2010/06/02

トラウザーズの美しいシルエットのために、





ブレイシーズです。本日2人の方に3点納品いたしました。ブレーシーズは、ひらたく言うとサスペンダーと呼ばれます。英国製アルバート・サーストンのものがいわゆる『本物』です。黒は別ですが、この柄のストラップ部分が『白』というのが、堂々としたエレガンスを感じさせられます。幅40ミリ、長さ100センチ。クリップ部分ははずしてしまって、ボタン留めがいいですね。このためには、トラウザーズにそれ用のボタンをつける必要があり、やはりオーダーとしての特徴ともいえます。

サスペンダーの効用は2つ。1つは、トラウザーズのシルエットが一番美しく見えること。クリース(折り目)が美しく出ること。肩からつりさげているわけなので、ストーンと下に落ちますので、そもそものパターンが作り出す理想的シルエットになします。2つめはベルトによってできるウエスト周りの厚みがダイエットできること。つまりベルトがない分、ウエストが細く見えるということですね。



マイケル・ダグラス、チャーリーシーンの映画 『ウォール街』(1987年・オリバー・ストーン監督)を、ニューヨークの紳士服飾界の大物、アラン・フラッサー氏がスタイリングしたことで有名ですが、ここでマイケル・ダグラス扮する、大物ファンドマネージャーのゴードンゲッコー氏のアクの強いパワースーツ姿に、やはりインパクトの強いブレーシーズが強烈な印象を与えました。日本の若手の金融関係者から大いにマネされていました。





今なお、そして絶望的なほど永遠に変わらないであろう思想、この世の通奏低音となって不気味に流れている資本の思想が、たまたまゴードン・ゲッコーの口から出てきた場面といえます。ある意味、世界全体の声だからこそ、われわれ内部でも不覚にも共振する部分が多少なりともあって、一層立体的に悪魔ような迫力を持って内部・外部に反響するのでしょう。いや~困りましたこりゃ、ブレーシーズ・アイテムのサンプル画像のつもりが、ひさびさ観てあんまりのマイケル・ダクラスのドンズバの熱演っぷりにブレーシーズのことなど、どっかにふっとんでしまいましたよ、、、

われわれ日本人にとっては、どちらかというと、ロバート・レッドフォードのGreat Gatsby『華麗なるギャッツビー』(映画1974年、原作1925年・フィッツジェラルド)のイメージのほうが、優雅でいいですね。体の面積が違うので、あまりごっちゃりと作りこんでいるアイテムだと邪魔にみえます。デニムにはめてもかわいいですね。先日表参道歩いていたら、ヴィヴィアンのショウウィンドウに、デニムで内側にボタンつけてブレーシーズをつけているマネキンが飾られていました。これも結構いかしてましたね。


Living the dream.という世界なのでしょう。ラストは衝撃的ともいえます。ギャッビーがデイジーに見せびらかす、シャツを空中に投げ上げるシーンは、世界野鳥の会研究所の測定によると、トラッド系服飾関係者が良いシャツの説明をする時に必ず持ちだす名場面として、話された回数1470万回という結果が測定されています(冗談)われわれ日本人は、さくっと小粋にこのスタイルを拝借いたしましょう。

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