2010/11/29

パブリックとプライベートの黄金率 @Ecrus Room Shoes


探してもこの世に存在しなかったので、企画・製作しました。もともとが、スリッパ (ごくチープな ペタペタ歩くタイプ )は自分の部屋の中だけで、履くことが許されているアイテム。国内・国外ともに、ユルめの、温泉卓球的旅館ホテルならば、楽しみつつそれも アリ ですが、本来、ちょっとレベルの高いホテルなら部屋の外で履いていては残念な人に見えてしまいます。海外行きジェット内でも、もちろんこれを持参します。パブリックの場とプライベート空間の佇まいが絶妙にバランスされているルームシューズです。



下駄やビーチサンダルは、足の指が見えますから、とてもドレスコード的に厳しいわけですし、一般的に慣れっこになっているとはいえ、普通のスリッパにしても、やはり “ 赤の他人がいる公共の場で、いきなり健康ランド的佇まい ” を否定しきれません。きちんとしっかりと作り込んだ上質なルームシューズでないと絵にならないし、自分も周りも安心してくつろぐことができません。一番上の赤い “ JET ” というモデルは、896gという圧倒的なヘビーオンスのWool Heavy Cavalry Twill (へヴィー・キャバリー・ツイル)を使用し、どっしりした風合い、しかしながら、ウエストをぐっと絞り込んだデザインなので、フィット感抜群の逸品です。



この手の英国スタイルの超高級ルーム・シューズを専門に扱っているところは、現在国内は当然ながら、世界的にもほとんど存在していません。欲しいのに無い、という欲求がたまっていました。エドワードエクリュでは、ビスポーク・ベース ( 基本的に、注文仕様にて)レザー としてはガルーシャ、リザード、パイソン、クロコ、通常のカーフやコードバン、ぺッカリーなど、さらに、あらゆる素材を使用してヘビーオンスのタータンチェック、カシミア、など、あらゆるファブリックで完全なる自分用のルームシューズを作れるようにしています。



古今東西、ヨーロッパはもちろん、アジア、アフリカ、中東、それぞれの国で見つけてきたその土地独自の素材で、個性的な逸品を製作してみようと思います。80日間世界一周、あるいは、世界グランド・ツアーのお土産に買ってきた素材で足元をあしらい、暖炉の前のお気に入りのアームチェアに寛ぎ、パイプを燻らしながらコニャック片手に旅の思い出に浸るのもまた一興でしょう。12月あたまに、伊勢丹本店@新宿5階にて実物が見られます。

2010/11/23

一緒ごはん、一人ごはん、


丁々発止のみんなごはん、ぼんやりゆっくり一人ごはん、いずれも楽しいですね。上写真はボージョレーヌーボー解禁の翌日に、アーディッシュにて、一杯いただいた時のものです。この日はデトックスで夕食これだけでした。夜ごはんでプチ断食あるいはフル断食(夕食抜きという程度の意味)すると、副交感神経、いわゆる脳や神経系の主電源のブレーカーを全切りするようなものなので、脳が溶けるように純度の高い睡眠が保証されます。翌朝の意識も冴えます。



兄貴キャラUさん。この写真は採寸に来られた際、ランチご一緒にした時のもの。いつもお話楽しいです。日本の純文学のスクリプトのような波瀾万丈の人生を経て広告マンとして活躍されておられます。今後もろもろのメディアを通して、キャラクターを磨きあげていかれる中で微力ながらもお手伝いさせていただこうと思っております。東洋の歴史や中国哲学を学ばれている背景も、Uさんの深みのひとつになっておられます。



今度長崎出張でお世話になるKさん。彼の奥様はおいしい野菜が好きとのことで、お二人をアーディッシュお連れしたところ、超ごきげんのご様子でうれしくおもいました。ここのグリーンサラダは、シェフが厳選した地方のおいしい野菜を使っているので、それぞれの野菜に豊かで深い味わいがあります。Designed by History ならぬ、Cooked by Nature and chef (へんな造語かもしれませんよ)というようなことなのでしょう。

さいきんは『 地方 : Country 』というキーワードを聞くと、 『 うまい産直野菜、素敵な地場のワイナリー、地酒 』 と連想してしまいます。全世界的に、地方が都心以上に豊かになる時代になってきています。英国・ロンドンにおいても、ハイレベルのレストランのシェフたちがスコットランドにUターンしてエジンバラで自分のお店を開業したりするケースも増えているようです。新鮮な食材がある場所 ( あるいは故郷 ) に遡る ( さかのぼる ) ということでもあるのでしょう。



日曜日、飯田橋で噂にきいていた30年やっておられるSという居酒屋、長崎ツアーへの打ち合わせ、元気充電会を兼ねて、今回アシスタント役をやってくれるT君と一緒に乾杯してきました。ここは最高でした。銀杏、まぐろ、イカの塩焼き、たら鍋、たらこ茶漬け、、、、。古来日本人が摂取していた、豊富なミネラルが脳にも流れ込んできます。

スタイルや採寸の話題など、いかにして精度の高い採寸ができるか、ゆとり幅の考え方など、僕が(みながそうでしょうが)一人孤独な世界で更新させ・進化させている独自のやり方をシェアしたりしました。たのしい時間だったので、店の名前に合わせて、3週間に一度、有志でうぉ~と、熱い元気会をやろうか、と三菱グループの『金曜会』に倣って、『三週会』ってどうかな?などなど意気軒高の夕べでした。

2010/11/21

Footing 早朝散歩ひさびさ、


新宿御苑に朝ひさびさFooting 歩き に行くことができました。こちらは、午前9時開園なので早朝とは言い難いのですが、夜の間に、マイペースで木々が呼吸していたせいで、空気 ( 酸素 ) がきれいに園内にキープされているように感じます。フランス庭園あたりはバラが咲き誇っていて、ふいに粋な趣向のブートニエール夜会の幻想が浮かび妄想してしまいました。


その夜会では一人一輪だけは、園に咲いている花を胸元にあしらうために摘んでもいいことになっています。自然が(野外が)好きな紳士たちが、 シャンパン片手に、あるいはパイプやシガー片手に、あしらっている花について、あるいはスタイルについて、めでる、花とスタイルの夕べ。。。



猿芝居 タネをあかして おおさわぎ

その夜会にて、年老いたダンディーが、シガーを燻らせながら、昨今の法務大臣の失言について一句詠むシーンが浮かびました。花に囲まれているからこそ、政治談議も辛辣さにコクや味わいが加わります。それにしても、ケンケンがくがく、たいへんなものですね。

かの法務大臣が個人的に責められていますが、その責めている・怒りまくりの理由は、 『 みんなやってるんだから、猿芝居をちゃんとやれ!国民にタネをばらすな!』 ということなんでしょうね。『 あなたたちがそんだけ怒っている理由を聴かせてください 』 逆に質問したいですね。



水辺と紅葉がきれいです。早朝は健康のために、ぜいぜい苦しそうに走ったり、特殊な装備や宇宙人のような歩き方をしている中年の方々がけっこうおられますが、私はひそかに彼らを 『 ためにウォーク 』 な人々と呼んでいます。健康のために、パワースポットのご利益を得るために、、、なにかのために 頑張っている、、、、。

どうみても、朝気持ちよく夫婦仲良く歩いてる、ってだけでハッピーで、~のために、ハードに動く必要無いんじゃないかな、という気がします。

昨今、明治神宮を時々歩きます、というと 『 あそこよりももっと強力なパワー・スポットがあるんですよ 』など という方などおられます。パワーを浴びて健康になって、それからどうするの?、、、、っていうか、今健康で気持ちよく歩いているんだったら、何かのためにというふうに考えて、ゴールまでの距離をわざわざ作り出す必要なく、今この瞬間のイイ気分にひたるだけで充分じゃない?と思います。



とかなんとか言いながら、親孝行のまねごとのために、御苑に母連れで行きました。

2010/11/20

細巻き傘FOX、ギフト包装中、


英国 FOX 社の一番ベイシックな淡い木目の細巻き傘を10本ほど仕入れています。価格は税込2万切る価格。サプライズ&重宝がること間違いない、“プレゼント鉄板”のアイテムとしておススメです。19世紀創業(1868年。。。日本では明治維新ですね)の傘メーカー、サイズは64㎝なので相合傘でも十分でしょう。

現在、僕は4本目です。3本目に関しては先月 ( はじめて ) 失くしました。忙殺されていて、レストランかどこかに忘れたらしいです。あれはロンドンで買ったお気に入りだったのでちょっと残念です。ちょうど、ルームシューズ企画と講演企画が重なった時期だったので、頭がキャパオーバーしていたのでしょう。

10年以上前から使っていますが、本気で細く巻いた時、いまだにその針のような細さに驚かれます。それ傘として使えるんですか?と訊ねられたこともありますし。雨の日もジェントルマン気分で、このアイテム一つで気分もピリッとします。“ 雨の日の傘の貸し方 ” がスマートにできると一人前の紳士ですね。

2010/11/17

Faience Blue & Ivory @Trousers


靴職人でもある S さんからのパンツのおまかせオーダーでした。合わせるのがちょっと難しい一筋縄でいかないヴィンテージ的な青。陶器の青。マジョルカタイルの色です。冒険いたしましょう。ロイヤル・コペンハーゲンのような白い磁器に施された染付けの青とも違う色。2本ともボタンはシルバーのアンティーク。

セーターなどで古着っぽくカジュアルに合わせるのは簡単ですが、これをジャケットなどと合わせるのは非常に難しいです。しかし彼女は自作のコーレスポンデント・ブーツを持っているので、こういう一見違和感ある色どうしをミステリアスに合わせ、足元で締めるコーディネートができるんじゃないかな?

もうひとつは、象牙色 ( ぞうげいろ ) 。チノの柔らかさというよりも、硬質なアイボリー色。ジャケットなどに合わせやすい色です。ファイアンス・ブルーの特殊性に比べて、アイボリーは万能アイテム。たとえばロロ・ピアーナのような上質な色調のジャケットにも合うし、淡いグレイのカシミアで昨今のクチネリ風のコーディネート(グレイ&淡いベージュ)もできますね。


2010/11/16

松本、いつもの散歩道、



旧開智学校 (松本市開智2丁目4番12号)内から。明治9年の建築ですが、移築されて現在の場所にあります。松本の大工棟梁立石清重氏が作った、和洋混交の擬洋風建築。重要文化財です。



ロンドンでいったら、フォートナム&メイソンの階段部分のような素敵さ。こういう学校で学問修めていた明治の学生さんたちがうらやましいです。


各所に龍の彫り物があります。さすが木工の土地柄、お手の物なのでしょう。



旅先で、ブートニエール、これくらい公道にはみだして咲いていたら、一本拝借するのはOKではないでしょうか。。。



最高温が7度、でかなり冷え込みました。14日から東京でも冷え込んだようですね。鴨が団子のように並んでいます。




鴨同士は、たいがい一定の間隔で並んでいますね、



ソフトクリーム食べたくなって、お店のおばさんの 『ちょっと固いですよ』 とのアドヴァイスあったのですが。。。。おもしろいソフトが出てきました。ご当地ならではです。フタつきのソフトというのは初めて見ました。 


なめる、というより、 “ かむ ” ソフトクリーム、ある意味、ハード・クリーム。自身の歯のうち、ちみたい(つめたい)のが平気な箇所で噛みます。
アルプス登山の山男たちが、このデミタス・ハード・ソフトクリームで一服の憩いの時を過ごしていたのかもしれません。

やはり名前から、只者ではありません。一時の、“ 部活な ” ひと時でした。

こちらは、松本行くたびにほとんど毎回寄る、“ 翁堂 ( おきなどう ) ” のバンカラ・カツカレーです。

コーヒー飲みながら、外の紅葉を眺めて、ゆっくりしたひと時をすごせました。

2010/11/14

秋の色 冬の色 @松本


新宿発午前11時のあずさに乗って1時46分に松本に到着しました。スーパーあずさではなく、普通のあずさなので、松本に近づくと細かく刻んでいきます。お昼時でしたが、温かいジャスミン・ティーだけをお腹に入れて、お腹を空かせて、到着後、 『 榑木野 ( くれきの ) 』 本店へ。




そば刺し、地酒のひやと一緒に。そば好きにはたまりませんね。わさび好きにもたまりません。すきっ腹(鼻?)にわさびが鋭く突き刺さります。やはり、空気と水のきれいな北アルプス独特の透明感とエッジの鋭さで、キク~っという感じです。


以前、撮影した 『 やまぼうし 』 ですが(一番上の写真)、真っ赤になっていました。時の流れを感じます。草木の色といえば、来年は9月の23日前後に来て稲穂がゴールドに変わって、頭を垂れている風景を必ず観にこようと思っています。遠目にも輝いて見える豊作の風景は、本来の日本の豊かさを感じます。

2010/11/13

MONTBLANC で綴るありがとうの手紙、


今年からは、お客様に手書きのお手紙を送る機会を増やしました。ご請求書には、ちょっとしたプレゼントを同梱して、スタイリングご提案のお手紙も、このどっしりしたモンブランのフランソワにまっすぐな思いとエネルギーを込めて。

このフランソアを手にすると、物自体が発する熱いパワーのおかげで、おのずと姿勢も良くなり、こころなしか字も上手になったような(気がします)。以前はオーロラ社のヴィンテージ万年筆をいただいたことがありますが、どちらも偉大な紳士から贈られました。

昨夜、モンブランのプライベートパーティーにお誘いいただき、たいへん光栄に思います。もののけ姫で有名な歌手の米良さんのミニ・コンサートもたいへんよかったです。すべての曲で心を動かされました。ビュッフェ形式かと思いきや、着席して資生堂ファロのイタリアンのコース、そしておいしいワインの数々もいただきました。

モンブランジャパン社長の英国人N氏とお話ししましたが、氏のお父様もご自身も紳士服地業界だったとのことで、ちょっと専門的なやりとりを楽しみました。

大学は哲学科出身らしく、ヴィトゲンシュタインとニーチェを卒論にしたらしく、哲学話題でしばし楽しい時間を過ごしました。モンブラン、ドイツの代表氏はイマニュエル・カント ( 僕の卒論テーマ ) 専門らしく、ご縁を感じました。

会の終盤には、会場の資生堂最上階から、目の前の銀座7丁目の電光板にサプライズ的に数分間このような活字が輝いていました。モンブランは 『 モノ 』 としての万年筆それ自体のフォーカスではなく、そのモノから生み出される人々の感動、、、、文字、詩、音楽、文学、哲学、そして大事な人への手書きのお手紙、、、、、そんなところに誇りを感じておられるのだろうと、深く共感いたしました。

2010/11/12

勝者ビスポーク・スーツ


先月の29日、佐山サトル氏主催の新武道の大会にて、微力ながらエドワードエクリュは勝者賞品の協賛スポンサーをさせていただきました。当日はドレスコード有りの大会ということで、老いも若きもスーツ姿、それも3ピーススーツ姿の男性が多かったように感じます。ややもすると、おらおら系のカジュアルスタイルが多くなる格闘技会場ですが、プリンシプルと礼儀を重んじるミスタータイガーらしく、独特の世界観が表現されていました。



“ 敗者にも敬意を払う真の勝者 ” の姿を、スポーツの場で発揮すると、その姿は大いに人々に気づきをもたらします。スポーツ試合の振いでその国の、民度が測られます。戦闘時は、一騎当千の武士道を発揮し、日々の生活においては、礼節を身につけたおだやかな人物としてまわりの人間にもよき影響をあたえる紳士であってほしい、との佐山氏の願いから 『 プリンシプル・スーツ 』(※ビジネスプロデューサーの DO K.O.氏 命名) の目録が設けられました。プリンシプル・スーツは、生地・仕様など僕に 『 完全お任せ 』 です。個人的には、スポーツ界のプライベート姿が少しでもトラディショナルに近づくことを、このプロジェクトでのミッションと思っております。トラディショナルスタイル以外は作りません。



試合の終わるごとに8回、会場内に 『 勝者にはエドワードエクリュ株式会社より、プリンシプル・スーツが贈られます 』 とアナウンスされ、ありがたいと同時に若干照れくさかったのですが、世の中のノーネクタイ傾向を含めたカジュアル過多の傾向に一矢(一糸?)を報いることができればと思います。基本的に目録は商品券ではありませんので、実際に戦った勝利者のみが有効です。



忠誠心溢れる勝者は師匠に本券を譲ろうとするかもしれませんが、ご本人の勇猛果敢な戦いを観戦している中で、すでにアイメジャー(目採寸)を通してエドワード本人との真剣勝負ビスポークも始まっておりますので、ご了承願います。海外のスポーツ選手には、休日は油絵をたしなみ、ハウンドトゥース柄ツイードのカントリージャケットを着てプライベートを過ごす紳士がいたり、いろんなキャラクターが存在します。

一方、日本は横並び傾向・同質化傾向があって、かつては高級ブランドのポーチ片手に銀座に、現在ならダメージデニムで六本木、というステレオタイプ(すっぽり洗脳された状態)になっております。いろんなタイプの人間がいるほうが楽しいですからね。プリンシプルにキメたスポーツ紳士がいても素敵でしょう。

※カフリンクスはタイガーからいただいたもの、今後はオリンピックも、『 金カフリンクス 』 『 銀カフリンクス 』 『 銅カフリンクス 』 になったらいいですね。そうすると、選手のプライベートのスーツ姿もきちんとしたスタイルになるかもしれませんね。

2010/11/11

やまぼうし


一昨日、 『 英国ジェントルマンとダンディたち 』 無事終了しました。ご参加いただきましたみなさまでこちらのブログに寄られている方、お礼申し上げます。ありがとうございました。

以前、センスの良い文化的な集まりを続けておられる方々、ご自身を啓蒙するための前向きの集まりの会などからスピーカーとしてのオファーをいただきながら、自身の苦手意識のみの理由から、お受けしなかったのですが、今回は一歩進もうと思い引き受けました。英国ダンディズムをめぐる具体的な体験、現実的な活動、突貫工事ながら、なんとか最低限は伝えられたのでは、と(楽観的には)思います。

実際にやってみると、パワーポイント(僕が企画書をつくっていた時代はクラリスというソフトでした)の使い方から入り、書籍や映画、実際に体験からインプットしたことの棚卸しもできて、たいへん良かったです。直前にローマ字変換がどうやってもできなくなり(今もそのまま)、修正できなかったりと、細かいアクシデントもありました。

ムービーをT君に撮ってもらっていたので、翌朝朝ごはん食べながら、見直したりすると、つくづく勉強になります。この作業は、ダメなところがはっきりと見えすぎて、息苦しくなってきてめまいがするほど苦痛ですが、苦痛は大事な成長エンジンなので、じっくり2度、前半後半を見直しました。昨日ジェット氏からの辛口の指摘のお陰で完全に総括できて、ありがたいことです。

話変わって、最近、とみに鞄とポケットチーフ、ネクタイのリクエストが増えました。ポケットチーフは、やはり自身でつくらないと、見つからないのかな?と最近思います。縁をたとえば包丁で上からバチっと切った際、切断面が丸い輪になるくらい上手に手纏りしてあって、その手纏りの運針のピッチが間伸びしすぎてもいないし、詰まり過ぎてもいない、いいピッチのもの。ちょっと色にちょっと変化があるもの、、、、なかなか見つけるのは困難。作れ、ということなんでしょうね。

写真は松本の街頭にあったやまぼうし、自然がやはり一番センスいいですね(笑)

2010/11/10

ワン・カップ


先日の松本行きでは、産直野菜、ご当地名産系にアンテナを張って、楽しく過ごすことができました。 『 地方 』 というキーワードは深いですね。地元ワンカップを見つけて、今回のルームシューズづくり職人T氏のおみやげで買って帰りました。民芸、木工、アルプスの水、松本の魅力は尽きません。ご当地味噌も気になります。これが一番しっくりくる、という味噌ときっと出会えるだろうと、探究中です。

2010/11/09

はしり ・ 旬 ・ 名残り、


昨夜は、ヨーロッパから来日中の取引先老舗シャツメーカー代表J氏と日本代理人氏とM氏と、夕食をご一緒いたしました。日本食、すしがお好きとのことで、都内で和・洋・中、最高を食べつくしているM氏が、その研ぎ澄まされた舌で、ここのすしは圧倒的に別格、一番だ、という川崎駅そば 『 みやこ 』にアテンドいただきました。味覚のセンターポジションが基本、B級グルメ設定の僕の舌も、こちらのお店のお陰で残酷なまでに、一気に最高地点に拉致されました。

下写真は、このお店で10月27日時点でいただいた、今年の “ はしり ” のふぐ(しゃぶ)です。というか、こちらの大将は、最初のつきだし含めて出すものすべてが剛速球。すべてが “ はしり ” 。ファッション、スタイルの仕事をしている私自身、非常に大きな学びがあります。そういえば、銀座で優雅にふらふらしている、とあるおじい様が以前、『芸能人はもちろん、個人事業で仕事している男、士業やマスコミの記者なんかも、デキル男は、流行の要素をちょいと入れないと』 と言っておられました。

基本スタイルの幹は動かさないまでも、話題の何かを採り入れるという姿勢は、元気と余裕を感じさせて、はしりを捉える(捕える)ことができる、動物的な生命力・パワーの証明なのでしょう。というわけで、早め早めのご提案ということで、昨夜は真冬用の厚手のウール100%ビーバー仕上げのダブルブレストのアルスター・コートを着ていました。すると、やはり不思議にも、同じものをください、というご注文いただきました、ありがたい限りです。走ってみると、やっぱりイイことあるもんですね。



2010/11/08

サラブレッド、秋月


11月3日、文化の日、乗馬やられているM氏ご夫妻と流鏑馬(やぶさめ)を観に行きました。馬も乗り手も個性があります。第三の的の前で僕は観ていたのですが、一頭だけ、全く空気感の違う “ 秋月(しゅうげつ) ” という馬がいました。乗り手がほとんど上下動せず(武田流とのこと)、ほかの馬の足音の3分の1くらいの静かでシャープな足音で疾走します。

観衆も、そのただならぬ存在感とスピードに、ほおおおおっどよめいていました。最後に小さい的をどの馬も射抜けず、プレッシャーが最大のところで、どの馬よりも圧倒的にスピードのある秋月の番が来ました。圧倒的にスピードのある馬に乗って、小さい的を射抜くことは射手の技術を平均値と考えるなら難易度が増すことになります。

隣にいたM氏と “ こりゃおそらく秋月が全部持って行くぞ!” と話していると、サラブレッド独特のシャープな走りを見せて目の前を通り過ぎ、直後パカーンと音がして、小さい的のど真ん中を見事に射抜きました。派手に花びらのようなものが散って、観客は大きくどよめきました。厳しい状況の中での一撃必中、明治天皇の聖霊も粋なものを見せてくれる、と思いました。

2010/11/07

クラシックに、ロマンティックに、


クリエイターのU氏のために誂えた一足です。18世紀、19世紀の宮廷に出入りしている紳士の足元は、センターに大きなバックルがある靴でした。それがちょっとずつ両脇に移動して、バックルが小さくなり、エドワードⅧ世も好んで履いたツインバックルになり、現代に至ります。写真は、大きめのゴールドのワン・バックルです。

ブラウンも濃いブラウンから紫がかったブラウン、コニャック系の浅い色のものまでいろいろあります。ワインレッド・ボルドー・バーガンディ、そして紫がかった桑の実色のマルベリー・ミュール色までブラウンという魅力的な色には、グッドテイストといわれている茶色の中でもさらに、大きく幅があります。

秋や初冬の落ち葉を踏み分けていくロマンティックで上品な靴。それでも堅牢性高いグッドイヤーウェルトで、靴底は全面ダイナイトソールを貼り実用性を重視しています。英国スタイルの靴は一般的にイタリアやフランスのものとは方向性が異なり、最初は履いていて自分のしわができるまでは硬いのですが、馴染むと長期で付き合えるものが多いです。

2010/11/06

粋と美と贅沢、



神楽坂に昨日、厳重に梱包されて英国ハリソンズの透かしの薄紙でくるまれたカシミア生地が2点、届きました。モルトン・ブラウンのソープで手を丁寧に洗い、生地を手に取った時、そのカシミアの獰猛ともいえる質感にしばし圧倒されました。これは、『ジュェポン』ですね、、、 jewel + weapon ⇒ Jeapon 、輝きを放つリーサル・ウェポン。気化したアルコールが燃えている時のように、表面にかすみのような美しいブルーが浮かんでいます。




こちらのカシミアで、オーダーをかっとばして来られたZ層 (※新贅沢層) の紳士は、このファブリックでさらっとシンプルにスポルベリーノタイプのコートを誂えます。いかにも冬コート、といった、ガバっと大きめに体にかぶせる直線的な固さではなくて、デザインはシンプル&スムーズ、柔らかく、体の流線型にはわせるシルエット。素材感75%と、フィッティング24%、デザイン1%のイメージ。余計なデザインをやらかさないのが粋の本質です。





この二つのファブリックを手にした時の鼻歌はコレでした。もう笑うしかないな、というような手触り。ところで、お洒落に装いたい人にとって、コートは1年の半分以上の時期、必要となります。10月、11月、12月、1月、2月、3月とそれぞれに、薄手・厚手と使い分けます。本気で気温が下がってきたら、その時はどっしりした厚手の生地。肌寒いくらいの時には、やわらかく、軽くはおるスタイル。われわれは、柔軟な(≒都合の良い、イイトコ採りの、節操のない、、)日本 Jeapon、失礼、Japon におりますので、時に応じて、天気に応じて、英国スタイルもイタリア的スタイルも “ 好い加減 ” で愉しむことができますね。

2010/11/05

長年愛用できるルーム・シューズ、


国際線の長時間の機内で履く、お気に入りのルーム・シューズ。ジェントルマンズクラブ内のシガールームでも。エドワードオリジナルでビスポークのルーム・シューズを作りました。国内最高の職人の方々にお願いして、素材も作りも贅沢極まりないのですが、英国の老舗靴やサザビーズ・オークションのエドワードⅧ世の遺品コレクションの資料を参考にしながらの企画でした。

通常定価で最低10万は超えますが、それなりの価値があります。見た目は不安になるくらいに華奢なのですが、ホールド感は抜群です。“みたことないスポーツカー”を最初に目にした感覚。エドワードグリーンのように、やはりポルシェ911風の流線型をよりスポーティにした雰囲気にしました。

ルーム・シューズでもあり、スリッパでもあり、スニーカーのように外履きにもできる、、、。むしろトッズやカーシューやグッチのビット・モカシンなどの(アクセルを踏むためだけに作られた靴底の)ドライビングシューズよりも実際街歩きできるくらいの丈夫さを持つ靴底。エドワードエクリュの立ち上がったサラブレッドのアイコンが、悪目立ちしない程度に輝いています。11月9日のダンディたちの夜会で初お披露目いたします。

2010/11/04

LONDON STYLE @ City


2011年1月の渡英に向けて仲間たちと大きく積分的に行動する計画なので、10月はエドワードエクリュの商品を微分的にフォーカスしていました。ディティールの諸々を、ゼロベースで納得いくまでセレクトしました。身につけた時、落ち着いた中にも美的高揚感があるかどうかがポイントです。まずはひとりの人物のために選んだ仕様を、皆でおすそ分け、という流れが商品開発のプロセスになっています。

旅先のロンドン市内で、カントリー・ウェイへの期待を心に秘めながら、街を愉しむスポーツな感じ(もともとsportsは、息抜き・気晴らし、という意味)を表現すべく、光沢と透明感あるブラウンの貝ボタンをあしらっています。本水牛でもない、ナットボタンでもない、べっ甲は諸々に問題ありで、、、というところで、膨大な資料の中から、20ミリのこの爽やかボタンに、小さなワクワクを効かせてもらうことにしました。

2010/11/03

ダンディたちの衿もとをあしらう、秋のブートニエール


仕事浸けの9月10月があっとういう間に過ぎて、月末、長野県松本で一服することができましたよ。秋と言えば、実りの秋、食欲の秋、そしてブートニエールの季節でもあります。写真は1日に見に行った七色の大楓(おおかえで)の木。この年、この時期、この瞬間しか見ることができない、一期一会の色です。

昭和22年、開墾の際、どうしてもこの楓の根っこだけは、ひっこぬくことができなかったので、幹まわり1メートルを残して、丸ぼうずのまま置いといたそうです。それから20年が経って、昭和43年、海抜1000メートルのこの地に、大樹が色彩大爆発しているところを発見されたそうです。有無を言わせない圧倒的な強さ、そして美しさでした。

さすがに、ちょ~っとばかし襟元のブートニエールに挿すには、大きさとラペルの強度の点で問題があったので、しぶしぶ諦めました。しかしながら今後、僕が衿元に何もつけていない時は、油断してはいけませんよ。この楓の( Kaede the True Colors と勝手に命名 )を“エアー・ブートニエール”としてつけていますから。どうやったってひっこ抜けない根っこ、すべての人の中に、あるはずですね。