2010/01/14

EDWARD的 “ハッスル” ビフォア・アフター


画像公開の快諾を得て、ビフォア・アフターのコーディネートの実(体)験台になっていただきました。ご自身お持ちのスーツ着用にて来店。ネクタイのコーディネートに、ちょっと悩んでおられた模様。ここからスタート。


合わせが物足りなく感じたので(フィッティング的にもエドワード的には肩幅・胸幅をもっと出して、絞りの位置をもう少し下、全体縦長だけど、ゆったりシルエットにします)エドワードに大量にストックあるタイのうち、カーキ色のソリッド・タイを選びました。これがピタっとくるまで、シャンパン・ゴールドのニットタイや、ウールタイなど3本ほど試しました。そして基本の白ポケット・チーフをチョイスしました。



しかし少し何かが違う、、、



どんなスーツやシャツ、靴、鞄で積み上げていっても、眼鏡が違うと雰囲気が全然違うものになると思います。


僕の私用のウェリントンタイプの眼鏡をチョイスしました(結局、リーズナブル価格で中古販売しました)。ご本人の自前のコクのあるバーガンディ色のブーツにも良く合います。

知人の紹介で、年末エドワードに来店されたT氏、20代前半。将来セレクトショップをやりたいという目標を持って一歩一歩前進中とのことです。高校時代、 ラグビーをがっちり3年間やりつつも音楽が大好きで、ドラマーとしても活躍。しかし優先順位的には音楽が上だったので、手先を怪我しないように、そして ファッションも好き(タータンのスカート着用の経験もあり!)だったので、首が太くなりすぎないようにしていた、というタフでロマンテックなポテンシャルの高い若者であられます。

たびたび遊びに来てくれ、昨今のアイテム情報を教えてくれます。将来に対する情熱も感じました。神楽坂エドワードにて、水曜日、早朝1時間だけレッスン時 間を設けることにしました。1時間を3つに分けて、最初の20分はエドワードの考え方・僕自身のアウトプット、次の20分は具体的なメジャーリング方法 (接客・採寸の仕方)、次の20分は、レッスン聴いて感じたこと何でもアウトプットしてもらう時間・質問という時間割です。


初回はMICHERANGEROで、二度目の採寸時はKENT & CURWENで登場。写真はケント~のもの。今風の着こなし・フィッティングながら、方向性がクラシックに向いていておられますが、もともとはアメリカ逸品(アメカジという言葉、どうも違和感あります、“逸品”を携帯辞書で引くと、rarity,gem,choiceとのこと、、、アメ・ジェム?しかしどうもしっくりこんな~)が好きとのこと。写真は、青森の弘前駅前近くにあるSというお店の逸品であるラッセル・モカシン。



結局、梅春を見据えて、このミノヴァの生地でダブルのスーツを仕立てました。決して今風の着丈短すぎ、タイト過ぎではなく、ちゃんとゆったりした着こなしをします。気持ち袖幅を細くしたり、ウエストをややフィットさせる程度です。ピタピタはちょっと見苦しいです。多少、効かせる部分としては、ダブルの場合、打ち合いの横どうしの釦の間隔は気持ち狭くしたほうがスマートに見えますね。

ところで、教える、という行為をすると、知らないことの多さに気がついて、自分自身、いっそう謙虚に研究していこうというモーチベーションになります。で、生徒役は、今度は自分が先生役になって誰かに教えなきゃいけない、という意識を持つと、一番効率的に習得します。自分がいっそう深く・継続して研究したいことがあったら、とりあえず先生役をやる、というのメソッドは良く機能します。

ところで、ナードな着こなしといえばウェス・アンダーソン監督ですね(一番上画像、『ロイヤルテンネンバウム』より)。氏の映画には、ナードでバナール、そしてちょっズラした着こなしのキャラクターが登場します。彼自身の着こなしも、いかにも業界人、クリエイティブ人、というようなあちこちディテールをいじったスーツではなく、鹿や馬の剥製が飾られてるような古めかしいビスポーク・テーラーでそのまんま、べろんと仕立てたようなスーツをフツーに着ていたりするところが“クリエイティブ”ですね。

ロンソン兄妹版 『ロイヤル・テンネンバウム』 “The Royal Ronsons”
もともとは↓この一家。

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