2010/02/20

エジンバラの街角風景、その1


到着して一日目、早起きして最初に見た印象的な風景でした。街の基調となる色彩はこのような少し赤味をさしたグレイ。中世の香りが、街の建築物や、かつて要塞として侵入者から街を守ろうとした痕跡に見られます。神楽坂のかくれんぼう横町のような、迷路のような路地(クロース)が水路のように回らされていて、『歩く』ことが好きな人間にはたまりません。決して平和な歴史とはいえない、よくも悪くも人間がぶつかり合ってきた歴史を持つ街です。いまでこそおしゃれで個性的な店が並ぶグラス・マーケットも一歩奥の小道に入ると、そこはもと処刑場だったりして、ちょっとおどろおどろしい気配も残っていました。ロンドン以上に英国の匂いを感じました。


僕はハトが大嫌いなので、(彼等は直近まで接近してきて、いきなりホコリを巻き上げながら、飛び上がる習性があります)日本でもできるだけよけて通るのですが、エジンバラの街角のカモメたちはテキトーに単独行動してたり、なかには市街を睥睨するようなエラくさまになっている奴もいて素敵です。以前僕がドイツ留学中、冬に橇で木にぶつかって足を骨折し一か月入院した時、窓辺にカモメがよく来ていました。彼等は死者の霊なんだよ、とその時いわれて、ちょっと背筋がひやっとしました。街角にいる彼らもそうかもしれませんね。みんなきれいで、どちらかというと清浄な存在として感じられました。


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