2010/06/01

『入口』は掴みのコトバ、『出口』は新しい意識の持ち方


一度、著者の方と虎ノ門駅ですれ違いました。まずなによりも、ご本人がナチュラルに奇麗な方でした。しかし、どちらかというと気配を消して歩いておられました。都内一等地の低層マンションが立ち並ぶ上品な界隈で見かける、気配を消して歩いておられる物凄く奇麗なマダム(あいにく僕の目は節穴ではございませんもので)と同じ空気を持っておられました。

最初この本を目にした時、一見キャッチーなタイトル、それで出版社が幻冬舎、というのが、ちょっと気になりました。ワイルドで荒削りなダイアモンドの原石みたいな作家(≒旬な人物)しか選ばない出版社というイメージがあったので。さっそく買って読みました。人間に対する深い洞察力、因果関係の解読、並々ならぬご自身の精進の痕跡、そして表現力と、それを体現・証明されておられるご本人の佇まい。とてもひとまわり下の方とはおもえませんでした。

服飾業に関わっている僕自身、イメージコンサルタント的視点を意識してビジネスマンの顧客に対しては、戦略的に年間ワードローブ計画をつくります。その一方で、日々おのれの影響力を自戒するという意味でも、服装というものは、損することはあっても、『得する』という類ものではない、というふうに厳し目に考えるようにしています。

しかしながら、やはり外見力によって、最初の“きっかけ”あるいは“好機”に恵まれることが増えるのは確実だと思います。これはチャンス・可能性、つまり勝負できる領域が一気に増える、ということです。それをものにするかどうか、それはご本人の意識の問題ですが。(※服がご自身の意識に働きかける点において、セルフ・イメージが良くなる、という点では得がある、と言い切れるのですが、そこは説明長くなるのでやめます)

それにしても、映画も本も、まずは手にとってもらわないと、映画館に行ってもらわないと始まらない、そして手にとってもらったら読んでもらわないと始まらない、読んでもらったら今度は心を揺さぶるメッセージを受けとれないと読者は満足しない、、、それぞれのポイント・ポイントで作者の方が、全力疾走をされ、それぞれの区間でハイスコアを上げておられるがゆえにベストセラーを勝ち得ているのでしょう。

ウィル・スミスの“ヒッチ”という映画が好きで、DVDを買って何回か観ています。『入口』は一見俗っぽさ満点なのですが、観終わった『出口』は“人生の優先順位”について考えさせられたりします。この本『また会いたいと思われる人の38のルール 著者 吉原珠央』も、入口は、処世術のルールのように見えて、読み終わると、自分自身の大切な部分をしっかり守りながら、豊かな人生を送るためのすぐれた知恵、という深いメッセージを受け取ることができます。お薦めいたします。

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