2008/03/21

GENTLEMAN'S VOYAGE 1




歩いている。

急いで歩くと目立ってしまうが、僕は少々右足のほうが短い。昔は靴底を調整したりして、なんとか矯正しよう、と試みていたもののもともとの長さが違うから、いろいろやっても結局はズレてくる。

ジムでも、下がった右肩を筋肉によって高く上げようと矯正気味にトレーニングしていたが、うまくいかない。こどもの頃、橇(そり)で木に衝突し左足骨折して骨が接ぐ際にバランスが崩れた。

しかしながら、今ではそれはそれで将来おじいさんになるのを待たずして、早々にスネークウッド(※)の美しい杖を持つ口実ができた、と楽しみにしている。

渡辺実氏の『銀座壹番館物語』の『ヘンリー・プールに教えられた洋服の真髄』という147ページ目、ある老紳士の描写で、


、、、、、肉体的欠点を少しも隠すことなく、服は体にしっくりなじんで、
美しいシルエットをつくっているのですね。、、、、


体型の欠点は、対処療法で直す場合と、自然にまかせる場合と考え方はいろいろある。必要に迫られてごまかさねばならない時もあるだろうし。

そういえば引越ししたので、名刺を新しく作る際に裏面になにか好きなことばでも入れようかな、と考えていて、好きな映画のワン・シーン、、、をいろいろ考えていた。

あったあった、何度観ても飽きない映画、

砂漠に取り残された仲間を救うため、決死の思いで辿り着いたばかりの目的地から再びひとりで灼熱の砂漠に引き返そうとする主人公。その主人公を引き留めようとして、相棒が(砂漠に取り残された人間はもう生きてはいないだろう、諦めるべきだ、という気持ちで)放った言葉


“It is written.”   それは運命だ


救出に成功して主人公がぽろっと言う、


“Nothing is written.” 運命などないのだ。


                       “ LAWRENCE OF ARABIA ”


しかしさらにそれに応えて、仲間は前言とは違った意味でつぶやいていたかもしれない、


“まさにこれこそが運命なのだ”  


みなさんはどちらでしょう?どっちにしても、すてきじゃないですか。どちらも言っていることは同じでしょう、という過激かつ優雅な考え方もあります。その時、その状況で、より強烈に精神を揺さぶるほうが、そのひとにとっての答えなんでしょう。


※ 画像は3月19日エド本人、ロジャー氏撮影。

※ スネークウッド
杖と離れるとアラームが鳴る、とか、忘れ物防止用のICタグをオプションでつけないと、ボケ気味で持ち歩くのはちょっと恐怖を感じる価格ですね。南米のやギアナが原産。極めて重厚で水に入れても沈む。心材が蛇の皮や象形文字のように見えることから、スネークウッドやレター(文字)ウッドと呼ばれる。硬さと木目の美しさから「木のダイヤ」「木の宝石」といわれる。模様が細かく均一に出ているほど美しいとされ、規格サイズに製材されず流通し、重さで値段が決まるほど貴重で高価な銘木。こちらのブログに、わかりやすくかかれていました。

※ P.S.
そういえば、水曜日は新宿伊勢丹 『UK WEEK』の「ロンドン カット」 に行った。さすがに歴史ゆえか、僕も現在取り扱っている老舗“デイビス・アンド・サン”も数点展示されていました。ホームページの対談も面白いしワクワクしますね。とは言っても、ぜひ来日してビスポークして欲しい、こんな魅力的なテーラーも発見した。 この戯れテーラーの隣の関連動画“ハ刺し”中の職人『Savile row Padding』も一見の価値ありだ。それから、たまたま通りがかりで、物凄い展示がさりげなく催されていて驚いた。ルオーはフェルメールと同じくらい好きな画家。ギャルリー ためなが 『ルオー展』。

2008/03/18

EDWARD knowledge 1




本日、同業者とイタリアン・スーツについて話していました。最近ぼくは彼に『ナポリ仕立て(小学館)』という本をプレゼントしました。この本はドラマティックに遠い歴史のドラマに誘われて職人の価値を大切にする文化的な背景と空気感が味わえます。

過去に師匠格から、イタリアン・スーツは大まかに以下4つを頭に置いて観察すべしと習いました。イタリアンスーツに関しては、確かに通常のブランド品と同じような見方はできません。

1 ナンバー1と認識されるのが、フル・オーダーのテーラーの中でも一部のアルティジャーノ(職人)の一群。イタリア国内で8000軒前後あるテーラーの頂点に君臨するカラチェニと呼ばれる5人のテーラー。ミラノ、ローマ、中央イタリア・マルケ地方にいて、創始者はドミニコ・カラチェニ。カラチェニとタグに表記できるの本家だけで後の人間たちは自分の名前を“カラチェニ”の前に入れなければならない、とミラノの裁判所で決められている。

2 次に位置するのが、サルトリア・プロダクション(仕立て屋縫製による生産方式)。ブランドとしてはブリオーニ、キトン、ベルベスト、イザイア、アットリーニ、セント・アンドリュース、バルベラなど。既製服づくりと昔ながらのビスポークが可能な人たち。エルメス、ランバン、プラダ、アルニス、エトロなどの縫製ファクトリーでもある。
 
3 3番手のグループは2つに分かれる。

(A) グループは伝統的なサルトリア手法を使用して工業化したグループ、ゼニア(日本人ビジネスマンは、このブランドが世界1だと思っているケースが多い)、カナーリ、コルネリアーニ、ヒルトンタイムなど。

(B) スティリスタ(デザイナー)のグループ。サンローラン、ヴァレンティノ、ロメオ・ジリ(僕がイタリアンスーツを最初に買ったのがこのブランドだった。)、ランバン、ディオール、フェラガモ、アルマーニなどの縫製レベル。

4 その他、メイドイン・イタリー既成ノーブランド商品群。

ものづくりと文化的背景、そしていわゆるブランドな威光を放っているスーツといえるのは1と2。ちなみに、“存在の耐えられない甘さ”を体現したら圧倒的(エド主観コメント)なマルチェロ・マストロヤンニの魅力を支えていたのが1、とは大いに納得だ。

2008/03/16

EDWARD Suit 2



商品クオリティ、好み反映の完璧度、納期までの時間、コスト、ブランド知名度、、、、ものさしの要素は無限にありますから、オーダーとして、どれが一番優れているかという問題ではありません。すべての選択はお客様の状況、価値観、考え方によって、どれがベストか変わってきます。正解はありません。

ちなみに、当管理人のエドワードが現在、販売しているスーツは 『 4 』 です。トータルなバランス感覚から4をお薦めしています。

あくまでももし自分が客なら、という視点で購入を考えたときに、僕としてはまず基本的なビジネススーツのワードローブ(グレー・ネイビー・黒の無地・ストライプ、シングルスーツ、ダブルブレステッドスーツ、3ピース・スーツの組合せ)を揃えます。まずは基本的な春夏(いわゆるSSもの)・秋冬(いわゆるAWもの)の2分法でのベイシックなアイテムを揃えます。

次の段階として、四季折々、ワクワクできるよう御洒落に楽しむ段階に進みます。春はサマーウールやモヘア、夏はリネンやコットンなど秋はツイードジャケット、冬はフラノやカシミアといった感じで揃えます。そしてタキシードを一生のうち3回以上着る方なら、ワードローブに加えることをオススメします。

時間とお金をかけて一点豪華主義で究極の1着を購入するより、ある程度満足できる自分用に仕立てられたスーツを“Time時/Place場所/Occasion状況”に対応できるように揃えます。余裕ができたら、日本の美しい四季を楽しむことのできる理想的なワードローブを完成させようと考えながら目の前の買うべき1着を決定します。

納得できる品質、予算、時間、労力、満足度をモノサシにしながら、1着のスーツを単発として考えるのではなく、トータルで『ワードローブ・コンストラクション』の完成を考えます。たかがスーツ、されどスーツ。キャラクター確立においてスーツは一部分過ぎません。そして完璧なスーツですら、パーツに過ぎません。なぜなら最終的には、そこに登場する一番の主役は人間だからです。

たかが1着、されど1着。各人がこの『完璧なるスーツ』さらに言えば、『物自体』というものに対する健全な懐疑の念を持ち、健全な直観で未来を一望しつつ、自分に合ったクオリティを決めるのが粋であり“知恵”であり、楽しみです。

2008/03/15

EDWARD Suit 3



EDWARDが提案する、オーダーメイド・スーツについて。スーツをはじめて購入される方から 『そもそもオーダーメイド・スーツについて教えてください』 と質問があったので、普段口頭で説明していることを書きました。

オーダーメイド・スーツといっても、いろいろあります。一般的には、ショップで展示されている既成のスーツから、ほとんどの部分を手縫いで仕立てられるフルハンドメイドのスーツまであります。価格帯は1、2、3、4それぞれに生地によっておおよそ5万円~50万円まであり、5のフルハンドメイドの場合は30万円以上からになっています。

1.既製服 → 2.パターンオーダー → 3.イージーオーダー → 4.カスタムオーダー( ※ EDWARD SUIT ) → 5.フルハンドメイド

 1 → 5 に向かうにつれて、工程ごとの選択・自由度が上がる分、フィット感や好みのフィーチャー(仕様・特徴)が反映されていく度合いが上がっていきます。とはいっても、必ずしも → の方向で満足度が大きくなる、というわけでもありません。

たとえば、既成スーツでも全体が好みの感じでフィットしていて、生地も仕立ても全体の雰囲気も御自身にピッタリ合っていれば、すぐその場で持ち帰れますし、すぐに欲しい・すぐに着たいという状況ではなおさらありがたいものですね。帰り道はうれしくてワクワクしますし。

2 のパターンオーダーは、採寸用ゲージ(実際のサンプル・スーツ)を着用してからその差寸で出し(長く)・詰め(短く)の数字を決めます。既製服と同じ工場でサンプルゲージごとの固定型紙で生産します。細かい補正はできません。そのかわり納期も早いですし工賃も安いです。

3 のイージーオーダーは、採寸用ゲージ(この部分はパターンオーダーと同じ)を着用してその差寸の数字を決めますが、そこから各人ごとの型紙を差寸をもとにして作ります。通常オーダーメイド・スーツの工場で作られます。パターン・オーダー以上に細かく補正ができます。

4 のカスタムオーダーは、採寸用ゲージがありません。型紙をゼロがら起こします。採寸するフィッターの数字で新しい型紙を起こします。イージー・オーダー以上に細かい補正ができます。オーダーメイド専用工場で仕立てられます。仮縫いはありません。お仕立てにおいては手縫いの部分とマシンの部分があります。

5 フルハンドメイドも型紙ゼロから起こします。仮縫いを何度か繰り返し行い、各工程にもじっくり時間も人件費もじっくりかけて納得いくまで究極の1着を仕立てます。ほとんどの部分を手縫いで行います。

そこで、1~5全体を見渡して、どれを選択するかという判断になります。

(とりあえず続きは、明日)

2008/03/13

ロマンチシズム一滴



ロマンティック(romantic)
1.伝奇的。空想的。浪漫的。
2.雰囲気などの甘美なさま。

ロマンチシズム(romanticism)
1.フランス大革命後から19世紀初めにヨーロッパに展開された文学上・芸術上の思潮・運動のひとつ、、、
2.夢や空想の世界にあこがれ、現実を逃避し、甘い情感や感傷を好む傾向。

ドラマチック(dramatic)
1.劇的、波乱に富むさま。

               広辞苑(1992年10月9日 第四版)


この話は好きだ
この感覚は心に残る
そのフレーズにハッとさせられる

ふとしたコトバに美しい世界像がバーンと閃いた、、、

自然の美しい景色を見ながら、なんてことない世間話をしながら
のびのびした朗らかな気分でいると、そんな最高の感覚がやってくる。
またまた、K氏のご好意で湘南の海や港街の風景を楽しむことができた。

静かだった2月が過ぎ、先々週あたりからお客様アポが増え(ありがとうございます)バタバタしていたけれど、僕の頭の中はその一方で、全く別世界を夢想していて、それはそれでまた別軸で忙しい。書きたい素敵なネタが余ってダブついている。

妄想や空想が無意識的に本業と一致していく感じが大事だ。ちょっとした感覚がアイディアやアイデンティティに結実していくのは幸せなこと。ここぞという時に強い“前向き感”があれば、それらは仕事ともキッチリと一致していく(はずだ)。

どんどん研ぎ澄まされて小説読んでても物語を額面通り受け取るのでなく、
その描き出す世界観や微量のフィーリングをきっかけに
頭の中がグランド・ツアーを始める

ある人にとっては、通り過ぎていく話
別の人にとっては、かけがえのない話
人生という長旅を、楽しめる感覚は人それぞれ、


最近印象に残った話
“何の気なしに抜くのをやめて”

櫻井氏の談話、
“その車はまるでエイのように地面にへばりついて、信じられないようなスピードで走っている。それが式場君の輸入してきたポルシェ904だった。”


   画像 )エイは靴になっても優雅なんですね。



※ Galuchat(ガルーシャ)、Stingray(スティングレー):エイ革。Shagreen(シャグリーン):粒起皮・鮫皮。明るい色や淡い色は、黒のものよりも均一染めの加工が難しい。日本でも装飾武具装飾として刀の柄(つか)や、正倉院所蔵の「金銀鈿荘唐大刀(きんぎんでんかざりのからたち)」にも使われている。 1000年以上前から使用されている。博物館などで“鮫革”と呼ばれていても、実際はエイ革ということも多いでしょうね。 全日本爬虫類皮革産業協同組合の解説

2008/03/06

いつ種を蒔くかということを知っている者



“神主”の起源はそういうところだったらしい。

先日4日(火曜日)朝6時30分から九段会館にて朝の勉強会に出席し、神社の宮司さんのお話を聴いた。神社に参拝する際に水で清める行為作法について、、、

“左手を洗って、右手を洗って、手で口を漱(すす)ぐ、左手を洗う”という基本的なことから

“昇殿参拝(しょうでんさんぱい:お祓いの後、本殿にて玉串を奉り、参拝すること)ではネクタイ着用、モーニング着用”が理想的、とか

“厄年の御祓いに、ジーンズで来られるのはちょっとどうかと、、、”

などなど、たくさんの学びがあった。

礼儀作法は、それをしなくちゃ恥ずかしい、などと堅苦しく考えるのではなくて、ある意味、その作法をする(なぞる)ことは、先祖の歴史と知恵を追体験できる実にありがたい機会だ、と考えて堂々としているほうがいい。

所作としては既に日本人のDNAに刷り込まれているだろうし、その作法が継承されているのは、突き詰めると、歴史がそれを“知恵”だと認めているからだ。自分なりに文化的背景を楽しみながら、少しずつ理解して、ゆっくり深く味わう。

歴史や伝統、ファッションの世界でもいわゆる“トラッド”な意匠は“ゆっくり深く味わう”という姿勢に大して、そのままゆっくり深く付き合ってくれる。

仕事柄、お仕立てするお客様は、自然でありながら静かな自信に満ちて、世界中どこにいようと、何があろうと、堂々とした佇まいであらんことを、と願いながらビスポークしている。

タキシードの着こなしを日本人であるぼくらはある程度努力して学んで身につける。しかし、そのマインドまでは遠い。しかしそれを知りたい。マインドは世界共通だから、和のマインドを通して世界を理解できる。

ドレス・コードだけでは不十分だ。そのマインド・コードも感じたい。自分を知り、歴史も知り、とことん豊かに楽しむために。

2008/02/28

春の予感、春の余寒。



ファッション、そしてスタイルをあれこれ楽しく思い巡らせるに、何ものにも左右されない不動の装い、というのもちょっとツマラらない。だからといってメディアからの、特にファッション雑誌からの時々刻々の流行に左右されるのも退屈だ。

今年は“アメリカントラッドのニュアンス”がキーワードだという事で、よしよしアメリカなんだな、そうかワクワクするぜ!という感性ならば、その感性を生かして充分に楽しめるだろうが世の中は幸いなことにそういう人ばかりではない。

で、何か流動的なものはないか、と考える。むしろ左右されたくなるような、流動的な要素はないだろうか、と。

春の陽気の一方で、ぶり返す寒さを“余寒”というらしい。今日は陽気に誘われて、友人のプレゼントのために本屋に行ったついでに購入した、『俳句歳時記』(角川文庫、ちなみに角川春樹氏が詠む句は好きだ)を読みながら、妄想が展開し始めた。

場所はセヴィルロウ@ロンドンのパブ。僕がギネスを一口飲んでいる。そこに、老舗“アンダーソン&シェパード”勤続40年の老テーラーが隣に座る。そして隣の男が、東の果ての国からやってきたテーラー業の人間だと気づいて、話し掛けてくる。

発祥の地ゆえの、深い文化と歴史。そして現場のたくさんの貴重な物語を語ってくれる。最後に笑いながら言った

「君は何しにここに来たんだい?学ぶことはあったかい?」

そこで僕が応える。

「ぼくがいる国は、ここロンドンと違って、4つの季節とその前後の細やかな移りかわりを楽しむことができます。たとえば日本の春は、一発で場面が劇的に変化する“Spring”、というよりも、2つの季節を行ったり来たりする“Spiral staircase(らせん階段)”のような感じです。顧客とのビスポークはもちろんのこと、人々は日々、『季節とのビスポーク』を楽しんでいます」

余寒も予感も。そんな日本の四季を楽しみながら、誇りを持って、彼らを羨ましがらせてみたい。

2008/02/26

The first SPRING storm 春一番


※カントリージャケット(Country jaket)スポーツ・ジャケットの一種。本来は地方のカントリーハウスやカントリー・クラブで着用したスポーティな替え上衣。とりわけノーフォーク・タイプやシューティング(射撃)タイプのそれを指した。現在では一般に変わりデザイン(ひじ当てや肩当てや背バンドや変わり型ポケットなど)を特徴とするツイード系の服を指している。(※『男の服飾事典』 メンズクラブ)

友人のP氏と話していたら、イギリス人の友人のオートダイヤル機能には、“H”と“M”と“C”の文字があるんだ、と言っていた。それぞれ、“Home”“Mobile”“Country House”のことらしい。おおおさすが、と思い、その瞬間から、カントリーハウス幻想(妄想)が僕の中で大きく広がった。カントリー・スーツ、カントリー・ジャケット、カントリー・ウェア、カントリー・ツイード、、、。いつもの、ハンディ服飾事典にもいくつか登場する。

実家に帰省し、最近ようやく手入れした庭で、(ここは田舎にある僕の実家だ、ではなくここはカントリーハウスだ、という見立て妄想中なのだ)読書&アフタヌーンティー。読んでいる本は、タキの『ハイ・ライフ』、最近Kさんから教えてもらったすばらしいエッセイ・ブログに登場していて、実家に帰るなり記憶を辿り、本棚に直行した。

なるほど、当時姉貴から教えてもらってけっこう好きだったこの本、いってみればセレブリティカルチャーの本だったんだと再確認。当時の子どもだった僕にはセレブリティという概念すら無くて、当時は大藪春彦の小説『汚れた英雄』と同じ匂いがするということで読んでいた。

AGRITOURをお洒落に楽しんだり、ピクニックをお洒落に楽しんだり、パブリック・フットパスとは言わないまでも、公園散歩を楽しんだり、とたくさんのカントリー擬似体験は身近にできる。お洒落に楽しむ場合は、カントリーを単なる“田舎”とは訳さないとのことらしい。

田園?豊かな自然を持つ土地、とかそういう訳し方なのだろうか。いずれにしろ、とても優雅でおだやかな時間。記憶と失われた時を求めて、急遽、実家の庭に椅子を出して楽しんだ。気持ちよかった。

2008/02/11

的を射抜く



そうありたい、と願っている。パス回しばかりで一向にシュートの意志が見えないようではいけない。ビリヤードで的球を狙うとき、文章を書くとき、お客さまとビスポークしているとき、そしてプレゼントを贈るとき!的を打ち抜けた瞬間というのは不思議なもので、自分はど真ん中を射抜いた、ということをアクションした瞬間に知っている、悟っている。でも今回は射抜かれてしまった。



僕はお酒は強くないが楽しめる。“コニャック”は今年、仲間のロジャー氏との会話の中で2008年のちょっとしたキーワードになっているアイテムだった。贈っていただいたのは、かれこれ知り合って6、7年になるのだろうか、SさんFさんご夫婦から、僕のお祝いごとで。Sさんは、インスピレーションに満ちて、上品で、エロティックで、美しいものたちからの周波数を受けとめているひとだ。



プレゼントという行為は本当に楽しい。私が日々お金稼ぐ必要ない立場になったら、えんえんと知り会いにプレゼントを贈ることをやってみたい。結構深い世界だ。そして楽しい。今でも、旅行先でも、ああこれは○○さんが喜ぶだろうな、とか洋服屋に行っても、ああこれは○○さんの△△のアイテムをあわせたらめちゃめちゃカッコいいな、とかそういうことばかり考えてしまう。そういう時、精神はすこぶる健康でしあわせだ。

2008/02/06

Boutonniere その1 タイト・ジャケットの工夫。



Boutonniere、ブートニエールは「ボタン穴」を意味するフランス語で、広義では衿穴(眠り穴)と、そこに差すための花まで含む。自分用に仕立てているスーツはシルエットがやはりタイトだから、留めるボタンは常に過労気味だ。ついには生地の縫いつけ部分から伸びてきて最後はボロリと昇天してしまう。昨年仕立てたばかりのハリスツイードのジャケットも第2ボタンが伸びてしまって時間の問題で取れそうだ。

なぜ第2ボタンかというと、あらかじめ第1ボタンは装着頻度が高いのがわかっているので、第1ボタンの引っ張り消耗度数を少しでも減らすために、第2ボタンばかりを使っているうちに先に伸びてしまったのだ。確かにジャケットのインナーに厚着するスタイル、そして、そもそもがタイトすぎるからそうなるんだ、ということだろうが、生地にボタンを縫いこんであるという加工自体を根本的に考えてみた。

いつもピアスのトップを耳から引っ張っているような不安がある。そもそも一点引っ張り剛性、なんて想定されてない生地。縫い付けられている狭い範囲に集中的に力が掛からないように、できるだけ全体に引っ張られる力が分散されて消耗しないで済む方法があるはずだ。定期的にボタンが取れてくれて、メンテナンスにかこつけて次なるセールス展開が容易、という考えはこの際捨てる。スタッズボタンとしての機能を持つT字カフリンクス型のスタイルはどうかと思って出来上がった。



で、ちょっとしたアクセントにもなるし、手持ちのカフリンクスでも使えるものがあるはずだ。ナチュラルなロジャーブランドのカフリンクスを装着。さっそく、東京積雪の日曜日夜、知人のホームパーティにこれで参加した。黒の細コーデユロイ(生地は逆目、しかしコーデュロイはいつも逆目がいいとも限らない。昨年自分用に発注した淡ベージュのコーデュロイは逆目より順目の方がよりイメージに近かったとトライ・アンド・エラー中)結構使える。



ボタンを気にせず安心してタイトなジャケットが着られる。好き嫌いの問題かもしれないが、これで普通のボタン型カフリンクスをつけると、外から見ても何も変わらない。ただボタンまわりが消耗品ではなくなった、という点が違っている。

>>Boutonniereまわりのあしらい方全般、ご興味の方はメールにて
⇒こちら
、ご相談承ります。
                                           

2008/02/01

Lounge“THE AQUARIUM”@DUNHILL GINZA


Koh “伝説の男”Miyake氏、20年前からテーラーとして現在のスタイルを確立しています。

美しいもの、素敵なもの、ワクワクさせるものに対する天才的なアンテナを持つK氏。Lounge“THE AQUARIUM”@DUNHILL GINZAは、氏から教えていただき、銀座ど真ん中の静かな隠れ家ラウンジとして打ち合わせに使わせてもらっています。それにしても、世の中は狭いですね。



お気に入りの生地を手に入れたK氏の、ちょっとしたリクエストに応えようと思い、氏にKoh Miyake氏を紹介しました。2人の会話で、世の中の狭さをつくづく実感することとなりました。約20年ほど前から現在へ到るまで、テーラー業界の人と人の出会い。みながそれぞれに影響を受けつつ、与えつつ、教えつつ、教えられつつ、歴史があります。

ラペル周辺のディティールをボンヤリ見ながら、ぼんやりと空想します。お気に入りのスーツ⇒眠り穴、ラペル後のフックを手縫いで加工⇒フラワーホルダー選び⇒生けるお花を選んであしらう、準備万端整。ちょっとした緑のきれいな公園にでも、ワインと手作りサンドイッチを持って散歩に、あるいは畑に出掛ける。何て気持ちいい休日でしょうか。

ゆるく、おひとり様でも、みんなとでもO.K.。お洒落して、ちょっとジェームス・アイボリー映画な感じと、自然や人間に対する見識と知恵をあわせ持った、未来的なアウトドア・スタイル。シルクハットにステッキだけではない新しい紳士文化に向かって、着実にGENTLEMAN'S VOYAGEを楽しみたいです。

2008/01/27

The gentleman “Mr. Orange” @MARUNOUCH



はじめは冗談で話していたものの、現実的に一瞬でキャラクターを確立させた上野氏。このブログの最初の日記は氏の胸元です。みかんを扱っているから、もうオレンジスーツ!とかそれくらいのものでもオッケーな覚悟ありますよ。と、初対面で気さくに語っていました。以前学芸大学にて待ち合わせた際、商店街の向こうからやってくる氏を見た瞬間、来るぞ来るぞ、とわかっていてもあらためて想定外のインパクトを受けました。

つまり、僕の視野にある全物体のうちで一番目立っているのが上野氏でした。凄い!まわりの看板にも勝っている!オレンジを自分の色にする、と決めてしまうと、可能性の幅を狭めたり、制限を設けるように感じられるのですが、むしろシンプルなひとつのキーワードが大きな求心力を生んでいるようです。オレンジという言葉が氏にリンクされた瞬間、世界中のオレンジ・コンテンツが彼にむかって一気に伸びてく状況。そんな現象を楽しんでいるようです。

オレンジ・レンジのCD、エルメス(ブランドカラーがオレンジ)のオレンジアイテム、フルーツのオレンジ各種、オレンジ川(南アフリカ共和国とナミビア共和国の国境河川)の観光地への斡旋、などなどオレンジを巡るキーワードを扱うショップ。まさにweb2.0的なコンセプトのショップ、そんな空間が将来できてしまうかもしれません。

2008/01/16

L' ANNEE DERNIERE A MARIENBAD


ドライブがてら小坪のイタリアンに行きましょう、昨年K氏からの約束で、ゆっくり楽しんできました。逗子は夏のにぎわいが想像できるだけに、オフ・シーズンの静けさにも格別の魅力があります。

2008年、年明けスタートから無意識的ながら精力的に動いていたので、きれいなものを観て、おいしいものをゆっくり味わったりすると、はりつめた感性が揺れてきてふわふわに戻るようです。

海を見ていると、気持ちがゆっくりしてきますね。遠くのさざなみが小さく小さく、きめ細かく、よくみると微かにゆらゆらしています。時間、空間、記憶、約束、思い出、そんなものを、ゆれる波間に見出してしまう感覚もさもありなむ、と感動しました。


肌寒いながら、秋空のような透明感がとても心地いい。遠い上空のトンビの鳴き声とK氏と江ノ島。


泳げないプールもいいですね。


影が長くなってきています。


PICCOLO VASO、すべておいしいでした。たしかに満腹なるまで食べたので夜までお腹が空きませんでした。


慎太郎氏が息子に参拝をすすめる、との小さな神社。なんてことない神社ですが、披露山というとんでもない高級住宅地にありました。


歩いても行けるそう。


マセラッティはフェラーリより歴史が深いらしいです。僕のまわりは皆魅力的な車に乗っているので、当分免許とらなくてもいいですかね。葉山音羽ノ森ホテルはバレット・サービスがつき、スタッフ2名が寒空の下に常駐しておる模様。


水平線が淡くかすんできます。


いつもながら、たくさんのインスピレーションをくださるYさん。彼女の着こなしは大御所業界人からの注目度も高いのでは。街頭ファッションチェックの番組にて、あのピーコが毒舌を発揮できず、むしろ絶賛した過去あり。


青春は沈みゆく太陽だ、とはコッポラ監督の言葉だったよな、とかなんとか考えていると、K氏がポツリと、ほれ、葉山のカラヤンが来られましたよ、とか人間ウォッチングコメントを飛ばしたりで常に爆笑。30代前後の女性客が3人連れで、見晴らしのいいカウンター席に座り夕暮れ時の静かな海を眺めていました。夕日が沈むのは、ほんと一瞬の出来事なんですね~

2008/01/01

2008年、あけましておめでとうございます!!


昨年末、オフィスに掛けていたお札の焚き上げに行きました。赤坂、日枝神社にて茅の輪をくぐりながら祓(はら)へ給(たま)ひ清(きよ)め給(たま)へと禊中。特にお願いは一切せずに、型通り、そして感じるままに動くままに。

年末、フリマ初体験しました。九州鹿児島の実家でもやるぞ~と企画がもりもり湧きました。素敵な出展者の方と仲良くなって、セビルローブランドのボタンセットを記念にといただきました。ありがとうございます。


年末は、スーツの陰干し、数時間涼しい風を通してあげました。基本的にジャケットはクリーニングしないですむならしないほうが良いですね。さすがに夏場のトラウザーズをクリーニングしないというのは厳しいですが、、、



魅力的なもの、美しいこと、良いこと、そして古今東西の知恵について深く静かに豊かに話せる仲間が沢山できること、これがこの1年の個人的な目標です。こちらのサイトにたまたま立ち寄られた一期一会の方々も含めて、みなさまは、2008年どんな年にしたいでしょうか?

2007/12/22

Miracle ,Memorial and Essential present from TAKESHI the “Enfant terrible”



朝の日差しの中で、朝ごはん食べながらウットリしながら読みました



20日、パーティのトリプル・ブッキングから始まって、最初の待ち合わせに連絡行き違いがあってアポがなくなったので、タケシと一緒にロジャーが誘ってくれたパーティへ。こういうちょっとした予定外も運命の必然の力だったりして、それを常に面白がるとやっぱりイイことがあるもんですね!!

向かった先は、AINEXX のパーティ@恵比寿ウェステイン。フードもドリンクもしっかり美味しく、代表の方もスタイル抜群の美しい紳士で、気さくに話しかけてくださいました。専務の方も参加者を楽しませることに心から喜びを感じている御様子、素敵な紳士でした。

仲間うちのゆったりした忘年会というノリだったので、新しい方々と知り合いになるパワーは使わずにタケシと出会ってちょうど1年の記念日(彼と出会ったのは、2006年12月20日、カナダ大使館シティクラブで柿野くん主宰のクリスマスパーティ)ってことで、1年の総決算の話で盛り上がっていました。

新しい、方向性を話し、また素晴らしい一年にしようと、ワクワクの気持ちをあらたに決意していました。ビジネスでもプライベートでもココぞ!のタイミングでドデカイ魔法を引き起こす男、祭武(まつりたけし)。本当の意味での彼のモンスター能力に気づくには素直な直観力が必要ですね。この1年タケシと冒険をともにして、危険も、バカ騒ぎも、幸運も出会いも沢山味わいました。ブレスト相性世界一、これは一生揺らがないでしょう。

ビンゴゲームがスタート。どんどんナンバーが呼び出される、着実に番号がそろっていき、最後の自分のリーチ番号をタケシが飛び跳ねながら叫ぶ38、38、38、38、、、、、映画のワンシーンを見ているように、38、38、38、38、38、、、、、と電光ボードの光が近づいていく

ピタッ38番。

ピシッと揃った瞬間、一瞬時間が止まったような、スローモーションのような時間の流れ方をしました。ラルフローレンの限定写真集。一瞬ぼくと目と目が合って、ニヤッと『よかよ、あげるよコレ』



当日の僕のマフラーと同じ柄のリボン



2008年僕は、紳士文化を究めるために設定している第1ステージをクリアすることに魂から突っ込む方向性。2010年合流するはず。人間、真剣に魂賭けとると、それを必要としとる人間には必要なものがやってくるとよな、と彼は言う。いいこと言うばいな~!



ありがとう、タケシ・ザ・サンタクロース!!☆☆☆

2007/12/21

Buffalo Night @Montauk


この季節パーティラッシュです。毎回すばらしい一期一会の出会いはもちろん、たくさんの気づきと学びをいただきます。と同時に、ジェントルメンズ・ウォッチングに余念がありません。この日、タケシ、ロジャーと表参道でhowffオフィスグループのパーティに参加し、そこからのパーティホッピング。ロジャーが“ちょっとGANGSTAに挨拶してくるよ”とふざけて言って向かった先には、映画のワンシーンを作り出しているような、そんなオーラを漂わせているテーラーのKoh Miyake氏。氏のスタイル、1つ1つのアイテム、スーツのシルエット、強烈な世界観をつくっています。このパーティには、数々の迫力ある目にも眩しい大御所がそこかしこにおられ、眩暈がするほど視覚の御馳走にありつけた夜でした。

2007/12/20

Gentleman’s Spot @GINZA 1


軽快なトークで、いつも爽やか・ダンディな河合正人。花をあつかう芸術家である氏は、世の中の美しいもの・優れているもの・楽しいもの・美味しいもの、、、を沢山味わっておられる紳士。いつも新しいニュース、発見をいただきます。良心的な価格で確かなものづくりをされている銀座天神山サロン、最近昔のロゴも復刻しているJUN(中央区銀座5-3-14。この昔のロゴには僕自身萌えを感じました)など楽しい銀座の紳士スポットをご紹介いただきました。

2007/12/12

7・3 barber cut hair style,3-piece suit , white poketchief and some ambitions@Smoke



“Gentlemens Summit”野尻氏が主催するジェントルメンズサミット。洒脱な文章、絶妙なバランス、顧客目線でテーラー業界・文化を語られる野尻氏の存在を知って以来、氏の書く文章の大ファンでした。偶然ロジャー氏ともリアル知人だったところからご縁をいただき、しばしばご一緒させていただいております。現在、新丸ビル バタク ハウスカットのプレスをやられています。



ロジャーより誘われて行きましたが、彼は恵まれたスタイルで着こなすタキシード崩しで、“反則!” との声が掛かります。そして、新ブランド“DIGNITY” のフラワー・ホルダーでさらに反則技をキメている模様。

中寺氏の紳士的にさりげないとぼけ気味の挨拶もエレガントで、新丸ビルのバタク・ハウスカットの胸囲105の爽やかナイスガイとのバカ話も楽しくスモーク料理も美味しいでした。銀座ダンヒルビルのバーバー(理髪店)も大人気とのこと、ジェントルメンズ・カルチャー紳士文化も本流になっている観ありです。

テーラー・ケイドの山本氏の熱いコメントには感動しました。言ってみれば競合店、しかしながら我々は価値観を共有する第三世代、ニュー・ビスポーク世代のテーラーである。目線は真剣で誠実。客の取り合いを恐れることなく文化を創って行こうとする度量の広さに新しい波を感じました。

つくづく“熱さ”が新しい、という印象を再確認。逆にこの会でスノッブなスカしトークのノリを展開したならば、80年代、90年代の無思想しらけ世代の空気を持ち込むことになり、時代遅れにすら感じられることでしょう。

テーラー・アンド・カッターの有田氏は、“仮縫い”アポが入っていて来れないとのことで、若手スタッフ2名が出席していた模様。

氏とはキャナル・カフェでの立ち話で結構長い時間熱く意気投合していたのですが、近々一杯やりながら熱く語り倒りましょう!といいながらもバタバタしていて心置きなく語れるタイミングが見つからず、結局伺えておらず不義理していますが、熱き語りを楽しみにしています。

お隣でお話させていただいた端正なエレガンス漂うソリマチアキラ氏を始め、印象とキーワードだけで捉えると、7・3分けともいえる、“バーバーカットしたヘア・スタイル”、端正でオーセンティックな3ピースのスーツ、純白のポケットチーフ、そしていくばくかの健全なる野心。



そんなニュー・ビスポークのアイコンらしきものが浮かび上がり、今後のテーラー業界が文化にまで花開くことができるかと、そんなワクワクする展開を感じた夜でした。

2007/12/10

Yong Lobbyst “T”with pipe


永田町パレロワイヤル、砂防会館、憲政会館はじめ、各種政界の勉強会によばれるタケシ氏。彼と一緒に今年、ジェントルメンズクラブ運営の会社を興しています。ネイビーのシャドウ・ストライプのE製スーツ、ダーク・ブラウンのクロケット&ジョンのサイドゴアブーツ(ウィングチップ)。上海、ワイタン地区で購入したパイプを片手に街を歩く姿は貫禄あります。

10月にスタイリングを依頼され、ハリス・ツイードのストライプ柄のハンチングと英国紳士の定番と言われるオリーブ・グリーン色のホース・ライディングジャケット(※1)をチョイス。どちらも伊勢丹メンズ館にて。チーフは、アエル製のエンジ色の紬。

※1.彼にチョイスしたのは、今風のやや細身シルエットの“ジョセフ”製のものでした。1972年のラベンハム社製がオリジナルらしいですね。1969年、英国王室に仕えた創業者エリオット氏が、エリザベス女王の愛馬のために保温用キルティング・ブランケットを作ったのが始まり、、、とのこと。(Men’sEX 2008年1月号より)

2007/12/06

銀杏(いちょう)の木立をゆっくり歩く、


“格好から入る”とは良く言ったものですね。例えばチョーク・ストライプのスーツを着ている時、美しい銀杏並木を歩きながらでも、かっこうが仕事自分になっているためか、あまり感性アンテナに綺麗な存在が引っかかってこないような気がします。

昨日は、ハリスツイードのジャケットにホワイトジーンズというナチュラルなスタイルで柔らか仕様だったせいか、ソフィア通りから紀尾井通りにつづくオータニの横の銀杏並木沿いを歩いた際、しばらく銀杏に見とれていました。

今や、一億人総写メラーマン?時代、燃えるような黄色の銀杏の木立の下を行く人は、しばし足を止めてパシャリ!秋空のような切ない青空と、日差しに輝く銀杏の黄色と青空のコントラストに魅せられて皆がほ~っとため息をついていました。そして案の定、昨日友達からのメールで、うっとりするような銀杏の写メールを添付してきた人2名。

一昨日、大連出身の中国の方と話す機会があって、西湖という湖の湖畔に行くと誰でも詩のひとつでも詠みたくなる、さらに自分の人生まで振り返ってしまう、といっていましたが、本来、、自然は人間をぐんぐんロマンティックな気分に引っ張っていくものなんだろうな、と思いました。

銀杏道にて約束時間まで30分ほど余裕があったせいで、10分ほどそこで写真撮ったりして見とれていました。ふと前を見ると、僕に負けずに、銀杏の葉っぱに向かって接写したり、めちゃめちゃ海老反りになりながらスーパー・ショット、究極の一枚を撮らんとしているサラリーマン風の写メラーマンがいました。その、まるで酩酊しているようなフラフラした彼の動きにさらに感動し、すかさず1枚頂きました。

その後、ジェントルメンズサミット以来お会いする、Yさんと素敵なお仲間が遊びにこられ、大久保利通公園の黄色・緑色の木々を愛でながら、AUX BACCHANALESのオープンテラスにて、お茶しました。最新のテーラー事情や素敵なアイテム情報や、流石業界通ならではの深く貴重なお話をたくさんお伺いしました。


なにしろ、ダンディで絵になる方々。カフェからオフィスまで、美しいマセラティ(買った当時は今ほどメジャーではなく、何それ、マサラティ?インドのお茶?、と言われていたそう)にてお送りいただき、スピードメーターが300km/h まで刻まれている車に乗る女性のファッションとはさもありなむ!といったスタイルを学ばせていただきました。



このコンパクトで獰猛さを感じさせる形状はどこかで記憶があると思い出し、友人シエスタ氏のザガート、ガビアという車に似ていると思いました。