2009/02/16

Gentleman's Voyage vol.1                  “Vision of the Modern Gentleman”

昨日帰国しました。
まことに実りの大きい旅でした。

いつも御贔屓いただいている顧客であると同時に友人であり仲間であり先輩である皆様、私を厳しく・優しく多方面から育てて下さった多くの同業の先輩の方々、日々力強くお引き立ていただいているお取引業者の皆様、その他、多くの面で支えてくださっている関係各位の皆様に、深く・強く感謝の意を表したく存じます。

とりわけ今回、セヴィル・ロウ訪問でのヤマ場であった“アンダーソン&シェパード(Anderson&Sheppard)”と“ハンツマン(HUNTSMAN)”詣でを実現させてくださったハリソンズ(HARRISONS of EDINBURGH)のJ社長と、ハリソンズ日本総代理店のK氏には、重ね重ね厚くお礼申しあげます。両店の貴重な20's、30'sまで遡るアーカイブや工房まで見ることができてちょっとしためまいを覚えました。一番上の画像は、Davies & Sonにて。一番左端は、セビル・ロウの重鎮であるオーナーのAlan Bennett氏。

まことにありがとうございます。

今回、“心は、堂々たるパンツ一丁”で出かけたせいか、現地での偶然の出会いに恵まれ、生まれつきの強運も味方してくれました。ハンツマンでは、『THE LONDON CUT Savile Row -Bespoke Tailoring』著者で本人自身も桁はずれのダンディであるJames Sherwood氏本人がいてこれまたびっくりでした。

一度、伊勢丹のイベント会場におられて話しかける機会あったものの、何となく今はタイミングじゃないな、と御挨拶を先送りした後のストーリーがこれだったのかと納得した次第です。

『ジェームズ・シャーウッドさん、わたしはあなたのことをよく知っています。あなたの著作、“ロンドン・カット”は熟読しました。』そう声をかけると、これまたエレガントな佇まいで、『オ~!そうなんだ!』とさわやかな笑顔でフレンドリーに応えてくれました。最初に日本で彼を見かけた時、知りたくて知りたくて仕方なかったことを訊きました。

『Mr.ジェームズ!あなたの髪型すごくかっこいいですが、どこでカットしてるんですか?マードック(※この老舗バーバー情報は、ジョン・スメドレー@ソーホーのイケメン・スタッフのディディエ氏からゲット)ですか?』 と訊いたところ、

『ジャーミン・ストリートのチャンパーって、店だよ。ここは最高にいいよ、』と教えてくれて、さっそく即刻出掛けようとしたところ、前出のJ氏が正確な場所を確認してくださり、K氏が予約手続きを手伝ってくださり、即日夕方に予約が取れました。(GEO.F.TRUMPER 20 Jermyn Street Piccadilly)

フォートナム・メイソンでアール・グレイ(この単語の発音が一発で正確に通じるまで3、4回かかった、2オクターブ高音で発音すると通じること判明)しながら、予約までの時間をゆったり待ち、はずむ心を抑えきれず予約の3時30分の5分前に、お店に入り、“超Sleeeeekな髪型によろしく!”とリクエストしたところ、“おれは、よ~く、わかってるよ”とニヤッと微笑んでくれました。

そのカットのおじさんが、むこうのほうに道具を取りに行きながら、女性スタッフに“おい、そこのハンガーに掛けてるこのジェントルマンのスーツをちょっと見てみろよ!信じられんくらい、び・ゅ~ティフルだよ、おれも痩せてこんなのが欲しいよ、履いてる靴も見てみろよ、エレガントだよな~!”といってるのが、聞こえてて僕はもうとことんニヤニヤしっぱなしでした。バーバーとは、やはり気持ちを上げてくれる場所ですね。


人間、とっておきの幸福の瞬間というのは一生の記憶としてワン・シーンがバチ~っつと刻まれますね。宝箱に大事な思い出をサッと入れるように。

さっぱりとしたクラシックなヘア・スタイルが完成し、この店オリジナルで、爽やかだけど、ちょとスパイシーな香りが心地よいポマード(100mgを2つ買って)でスリークに仕上げ、バーバーから外に飛び出し、日差しと風が気持ちいい夕方のジャーミン・ストリートをピカデリー・サーカス方面へと向かいながら、なんともいえない、しびれるような、ワクワクするよろこびを感じました。

ジェームズ・シャーウッド氏は、前述の著書、“ロンドン・カット”にて、最上級にちかい形容詞としてたびたび“destination(到着地、終着地)”という表現を使いますが、、著書にもあるように、やはりセヴィル・ロウ、ジャーミン・ストリート、セント・ジェームズ・ストリートを含む1マイル四方は、好きな人にはタイムレスにシビれるエリアであり続けるのでしょう。

おみやげも、ノッティング・ヒルやソーホーでかなり買い込みました。しかし、カフリンクスは、納得いくもの少なかったです。しかしながら全般的に値ごろ感に納得いきました。何しろ交換した際の為替が1ポンド120円~170円くらいでしたから、1年前の半分、そこに来て、セールで70%引き(イギリスのセールはそれくらい普通とのこと)ということは、0.5×0.3で定価の0.15、つまりプロパーの15%でものが買えるということですね。

ついでに言うと、ホテル料金も為替マジックで1年前の半額、さらに2月はオフ・シーズンということです。日本国内にありがちですが、経済環境が不況さらに金融危機ということで、ただひたすらビビって消費を控えるという消極的な態度がいかに馬鹿げているか、ということですね。円が比較的強い今こそ、海外旅行ですね。男なら強く逆に張れ、とばかりに、今こそまさに生きた投資をすべき時だと思います。

セルフリッジやボンド・ストリートに出かけ、かわいい、美しい、でも一生使える、ベイシックなアイテムをしこたま買い込んで、おしゃれなショップのパッケージを両手いっぱいに持ってホテルまでかわいらしいロンドンタクシーに乗って帰宅、というイギリス映画のワンシーンのようなデートスタイルも今でこそ、ですね。僕は忘れるのも早いので、今週、備忘録も兼ねて、ちょっと頑張って感動したことから書いていこうと思います。

2 comments:

Anonymous said...

思い出深い実り多き旅となったようですね。また、お話を聞かせてください。

E 。 said...

Mizさんへ

その節教えていただいた、神田神保町の安くておいしい中華、あれから一度、auntieと行きましたよ。ぼくはMizさんのようにしょっちゅう海外に行くわけではないので、毎日知恵熱出そうなほどでした。また味な店に一杯行きましょう☆