2008/03/21

GENTLEMAN'S VOYAGE 1




歩いている。

急いで歩くと目立ってしまうが、僕は少々右足のほうが短い。昔は靴底を調整したりして、なんとか矯正しよう、と試みていたもののもともとの長さが違うから、いろいろやっても結局はズレてくる。

ジムでも、下がった右肩を筋肉によって高く上げようと矯正気味にトレーニングしていたが、うまくいかない。こどもの頃、橇(そり)で木に衝突し左足骨折して骨が接ぐ際にバランスが崩れた。

しかしながら、今ではそれはそれで将来おじいさんになるのを待たずして、早々にスネークウッド(※)の美しい杖を持つ口実ができた、と楽しみにしている。

渡辺実氏の『銀座壹番館物語』の『ヘンリー・プールに教えられた洋服の真髄』という147ページ目、ある老紳士の描写で、


、、、、、肉体的欠点を少しも隠すことなく、服は体にしっくりなじんで、
美しいシルエットをつくっているのですね。、、、、


体型の欠点は、対処療法で直す場合と、自然にまかせる場合と考え方はいろいろある。必要に迫られてごまかさねばならない時もあるだろうし。

そういえば引越ししたので、名刺を新しく作る際に裏面になにか好きなことばでも入れようかな、と考えていて、好きな映画のワン・シーン、、、をいろいろ考えていた。

あったあった、何度観ても飽きない映画、

砂漠に取り残された仲間を救うため、決死の思いで辿り着いたばかりの目的地から再びひとりで灼熱の砂漠に引き返そうとする主人公。その主人公を引き留めようとして、相棒が(砂漠に取り残された人間はもう生きてはいないだろう、諦めるべきだ、という気持ちで)放った言葉


“It is written.”   それは運命だ


救出に成功して主人公がぽろっと言う、


“Nothing is written.” 運命などないのだ。


                       “ LAWRENCE OF ARABIA ”


しかしさらにそれに応えて、仲間は前言とは違った意味でつぶやいていたかもしれない、


“まさにこれこそが運命なのだ”  


みなさんはどちらでしょう?どっちにしても、すてきじゃないですか。どちらも言っていることは同じでしょう、という過激かつ優雅な考え方もあります。その時、その状況で、より強烈に精神を揺さぶるほうが、そのひとにとっての答えなんでしょう。


※ 画像は3月19日エド本人、ロジャー氏撮影。

※ スネークウッド
杖と離れるとアラームが鳴る、とか、忘れ物防止用のICタグをオプションでつけないと、ボケ気味で持ち歩くのはちょっと恐怖を感じる価格ですね。南米のやギアナが原産。極めて重厚で水に入れても沈む。心材が蛇の皮や象形文字のように見えることから、スネークウッドやレター(文字)ウッドと呼ばれる。硬さと木目の美しさから「木のダイヤ」「木の宝石」といわれる。模様が細かく均一に出ているほど美しいとされ、規格サイズに製材されず流通し、重さで値段が決まるほど貴重で高価な銘木。こちらのブログに、わかりやすくかかれていました。

※ P.S.
そういえば、水曜日は新宿伊勢丹 『UK WEEK』の「ロンドン カット」 に行った。さすがに歴史ゆえか、僕も現在取り扱っている老舗“デイビス・アンド・サン”も数点展示されていました。ホームページの対談も面白いしワクワクしますね。とは言っても、ぜひ来日してビスポークして欲しい、こんな魅力的なテーラーも発見した。 この戯れテーラーの隣の関連動画“ハ刺し”中の職人『Savile row Padding』も一見の価値ありだ。それから、たまたま通りがかりで、物凄い展示がさりげなく催されていて驚いた。ルオーはフェルメールと同じくらい好きな画家。ギャルリー ためなが 『ルオー展』。

2 comments:

武史 said...

さすがエド!

かっこよかなぁ!

よかったらこれば観てくれんね☆

週末の夜、まだまだ仕事中やけど、

涙して決意を新たにしてしまった映像。

今日のエドのブログにぴったりだ☆

http://jimaku.in/w/D1R-jKKp3NA/nbZXF_WFQDq

E 。 said...

武史ちゃんへ

ありがとう!

ジョブズの講演、さっそく聴いたよ。

感動だね。出生から始まって、進路、そして人生のドラマと、強烈な人間だったんだ。

点と点が結ばれて、、、、って人生の軸をスケール大きく考える人間独特の感性ですね。

最後の力強い言葉も最高。

Stay hungry,stay foolish.

気がついたら素直になってしまい、ついつい聴きこんでる、まさに“大きい人間”としての魅力を感じました。