2010/04/11
私的桜百景、
今年僕が桜に最初に出会ったのが上写真、3月11日。これは結構、自慢できるくらいに早いんじゃないかな。いつものように、御苑の千駄ヶ谷口から入って早朝の散歩中のことでした。早朝の散歩は誰よりも早く旬の空気を感じることができます。季節感とは、言うまでもなく、単純に暖かくなった、寒くなった、湿度が高い、湿度が低い、というような、服飾業界だけの物差しではありません。日差しのやわらかさ、木々の力づよさ、緑の深さ、花の色めき、土の暖かさ、風の肌あたり、、、、自然は、ひとことでは言い表せません。
日なたくさい感じ、日差しは充分ですがまだまだ肌寒い日です。そういう日は秋にもあって、ちょっと切なくなるようないい気分になりますね。桜が咲く、ということがとりわけ特別なことだということが体感できます。これは日本人のDNAなのでしょうか。その存在感がまわりの物に向かって“ ほら咲いてみたよ ”とつぶやいているようで、遠くのほうからでも際立っています。
文字通り、梅春ものは春まで活躍ですね。やや厚手、シャークスキンの生地など質感も色も季節に沿いながら、季節を愛でているスタイルとしてお薦めします。クラシックな美意識を愉しみながら、めりはりのある日本の旧庭園をゆっくりと歩くと、なんともいえない季節との調和とリズムを体感・体得することができます。禅の意識に近いかもしれません。そこで、自分の意識と自然との間に感覚的な矛盾がなければ、その着こなしはハーモニーを得ている、ということかもしれません。僕は国産、低速ションヘル織機でつくられる葛利毛織の3ピース・スーツに中肉ウールのコートでこの季節とつきあいます。
これは、4月7日、早朝5時40分。午前7時からの“スクール・エドワード”(顧客で将来注文服業につきたい方に1時間授業をしています)のために早出していました。桜もほぼ満開。霞の背景の桜も予想通りすばらしかった。ラウル・デフュイが雪と霞にけぶる橋を描いた作品が広島美術館にあったのですが、ちょうどその淡い背景描写はこのような霞を最大限うまく表現していました。早朝の日差しは曇りであっても清浄なトーンです。
こちらは、4月8日。いよいよピークを過ぎ、そろそろ花見も後半なのでしょう。キャナルカフェも例年の行列っぷり。やはりキャナルカフェからの桜もとても素敵です。水辺ということも光が反射していっそう素敵に見せているんでしょう。飯田橋の西口(神楽坂口)は、ホームを降りて、なが~い屋根のある通路があって、ふいに太陽光が出現します。そこに桜の景色がパッとひらけていますから、けっこう効果的ですよ。午前8、9時くらいの太陽の光も健康的でいいですね。
前日に入れなかった、半蔵門、ここからの桜が、東京での、上から目線で楽しむ花見の最高鋒ではないでしょうか。ARGOのカフェからの展望。英国大使館と皇居の両方が一度に見下ろせます。前日に入れなかったので、今年の桜の見おさめにいきました。
おまけ:日本の歌謡曲もよく四季を歌います。
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