2014/04/19

白いスニーカー

 

もともと靴職人であるスタッフの須藤さんが製作してくれて、エドワードのオリジナルのホワイトレザーのスニーカーが90%出来上がりました。細部のラインまで妥協なくデザインできることは大いなる喜びです。これで、ようやくストレス無く履けるスニーカーができた、とホッとしている、というのが正直な気持ちです。

本来、激しく動くスニーカーほど履く本人の木型に合わせて作るべきです。既製品でサイズの合ってないスニーカーを履くと100の力で足を蹴っても、70の力しか地面に伝わりません。逃げていく力がどうしても存在します。それ以上に、上質でシンプルなデザインのスニーカーがなかなか無いというストレスのほうが大きかったのですが。。。

イタリアメーカーのスニーカーだと、必ずロゴや個性的なステッチでコテコテ方向一直線になってしまいます。もともと白いスニーカーで足元を“抜く”スタイルは一般的にフレンチスタイルといわれますが、もはや春夏のシンプルで涼しげな定番スタイルといえるでしょう。オリジナルといえど、正直なところナイキのレザーコルテッツとエルメスのニュアンスを使ってさらにシンプルにしている感じです。履き心地はレペットのJazzに近いです。


先日、会社用の書類ファイルを買うために方々の文具屋を回りました。すでに3度目くらいのトライです。何度買いに行っても、結局ストレス無く使えそうなものが無く、買わずに帰ってきていました。

なぜ、ファイルに使う人間にとって何も関係の無い英語のロゴ入れるのだろう、とか革製でシンプルでスッキリしたデザインのものが何故無いのだろうと不満に思います。結局銀座の老舗“ I ”に行き、文具コーナーのマネージャーの方を話すことができました。そこでやはりそうか、という事実を知りました。

『ところで、御社自身は“かっこいいファイル”としては何を使っていますか?』と質問したところ“実はオリジナルで作っています”との答えでした。既成品では欲しいものが(採用できるものが)“無い”というのが、プロの老舗文具店マネージャー氏の答えでした。やっぱりそうか。。。結局作るしかない、という結論でした。


個人的な夢(あるいは趣味?)といってはなんなのですが、自分の使うものをすべて自分でデザインしたい、という地味(?)でアタリマエの夢があります。服飾以外では、ふつうのロゴの無いペン、電卓も(家電全般)、時計も、鞄もひたすらシンプルでデザインにクセの無い、“デザイナーの個性”がない、シンプルでお手入れしやすい(掃除しやすい)、できるだけ単純な構造の丈夫なアイテムを可能な範囲で製作したいと考えています。

エドワードにとっての理想の製品とは?

デザインのキーワードとしては、 “ そっけない ” クドイくらいならはむしろ “ なげやり?” 英語でいったら“ effortless ” でも一方で、素材と製作が極限まで高品質、という方向性・世界観です。地味にひとつづつ開発していきます。

2014/04/02

Dress ! Sir. 装いを手に入れる。

 

先日誕生日で、友人3人からアルニスのタイを贈られた小島君。大喜びで感動のあまりしばし感極まってボンヤリしていましたね。それにしてもドレッサー達、ボーイズ達は、まるでトリュフ犬のような鋭さでLuxなものを嗅ぎ付けます。最近お店に飾って目の保養にしている、完成したばかりのホワイト・レザーの究極のプレーントゥも、マシンと一味違う縫い目の味わい深さと、ウエストの猛烈にセクシーな絞り込みにすぐに反応し、即手に取って欲しがります。ほんと、最高峰の靴やタイに目が有りません。

店の奥の棚に目立たないように置いてあるアルニス・タイを手に取って欲しそうにしていたのを我々は見逃しませんでした。右岸のエルメス、左岸のアルニス、ベタなウンチクを教え込みつつも、ちょっと彼が席を外した隙に、3人で目配せして急遽彼の誕生日プレゼントになりました。業界関係者から何度も問い合わせがありましたがその都度丁重にお断りしつづけていた、エドワード別注の“最期のアルニス”タイ。セーヌ左岸の粋を敢えてウィンザーで〆る。面白いじゃないですか。


カントリーテイストを愉しむ今本君。何がイイって、20才そこそこで、この上着丈・適正なウエストポイントの絞り込み・全体のゆったりしたドレープ。たったこんな単純なことで差が出ます。ここ数年、“背の高い外人モデルに日本仕様のスーツを着せることによって生じる上着丈の短さ”をお洒落なものに思わせようとする洗脳もそろそろ解けてきたように思います。今本君も着こなし、装い力が圧倒的に進化し、堂に入ってきました。

アスコット・タイに関して、エドワードは通常のガチガチのトラッド派とは違って、平面的にパシッと作るのではなく、できるだけ柔らかくふんわり・くしゃっとシワになるように首元に這わせます。カフリンクスはラグジュアリー(贅沢品)ではなくオーセンティック(本物)なものをエドワードでは提供しています。シングルトップに貴石をつけりゃ、そりゃ50万にもなりますが、繊細な本七宝でシルバー925以上ほぼ99で、チェーン仕様のダブルトップで5万円というのを基準にしています。


エドワード後継者、國枝君。彼が着ているのは、往年のアクアスキュータムを縫製していた工場のアーカイヴス・トレンチ・コート。彼は僕より腕が2センチ長く(決してボクシングの相手になってはいけない)、肩幅も2センチ広く共有可能かとオーダーしました。ジェームス氏の特別企画らしく、ハリソンズ・オブ・エジンバラによるタータンの裏地がつきます。秋冬用の淡いブラウンのハリス・ツイードの外に着てもピリッと決まっています。

エドワードではひとり一足は必携であるコーレスポンデント・シューズ(コンビ靴)との相性もなかなかです。ちょっと男臭いスタイルもここ神楽坂の街並みには似合います。ふと思い出しましたが、先日ついにクライアントの髪を切りました。髪型にこだわっていた高校時代以来のことでした(笑)そして少々自信を持ちました。あっ、かなりできるっ!って。あくまで“趣味”でバーバーカットって入れよう、と思いました。まあ、こればっかりは、クライアントの意志を尊重しているので、ご安心くださいませ。。。

2014/03/16

新しい春の涼風、



いよいよここ数日で春を感じさせる肌持ちになりました。ここ最近は予測不可能な天候といわれるものの、けっこう気持ちの良い爽やかな晴れの日が多いような気もしています。神楽坂界隈、飯田橋界隈はオープンテラス好きには最高のスポットがいくつもありますからね!

まずは外堀沿いのキャナル・カフェ。あるいは日仏学院のブラッセリー、時には静かにサン・ファソン。ランチ時には外の涼風を楽しむことが増えそうです。エドワードでは会社的に “ 昼飲み ” を奨励しているので、ほろ酔いで太陽を浴びてクライアントたちとのランチを大いに楽しんでいます。

年代層も激しく入り乱れ、最近のエドワードは活気のあるカオスとなっています。特に全身一式製作の納品時のお客様はほぼ新調一式のまま外に連れ出されますので(笑)覚悟してください。前のお客様と次のお客様同士をたまたま紹介しそのまま全員でランチ、というむちゃ振り連発、これも常に結果的にすばらしい出会いのひとときとなっております。

製作物はさすがに春夏物が増えてきました。一方、寛容なるクライアントのお陰で、エドワード純度100%の独断我儘スペシャルアイテムもオーダーお付き合いいただいております。フォーマルのハンドメイドの燕尾服やヴィクトリア・モードのダブルフェイス仕立てのシガー・ジャケット。そして9分仕立てのハンドメイド・シューズ。一点の妥協も許さないオーダーメイドの極めてクラシックな本七宝のカフリンクス、レディスのパリメイドのブラック・ドレスに、これもパリメイドのレディスのドレス用グローブ(ビスポーク)。。季節関係ない(無視した)ききわけの無い贅沢な商品の数々は、ずっと飾っておきたい(納品したくない?)ほど美しくて、圧巻です。





ついついクライアント優先で、いつも一番後回しになる自分用にもと、先週310グラムの薄手のエクリュ色のH&Sのハイエンド・カシミアでスポルベリーノ・タイプの軽めのチェスター仕立てスプリング・コートを発注しました。色は Higher Beige (限りなく淡いトーンのソフトなベージュ) 。心境変化だか、なんだかついに禁断のカジュアル領域突入?とばかりに厚手ホワイト・デニムと合わせる予定です、、、

そして新しい風として、Dress mannequin (ドレス・マヌカン) というポジションの女性スタッフを置き、レディスのLittle Black Dress をより徹底的に専門的に提案する体制にしました。2011年の渡仏し、パリの老舗工房にてエドワード用に製作し、ひそかに研究し続つづけ、ほんの数名の顧客向けに製作していたリトル・ブラック・ドレスです。哲学的なアイテムかもしれません。

女性のためのダンディーな世界観の結晶といえます。詳しくはサロンにて。もちろん、Gabrielle Bonheur Chanelには最大のレスペクトを捧げております。ここにおいては、単なるショップスタッフでもない、そしてモデルでもない、、マヌカンという点が大切ではないか、と考えております。そして(80年代に一度底値を打った)そもそもの“Mannequin”という本来の存在・機能を復活させようという野心を持っております。

男性Dresssir , 女性Mannequin この2者の存在意味をビジネス的にも世界観的にも明確にさせるために、頭と体フル回転で、ブログをしたためる脳みそ・体力も残念ながらここ数週間に関しては残っておりませんでした。土日、紅茶番長している國枝君も元気に神楽坂ライフを送れているようで嬉しく思う今日この頃です。神楽坂メゾン・ド・ボウ、最高の紅茶を愉しめます。



2014/03/04

お知らせ 昨日からメール・サーバーがダウンしております。


クライアントの皆様にご迷惑おかけしております。申し訳ございません。

アメリカ・オハイオにありますエドワードのホスト・サーバー がまる一日以上ハード異常を起こしており、想像以上に復旧が遅れております。昨日よりメールが使えない状況にあります。本国の対応等含め若干の疑問を感じました。

これを機に、国内サーバーに全面的に変更することにし、速攻で新生アドレスになりました。着る人であり、“旦那様!装ってくださいませ” ( Dress ,Sir ! ) からの造語、Dresssirです。

GentlemansVoyageは現在までその言葉の佇まいも世界観もお気に入りだったのですが、新生エドワードということで、以下のアドレスになります。

info@dresssir.com

アドレスでご不便おかけしておりますが、よろしくお願いします。


2014/02/13

Dress walk @ KAGURAZAKA



EDWARD Boys のスタイルは、みゆき族とも違う、IVYとも違う、一般的なTrad ( 日本独自の和製英語:トラッド )とも違う。もっとまっすぐドレス寄り。神楽坂をドレス・ウォークする木曜日の昼下がり。


そもそも、最終地点は服ではありません。服も装いも途中駅。クラシックのアーカイブから様々なる意匠をひっぱり出してきて、ドレス寄りに装う。


フォーマルな生き方、Dressな香り。箱庭のような、迷路のような神楽坂の小道も自分自身の舞台にしてしまう。かつて作家が缶詰になって原稿を書いた和可菜旅館の前の小道。


ニッポンの街の佇まいを愉しもう。フレンチもイタリアンも最高の和食もある。ここは良い意味でも節操ゼロの、緩すぎる国ニッポン。世界中のGents を、とっておきの空間へアテンドいたします。昼の神楽坂、夜の神楽坂、おたのしみはこれからです。


御座敷『八仙』の前にて。そりゃ、ついつい興が乗って可憐な花には語りかけてしまうこともあるでしょう。。。


世界遺産レベルから見ると、猫の額すらない、ごく狭いエリアにある石畳。パヴェ。かつての名画 『第三の男』の(ハリー登場の)ファースト・シーンでは、天才俳優オーソン・ウェルズがウィーンの街角を走り去って行く。夜はちょっとフィルム・ノワールな雰囲気漂う、かくれんぼうな小道たち。


座敷や料亭のある大人の世界は大人の世界として存在し続けてほしい。大人にあこがれる粋な青年たちがいて欲しい。神楽坂がそんな色っぽい街であり続けることを願いながら。。


パリ、ロンドン、日本。神楽坂には街のいたるところに、小世界を見い出せます。チェーン店ばかりでは困るとばかりに、街独特の個性的な純喫茶や洋食屋、甘味処。。。グローバルはローカルの力でしか超えられない。贅沢を表現する根本的なキーワード2つ。それはDiscovery and learing (発見と学び)。神楽坂にはいたるところにそれがあります。


神楽坂の名店のシェフたちが、急ぎの買い物をする八百屋の名店、そして熱海湯。バー・ジレからもれてくるシガーの香りを感じながら、登る階段は隠れ家ホテル 『 ホテル・アグネス 』 への近道。曇り空はそれなりに、良き撮影日和でした。エドワードのパンフレットやデジタルコンテンツのための撮影を行った一日でした。2月は、集中的に神楽坂各所で撮影予定です。




2014/02/07

Tea time @ 神楽坂



現在、エドワードにて修行中の國枝君が神楽坂の紅茶のお店、Maison de Bow (メゾン・ド・ボウ)で土・日アルバイトすることになりました。明日から出勤とのこと。すでに開店のころから、エドワード関係者全員のお気に入り空間でもあります。端整につくられたスコーンやケーキは満足のいく美味しさです。

お店で使っている、ティー・コゼー(ティーポットにかぶせる保温用のカバー)とコースターは、ブルーと黒のサッカー生地で、ウール60%、麻38%、ライクラ2%というコロニアル・ジャケット用の生地をリクエストされ、エドワードで作りました。

紅茶といえば、確かジョン・レノンとポール・マッカートニーは二人とも茶葉を手巻き煙草に混ぜて喫っていた、という話があります。これには共感できます。すきっ腹に、気持ち悪くなるギリギリの手前まで強めの紅茶を飲むと、ある種の心地よい眩暈(めまい)がしてそれが中毒になってしまうからです。(おススメはしません、真似しないよう願います)

さて、今日はオリエンタルなキームンを味わいながら、現在進行中のクライアントを夢想・妄想していました。その時、ふとトレーニング中の國枝君を思い出し、Maison de Bow で働いている姿をイメージした時、あの髭(ヒゲ)は必要ない、と速攻メールしました。

実は自分自身でもそう考え、さらにアレックス君からも指示があって、昨夜すでに剃り落したんですよ、と返事がありました。さすがですね、佇まいに責任を持つ姿勢。エライですね!

2014/02/01

あしからず、2月3(月)は不定期ながらお休みいただきます。

 
2月になりました。時が経つのはつくづく早いものです。来週の月曜日はお休みいたします。あしからずご了承お願いいたします。私事ながら、第二子出産のため3ヶ月ほど松本に帰省していた一家を日曜日迎えにいき、月曜日夜帰京します。保護者代表を二期連続やってる真面目育パパ業再開です(笑)
 
3才長男Scottと1ヵ月ちょっとの長女Mariも田舎松本の日本アルプスの空気を吸って元気に育ちました。Scottは松本でスイミング・スクールに通っていました。見学したところ、先生のいうことをきかず勝手に機嫌よくワンパクし放題で大目玉をくらっていました(笑)理想的に育っています。
 
Mariもおそらくおてんば娘に育つだろうと思っています。独自の経験をたくさんして、おもしろいピリッとした人間に育ってくれればと願います。子育ては深い世界ですね。親が学ばされます。小さくても、一人の人間として普通に気遣いしてあげて、厳しいながらも、できるだけ尊敬しようと思います。
 
写真は、生後9ヶ月での香港旅行2011年8月。Scott初の水泳体験。レパルス・ベイでの海水浴もしました。泳ぐ、走るはスポーツの中では言い訳できないソロ・スポーツ。ひとつはやるべきです。一方パパは、水泳とも異なる、楽に泳いでいるように見せつつも、結構スピードがあるじゃないか、の“ホテル・スイミング”の世界を究めようと?精進中です。
 

 

2014/01/31

Supreme mode and Edward Boys

 

数世紀にわたる服飾史を俯瞰した時、“ モード mode ” とは “ 出し抜く ” ことだ、ということがわかります。現在のように、少々高いお金をかけてモード服と呼ばれるものを購入し、モードなグループに入るという行為ほど本来のモードからかけ離れたものありません。


Dresssir®(ドレッサー:特殊スタイリスト)のboysたちにまず一番最初に指示するのは、

1.眉毛の形を作り込みすぎないで、自分が理想と思う形につくらないで、自然のままにすること。どうしても、という時も最低限整える程度。

2.髪型は、決してエアリーヘアにせず、スリーク・スタイル(7・3に整え、刈り上げ過ぎて今風にもしない)にすること。

昨今の20代前後の男子は、細眉で美容室メイドのヘアスタイルですから、上の2点をやると、一気に労せずして、同世代スタイルを出し抜けます。みんなが労力という名の足し算するところを、何もしないことによって違いを作ります。

眉は、自分でザッと整えるか、ガチのヘアメイクのプロに本気でナチュラル仕上げにしてもらうか、どちらかです。素人が自分の感性で理想的な眉形をつくろうとするから失敗してしまいます。眉によって表現されるのはその人独特の“素朴さ”ですし、そこまでが眉ができる最大限の仕事です。

その骨格で、その眉形は無いだろう、という強引な矛盾を作り出してしまいます。レベルの高いクラシックなお店であっても、スタッフがそのような雰囲気だと、感性のレベルの天井・限界を感じて息が詰まって、こちらは呼吸が苦しくなってしまいます。

19歳の国枝(くにえだ)君。先日、六本木の森アーツセンターギャラリーへ“ラファエル前派展”を観に行き、4時間のトレーニング。縫製職人ではなくドレッサー候補なので、手の仕事ではなく目・口・ハートの仕事です。

日本は製造業においても、手の人間、いわゆる職人は優秀な方がたくさんおられます。昨年、新潟の燕市小林研業の社長になぜに日本はモノづくりが優秀なのに国の豊かさにそれが反映されないのかを質問しました。

氏の応えは『PRが下手だから』でした。つまり、手(ものづくり)は十二分なのに、目(目利き・評価)、口(プレゼンテーション)、ハート(情熱)が不足というところです。目、口、ハートの使い方は自然の美や歴史や古典、哲学などの教養の力が必要で、それが世界へむけてのプレゼンの場面では底力になるように感じます。

ドレッサーたちも、色や形などのアイディアは、古典絵画・自然・歴史から学んでもらいます。ついでに言うと当日、煙草をやめることを宣言したので、お祝いにオリジナルのタイを贈りました。どなたでも、彼が一服しているところを見かけたら、ネクタイがもらえます(笑)


高校時代はずっとキックボクシング一筋でしたが、現在は物静かに闘志を燃やす青年です。髪型は仕事中はかっちり撫で付けて。カントリースタイルの日や休日はバーバーカットのままで自然にしていてもかまいません。後ろ姿がこれくらい端正だと、20歳とは思えない大人っぽくて、むしろ超越した雰囲気が漂います。

自然に鍛え上げた背中が洋服以上のプレゼンスになります。健康体の20代で、洋服で体型をカバーするためにオーダーしたい、などと言ってるような甘ったれているヒマがあったら、毎日、腹筋・背筋・スクワットを30回やって半年後にご来店ください。いかなる分野でもお金のかからないアタリマエの努力がプレゼンス(存在感・おし出し)を向上させます。歩く、とか早寝早起きとかきれいな挨拶とか。。


国枝君の先輩格である小島君。現在、熱海で修行中。小島君も野球でピッチャー一筋だったので、体格的に恵まれています。昭和の香りのする、気概のある男子の友達が多いのは小島君の人徳です。本格的にクラシックに徹することで昨今のファッションの世界から見ても、むしろモード的にも周囲を“出し抜いて”います。





出し抜きすぎて、もはや昭和の理容室に飾ってある写真くらいの勢いです。いいんです!ちょうどそれくらいで。精一杯きちんとした正統派を目指すという姿勢こそが大事です。たとえそれがパイプ椅子でも。手持ちの武器を総動員して最大限の努力で戦う、というマインドが自由度の高い無敵の大人をつくります。


オーダーメイド・ガイド Ⅱの撮影風景。この撮影用に購入したのは、代官山のヴィンテージ・ショップ “ デーヴィッツ ” にて購入したブルーのライダーズ・ジャケット(クライアントである山口氏用に購入)とブレイシーズのみ。トラウザーズは、ウエスト120cm用の方のゲージ・サンプル。この撮影で、小島君の俳優として才能を持つことがわかりました。プロデューサー、カメラマン、全員の意見でした。


こちらは、スリーク・スタイルが得意なAlex君。クリスマス・パーティーでも小島君とペアになってのドレス・ウォークで、優雅で妖艶なアドリブで観客を愉しませてくれました。この顔でベタのモードをまとうと、東京というモード空間において一撃で悲しいくらい効果的に埋没します。都市の臆病さである、無名性を生きるより、粒立ちの良い有名を生きたほうが愉しくないですか。


スコットランド土産のボウモアのミニボトルを贈ると、その場でさっそく味見をしてみた午前11時。ネクタイ、ポケットチーフ、いずれも正統派スタイルなので極めて定型的ですが、それで良いのです。スタイルの本質・核心部分は自分とスタイルの関係性なので、それが誰かと被ろうが違おうが知ったことではありません。見た目が同じでもマインドが違えばそれは立派な違いです。


さて、こちらは今本君。昨年のピクニックの際、誕生日だったので贈ったフレッド・アステアモデルのコーレスポンデント・シューズを履いています。ツイードスタイル、正確には国産・尾州産のヴィンテージ生地。淡いグリーンのホームスパンです。一番英国的(スコットランド・カントリー的)な風合い・色合いです。英国の田園風景の色そのものといえます。


今本君世代、トガったもの、スルドいもの、極端なもの、不自然で化学的素材・色彩・デザインのケミカルなものを好む傾向のある世代です。そこでむしろ柔らかく優しい素材を選び、本格的にクラシックな装いに仕上げてみせる。これ以上の逆張り、出し抜きはありません。緻密にマーケティングしても、あっさりと悠然とそれを逆に張ってみせる。Dresssir® はDandy予備軍です。


番外編)この兄弟生地(すこしトーンが違う)がこちら。レディズの3ピースでも製作しました。包み釦はスーツ生地と共生地を使います。違いを作らないという点でこれは引き算を意味します。同じトーン&カラーで続ける、ということです。綺麗なシャツの中はイタリアの老舗ネクタイブランドであるマリネッラのショート・アスコット。袖口は、スコットランドエジンバラでお土産として写真Hさんのために購入したアラン織りのスリーブ・ウォーマー。

2014/01/25

Advanced country classic " turtan "

 
 

はや1月も後半。今年は気持ちよく晴れ渡る日も続いて、なんとなく皆さんの機嫌も良い今日この頃。天気の良い日中は、お気に入りの音楽聞きながらゆっくり散歩するだけでも幸せを感じます。お天気次第で、着こなしの愉しみも広がります。

さて、洋服業界的にはそろそろ春夏物、という流れにあるのですが、エドワードエクリュ洋装店的には、まだまだ秋冬の装いを作り続けております。ツイードのジャケットはもちろん季節に合わせるわけですが、場面にも合わせて使います。

たとえば、1. City  2. Country  3. Formal と3区分で装いを組み立てますが、身近なところでたとえますと、街中のビジネス街で働くウィークデイの1.の着こなしから、休日には、2 のカントリーウェア(ドレッシング)の装いとなります。街中でも、たとえば銀座を散歩する休日に、ツイードもよろしいでしょう。

ちなみに、2014年のエドワードエクリュは、定休日を水曜日、日曜日と設定させていただいております。通常営業時間は午前9時から午後6時です。ご予約・ご紹介のみの営業ですが、ご予約のご相談で時間はある程度調整可能となっております。

スタッフの装いも、月・火・木はCityのビジネス寄りのスーツ・スタイル、金・土は、Country寄りのカントリードレス(カジュアル)となっております。もちろん、水曜日、日曜日もカントリーとなります。なんとなく、ロンドンの街中以上にスコットランドの田舎のほうが気になる、という志向性が出てしまっています(笑)

一番上は、スコットランドのアイラ島のミルにて現地で入手したラフロイグのヴィンテージ・タータンです。淡いグリーンのベースに淡く自然なコントラストがスコットランドのキュンとくる草原の風景を思わせます。日ごろロイヤル・カスタマーでありながら、多くを教えてくださるクライアントへの贈り物として2ピースでジャケット+ウェストコートを製作中です。

ヴィンテージだけに、下ごしらえに時間がかかりました。贅沢な世界です。時間の経過で柄が少し歪んでいたので、須田町の縮絨専門店で一度やり、それでも納得できなかったので、教えていただいた名古屋のシュランク専門業者で再度柄を整えていただき、製作にかかっています。もはや、本物の贅沢は田舎と歴史の中にある、ということを体現しているかのようです。


さて、さらにカントリー・スタイル、いやもはやカントリー・スピリッツをCityに持ち込む猛者どもも現れ始めました。昨年あたりからツイードに合わせるタイの相談を数人から承っておりました。そう簡単な合わせではありません。ヘビーオンスのツイードに負けないVゾーンは、高度な応用問題といえます。
 
ビジネスに使うツワモノたちは 敢えて白のリネンのポケットチーフに合わせて、ONの状況を表現したり、素材感が強いものの、オーガニックながらパワーのあるネクタイを合わせるなどの挑戦で切り込んでいきます。
 
この方向性はウォーム・ビズやクール・ビズのような機能志向によって色気を失くすドレッシング・スタイルとは違い、やわらかいメッセージ性と挑戦的なスピリッツがあります。クラシックな装いへのノスタルジーや素朴さを志向しています。
 
一方、年間を通して変わらずタキシードは作りつづけております。ブラック・タイはその手結びのボウタイから始まって、オニキスや白蝶貝のカフス&スタッズボタン、ロングホーズ、キャップ・トウのカーフの靴、、、など装い文化の優雅な集合体です。そろそろ、春夏の声も遠くで聞きながら、頭の片隅では2014年の柔らかいスーツに思いを馳せてしまいます。
 

 


2014/01/09

熱海から哲学を越える旅へ


 
2013年末、11月ごろからインターナショナルに活躍されておられるアカデミック界の方々とのご縁が続きました。いずれも文学・歴史・哲学に関わる方々でした。Gentlman'sVoyageの気が遠くなるような道中にて何かいままでとは違う人生の"Quest(探究)"が来た、という感覚がありました。何か違う流れが来ている、違う匂いがする、と。
 
そんな時、ジェッ子こと伊藤善之氏より、三重の医師で脳の進化(人化)を巡る究極の研究結果そしてAnswer を持っている人物がおられて、話を聞きたいんだけど、一緒に聞きませんか?という誘いがありました。世界に対するひとつのAnswerを導き出されておられるとのことで、非常に興味をそそられて行くことにしました。
 
未だ霊的な体験はしたことがなく、そのような能力も持っていないのですが、身近なジンクスを守ったり、小さなサインは信じています。その日、お手洗いに行った時、おもしろい数字と出会いました。5は、よく人生に登場する数字です。ご縁があるのかもしれません。4桁のぞろ目は時刻として目にしますが、5桁は珍しいです。

 
 
熱海の1泊2日で確かに世界観が更新させられました。哲学科で学んで、卒業後も無意識的に考えてきた最新の世界観だったのですが、たしかに書き換えることになりました。いっしょに参加していたのは、伊藤君、カリスマ編集者、建築会社社長、メディカル媒体経営及び慶応大学講師、理学療法士、というクルー(敢えて、Questな時間だったのでCrewというイメージ)でした。
 
。。。。人類は、紛争や戦争を意図的に生み出したり、核兵器を作ったり、貧困と富裕の格差を様々な手法を通して生み出したり、人類の手によって人類が生存しにくい方向へどんどん推し進めていく。なぜ?どうして?その明確な理由は何?
 
。。。。それは、救いようの無いほど、めっぽうややこしい生き物の集合体である人類は、今ここにフツーに生きていられる、というごく真っ当な有難味を(困難が存在しないところで)理解し、感謝し、味わうことが出来ない。敢えて次々にハンパなく困難な苦しみを感じないと有難味を感じることが出来ないから。。。。

 

2014年1月4日の朝までは、上のようなおおざっぱな答え?イメージ?の世界観を持っていたのですが、ついに哲学科以来、約25年ぶりに世界の見立てを大はばに更新しました。

世に存在するものは、大きくいうと2つに分けられます。シンプルで深いもの、複雑で浅いもの。前者は不安になるほど物足りないので、エネルギーの持っていき場が内省的な方向に進むしかないもの。一方、後者は表層的でどんどんモデルチェンジして横展開して、いつまでも浅い、という方向性。

いずれが優だ、劣だではなく、いずれも元気に存在していて、多様性が確保されている状態が理想ですね。ただ、現在は全体からみると、圧倒的に複雑で浅い、という方向のもの一辺倒なので、過激にシンプルで深いという枠(わく)はガラ空きです。

話が少々それましたが学生当時は、遠くにあるもの、複雑なもの、理解できないものを真実のように捉えてありがたがる、という当時の哲学の風潮に違和感を持っていたので大学の卒論はイマニュアル・カント(独)の認識論を選びました。

が、今回はそれ以上にシンプルでニュートラルでごく身近でわかりやすいところから脳・人・世界に対する答えを出してこられました。紳士風情の旅人であるGentleman'sVoyageも、HumanQuestの大いなる世界水路の傍らを旅したいものだと考えた次第です。

2014/01/01

2014年、あけましておめでとうございます。

 

振り返るに、2013年は Very EDWARDECRUSなスタイルで営業させていただき感謝しています。まことにありがとうございます。

服飾業界では非常識と言われますが、全身一式を勝手に製作するというスタイルでありながら、純度を落とさず成長できているのは、理解と夢と(もしかすると?)先見の明をもっておられるクライアントのお陰です。

このまま、この不思議で特殊なトラッド・ショップが発展していくとなると、最終的にどうなるのだろうか、という実験心、好奇心でもかまいません。面白がりながら、ご贔屓いただけたらうれしく存じます。

さて、今年は午(うま)年です。

個人的な話でありますが、私は丙午(ひのえうま)、B型、乙女座、ペガサスという現実離れしたスペックを背負っておりますが、この特性に正直にまっすぐ全開ですっ飛ばしてまいりますので、よろしくご理解ご鞭撻のほど、お願い致します。

ペガサス的に世界を飛翔するにあたり、むしろふだんは鬼のように地味にワーカホリックに徹する所存です。ほとんどの魚が水の中以外の環境を知らないように、いやいや知らなくて結構、特に2014年は仕事の中に棲もうと思っています。

年の瀬いろんなことがありました。父親譲りの勝負強いネタ体質で、クリスマスの12月24日、はじめての娘も誕生しました。いっそ名前はマリアかノエルでしょ、ということでベタのど真ん中に決めました。もっとも今はマリアというより毬(まり)って風貌です。。

さて昨夜大晦日は本郷三丁目の佐山氏の道場で過ごしました。年が変わる30分前に皆様より一足先にひとり道場を出てタクシーで靖国をまわり神楽坂のサロンまで帰って来ました。そのまま今年の狙い通り仕事に没頭しながら年を越すことが出来ました。

一番やりたいことをやりたいようにやれている、ということにまず感謝ですが、世界に一軒くらいこんな洋服屋があってもいいじゃないだろうか、という3カメ目線のストロング・スタイルで粛々と前進いたします。

今年のイベント的なことで言うと、8月にパーティーと書いていましたが、現実的に考えて5月の早めに変更し、キャナル・カフェでカクテル・パーティーを催そうと思います。紳士は白系の涼しげな3ピーススタイル。女性はカクテルドレスというきわめて優雅なスタイルをドレス・コードにさせていただきます。

エドワードのオリジナルのカッティングでパリの工房で製作しているレディスのリトル・ブラック・ドレスの展開も徐々に増やそうと思います。女性のドレスはやっぱり掛け値なく素敵です。

2009年夏にキャナル・カフェで催したパーティーの時のようにデッキからの注目を集めることと思いますが、それも劇場型で面白がってみればよろしいかと存じます。夏は印象派の絵画のような設定でクラシックなピクニックを究めたいところです。

今年も皆様にとってすばらしく実りある、そして喜びに溢れた一年であることを祈りつつ。

下動画は、年末カラオケ行く機会あり、あれこれ動画も見ていてたまたま見つけたものですが、後半6分前後の、色即是空な表情はついついリピートしてしまいました。。イヴニングドレスも、大人の女性の魅力を引き出すトリガーですね。。

 




2013/12/14

Million thanks from " Christmas Castle 2013 "





皆さまに喜んでいただき何よりです。ご参加くださり、ありがとうございました。その場を、より一層愛に満ちた素晴らしい空間にしようと努めることが使命のBlack Tie ( 黒服 ) たちと。普段のジェッ子スタイルから、この日は最上位の礼装White Tieで登場のJet氏こと伊藤氏。

そもそも、われわれはこの世界というパーティー会場においてBlack Tie 以上の働きをしたいものです。当日は、乗馬用燕尾服(バロン氏、急用ありアフターの写真撮れず)、燕尾服、フロックコート、モーニング、タキシードが勢ぞろいでした。壮観でした。イヴニングドレス、ハットで華やかにキメた女性陣ともに、目に最大級の栄養をいただきました。

より一層フォーマルに、より一層ドレスアップに振り切っていきたいものです。女性のイヴニング姿、ハット姿。フォトグラファーにしっかり撮影していただきましたので、後日CDなどでお渡しかと存じます。西任さんの司会、歌、ギターのひらおかさん。リクエスト通り、My favorite things も大変な評判でした。

My favorite things コーナーの松本氏、山岡氏のご自身のお気に入りに対する夢を感じさせるShow & tell もすばらしくて、ゲストが熱心な集中力を持ってステージに注目しておりました。バロンの馬の解説、作成DVDも30分で作ったようには見えませんでしたね。

Our favorite Kagurazaka コーナーでご登場の3つの名店である、メゾン・ド・ボウさん、大〆(おおじめ)さん、蝶(ちょう)さん、われわれがお気に入り店にしている神楽坂レコメンドの生きた紹介ができました。

たいへんお忙しいところお時間とって参加、ご協力いただき、まことにありがとうございます。これでさらに一層熱いファンになることが確定いたしました。

おっとっと、ドレッサー&ブラックタイ軍団である小島君、アレックス君、音響・照明担当のカンジ君、いずれもDress Walkでユーモアの隠し味効かせつつ上々の出来でしたね。お疲れ様です。

なによりもまず、昨夜一番の主役であったゲストの方々。フォーマル&ドレスのお手本のような着こなし、ありがとうございました。皆が好き勝手に色彩を爆発させると、カラフルな地方都市の商店街のようになりますが、一定のトーンを共通にすると、全体が端正で美しくなります。

今も昔も雑誌では必ずといっていいほど二言目には、あたかもそれが個性的な考え方であるかのごとく、  

“ ふつうの正統派のフォーマルは飽きた、、、だから、僕らはヒネって、ハズして、アソんで、、、自由に何々~する ”

といったキャッチコピーが(飽きもせず)誌面に踊ります。当然のカジュアル全盛であります。カジュアル、フォーマルのごったまぜの平均値文化です。

つまり、フォーマル・ドレスアップを “ ヒネる、ハズす、アソぶ ” 人々ばかりが現在ほぼ100%といえます。100%が何かしらヒネッている環境を見据えた場合、一切 “ ヒネる、ハズす、アソぶ ” をやらかさないことこそ、実は今世紀最大のハズしだ、といえます。

ヒネらないのもヒネリ。ハズさないのもハズし。そして遊ばないのも遊び。流行に支配される属国の館になるくらいなら、孤島にそびえ立つ王国の城でありたい、と考えます。

さて、さっそく来年予告ですが、Christmas Castle 2014年は、12月6日(土)開催いたします。昨日予約してきました。場所も同じくアグネスホテルにて。その前に2014年には8月に飯田橋キャナルカフェを貸し切って大人のためのSummer Night Party を催します。 もちろんドレスコードはBlack Tie 以上です。楽しくなってきました(笑)

2013/12/12

小さな王国として輝かせていただいた、2013年。



まことにもって、ありがとうございます。2013年今年も、EDWARDÉCRUS®王国として徹底的に純度高める上げることができました。重ね重ねありがとうございます。
あらゆる面で小さな、しかしピリリとした進化を遂げることができました。上写真は今年の夏のピクニック。古典絵画の素朴な世界観を楽しみました。
もはや今年も終わったような少々お祭り気分でおります。さあ、2009年のパーティー以来ですが、お馴染みのこの歌 “ That's What Friends Are For ”   をみんなで唄う季節がやってまいりました。

明日のクリスマス・パーティでは、力強く2014年の実りを思い描きたいものです。そして来年も、エドワードエクリュが描く世界観が、こだわりのある皆様のひそかな My favorite things にしてもらえるように、もっともっと純度を高めてまいります。
アグネスホテルも宿泊客で満室になっているようです。思いっきりドレスそしてフォーマル。これは泊りがけに限ります。では明日!!


2013/12/07

Vision of " The Man "



先週日曜日、12月1日、三浦海岸のマホロバマインズホテルへひとりの男に会いに行きました。時々、エドワードの3ピース・スーツのネームに “ The Man ” とだけ入れることがありますが、それはこの紳士から男スピリッツをあやかりたいという気持ちから来ています。

自身もカヌーでオリンピックに出場、ご子息もオリンピックのアスリートとして育て、自衛隊体育学校の教官としても、多くのアスリートに影響を与え続けている本田大三郎氏。サッカーの圭祐氏の大叔父でもあり、彼に “ 本田ノート ” を伝授した偉大な教育者としても知られています。

 一昨年夏『本田の男は骨で闘う』という著書をたまたま手に取って、読み終えて、アポを取ってすぐその日のうちに本人とお会いすることができた、という幸運からご縁が始まりました。2人のご子息ともにポテンシャルの高い才能あふれた紳士であられます。
初めて神楽坂に来られ、毘沙門天で待ち合わせした際、真夏にも関わらず、淡い色のブレザーにタイドアップされ悠然とした笑顔で登場された時の感動を忘れられません。
スターの超絶プレイを目にすると、当然圧倒的な感動があります。その一方で、彼らを育てた人物の話には深く後を曳く哲学を感じさせられます。氏はライフワークの一つとして “ チャンピオンスポーツの弊害を説く ” というテーマをお持ちです。 
たとえば、金メダルを獲得するのは1%以下のアスリート。つまり金メダルを勝者とする絶対尺度があるとするならば、相対的に99.999999....%はは敗者になります。

とすれば、競技優劣だけのチャンピオン・スポーツ尺度でいうならば、スポーツ人口においてほぼ100%が敗者である、ともいえるわけです。
スター勝者の身の振り方を心配するよりも先に、絶対的多数である敗者(というか一般人)のその後の人生を建設的に・豊かになるべく考えるほうが重要だ、という考え方です。
紳士にとってスポーツとは?と、スポーツやオリンピックについての本質的な質問に対して、淡々と、しかしマグマのような静かな熱さを持って語ってくださいます。まずは、心を学んでから。それから技術を学びトレーニングする、という順序が大事、と。スポーツは前後が大事ということなのでしょう。
カヌー、ヨット、テニス、ゴルフ、そして乗馬も、、、そもそもヨーロッパでは練習が終わった後にくつろぐ、心のバックグラウンドとなるクラブハウス文化があります。このクラブハウスが大事なのだ、という部分に僕自身も強く共感しています。先輩やOBが後輩たちに心の在り様、スピリッツ、マナーを自然にクールに(かっこ良さとして)継承していく場。


そして、将来の自分自身の心のよりどころ、サンクチュアリとして、スポーツ少年が青年になって、そして大人になる。いつのまにか結婚式、仲間とクラブハウスで挙げる、少々バカ騒ぎもする、そんな思い出も、輝かしい人生の1ページになるはずですね。

僕の立場からのヴィジョンですと、装いも必要充分なオーセンティックなクラブハウススタイルであってほしい。子供であっても、いやむしろ子供のころから、本物の片鱗に触れる感覚を育てていってもらいたい、と考えます。

エドワードエクリュのクリスマス “Christmas Castle ” 12月12日(木)開催ですが、氏のインタビューをムービーにて会場で流します。当日、音響の問題もあり、本格的なディスコティークスタイルが厳しくなりましたが、参加者にとっての発見と学びがありますように ということで、内容を充実させております。お楽しみに。




2013/11/26

Extrem Scotch Wedding @ Islay



旅の初日は快調だったものの、次の日あたりからパソコンの調子が悪くなりました。正確に言うと、ちょっとした新しい設定ができなかった(おっくうさにどうしても打ち勝てず)のが理由でもあります。もし続編を待っておられる方がおられたとしたら、たいへん失礼いたしました。きわめて最低限のIT知識しかもっていない状況も“ごくまれに”不便です。
はや、帰国から1週間が経っており、なんだかんだほぼ毎晩アイラ・ウィスキーを飲んでいる現状を考えるに、人はそれを “ おまえはすでにハマっている ” と呼ぶのかもしれない、と宵(酔い)越し、うすらぼんやり思う次第です。近寄りたくなかった禁断の果実を、とうとう、またひとつ食べてしまったらしいです。運命には逆らいません。


14日(木)、15日(金)とエジンバラにおり、16(土)の早朝グラスゴー、そしてアイラ島へと向かいました。エジンバラ始発電車5時55分、GoGoGo、覚えやすいです。グラスゴーは20代だったらダンスミュージックで表現するならば、マッシヴ・アタック的というか、ブリストル・ビート的魅力を感じたかもしれませんが、今はゆったりした古都エジンバラが落ち着きます。17日また同じホテルに帰ってくるので、荷物はストレージに全部置いてもらいました。

着用したタキシードに現金、携帯電話、カード、お土産を持って過激に軽装な礼装で出発。酔狂にもアイラ島ではずっとタキシードで通しました。早朝、冗談好きのドアマンのリックにパームコートで撮影してもらいました。ここ夜はボリンジャーというバーになります。


池袋や新宿にいるより個人的には迷わないシンプルな駅のデザイン。ぶっきらぼうながら非常に機能的です。すべての電車が同一平面上にあるので、間違っても地下に潜ってという足労がありません。シンプルに利便性を考えたら駅のデザインはこうなるしかありません。途中、どうしてもどこかの売り場を通り抜けないと目的地に到達しない、というマーケティング設計だと確信犯的にひとを道に迷わせるデザインになります。それもそれで面白いですが(時間があるときは)。。



このDawnPinkドーン・ピンクという淡いさわやかなピンク色を見ることができる醍醐味、これは朝起きの愉しみです。甘く、気持ちよく、やさしく一日をスタートできます。ひとつ前に座っていた窓際の女性の島を眺める表情が印象的でした。過分な妄想族の僕は彼女の人生があっという間に勝手に物語化され、勝手に感動していました。


アイラ島に到着し、宿泊先のボウモアのコテージまで20分ほどタクシーに揺られます。やはりウィスキー関連の仕事をされていて、お気に入りのお酒やレストランについてあれこれ教えてくれました。食べ物やお酒の話をすると一気にいい笑顔になるのは全世界共通ですね。


コテージに到着。今回のアイラ島の主役であるY氏。すでに朝から愉しい大人パーティーがはじまっていました。僕はウィスキービギナーなので、そもそもその価値が良くわかっておりません。目の前に出していただいたもの、薦められた一杯をとことん真面目に飲み干すのみ。食わば皿まで、飲まばグラスまで。その肚決めはタキシード1着でアイラを乗り切るところで表明しました。


コテージは大きさの違うオーブン3種類も完備され、広いキッチンです。日本からY氏ご友人で世界を舞台にひっぱりだこで活躍されている料理職人O氏が台所に立っていました。ああ、これは非常に贅沢な旅なのだ、と一気に喜びが膨らんで、うれしくなりました。肉の焼き方、魚の選び方、などさわり部分を少し教えていただきました。今後、氏とヨーロッパで合流できたら最高ですね。


このブラックボウモア、たいへん貴重で贅沢なウィスキーらしいのですが、これを朝から飲むクレイジーさの度合いは理解していません。みなで和気あいあい愉しみました。隣にいたドイツから来たクリューガー氏、ミッシェル氏からすすめられるままに、いろいろな(ありえない)マリアージュを愉しみました。

サラダに掛け、アイスクリームに掛け、マジパンをブラウントーストに載せてバターつけてジャムつけてその上からかけ、洋梨にチョコレートを載せてその上から掛けと、徐々にこちらも酔いがまわって来て、めっぽう気持ちよくなってきました。酔うと、忘れていたドイツ語も思い出し、調子に乗ってクリューガー氏とドイツ会話もいくつかできました。


もはや、“早飲み”というライトなものではなく、文字通り酔狂な secret society " Black Bowmore Breakfast " Club の誕生した瞬間でした。その後、これは何の集まりなの?とアイラのレストランで訊かれるたびに、そう答えていました。言われたほうも、心得たものでその酔狂さをブレンドした架空の権威に、架空の礼節で応えてくれ、クレイジーで愉快な展開となりました。





コテージは快適でした。素朴な雰囲気を湛えながら、押さえるところはキチンとおさえる、という最も理想的で快適なプライベート・ラグジュアリーの基本に徹しています。この島のメインディッシュは何か?訪れるひとびとの気持ちを大切にしている、ということでしょう。


現実的にお酒が強くない人間にとって定期的に服用するウコンサプリメントは必須となります。


ウィスキー漬しのブレックファストがおわると、ソファーに移動し、ちょっとくつろいだ時間。そこに当然のごとくウィスキーが待ち構えています。3本のクラシックの奥にちらりと覘くのが、バチェラー・パーティー用(結婚前の不謹慎なバカ騒ぎパーティー)のプレイメイトがヌードで登場しているウィスキー。すばらしい。バカ男子的お祭り騒ぎは全世界共通です。


アイラにある、たいへん詩的な佇まいのラウンド・チャーチという教会での挙式でした。全面的に感動いたしました。土地の気を全身に感じる・焚き込むという御馳走につつまれながら、ひじょうに心を動かされる式でした。Yさんご夫婦、永遠におしあわせに!


新郎役のダンカンさん。スコットランド製チャーリーズジャケットとキルト。完璧な一式で新婦の父親役で登場。





今回は、エドワードエクリュで新郎Y氏の全身の装い一式(ジャケット・ベスト・シャツ・カフス&スタッズボタン、キルトスカート、ボウタイ、ソックス、ギリーシューズ、、、スポーレンはご自身入手)を製作したご縁での挙式参加、というのがアイラ島訪問のメインディッシュでした。もともとは、妻と新婦がお友達というご縁です。これも不思議で、昨年秋ごろにご夫妻と神楽坂のアイリッシュバーで一杯やりながら、 “ Yさん、次はもうキルトでいきましょうよ ” と半ば冗談で話していたのでした。このような最高の形で実現するとは思っていませんでした。

遠くに海が見える、小高い丘の教会。こんな美しい風景はそうそう見られるものではありません。感動しました。



プライベートに戻った神父(おそらく牧師でなく、と思いますが、確信持てず)。氏のツイードがすばらしく、褒めると50年以上前のモノとのこと。どうりで。知れば知るほどOld is best. という逸品がこの世にはたくさん存在します。


ほっと一息、で杯を傾けます。コテージ隣の蒸留所にて。お二人のチェックはマクドナルドというディストリクト・チェック(タータン)です。これは日本からHarrisons of Edinburgh のもので作りました。400グラム前後の生地でまさに今回のように旅に持参するにぴったりのものです。本気のキルトのファブリックは猛烈にヘビーオンスなので、旅には向きませんね。


どこでも、片手に一杯。蒸留所をまわって、その製造工程自体がおおいなるメッセージであることがわかりました。究極のスロープロダクトです。


普段、ソーダ割りでよく飲んでいるラフロイグ。老舗が生き続ける方向性として、ボウモアとまた異なり、合理化を進める中で伝統を守ろうとする老舗です。ヴィジターセンターの充実したプレゼンテーションは、贅沢な大人の社会科見学といえます。もちろん作業工程、風土、歴史、ありますが、その老舗の哲学が長い歴史の中で淡々と語られています。多くを学びました。



生き方も含め、昨今世界の紳士服業界における本当にセンスの良い方々からの評価がぐいぐい上がっているチャールズ皇太子。逆風もなんとかやりすごした氏の人生も尊敬いたします。タキシードの着こなし、フレッドアステアよりも歴代のジェームズ・ボンドよりも誰よりも必要充分な華麗さと、端正さを湛えております。氏の言葉にも静かで深いディグニティーを感じます。