2010/09/30

ビスポークしたら、身につけて旅に出よう


2007年に作った、グレージュ(ベージュとグレイの中間)の大きめウィンドペイン(ピンク)のダブルブレステッド6×2のスーツを着て、2009年渡英した際、メイフェアのホテル 『 コンノート 』 にて。実は、ラルフローレン本人がここに宿泊した際、彼のショップのインテリアをすべてこのコンノートスタイルで、という方針を決めたとのこと。このことはあまり知られていません。

夜に下の階のクールなクラブで遊んで、店を出る際にドアを開けてもらいながら 『 Good Night Mr Koba 』 とささやかれ、すべて気持ちよくフォローしてくれている距離感に感動しました。以前は爵位の無い方お断り、という超エクスクルーシヴなホテルでしたが、今はそんなことはありません。クウォータリーに送られてくるニュースレターの旬の洗練されたデザイン、そして粋な人生を愉しむ哲学には、毎回圧倒されます。

エドワードエクリュは、サロンという小さなスタイルなのですが、トラッドショップは、やはり天井が高くて、ゆったりと自分のスタイルを心おきなく思い描ける場所、というのが一番ですね。ところで、『木を見て、森を観る』という考え方を服飾業界にあてはめるとしたら、スーツ一着から発想して、それを着てどれだけ人生を楽しめるか?を思い描き・行動することだと思います。

背広を誂えて、背広に詳しくなるのもひとつの方向性だと思います。しかし、それでは勿体ないし、残念だ。誂えた後は、それを着て旅に出るというのも、これまたもう一段ステージを上げて人生を愉しむための、最高のチャンスであるし、誂えたものを生かす(効かせ尽くす・機能させる)最高の方法だと思っています。


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