2010/08/22

ツイードの季節、2010年秋冬 “Country Way”


2009年にエドワードで企画した、ツイードのハンチングです。最近、二点サイズ直ししたので、ついでにエドワードエクリュの新しいタグを付けました。今年5月、法人化した節目に新しい色とタグを作ろうということで、エクリュ色とそれに映える若草色、そして立ち上がったサラブレッド馬(※しっぽでEの印)そして、ハリソンズ・オブ・エジンバラ代表のジェームズ氏が考えてくれた 『 Individual Cut 』 の文字。

このロゴは、最初の基礎をデザイナーのU氏、その後はM氏(以降、ワカと略)が適当に遊びであれこれレイアウトや色をいじくっていて、ダミーで作ったものをセレクトして新色、新タグとしました。狙って作るのもアリですが、偶然に絶妙なバランスができることも同じくらいアリです。



エドワードエクリュでは時々、気まぐれに紳士アイテムを小ロット企画します。これは、たまたま二名以上の顧客からのご要望があった場合に、そのリクエストを是非かなえてあげたい、というオーダー業の行動欲求(職業病)に従っている結果です。

ネクタイやボウタイ、帽子やポケットチーフなど作りましたが、もとがセンスの良いお客様からのリクエストだけあって、それを欲しがる他のお客様も連鎖しているので、毎回在庫はゼロです。そこで僕のやっていることと言えば、クリエイティヴィティはゼロですから、単純に、顧客リクエストにフィットするアイテムを作る、『リクエスト・フィッター』に過ぎません。


今季は、おおらかで、素朴なカントリー・ウェイというスタイルです。2011年は1月初旬に渡英予定です。ロンドン中心に滞在し、そのうち一日は、郊外のマナー・ハウスに宿泊する予定です。僕はちょっぱや早朝のFooting(ウォーキング)、ワカはそこでダイナミックに乗馬を楽しむ予定です。

渡英におけるそれぞれのシーンに備えて、今回ロンドンのメイフェアやジャーミン・ストリート界隈で粋に過ごすことと、優雅きわまりないデヴォンシャーのボビー・キャッスルのマナーハウスに宿泊し、カントリーを深く味わい・愉しむこと、それぞれの圧倒的に美しい場所に負けぬくらいの魅力・迫力満点のワードローブを企画・製作中です。

エドワードエクリュのフル・ハンドメイド部門の職人による、国産最高峰のフルハンドメイドのビスポーク3ピース・スーツを自分たち用に製作中ですが、ぼくらが日本一ダンディな “ 旬のクラシック・スーツ ” と考えている背広を着用して英国最高峰@セヴィル・ロウのアンダーソン&シェパードに行きます。僕らが最高鋒と思っているものに対して、御当地・本家での厳しいアドヴァイスを受けるつもりです。

歴史の重み・凄みから、こちらの小さなプライドを斬りつけられようと、それはグルメな体験です。そこでは、彼らが最高、と考えているダンディ・スタイルで、ビスポークもしてみる予定です。2009年に渡英した際、友達になったアンダーソン~のアンドリュー氏に、2、3年以内に必ずまたこの場所に来て、ビスポークする、と宣言していた約束を果たします。



今月あたま広島旅行の際、心を動かされる部分がいくつかあった月刊誌 『ゲーテ』 最新号を友人2人にプレゼントしました。その中にフラン・フラン(Bals)の社長のコメント ( むしろ、進化のために、超一流の他社製品を身につけるべき ) を読んで結構影響受けました。 “ マシンメイド ( 機械縫製 ) 最高峰 ” が、エドワードエクリュの基本の軸なのですが、コスト度外視で 『 無条件に最高 』 というクオリティを感覚的に熟知することも大事です。

上写真は、法人向け3ピース・スーツの納品アイテムの一部。社員全員が集まった際、各人が自分で考える、それぞれの方向性で個性爆発させると、アジアの街並みのような、爆竹とお店の看板の総天然色をまきちらしたような混沌状態になるのですが、一定のトーン、一定のスタイルの軸を作って全員集合した絵をシミュレーションしながら、細部までこだわって企画すると、非常に落ちついたヨーロッパの街並みのような端正な絵になります。大事ですよ。

コストは抑えても、サイズと細部に強くこだわりながら色や素材やデザインをプロに『全任せ』で選んでもらうのが一番賢いやり方です。社員にとっては、良い(正しい)方向性でセルフイメージが上がりますし、その後、数十年は着続けることになる、スーツ道初心者の心得として、その方向づけの価値・効果は大です。

2 comments:

テントウムシ said...

ハンチングまでオーダー出来るんですか?
私は頭が大きい為に既製品が入らずに
とても苦労をしておりますので
次回はぜひ相乗りさせていただければと存じます。
なお年内に上場企業の役員と
対決する場面が想定されますので
その際は相談にのっていただけると助かります。

E 。 said...

お返事遅くなり失礼いたしました。ハンチングは職人の手作りでいままでそうとう作りました。きれいなカシミアなどの柔らかい生地で子供用作ったこともあります。お声御掛けいたします。前日までにご連絡いただけるとありがたいです。どういう方向性で行くか最初のイメージ大事ですね。