2010/07/20
なぜコットン・ジャケットを着ると涼しいのか?
たとえば、人間の体を水を入れた容器、水を入れたビーカーにたとえます。人体は8割近くが水分ですし、ビーカーのガラスよりももっと熱伝導しやすい皮にくるまれているわけです。水を入れたビーカーを持って、カンカン照りのアスファルトの上を歩くと、直射日光からと、アスファルトの表面からとダブルで熱を浴びることになり、一気に水の温度は上がります。
ここに、ビーカー布をティーコゼーのように、上から下から布で包んでアスファルトの上を歩いてみて(一定時間)、水温を比較してみるといいです。日光と反射熱を、比熱の低い布によって遮断しますから、水温は、一気に上がることはありません。さらに布と水の間に空気の層ができ、そこの比熱が低いので、中の温度をある程度まで保てます。
つまり、半袖や露出が高い服を着て、直射日光の下を歩くと、一気に体温は上がります。ジャケットを着用すると、空気の層にある程度守られて、ガーンと体温が上がりきることはありません。時々、コンビニにでも避難して、涼しい空気をジャケット内にもらえば、結構体温は低いままです。実際やってみるのが一番です。
これは、気温の高い夏の日に、凛々しく涼しげに着物で歩いている女性と同じ考え方です。猛暑から身を守っている状態でもあるわけです。そして、さらにエチケット的に重要な点でいえば、その逆の場合、ジャケットを着ていないということは、T-shrtsや半袖にもかかわらず(だからこそ)、汗をかいてしまった場合、その汗の気化するにおいを周囲に発散させることになります。ジャケットの中に汗をかいた場合は、ジャケットである程度シールドされます。
そもそも、女性が言うとかわいいですが、男子として個人的に“暑い”、“寒い”、という言葉自体を封印しています。いちいち気温が高い、低い、と表現するので、ややこしくはありますが。考え方次第で、春夏ジャケットを着ていると “暑い” 、というか “ 暖かい ”、秋冬は “ 寒い ” というか涼しい、という感覚になります。形容詞の当用としては限りなく変ですが、実際の感覚を言葉で表現するとそうなります。
p.s.
スタイルをご存じのE.の年配のお客様など、この原理はよくご存じです。ですからカンカン照りにジャケット着て悠然としている紳士は、よくわかっていらっしゃる方々です。そして、そのために、やはり化繊を入れずに、比熱の低いコットン100%をジャケットに選びます。それから、↑の説明のためのたとえとして、裸のミミズと、ガーゼに包んだミミズを夏の太陽にさらしておく実験も思いつきましたが、ちょっとかわいそうなので、不採用にいたしました。
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