2012/12/26

父と子



2歳になったスコット君。今やチャーシューを8枚食べたり、パパの焼き芋を食べつくしたりと育ちざかり。カイリーミノーグの曲に合わせていっしょにおどったり、バイキンマンやごみ収集車が好きだったりと、めずらしい感性も父親似か。。。

エネルギー持てあましてるっぽいある夜、『おい、相撲とるぞ、来い!』というと、思いっきりアタマからぶつかってきました。13キロの丸太なので、なかなか力強い。ぶつかり稽古を何度かやりながら、ハッと気づいたことがありました。

純度100%の薩摩隼人だった僕の父は、当然スパルタ系でした。殴る蹴る踏み潰す、投げ飛ばすは日常茶飯事。そんな日に限って追い打ちをかけるようにお風呂前に必ず相撲特訓でした。

僕自身が父親になった今、それが何であったのか、遅ればせながら気づきました。あれは、厳しく叱った息子を、Hugしていたんだな、実は強く抱きしめていたんだ、と。

おれはおまえをちゃんと愛してるんだよ。。。

喜怒哀楽が極限まで激しく、哲学者でありながら、往々にして理不尽かつ強烈すぎる九州男児であった父。

将来スコットが息子を育てるときに聞えてくるタイムカプセル・メッセージ。どんなメッセージを込めようか。。。あの世でニヤつく数十年後の未来をつい想像してしまいます。

2012/12/16

Galactic Dresssir



青山のJet邸へ。彼が髪をピンクに染めたこともあって、ドレッシングのコードを大改造し、午前10時から7時間ほどかけてレシピを開発しました。この秋冬は、11月が記録的な売上で、数年前の年間売上に届く勢いだったので、新しい商品開発は普通ならとてもムリなスケジュールながら、なんとかニッカ・ボッカやら、ヌバックのツインバックルやら、日々新しいアイテムを生み出していました。

 
夕方、銀座へ行き、ドバイにて時計を買って帰ったJet氏と、銀座ブレゲへ純正の時計ベルトを選びに行ってきました。(※上写真、位置と光が完璧すぎて、かつジャケットの発色が良すぎて合成写真に見えますが、一切画像加工しておりません笑)敢えて、エメラルド・グリーンのガルーシャ素材を選び、つくづく氏が髪をピンクにしたことが、スタイルの細部に波及したことを感じました。金と銀の骰子(サイコロ)をJet氏に贈り、重力の存在しない、銀河系的スタイリングへ突き進んだ記念すべき一日となりました。
 

2012/12/05

挑戦者

 


小型ジェット、ガルフストリーム機にて人工的に作り出した無重力状態でエドワード3ピース(以下、@E3Pと略)姿でボウタイの結び目を神経質に気にしてみたり、冬山で普通にスノボやったり(現場でどれだけ浮いていただろうと想像される偉大なダンディO氏)と、チャレンジ映像が送られてきます。

遠野の馬群(リフレッシュのために放牧されている馬の群れ)に入って、エドワードのオリジナルタイをウィンザー・ノットでタイド・アップさせてみたりと、粋な映像コレクションが徐々に増えています。これらの輝かしい映像は息子の代まで受け継いでいかねばなりません(ホント?)

エドワードエクリュの年末年始お休みのお知らせですが、12月30日(日曜日)~1月3日(木)となっております。来年はどんな年になるでしょうか。世の中的には激動の年でしょうが、マイペースでいきたいですね。身近なマイペース項目を増やしていきたいと思います。

身近なことでは、個人的に今年は携帯電話のモデルチェンジ・バブルに付き合うことから降りた年でした。一旦は捨てたブラックベリー携帯でしたが、やはり全然ナシはちと厳しい、ということで、持ってはいるのですが、車に、旧車という素敵なジャンルがあるように、現在シャープの830SHというモデルの中古モデルの同じものを5台ネットで購入しました。

僕には両手で操作するより、やはり片手で文字が打てるほうが、どう考えても便利(進化)としか思えません。だまされませんよ、と現在の世の中から見るとそうとうにマイナーなセンスをしています。

大工職人にとっての鉋(かんな)が道具の理想形と考える人間にとっては、毎回モデルチェンジしていたら、いつまでたってもヒトと道具の理想的付き合いができないと感じます。とはいっても転送動画の便利さを享受し、ブログを楽しんでいる、、、、まあ、勝手なもんですが。。





2012/11/26

冬支度、




ここ数日、本格的な冬の到来を予感させられます。今日、ツリーを窓辺に飾りました。ひとりで静かに過ごすのも、2人デートするのも同じようにロマンティックな季節ですね。

今年の冬はなんとなくですが、雪がしんしんと降り積もる日が度々あるんじゃないかな?と楽しみにしています。そうすると、神楽坂の坂道の往来は、いったいどうなってしまうんだろう、と思います。橇で滑りおりますかね。

体も心も暖かくして、楽しくクリスマスを迎えたいものです。



2012/11/21

ICHIMONJI 一文字 (いちもんじ)




10月、11月と忙しい日々でした。まことに感謝です。6月から入社し、9月から正社員(肩書:CNO = Chief Nouki Officer = 納期管理部長)となった、Sさんもエドワードエクリュの一員として順調に成長し、うれしい限りです。

水曜日、日曜日定休日、午後6時閉店(アポあれば午前6時より開店)という超マイペースの営業、奇跡的にもご理解いただいており、ありがたい限りです。現在、営業時間の70%が全身一式製作のオーダーですが、残りの30%の営業時間は、オリジナル商品開発に充てています。

2011年から、日本・ロンドン・パリの最高の職人の手によって相当数の新しいアイテムを開発し、納品しております。

新商品へと形になるまでには、現地の一流のコーディネーターに始まり、人との出会い・ご縁を経て目的地点へ到達します。そのひとつひとつに、強烈な物語があり、ちょっとしたエピソードが人生の宝物ではないかと思います。

徐々に、紹介していこうと思います。上のキャップトウ(日本名通称 : 一文字)は、日本の職人Tさんによるものです。何度も打ち合わせし、杯を交わし、普遍的な美しさや着こなしの美しさについて語り合い、靴業界に精通したS氏にアドヴァイザーをお願いし、完成させました。

さらに今年初めに申請していた、DRESSSIR® (Dress! Sir. からの造語) が商標登録完了しました。こちらは教育分野として “ 着こなしの技芸の教授うんうん、、、、(近々詳細記述) ”というものです。

このコンセプトに基づいて、海外のエグゼクティヴ誌で1年間のコラム執筆もはじまり、求心的に純度とポテンシャルを高める努力に集中した2012年でした。とはいっても、たまにはブログ書くのも楽しいもんですね。こちらも気楽につづける予定です。



2012/10/24

軍人たち



たびたび御贔屓いただいている武官、いわゆる将校(officer)クラスのジェントルマンたち、一杯くみかわす愉しい時間はあっても、実務(軍務)の姿を見る機会はありません。


先日14日早朝から行われた観艦式に招待され行ってまいりました。Jet氏と前日から泊りがけでした。哨戒機が海上すれすれを低空飛行し、対潜ミサイル弾を両手に持ってみたりと、たいへん貴重な経験でした。


誰にとっても“有事”というものは、あって欲しくないものなのですが、リアルな平和は、かろうじて保たれている均衡の上に存在しているようです。


僕は2000年前後から、新聞もテレビもあまり観なくなりましたが、もろもろの情報の鮮度は直接一次情報から得る、という姿勢が大事だと今回も感じました。


相模湾のど真ん中まで3時間ほど。。。アルスターコートに、耳栓、ノイズ・キャンセラーのヘッドフォンとなかなかの重装備。Jet氏も少々ルパン風のスタイルでしたが、アルスター・コートでがっちりと甲板の強風をガードしていました


しかしながら、甲板でしばらく寒風に吹かれていたので、実のところ2、3日は耳・肩・首の調子がもどりませんでした。こればっかりは、毎日乗艦しないと鍛えようがないですし、慣れていないです。超低空で飛行する哨戒機。

後半は米国の原潜がス~っと浮上してきたりと、ヘビー級の体験をさせていただきました。平和は一日にしてならず(さまざまな役割を遂行する多くの人々、たいへんな苦労の上に成り立っている)を肌で感じた一日でした。関係各位の方々に感謝いたします。


2012/10/21

Vietnam Tour etc...


ちょっと忙しい日々が続き、すっかり間があいて、細かいところは全部忘れてしまいました。写真を見ながら解説、の形式で。さて、マジェスティックホテルのフォーは結局常に安定して美味しいと感じました。5日もいると細かくカスタムできるようになります。


小グマ体型のスコット。ベトナムではお腹を壊さなかっただけでも誉めてあげました。大食い気味に育て中。中学2年生くらいまでは勉強よりも何よりも、たくさん食べて・運動して・眠ってだけ気をつけてあげます。保育園の友達にもちゃんと挨拶できるようになりました。


クラシックホテルは、概ねすてきな内装に目を奪われます。螺旋階段、はフランス伝統なのでしょうか。パリのホテル・クリヨンも美しい螺旋階段でした。


この日、少々ベトナム味を一休みしたくなり、ホテル一階のレストランにてクラブハウスサンドとコーヒーという夕食を食べ直す有様。考えてみたら、こういう日は速攻でマックに行けばいいわけです。


ところで、ベトナムの人々がホーチミンのことを “ サイゴン ” と呼ぶ時、不思議なことに、ほんの微量ですが、そこにちょっとだけ誇りのようなものを感じました。植民地うんぬんの悲しい物語のニュアンスとは違って、よくもわるくも自らの歴史に対する純粋なプライドのように感じました。それもまた素敵なことではないでしょうか。

2012/09/27

Vietnam tour 2


31日は、午前中ビジネス、午後はフリータイム。二人はこの日夜に帰国だったので、チェックアウトの手続き。天井にもゆったりヌケ感のあるフロントにて。、トラウザーズの裾巾はもちろん、全体のシルエットがゆったりと各所ドレープを感じさせるスタイルが、こういう空間には似合うように感じます。タイトなスタイルでは、やはりちょっと違います。


旅行前、日本橋三越にて強く薦めて、Jet氏が購入した、グローブトロッター限定の 『オリエント』 シリーズ。三越限定だったものの、その評価の高さゆえ世界ラインナップへと格上げされたモデルです。さりげなく東洋の意匠を誇り、表面は漆(うるし)で仕上げられていて、味わいとミステリアスな美しさが漂います。


この日は、英語コーディネーターと、日本語コーディネーターの2人と行動したので、ベトナムに対する単純な疑問を全部ぶつけました。一体全体、なぜに、こんなにたくさんのひとが移動しているの?労働力の流動化とはいえ、あまりに効率わるくない?などなど子どもになった気分で素直な疑問を散々っぱなぶつけ、われわれなりに、ベトナム・ホーチミンのイメージをつかもうと愉しんでいました。


ミッションを終え、フランス人が経営するホーチミン唯一の乗馬クラブへ。地元のタクシーのドライバーも知らないような、結構わかりにくい場所にありました。クラブのオーナーの登場を待ってハンモックで昼寝して寛ぎました。ハンモックの気持ちよさに初めて目覚めました。こちらが事前ブッキングなしに突然訪れたので、相手方スタッフも戸惑っていた模様。


とりあえず、帰国した日に馬術2試合が控えている(※氏は帰国後2試合連続で優勝かっさらった模様、怪物でしょうね)バロン氏、コーディネーターと交渉に成功し試乗することになりました。装備も全然ない状態で、ヘルメットだけかぶり、そのまま乗ることに。2年前渡英した際、ジョンロブのブーツ買ってそのまま乗って以来の旅先乗馬となりました。今回は、エドワードのコンビのツインバックルでひょいと乗りました。


普段、半ギレ気味の暴れ馬をわざわざ選んで乗っているせいか、この馬は馬力不足で彼的には物足りないよう様子でしたが、大きな輪乗りで、高速で走らせながら、フォームを確認していた模様。こちらは、しっかりムービーで撮影していました。フォームチェックができて、意外と有効だったかもしれません。


フリータイムからホテルに戻ると、Jet氏はラウンジで仕事中。様になっていました。彼のお気に入りの青山の老舗イタリアン、アントニオスの風景とダブります。オリエンタルなしつらえには東洋人の黒髪が似合いますね。


今回はベトナム大使館経由での紹介で、2人の優秀なコーディネーターにお世話になりました。コード・ネームで呼んでいました。マーズとムーンに挟まれたJet氏。ベトナム講演も近いですね。


時代を感じさせるマジェスティックのステンドグラス。モノグラムも味わいがあります。下の水槽の魚をスコットに見せたら、水槽の魚を怖がっていました。


ママがネイルに行っている間、育パパ。背中掻き掻きメソッドで眠りの世界へいざないました。寝相悪いのですが、これだけスペースに余裕があると、そうそう落ちることはありませんが、この後、枕を落下防止として、周囲に配置させました。


さんざん、お兄さん方にかわいがってもらっていた模様。初日、移動のタクシーで車酔いし、リバースしまくっていましたが、降りるとケロっとして、ニコニコ笑っている始末。


サイゴン河を眺めつつ、軽く夕食。みなフォーを食す。一足先に帰国する彼らとはベトナムでの最終日だったので、サイゴン・ビアで乾杯。われわれはつねにドレスアップしているのですが、英国でもパリでも、ありがたいことに一番快適な“お手本席”に通されます。海外で活動する際、『 ドレスアップして、フォーマル気味に装うと、得なことしかない 』 ことを、つくづく知恵として実感します。


サイゴン河、ホーチミンの夜空の月が妖しく輝きます。


初日、2日目、訪れてみないとまず考えつかなかったような、アイディアやインスピレーションをもらいました。この日まで、ビジネス寄り、翌日からは家族で過ごす休日となります。かなりめまぐるしく活動した2日間でした。


2012/09/24

Vietnam tour 1

 


 8月29日(水)夕方成田を発ち、同日夜10時、ベトナム・ホーチミンに到着しました。この旅から早一ヶ月が経過しました。帰国早々仕事に追われ、光陰矢のごとき日々、まことにありがたい限りです。
 宿泊先は、マジェスティックでした。サイゴン河向きの部屋では無かったですが、スイートにアップグレードしてもらい5泊の滞在を快適に過ごしました。上写真は一緒に行ったJet氏。 



 
朝食はフルーツが充実していました。ドラゴンフルーツや、もはや名前を忘れましたが、まずはフルーツから食す(その後はフォーをガツガツですが)リズムでいきました。確かに日本より湿度が高く感じました。歴史の物語をたっぷり背負ったサイゴン河を見下しながら、ここから5日間毎朝フォーを食べ続けることになりました。クラシックホテルならではの建築意匠が心をときめかせます。マジェスティックホテルはなぜか逆光写真が良く似合うように思いました。
 
 
萌えポイントを探してスコットと一緒にホテルを探索中。探索はほぼ一日で完了した感もありました。。。数年前、渡米した際、深夜ホテル内をうろうろしていたら、真鍮のパーツ(取っ手だの、ランプだの)を何人ものメイドさんたちが磨きあげていたシーンが記憶に残っています。昨今のシティホテルではまず見かけない光景ですね。

 
 
数年後、改築される予定のマジェスティックホテルです。写真上のようになるらしいですね(下が現在の外観)。ちょうど現在の丸ビルのスタイルです。時代の流れで、それもありかもしれません。ただ、改築前に来られて良かったな、というのも正直なところです。スノッブなガイドブックである“ LUXE @ : ホーチミン ” では、“クラリッジズ(ロンドンの代表的クラシックホテル)になれそうだし、本来なるべきところを悲しいかな、そうなりきれない”という一文で評されていましたが、自分が見出したいものを部分的にフォーカスすれば十分満足できるように感じました。
 
 
最初の海外旅行が香港だったスコット君も、今回のベトナムツアーでは、一度も食アタリもなく(※車酔いはさんざんでしたが、、、)大人に交じってマイペースで過ごしていました。寝かしつけるのが超得意なパパのおかげで、昼寝もたっぷりで、それも免疫力をキープしていた秘訣だったように思います。飲み水には気をつけ、歯磨きも最後のひとユスギは、かならずミネラル・ウォーターで、という予防法で食アタリ対策には万全を期しました。


ホテル近所のシルクショップにて、ネタ半分でパジャマとガウンをオーダーしました。最終日2日前には完成してホテルにデリバリーしてもらいました。ついついユニークな採寸法に興味深々でした。おみやげものとしては十分楽しめる一品でした。しかし、充分に満足するためには、結局は自分たちで作るしかないのだ、ということも再認識した次第です。


ホーチミンで日本人オーナーが経営している『ZAKKA』というお店で妻用にセレクトしました。ワンピースは、チュニックのシルエットのように、ウエストポイントが極端に上にあるものは、僕にはあまりバランス良く見えないので、少々ノスタルジックなふつうのワンピースのように、ポイントを数センチ下に下げるお直しをしてもらいました。

淡いグリーンのやわらかい柄、風合いが気に入りました。最近の傾向でしょうが、女性の着物の帯も高めにしめ過ぎるよりも、普通に端正(気持ち上、というくらい)に締めるのが一番ではないかと感じます。


先入りし、はや2度目のベトナムでおいしいポイントをすでに押さえているJet氏の紹介のホーチミン市内のレストランへ。結局下の海老のかき揚げ(をサンチュで巻いて食べる)は、最終日の夕食でもリピートしてしまうほど美味しい一品でした。やはり、食事はロンドンより、アベレージ的には高いかもしれませんね(笑)仕事ミッション半分・休暇半分のツアーの一日目、楽しく締めることができました。



2012/08/22

Scott's Blue



そろそろ夏が終わろうとしています。息子のスコットは、コトバも少しずつ覚え、立つ事はもちろん走ったりできるようになりました。ただ今彼は、悩みをかかえているようです。

親離れの最初の一歩(“卒乳”というらしい)なのですが、どうにもこうにも、それを理解しかねるらしく、ちょっぴり悲しんでいる模様。親にとっても子供にとっても、ちょっとした通過儀礼なのですね。

@神楽坂、近所の白金公園にて。ブランコも乗れるようになって、車に跨ってゆらゆら遊んだり、シーソーやったり、どんどんできることが増えていっておりますが、どうしてもそれだけは納得いかないらしく。。。


2012/08/16

朝方は涼しくなった今日この頃、



ですが、まだまだ日中は温度も湿度も亜熱帯です。そうです、日本はもはや東南アジアです。日差し・湿度・温度などで、色彩の見え方もかつての日本とは、違ってきているのかもしれません。それもそれで、まあおもしろいじゃないですか。写真は、スーツ(ジャージー素材)・シャツ・タイすべてエドワードエクリュ製。

さいきん、営業日(定休日)・営業時間がかわりました。週2日、水曜日と日曜日を定休日にさせていただいております。営業時間は、午前6時から午後6時までです。日本では一番早い営業スタート時間かもしれません。

以前は、午前8時から午後8時までだったのですが、先月ごろから6時スタートにして、クライアントの方々も仕事前に立ち寄れるとのことで評判もよかったので、定常的に設定することにしました。

そもそも、人生で重要な要素を占める仕事時間のための戦闘服を、家族みんなで行楽気分で出かけたショップなどで、ちょろちょろっと気分だけで選ぶのは間違っています。スーツ選びは、大事な仕事時間に堂々と行えばいいのです。文句ある上司には僕が説教します。

どうしても仕事時間をキープしたければ、感覚も頭も冴えている朝の時間に、プリプリの感性で、冷静に的確に、あるいは気合い(コミットメントともいう)とともに選ぶべきです。朝6時~7時という0コマ目はもちろんアポイントメントが必要ですが。

今月は、29日(水)~9月5(水)まで夏季休暇をいただきます。今年は一家でヴェトナム・ホーチミンで過ごす予定です。古くはフランスの植民地でもあり、東洋と西洋の入り混じった、トラディショナルな佇まいが薫る街並み。またレポートいたします。


2012/07/24

A.C.M.G.の流儀、



A.C.M.G. は “ Anti Coolbiz Modern Gentleman アンチ・クールビズ・モダン・ジェントルマン” の略です。 ここ数日、エドワードエクリュという名前の航空母艦から、A.C.M.G.という名のソルジャーを立て続けに送り出しております。上写真、スーツ、シャツ、タイすべてエドワードエクリュ。(ミュール色の地に、小さ目で、ピッチが広めのゆったりしたドットタイ)

昨今の省エネ・クールビズ、そしてナロー・タイの流行からでしょうか?昨今の市場には、クラシック寄りのスタイルを好む紳士にとっては “ ふつうはこうだろう ” と感じられるタイすら、ほとんど存在しておりませんでした。

ふつうにクラシックを好む者、あるいは健康的な美意識をお持ちの殿方は、そろそろブチ切れておられることとだと強く確信します。ネクタイの企画者、デザイナーは、そろいもそろって、いったい何をやっとるんだ、めちゃめちゃ同質化しすぎだろうと。

セッテピエゲ?1本2本持ってるとそれはそれで愉しめても、別にそこは本質ではない、と。まずはふつうに美しいカッティングを、と。というわけで、オリジナルで製作しました。大剣9センチ、さらに、(それ以上に重要と認識する部分として)ノットの天地が5.5センチ前後。工場に型が無く、すべて手断ちです。

シルエットが、楔形(くさびがた)、つまり逆二等辺三角形です。タイはもちろん3次元に持ち上がり、つつ~っと充分に下に下がった位置でふくらみが一旦くびれ、くびれたと思ったら、その瞬間ぷわっと花が咲くように、開きます。その立体的なメリハリを作り出すためには、大剣はもちろんのこと、小剣の充分な太さを必要とします。

自分で企画してみてわかりました。小剣を太くするためには、ネクタイ1本あたりの用尺が20センチ前後余計に必要となります。つまり経済ロットではないわけですね。ピタピタ・スーツと、ナロータイの流行は、その意図において共通性があります。

柄は、無地(ジャガード)、小紋、ドット、ペイズリーのみ。一気に130本近く製作しましたが、いつもながら、なくなるスピードも一気に納品されております。ありがたい限りです。製品には、一層ラディカルな解説文がつけられております。昨今の喧噪に対する、大いなる挑戦状であり、大いなるメッセージを持った一品と自負しております。

下写真、シャンパン・ゴールドのドットタイ。ドットのピッチが広めなのは、店舗では目立たないからなのか、なかなか存在しません。これも結局、自分で作るしかありませんでした。コードレーンの3ピースに合わせて。

2012/07/18

スポーツを愉しむ休日、その2



日曜日、全日本ジュニア馬場馬術競技に出場とのことで、応援していたジュニアのSさん、緊張させてはいけない、と我々は反対ギャラリー席から応援していました。キレ味抜群の愛馬の動きに合わせて、Sさんの堂々たるライディングに観客は静まりかえり、見とれていました。

霧雨の中、まるで東山魁夷の絵画のように美しい光景でした。これだけ正装しつつ、自然の中に溶け込みつつ、美を競うスポーツ、なんというエレガンス、あらためて圧倒されます。

予選ですでに他を圧倒したSさんは、翌日のライディングも順調で、全日本ジュニア馬場馬術競技において優勝、全日本ジュニア王者の座に輝きました。金メダル“獲得”という表現もすばらしいのですが、『自分が王者である、という真実を証明してみせる』という、 “王者であることの証明”という表現も一層感動的ですね。


 きょうび、これだけ上品に正装している人々を一度に見る機会も、そうそうありません。


Sさんは、エドワードエクリュにてビスポークされたハンド・メイドの馬場馬術・ドレサージュ用の燕尾服を着用され、ドレッサーとしてクラシックな着こなしの技芸・アドヴァイスをご教授させていただきました。微力ながらも力になれたことを光栄に思います。


神楽坂のサロンに何度も足を運んでいただき、最終調整まで時間をかけました。ビスポークは、ひとつの覚悟の表明なのだな、と実感した次第です。最近偶然のきっかけから、仲良くさせていただいている本田大三郎氏も、本番に強い選手ほど、普段から清潔なウェアを身に着け、細心なまでに身なりに気を使う、と仰っておられます。


上、お父様も真剣です。前後横、すべての角度から動きやすく、絵になるように。優勝の副賞として、馬場馬術でのドイツ留学が決まっているとのことなので、彼女のアスリートとしての精進を労うべく、渡独への旅のための一品をプレゼントしようと思います。


さて、同じく馬場馬術競技に出場していたM氏。今回は惜しくも予選突破がなりませんでした。M氏本人も試合直前まで、全日本ジュニアレスリングの後援で、キルギスタンに10日あ海外遠征していたこともあり、調整が2日だけ、という状況でもありました。

楽しみはじっくりとっておきましょう。シャンパンでの乾杯は持ち越しとなりました。上写真は最新のロゴ。これは氏の最初の持ち馬だったハナミ号の輪郭から製作しています。今回は、2号目の自馬である純国産のカーロ号での参加となりました。


当日M氏は、応援にかけつけたミヤビ一家とわが一家の相手をしながら、、他選手のマネージャー役、地味な使役作業に徹していたジェントルマンぶりでした。ロイヤルアスコット的ながら、気ままな気合で、というアドヴァイスに乗って、花に梟(ふくろう)が乗ったハットで登場したミヤビさんには全員大ウケでした。



スポーツは自分でプレイするのはもちろん、観戦の愉しみも、これまたひとつの重要なキーポイントかな、と思います。一流アスリートの方々とのおつきあいを通して、豊かで文化的に膨らみを持ち、人生に影響を与えるような観戦の仕方、楽しみ方もできるのだ、と最近学ばせていただきました。