2013/11/26

Extrem Scotch Wedding @ Islay



旅の初日は快調だったものの、次の日あたりからパソコンの調子が悪くなりました。正確に言うと、ちょっとした新しい設定ができなかった(おっくうさにどうしても打ち勝てず)のが理由でもあります。もし続編を待っておられる方がおられたとしたら、たいへん失礼いたしました。きわめて最低限のIT知識しかもっていない状況も“ごくまれに”不便です。
はや、帰国から1週間が経っており、なんだかんだほぼ毎晩アイラ・ウィスキーを飲んでいる現状を考えるに、人はそれを “ おまえはすでにハマっている ” と呼ぶのかもしれない、と宵(酔い)越し、うすらぼんやり思う次第です。近寄りたくなかった禁断の果実を、とうとう、またひとつ食べてしまったらしいです。運命には逆らいません。


14日(木)、15日(金)とエジンバラにおり、16(土)の早朝グラスゴー、そしてアイラ島へと向かいました。エジンバラ始発電車5時55分、GoGoGo、覚えやすいです。グラスゴーは20代だったらダンスミュージックで表現するならば、マッシヴ・アタック的というか、ブリストル・ビート的魅力を感じたかもしれませんが、今はゆったりした古都エジンバラが落ち着きます。17日また同じホテルに帰ってくるので、荷物はストレージに全部置いてもらいました。

着用したタキシードに現金、携帯電話、カード、お土産を持って過激に軽装な礼装で出発。酔狂にもアイラ島ではずっとタキシードで通しました。早朝、冗談好きのドアマンのリックにパームコートで撮影してもらいました。ここ夜はボリンジャーというバーになります。


池袋や新宿にいるより個人的には迷わないシンプルな駅のデザイン。ぶっきらぼうながら非常に機能的です。すべての電車が同一平面上にあるので、間違っても地下に潜ってという足労がありません。シンプルに利便性を考えたら駅のデザインはこうなるしかありません。途中、どうしてもどこかの売り場を通り抜けないと目的地に到達しない、というマーケティング設計だと確信犯的にひとを道に迷わせるデザインになります。それもそれで面白いですが(時間があるときは)。。



このDawnPinkドーン・ピンクという淡いさわやかなピンク色を見ることができる醍醐味、これは朝起きの愉しみです。甘く、気持ちよく、やさしく一日をスタートできます。ひとつ前に座っていた窓際の女性の島を眺める表情が印象的でした。過分な妄想族の僕は彼女の人生があっという間に勝手に物語化され、勝手に感動していました。


アイラ島に到着し、宿泊先のボウモアのコテージまで20分ほどタクシーに揺られます。やはりウィスキー関連の仕事をされていて、お気に入りのお酒やレストランについてあれこれ教えてくれました。食べ物やお酒の話をすると一気にいい笑顔になるのは全世界共通ですね。


コテージに到着。今回のアイラ島の主役であるY氏。すでに朝から愉しい大人パーティーがはじまっていました。僕はウィスキービギナーなので、そもそもその価値が良くわかっておりません。目の前に出していただいたもの、薦められた一杯をとことん真面目に飲み干すのみ。食わば皿まで、飲まばグラスまで。その肚決めはタキシード1着でアイラを乗り切るところで表明しました。


コテージは大きさの違うオーブン3種類も完備され、広いキッチンです。日本からY氏ご友人で世界を舞台にひっぱりだこで活躍されている料理職人O氏が台所に立っていました。ああ、これは非常に贅沢な旅なのだ、と一気に喜びが膨らんで、うれしくなりました。肉の焼き方、魚の選び方、などさわり部分を少し教えていただきました。今後、氏とヨーロッパで合流できたら最高ですね。


このブラックボウモア、たいへん貴重で贅沢なウィスキーらしいのですが、これを朝から飲むクレイジーさの度合いは理解していません。みなで和気あいあい愉しみました。隣にいたドイツから来たクリューガー氏、ミッシェル氏からすすめられるままに、いろいろな(ありえない)マリアージュを愉しみました。

サラダに掛け、アイスクリームに掛け、マジパンをブラウントーストに載せてバターつけてジャムつけてその上からかけ、洋梨にチョコレートを載せてその上から掛けと、徐々にこちらも酔いがまわって来て、めっぽう気持ちよくなってきました。酔うと、忘れていたドイツ語も思い出し、調子に乗ってクリューガー氏とドイツ会話もいくつかできました。


もはや、“早飲み”というライトなものではなく、文字通り酔狂な secret society " Black Bowmore Breakfast " Club の誕生した瞬間でした。その後、これは何の集まりなの?とアイラのレストランで訊かれるたびに、そう答えていました。言われたほうも、心得たものでその酔狂さをブレンドした架空の権威に、架空の礼節で応えてくれ、クレイジーで愉快な展開となりました。





コテージは快適でした。素朴な雰囲気を湛えながら、押さえるところはキチンとおさえる、という最も理想的で快適なプライベート・ラグジュアリーの基本に徹しています。この島のメインディッシュは何か?訪れるひとびとの気持ちを大切にしている、ということでしょう。


現実的にお酒が強くない人間にとって定期的に服用するウコンサプリメントは必須となります。


ウィスキー漬しのブレックファストがおわると、ソファーに移動し、ちょっとくつろいだ時間。そこに当然のごとくウィスキーが待ち構えています。3本のクラシックの奥にちらりと覘くのが、バチェラー・パーティー用(結婚前の不謹慎なバカ騒ぎパーティー)のプレイメイトがヌードで登場しているウィスキー。すばらしい。バカ男子的お祭り騒ぎは全世界共通です。


アイラにある、たいへん詩的な佇まいのラウンド・チャーチという教会での挙式でした。全面的に感動いたしました。土地の気を全身に感じる・焚き込むという御馳走につつまれながら、ひじょうに心を動かされる式でした。Yさんご夫婦、永遠におしあわせに!


新郎役のダンカンさん。スコットランド製チャーリーズジャケットとキルト。完璧な一式で新婦の父親役で登場。





今回は、エドワードエクリュで新郎Y氏の全身の装い一式(ジャケット・ベスト・シャツ・カフス&スタッズボタン、キルトスカート、ボウタイ、ソックス、ギリーシューズ、、、スポーレンはご自身入手)を製作したご縁での挙式参加、というのがアイラ島訪問のメインディッシュでした。もともとは、妻と新婦がお友達というご縁です。これも不思議で、昨年秋ごろにご夫妻と神楽坂のアイリッシュバーで一杯やりながら、 “ Yさん、次はもうキルトでいきましょうよ ” と半ば冗談で話していたのでした。このような最高の形で実現するとは思っていませんでした。

遠くに海が見える、小高い丘の教会。こんな美しい風景はそうそう見られるものではありません。感動しました。



プライベートに戻った神父(おそらく牧師でなく、と思いますが、確信持てず)。氏のツイードがすばらしく、褒めると50年以上前のモノとのこと。どうりで。知れば知るほどOld is best. という逸品がこの世にはたくさん存在します。


ほっと一息、で杯を傾けます。コテージ隣の蒸留所にて。お二人のチェックはマクドナルドというディストリクト・チェック(タータン)です。これは日本からHarrisons of Edinburgh のもので作りました。400グラム前後の生地でまさに今回のように旅に持参するにぴったりのものです。本気のキルトのファブリックは猛烈にヘビーオンスなので、旅には向きませんね。


どこでも、片手に一杯。蒸留所をまわって、その製造工程自体がおおいなるメッセージであることがわかりました。究極のスロープロダクトです。


普段、ソーダ割りでよく飲んでいるラフロイグ。老舗が生き続ける方向性として、ボウモアとまた異なり、合理化を進める中で伝統を守ろうとする老舗です。ヴィジターセンターの充実したプレゼンテーションは、贅沢な大人の社会科見学といえます。もちろん作業工程、風土、歴史、ありますが、その老舗の哲学が長い歴史の中で淡々と語られています。多くを学びました。



生き方も含め、昨今世界の紳士服業界における本当にセンスの良い方々からの評価がぐいぐい上がっているチャールズ皇太子。逆風もなんとかやりすごした氏の人生も尊敬いたします。タキシードの着こなし、フレッドアステアよりも歴代のジェームズ・ボンドよりも誰よりも必要充分な華麗さと、端正さを湛えております。氏の言葉にも静かで深いディグニティーを感じます。

2013/11/16

The early birds catches ...



ラッキーなことに13万弱の成田⇔エジンバラ往復チケットが取れました。行きはエアフランスでシャルル・ドゴール経由でエジンバラ。帰りはKLMでスキポール空港トランジット55分という弾丸ツアー・コースです。ミヤビさんからのアドヴァイスでエコノミーでもエアフランスのジャンボの2階席が音も静かで空間も余裕ありだから席を選んで、とコツを聞いていたので、座席変更して正解でした。

“Gangster Squad”という“大捕り物”映画を2回連続して観て 、フランスの乗馬ジャンピングでのソウルオリンピック金メダルを獲ったアスリートと名(迷)馬の実話をもとにした映画“Jappeloup”を2回観て、ぼやぼや休んでいたら中継地シャルルドゴールに到着しました。ギャングスタースクワッドは、きわめて大人クサく男クサく、たいへん気に入りました。ジャペロウプはこれまたステキな映画でアマゾンで購入しようと思いました。



エジンバラ到着してタクシーで25分ほどでThe Balmoral に到着。到着してすぐにカントリー・シューズ(数年前横浜の信濃屋さんで購入)をホテルに預け、綺麗にして磨いてもらい、シャツをクリーニングに急ぎ仕様で出しました。電話口で“ランドリー2件あるので取りに来てください”が3回目で通じ、“ロゥウンドゥリィー”と発音せねば通じぬことを学びました。


朝食は、神楽坂で知人を巻き込んでちょっと流行らせようと考えている“早飲み”をここでもと思い、Scottish Black Pudding に合うビールをとロシアから来たキリヨン氏に訊くと持ってきてくれたイリス・ビール。

隣のカプチーノを頼んだ真面目そうなイタリア人の中年紳士の驚愕の表情で見つめていたので、金曜は朝から飲むのアリでしょ? そうですね、ステキな一日はもう始まっていますからね、とキリヨン君と解説的に話をしていました。


朝ホールに50前後のダンディな紳士と目があって軽く挨拶したところ、僕のタッターソルのベストが凄くイイねと褒められました。彼はロンドンのバンカーで、これから日本のS銀行の頭取をアテンドするとのこと、アジアのクラシックなホテル情報をあれこれ教えてもらいました。

普通のトラディショナルなアイテムでいると褒められることが非常に多いです。エレベーターに乗り合わせた紳士から、いい笑顔と一緒に“君のそのジャケットの柄最高だね~(ハウンドトゥース柄)など盛り上げてくれます。

ウェストコート(赤と黒の普通のもの)は今日は2回褒められ、ペイズリーのストールはEde & Ravenscroft(1689年創業のオックス・ブリッジ関連の卒業式制服製作で有名)にて美しいマダムから猛烈に突っ込まれ、へたすると日本の“ニュー・クラブ”の御姐さん達に囲まれている時以上に気持ちを上げてくれます。


午前10時待ち合わせて、同ホテルに宿泊中の今回アイラ島の主役Y氏ご夫妻、ご友人のO氏と合流しエジンバラの街中でキルト一式を見てまわりました。Y氏はさすがスコットランド通だけあって数々のキルトショップのリストが頭に入っておられるようでショップ数件を一気に回りました。

再び自由行動になり、ロイヤルマイルにあるアンティークショップにて白蝶貝のスタッズボタンと銀スプーンを2セット購入。ここのロイさんとは以前一度話しており、また買いに来ると約束していたので、これで果たせました。

明日始発でエジンバラを発ち、グラスゴーからアイラ島に飛ぶタイトな予定なので駅に再確認に行き、チケットを買って、乗り方と場所をシュミレーションしました。途中、マークス&スペンサーのフードコーナーで、野菜と果物を買って、先ほどホテルで夕食にしました。野菜不足・果物不足が一気に解消され、一気に眠くなってきたので寝ることにいたします。

一番上の動画は、着陸時に撮影したエジンバラの夜景。写真ではどうしてもキレイに撮れず、動画だとキレイに撮れることを発見しました。明日はアイラ島着陸シーンを撮影したいと思っております。


 ※ 早飲み 午後2時とか午後4時に軽く1杯ワインやビールを飲むことを目標に朝から全力で仕事をすること。早く飲んでいるという不謹慎感覚が、むしろ良きスパイスとなって、たった1杯だけでも気分的に酔えること。夜の深酒にならず、早く眠くなり、良い循環が生まれるとされる ※解説はエドワード造語辞典より)


2013/11/14

本日14日(木)から20日(水)まで、

 
 
ご不便おかけいたしますが、エドワードエクリュ店主は短期出張のため不在です。スタッフ須藤さんはおりますので、急ぎの納品受け取り、必要なアクセサリー購入、またはボウタイ・ネクタイ、ポケットチーフの挿し方のガイダンスなどが必要な方は定休日の木曜日以外は9時~18時までは来店可能です。

渡英(スコットランド)することになり、大好きな古都エジンバラ、アイラ島界隈を回ってまいります。弾丸ツアーながら、旅日記もつける予定でおります。この機会にあまり詳しくないスコッチウィスキーに関するたしなみを体に焚き込んでこれればと思います。

写真は、現在松本に帰省中の息子スコット君。七五三を迎え、元気にすくすく育ってくれました。根気強いママのおかげでもあります。食欲旺盛、率直で頑固。スコットと名付けた(※ニックネームではありますが)思いがそのまま叶ってうれしい限りです。そろそろ冬景色の北の国に思いを馳せつつ、未だパッキング中。

2013/11/04

Kagurazaka Gentleman's Voyage



海外旅行のお供に“LUXE”という世界のクールな都市スポット案内の小冊子が売っています。ベトナム・サイゴン(ホーチミン)滞在の際にはチェックしていました。そんな時、ご縁があって、海外向けに神楽坂のLuxury Restaurant and Bar についてコラムを書いていたこともあり神楽坂の朝・昼・夜についてのGentleman's Voyage 的マッピングをエドワードでつくっていました。

そうとうな蓄積ができましたが、知る人ぞ知る神楽坂の隠れ家ホテル、アグネスホテル東京(Agnes Hotel and Apartments ※12月12日パーティー開催のホテル) に居を構える “ 神楽坂のギャッツビー ” バロン氏のリサーチによるところも大です。ビジネスとはいえ、氏がVIPアテンドで蕩尽した額は億超えといわれますが、その内の20%弱は神楽坂においてではないかと思います。

最近読んだ経済誌によると、2020年東京オリンピックを見据えて海外からのInbound需要(外国人旅行者を自国へ誘致することを巡る需要)は年々高まることが予想されており、都内外資系シティホテルの稼働率も85%と1990年のバブルのころを同じくらいに達しているというホットな状況であるらしいです。

そんな中にあっても、逆に情報に対しては必要最低限に“少なく・高品質(イイものを少し)”でありたい。無駄な情報のinboundは避けたいと考えるエドワード的には、友人たちと集めたプライベート・マッピング(Private mapping)をとても貴重なものだと考えています。ざっくり考えて、情報のクオリティは3レベルあるのではないでしょうか。

1.ネットなどで無料で手に入る(批評性ゼロの完全なる広告)情報
2.雑誌など有料で手に入る(が、実は完全なるタイアップ広告)情報
3.地元を知り尽くし、共感できる感性を持った友人から教えてもらった本音の情報

1.2.3 いずれの情報が一番貴重か、いうまでもありません。僕自身も、ヨーロッパやアジアなど世界を巡る旅の途中では大切な友人たちをアテンドすることになったら、どのお店に連れて行って、どのようにアテンドするか?ということを常に考えます。

今回、クリスマスパーティーにおいて、粋でラグジュアリーな Inbound 対応可能な神楽坂のコラム集を冊子にしてお贈りする予定でおります。可能な限り英文併記にしますので、とっておきのスポットを紹介する時にご参考にしてくださいませ。

このブログではめったに書いたことがありませんが、Gentleman's “ Night ” Voyage 、、紳士たちの深夜航海のコツもご紹介いたします。神楽坂のニュー・クラブを代表してR氏がパーティーに来られます。

こちらは、クラブの全店舗内装がすべてペニンシュラホテル東京を手掛けた橋本夕紀夫氏のものという型破りなクラブでもあり、なにより黒服がエドワードエクリュ一式の端正なクラシックで装っている、という点もこれまた括目すべき点ではありませんか。。

大人の香り漂う神楽坂の魅力もパーティーでご紹介できる仕掛けにしております。ご期待ください。