2010/06/26
コントラストを弱め、質感のめりはりをつける、
2003年から2008年頃まで、ネット上でスワロフスキーを使ったカフリンクスを販売して5年間で実売含めて約8000セットくらいを売りました。ネットでは個人ベースのおもちゃのようなオークション・チャンネルを使っていたのですが、2003年という早いスタートチャンスと、流行り始めのスワロの珍しさもあって、その時期ニッチな市場で、スワロフスキーを使ったカフリンクスではまちがいなく世界一売ったはずです。
パイロットバージョンだったこともあって、そうとうな荒削りでしたが、多くをフィードバックすることができました。プロセス全体で一定の評価も得ることができました。一定量売れることがはっきりイメージできたので、知人2人に向かって、“おこずかい稼ぎできるネタを発表する!”と宣言した日をはっきり覚えています。
“スワロフスキーとカフスをハイフンで結ぶアイディア”でした。当時、僕が愛読していた、たしか博報堂から出版されて、個人的にインスピレーションをたくさんもらったビジネス書“ファンキー・ビジネス”を片手にプレゼンしました。
試作で完成度に迷いがあった僕の背中を、ビジネスモードに思いっきり押し込んだ高校時代の友人で京大理学部の院でロケット研究していたT氏。A型気質で職人肌のHちゃん、彼女が小金を貯めて居酒屋経営を開始ししたこともきっかけで、カフス販売3人組も自然消滅しました。
時が流れて、2009年、そして今年、ヴィンテージのガラス加工技術を、手間のかかる手作りおこない、粋を追究しておられるハイスキルな職人Kent氏の作品に触れることができ、嬉しくおもいました。2003年当時の個人的な思い出にもかさなります。今回はぼくは、多少アドヴァイスやフィードバックはするものの製作ではなく、“セレクト”と“ご提案”に集中することが役割なので楽しみにしております。
写真にあるように、色のコントラストは弱め(むしろ同系)で、スワロフスキー用語でいうとクリスタルABというタイプの、オパールのように、さまざまなまわりの色を拾う性質の輝きです。アイテムに猛烈な力、パワーがある場合、色彩のコントラストは目立たせずに、質感に力を発揮させることが理想です。
基本的に色や形のパワーは、はっきりみえるところでなく、たとえば袖元や裏地に使用することが望まいです。
色 ・ 形(デザイン) ・ 質感(素材感、手触り、3次元)
あくまでも直観的に言うと、
色は 1次元
形は 2次元
質感は 3次元
なので、次元が大きくなる順にすぐ目につかないけれど、深く静かな部分に刺激を及ぼすことになります。カフリンクスのついでに小物的に言うと、ネクタイ自体は、スーツやシャツとの色のコントラストをあまり強くせずに、そのネクタイ自体が、緻密に高密度に作り込まれていて、ギシギシざっくり織り込まれたジャガードらしい質感(だが、色は淡い系など)や、きめ細かく高精度の小紋柄の上品さなどによって物自体のパワーを魅せる、のが理想です。
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