由自在に動く、という境地ははるか遠くにあります。使い方自体をいちいち考えなきゃならん、というのがゲーム感覚になっていて、もはや手段が目的になっています。これぞ理想の道具というものは、そのうちトンカチとカンナくらいになってしまうのではないでしょうか。




10年品、100年品、200年品、それはちょっとした夢です。

・・・・・ 平成という時代に、ちょっとダンディでロマンティックな男がフラワー・ホルダーというアクセサリーを買った。ラッキーなことにそのデザインはシンプルで流行物ではなかった。クオリティは必要充分に作られているから壊れない。少年、青年、壮年、老年期すべての世代で花をあしらって挿せる。。 20年後、男は息子に贈った。それからさらに20年後、今度はその息子に贈った・・・・

3世代以上生きている、そんなことを夢に描きます。

上画像は、この度完成したばかりの、エドワードのオリジナルのフラワー・ホルダー ( 一般定価¥76,400 ) です。この数年来、世界中のヴィンテージ・ショップで探していたアイテムでした。宿題がひとつ終わった気分です。クラシックに、端正に、真面目に装っている紳士ほどよく似合うアクセサリーです。髪型もきちっと7・3にスリークし、シャツもタイもスーツも足元までヒネルことなく端正に決めている紳士ほど特権的に似合います。




ハズす、アソぶ、ヒネる、といったヤラカシが一切無くて、もの足りないくらいの余白のうつくしさ、手がかりの無さ、そっけなさ、という装いのタメがあってこそ、初めて成立する鮮やかなあしらいです。“ ラペルに花 ” が来るわけですから、その現象1点がメインディッシュであり、あとはひたすらやらかさずに、シンプルに流しましょう。ここでしばしば若者は、そのフラワーホルダーのデザイン自体にも凝り始めます。他と違った感じでとかなんとか。。ここは腹8分、いや腹6分で止めましょう。充分です。


最初の3つに並んだフラワー・ホルダーはエドワードでの企画・製作の途中過程です。左端の最初のたたき台が一番アクセントが多いです。センターにもレリーフがあり、短寸で鏡面仕上げです。ここからどんどん引き算していきます。完成した2つ目のサンプルの右のスケッチは、職人さんの目の前で僕が描いたライン・デッサンです。女性のプロポーションのようです。シンプルにして、鏡面を繊細なヘアラインにしてマットで淡い底艶の質感にしました。




こちらは、フルハンドメイドのカマーバンドです。エクリュ色のシルク素材で、クライアントのサイズに合わせて企画製作しました。こういう、紳士の礼装のひとつひとつは、その真面目な佇まいにキュンとします。絹製品とはいえ、お手入れによっては代々受け継ぐことができるアイテムだと思います。この世界に、モデルチェンジはそうそうありませんから、ご安心くださいませ。


カマーバンドに合わせて作ったシルク・エクリュ・手巻きボウタイです。こちらも、カットは僕が線を引き、その意匠に沿って職人がフルハンドで製作しました。少年、青年、そして紳士へと成長していく過程で大人世界にトキメキながら通過儀礼を愉しむことができます。まあ、あれです、通過儀礼というと、えらく堅苦しいですが、鏡見ながら、ジェームズ・ボンド気分で007のサビを鼻歌している感じです。




真面目にクラシックに装っておられる紳士たちには、まだまだご褒美があります。コーレスポンデント・シューズの装いです。こちらも、ストリート系のファッションや、裾が狭まった8分丈のパンツをロールアップしたりして流行りとしてアレンジして履いているラウドな着こなしとは違って、そもそもクラシックスタイルの紳士たちにとっては、騒ぎ立てることのない、気分によっては出動させることのある、ごくあたりまえの足元バリエーションのひとつです。


同じようなことが夏のパナマ帽、冬のボルサリーノにも言えます。味わい深い歴史がありつつも、ごく当たり前の紳士の装いを、歳をとるごとに淡々と愉しみたいものです。ひとつひとつのアイテムの文化を意識しながら、物自体はごくシンプルに、必要充分にとどめる。それぞれすべてを丁寧に組み合わせた瞬間、大きなひとつの世界観が現れる。部品のひとつひとつ取り出してみたら、なんてことのないフツーのアイテムだった、そんな感じを理想の小物づくりと考えています。