2010/04/28

Versailles ヴェルサイユ・ブルー


Blue(仏:青)は、緑系から紫系にいたる領域の色。中世で聖母マリアの色となって、後世にはフランス王のロイヤル・ブルー(王者の青)となりました。

この写真↑は2008年夏、知人の結婚式にて着て行ったAzur(アジュール:紋章の青、日本では雑誌などでは、イタリア語読みでアズーロ・ブルーといっていますが、敢えてエドワードではフランス語読みでいってみました)のリネン・ジャケット(イタリア・カチョッポリ社の生地、麻100%)。このスタイル、さすがに普段にはちょっと厳しいですが、パーティにはこれくらいはイイですよ。

インナーには、伊・クルチアニのハイゲージ・ニット。この色はMûres(ミュール:桑の実色、英ではMulberry)色で、桑の実のような茶色のようにも見える濃い紫色です。この色と青とが相性が良いのは、色相的なロジックからよりも、古代ローマ時代から、桑の実は青染料の素材だった、という歴史的知識からのほうが感覚的にわかります。

2010年夏に向かって現在、この夏のジャケット・スタイルをあれこれイメージ中です。スタイリング製作中のY氏のジャケットはウィリアム・ハルステッドwool73%,mohair27%の2plyでブルーグレイ色。まず最初にここを決めてみました。しかしながら、これはそうとうに難易度の高い色・素材です。発色も風合いも、ジャケットでセットアップするには、非常に難易度高いアイテム。

前回は、グレイに赤のウィンドペインという挑戦がご好評いただいたので、今回はそれを超えるべくハードルを、敢えてぶっ高くしてみました。もっともっと、呆れるほど圧倒的にカッコイイものを作りたい。言ってみれば、この質感を、この風合いを、このじゃじゃ馬を、馴らして、最高度のサラブレッドにするためには、どのような色彩、どのような風合いを挿すべきか、、、、

、、、2日間意識的・無意識的に暖め続け、ひとつのトリガー・キーワードに出会いました。

Versailles : 『ヴェルサイユの青』

野放図・かつ貪欲に、17世紀ブルボン王朝まで遡って、そのインスピレーションを求めました。コーディネートも一種の勝負、生け花に近いような鮮やかな勝負ですね、いずれにしろ、賭けの要素がたぶんにあります。

最近、クラシックといっても、80年代を重心軸にした1920年代、30年代に対するオマージュが気になります。80年代は基本的には、キッズ文化、グッズ文化ではなくて、大人文化の度合いが強かったように感じます。スタイルとモード、文体と流行。つい最近、『流行は社会の霊感』というフレーズと出会ってあたらしいインスピレーションがやってきました。

2010/04/21

神楽坂 EDWARD、ゴールデンウィークの予定


あいかわらず、春夏と秋冬が交互にやってきている昨今、5月2日(日曜日)、3日(憲法記念日)、4日(みどりの日)、5日(こどもの日)のゴールデンウィークがやってまいります。天変地異や想定外の出来事で、遠出できなくなったり、ヨーロッパ2週間旅行の予定を急きょボストン、ニューヨーク旅行に変更したお客さまもおられます。(昨年のクリスマスパーティーで模範タキシードジェントルマンとして皆様にご紹介したT氏ご夫妻)

『人は少なくとも一度は、煌煌としたスポットライトをど真ん中で浴びるべき』のマインドで、エドワード・パーティーにおいて恒例で行っているキャットウォーク大会を、帰国後、彼自身の結婚パーティーでやる予定とのこと、とてもうれしく思います。先日夜一緒にキャラクター考えて選曲していました。僕はいつもオーガナイズ側なので、歩くのは今回が初めてなんですよ、、、、

エドワードでは、この5月で神楽坂店舗開店の一周年を迎えます。堅実に一歩一歩ゆっくり前進しておりますが、ちょうど一年を迎えた5月、エドワードの体制をまた一歩、前進させます。ゴールデンウィーク中は、ほぼずっと店舗にいる予定ですので、事前アポのお手数・ご面倒が恐縮なのですが、春夏生地をチェックにぜひいらしてくださいませ。

期間中は、冷蔵庫のビールと店内にあるワインはすべてご自由にお愉しみください。まあ、べろんべろんにはならない程度によろしくです(笑)私はお昼頃には、そうそうにビール飲みながら、ゴキゲン ・ ほろ酔い ・ 夏気分になっていますので、お気軽にどうぞ、、、

(※上写真) 自分が履く用に作って、出来が一番よかったエドワード特別仕様の26cm、足囲24.1ウィズCの展示品。先日、これを、ジェット並みの勢いとスピードで気に入られた青年紳士が、稲妻のごとく登場。意気に感じてお売りいたしました。このスーパージェット氏は来月に大手出版からデビューをされますが、その際のコーディネート一式をエドワードのオーダーメイドでおこないました。すべてのアイテムが一見超ハイ・ファッション、しかしその実、すべてに本格的なクラシックスタイルで仕上げています。

2010/04/14

Today's 3 dancing Gentlemen...



ここ数日、冬と夏が交互にやってくるような冗談っぽい毎日。寒気と暖気が今年はともに強烈で、毎日天気に振り回され、つい踊らされてしまいます。まあ、いっそのこと、楽しくおどらされたいところですね。そうはいっても生暖かい昨夜の夜風に、夏を予感した人々も多いはず。そこで、自分らしく踊ることにかけて天才的な3人の紳士に登場していただきました。





Bleu Horizon(仏:ブルーオリゾン)とは、水平線上、空に向かって約5度の角度でみられる空の色のこと。フランス軍兵士のズボンの色として知られています。ジャングルでの迷彩色とはちがって、空にまぎれる迷彩色。彼のスーツは、この色に、Opaline(オパール色)を加えたような色。 彼のために、“Horizon Opaline(地平線のオパール)”名前をプレゼントしたいところです。David Bowie 『Let's Dance』





この時代にクラブ、いやディスコにいたかっこよくてかなりアブナっかしいお兄さん方々は、今やニット帽かぶってダメージデニム的な、そつのない2010年スタイルに変体してしまっているのでしょうか。ストーンズのチャーリー・ワッツのように落ち着いたクラシック・スタイルに向かって、かっこ良くい続けてほしいですね。Bryan Ferry 『Don't Stop the Dance』



ここ数年のB系アーチストの中にあってファッションにおいてはそのダンディ・スタイルで圧倒的に際立ってきている、OutkastのAndre3000.この“Prototype”のPV(埋め込みできなくなってる模様)、ワンシーンワンシーン爆笑モノだけど、そのファンシーな世界についつい不覚にもジーンときそうになったりする自分発見。そのキュートなPVのせいで忘れそうになるけど、曲自体がどえらくかっこいい。coolovely(E造語)な世界観を作り出す天才ですね。

2010/04/11

私的桜百景、


今年僕が桜に最初に出会ったのが上写真、3月11日。これは結構、自慢できるくらいに早いんじゃないかな。いつものように、御苑の千駄ヶ谷口から入って早朝の散歩中のことでした。早朝の散歩は誰よりも早く旬の空気を感じることができます。季節感とは、言うまでもなく、単純に暖かくなった、寒くなった、湿度が高い、湿度が低い、というような、服飾業界だけの物差しではありません。日差しのやわらかさ、木々の力づよさ、緑の深さ、花の色めき、土の暖かさ、風の肌あたり、、、、自然は、ひとことでは言い表せません。



日なたくさい感じ、日差しは充分ですがまだまだ肌寒い日です。そういう日は秋にもあって、ちょっと切なくなるようないい気分になりますね。桜が咲く、ということがとりわけ特別なことだということが体感できます。これは日本人のDNAなのでしょうか。その存在感がまわりの物に向かって“ ほら咲いてみたよ ”とつぶやいているようで、遠くのほうからでも際立っています。



文字通り、梅春ものは春まで活躍ですね。やや厚手、シャークスキンの生地など質感も色も季節に沿いながら、季節を愛でているスタイルとしてお薦めします。クラシックな美意識を愉しみながら、めりはりのある日本の旧庭園をゆっくりと歩くと、なんともいえない季節との調和とリズムを体感・体得することができます。禅の意識に近いかもしれません。そこで、自分の意識と自然との間に感覚的な矛盾がなければ、その着こなしはハーモニーを得ている、ということかもしれません。僕は国産、低速ションヘル織機でつくられる葛利毛織の3ピース・スーツに中肉ウールのコートでこの季節とつきあいます。



これは、4月7日、早朝5時40分。午前7時からの“スクール・エドワード”(顧客で将来注文服業につきたい方に1時間授業をしています)のために早出していました。桜もほぼ満開。霞の背景の桜も予想通りすばらしかった。ラウル・デフュイが雪と霞にけぶる橋を描いた作品が広島美術館にあったのですが、ちょうどその淡い背景描写はこのような霞を最大限うまく表現していました。早朝の日差しは曇りであっても清浄なトーンです。


こちらは、4月8日。いよいよピークを過ぎ、そろそろ花見も後半なのでしょう。キャナルカフェも例年の行列っぷり。やはりキャナルカフェからの桜もとても素敵です。水辺ということも光が反射していっそう素敵に見せているんでしょう。飯田橋の西口(神楽坂口)は、ホームを降りて、なが~い屋根のある通路があって、ふいに太陽光が出現します。そこに桜の景色がパッとひらけていますから、けっこう効果的ですよ。午前8、9時くらいの太陽の光も健康的でいいですね。



前日に入れなかった、半蔵門、ここからの桜が、東京での、上から目線で楽しむ花見の最高鋒ではないでしょうか。ARGOのカフェからの展望。英国大使館と皇居の両方が一度に見下ろせます。前日に入れなかったので、今年の桜の見おさめにいきました。




おまけ:日本の歌謡曲もよく四季を歌います。

2010/04/07

ビジネスバック最高鋒、


英国老舗鞄ブランド 『SWAINE ADENEY BRIGG』  が2010年春夏に先行開発さた、ホヤホヤ・モデルを、エドワード顧客の30代若手実業家M氏がいち早くご購入されました。全ての観点において文句のない見事な鞄。ちょっとミーハー的には007ジェームズボンド愛用の老舗鞄であったりもします。さらにこのモデルは、クラシック軸を守りつつも、時代性を加味した最新のモデル。エイジング(経年変化)も楽しみな逸品です。落ち着きと内面からの真摯なパワーが感じられるアイテムです。モードの鞄には無い、悠然とした迫力があります。



物の持つ、“気”にこだわると、やはり人間が無意識にとらえるその物の持つ “美”に敏感になります。内ポケットの設えも実用的で、必要最低限。一見普通の顔をしていて、実際は圧倒的なクオリティの仕様。そして、移動時に意外に役に立つ、必要なのが、外ポケット。ちょっとした本を突っ込んだり、移動中の使い勝手に必要なフィーチャーとなります。靴と同じくらい愛着を持ってお手入れしてあげて、エイジングの美しさで本物のオンリーワンとなる逸品です。


2010/04/05

おめでたや~


2002年、ちょうどクリスマス頃でしたでしょうか、南青山で小粋なセレクトショップを経営されていた同世代K氏(近年、イタリアに一人旅していてたまたま撮影した写真で、グランプリを受賞した、あらゆる意味でツワモノのラテン・ダンディ氏)からの紹介で、オーダーしたい青年がいるとのことでY氏をご紹介いただきました。薮そば本店でご飯食べながら、恋愛話ししたり、甘酸っぱさを懐かしみつつ思い出します。

ひさしくスーツを着用しないビジネスシーンにおられたものの、エドワードを覚えていてくれて、このたびのウェディングに向けてご注文いただきました。一カ月前ちょっとで、若干ひやひやでしたが、頭の先からつま先まで、一式じっくり、そろえさせていただきました。結婚式レンタルのファンシーなメンズスーツが苦手な方は、いっそこの機会に世界標準のタキシードを一式揃えてしまうのも賢い選択かと思います。

1.タキシード 2.ウエストコート(コットンピケ) 3.シャツ(レギュラーカラー) 4.ブレーシズ(サスペンダー) 5.靴(エナメル) 6.ボウタイ(エクリュ・エドワードオリジナルボウタイ) 7.ポケット・チーフ(シルク手縫い) 8.ホーズ(膝近くまである長い黒の靴下) 9.手袋 10.カフ・リンクス(白蝶貝) 11.スタッズボタン(白蝶貝) 12.ストール(ヴィンテージ@エジンバラ) 13.2次会用ボウタイ(バーガンディ)



この写真はボウタイのディンプルがキレイに出ていませんが、本番ではキレイでした。このストールを沿わせるのは、ゲスト感(お店にとっての)を出すのにためでもあります。日本人の場合、あまりタキシードを着慣れ(見慣れ)ないので、ついつい一般客が、タキシード=お店のスタッフと間違われがちです。

しかし、どうでしょう、もし間違われたらその時は、いっそホテルのスタッフに負けないくらいに、しっかりドアを開けてあげたり、エスコートしてあげるのも一興ではないでしょうか。

僕自身が昨年主催したクリスマス・パーティーで、もし自身スタッフに間違われたら、お店スタッフのふりをしよう、と腹をくくっていました(笑)ある意味、“ドレスコードを越えた人としてのマインド・コード”ですね。4月3日、汐留にて、美しい花嫁さまと。末長くお幸せに!素敵な会でした。


この週末は、おめでたや~続きでした。エドワード創業当時からのお客様であり、ほぼお兄様に近い、福本ご夫妻(ご本人はローマ字なんて中途半端より本名で結構とのこと)に4月2日ベイビー誕生の慶事。土曜日、さっそく駆けつけました。30時間におよぶ健闘だった模様。“エド、フラッシュはたいてないよね?”という可愛がりっぷり、僕はとにかく慣れないもので赤ちゃん抱くの、緊張するほうで。壊れそうで、自分からは触れることもありませんからね(笑)かわいらしい女の子でした。



そして、4月2日には、これまた、10年以上のお付き合いになる友人のA嬢ご夫妻にも女の子誕生のお知らせ。同じ日に生まれた模様。びっくりですね。そういえば、先日満月だったのかな?おめでたいことが続きます。少子化少子化と叫ばれている昨今、このまわりの盛り上がりは希望の光ですね!



クリオネちゃんのように、ガウンに包まれて、、、