2009/02/19
Gentleman's Voyage vol.4 “Beautiful People”
ロンドンで出会った魅力的なひとびと。見知らぬ人に話しかけるコツは、おおよそ習得いたしました。近づいて行って、しっかりしたやや大きい、ゆったりした(自信を持って聞こえる)声で『Hi ! Gentleman!』と言ってしっかりアイ・コンタクトをしてから、Excuse me.... とやると、相手は紳士の自覚を持って応えていただけます。いづれにしろ、たくさんの魅力あふれる方々に出会えました。
フォートナム&メイソンでこちらから話しかけた、クラシックなダンディ。この着こなしは只者ではない!ヤバい、この髭はなんだ。古いスコッチウィスキーの底のラベルにありそうな立派なひげ。ノルウェーのテーラー、ラムスタッド氏でした。名刺交換し、古今東西のテーラーのアーカイブ、資料、情報ソースについて貴重な情報交換ができました。
ポートベローのカシミアショップにて、前髪がとてもかわいらしいスペイン出身のおしゃれなスタッフAさんでした。
ノッティング・ヒルの『Still』というヴィンテージ・ショップのスタッフの紳士。このスェードのタッセルがジーンズによく似合っていました。彼が乗馬用ビスポーク靴・シュニーダーを教えてくれました。彼はシュニーダーで高価な靴を作りすぎて、たいへんよね、もう~とのこと。
↑この写真は↓このカトリーナさんの子供のころの写真。実家もアンティークショップで、両親ともにすごくセンスあふれる方だったとのこと。↑こんなちょっとしたモンスターを娘にプレゼントする親って、さぞファンタジー溢れるすてきなご両親だったんだろうな~と思います。すごくいい写真ですね。その時の彼女の気持ちが、写真からあふれてきます。
彼女から、『今回あなたは、ぜったいに、V&A(ヴィクトリア&アルバート博物館)に行くべきだわ!』と教えられて、その2日後くらいに行きました。口伝えでいろんな素敵な人物に次々バトンをわたされて、わらしべ長者の旅でした。
彼女の口から、ビスポーク界でのカリスマカッター、トミーナッタ-氏の名前が出てきたのには驚きました。そうよ、わたしは本当はファッションにすすみたかったのよね、とちょっと溜息まじりにつぶやきます。60's、70'sのロンドンについてなどで持ち上がり、僕は当時のBIBAコスメティクのヴィンテージやグッズのコレクションがあるんだ、と彼女に言うと驚いていました。
友達から【EXOCISE:交霊術という単語と練習という単語をもじったもの】というタイトルをつけられたノートを贈られたようで、強制的に文章を書かされている模様(笑)
すてきなお母様とその弟。こういうクラシックなコートもシビれますね~。帽子といい、髪型といい、、、絞り位置といい、着丈といい、、弟さんの帽子といい(全部じゃん、、)ともかく素敵です。
通りでひときわセンスのよい店構えでした。本当はガウンも買う予定でしたが、サイズがちょっと気になりました。彼がアスコットタイをする動画を撮影しました(動画に関しては、うちに遊びに来て観てください)が、いまいちアップの仕方がわからずじまい。センスの良いジーンズを履いていました。スェーデン出身。この店はたしかケイト・モスやマドンナも来てると思います。彼が手にしているのは、プレゼントして和柄の縮緬チーフ、ちゃんと職人が手縫いしたフルハンドです。感動しておられました。
ソーホーのスメドレーの店員ディディエ氏。タケオキクチのモデルもやったことがあるようで、結構日本通。ロジャー氏のことも知っていたようで、世の中狭いな~でした。若手日本人デザイナーとの交流など、日本とのコンタクトもキープしている模様。ぼくが求めている系のネタを、熱心に探してくれました。セント・ジェームズのドクター・ハリーズはぜひ行くべきだよ!ハマるよ。と教えてくれた。
トットナムの傘屋。ここの名前はジェームズ・スミスという店でした。フォックスの傘は、世界一の細巻き傘といわれ、抜群に調子いいもんで、ついついステッキ風に地面について歩いてしまうのですが、時々街のマンホールなどに刺さって先がボキっといってしまい何度か駄目にしてしまいました。持ち方からたたみ方、アフターケアまではっきり定番説明があるらしく、格式ばった調子で使用方法、そして、あなたがこの傘を壊しても、いつなんどき再度ここに持って来てくれたら、その時はわたしどもは、責任をもって完全に修理いたします、という言葉でその説明が締めくくられた時、ちょっと感動しました。木全般、いや個人的に木目に激萌えなので、このエルノ素材の傘を購入。
コヴェント・ガーデンの『ルールズ:RULES』という老舗レストランにて。ここは、ロンドンに駐在していた義理の弟のイチオシのレストラン。ディケンズ、サッカレー、ゴールズワージー、H.G.ウェルズ、グレアム・グリーン、ジョン・ル・カレ、、、という錚々たる顧客たち。ど~んっ、とした迫力ある悠然たる歴史を感じさせる最高のお店でした。料理も迫力ある佇まいで美味く、これも最高でした。内装から何から、見ているだけでなにかが、ぐんぐん満たされていく充実感があります。
そこのスタッフの方もまたおしゃれでした。↓彼は、シャツとネクタイのコンビネーションが派手地味な粋で、参考になります。下の彼は、やはりスーツが好きらしくしばらく盛りあがりました。50代、60代のジェントルマンのかっこよさは、息をのむほどのものがあり、街をただ歩いているだけで、ひじょうに充実しています。丸の内や銀座あたりも、そうなると今以上に楽しくなるでしょうね。
僕は、2年前から、ボストンタイプのメガネが欲しくて(好きでないデザインのメガネが多いので、単なる消去法での選択ですが)しかし納得してほしいものがなくて困っていました。津田沼のパルコに入っているポーカーフェイスという店で、スタッフから、『自分の店にないんで、すいません、探してみましょうか』と他の店の情報を雑誌をもとに必死になって探してくれた担当青年スタッフの人間力に感動しその場で、君から買います、と勢いで買ったのがたまたまウェリントンだったので、これも運命と思って今でも、そして今回の旅でもかけています。
基本的に、人が作り出すプライスレスな感動ドラマにくらべたら、モノごとき結局はどうだってよくなる、と閃く瞬間があります。とはいっても、そこはまた人間、やっぱりボストンは気になっていた。ボロウ・マーケットにて。今回でもつくづく思いましたが、街で見かけるおしゃれな方々で、ハイテク・タイプというか、構築的なモダンでクリエイチブなメガネを掛けている方は一人もいませんでした。
基本的に皆クラシックな銀縁か金縁か、べっ甲(フェイクも含め)、セルロイド風です。印象では、韓国が一番モダンな眼鏡、フューチャーなデザイナー的メガネの着用率が高かったように思います。中国、韓国など、アジア圏のクリエイター業の方のメガネはほとんどこのスタイルではと思います。個人的に、アラン・ミクリに代表されるハイテクタイプのモダン&クリエイティヴな眼鏡は、優雅な感じが持てず、どうも苦手です。しかし似合っている方は素敵に似合ってばっちりハマっていると思います。ちなみに、このクラシックスタイルのべっ甲・ボストンタイプのメガネは、下の彼から教えてもらって、コヴント・ガーデンの“オペラ・オペラ”という店にいっぱいありました。
あきらかに、このワン公は、僕になにかをうったえかけていました。バグでもなんでも、相手をじ~っと見る犬っていますね。どうする?って問いかけられているような。ボローマーケットのカフェにて。犬は基本的に自分のことを犬と思っていないらしいですね。たとえば、飼い犬で、自分だけ家族みんなと外出できないと、オレはみんなと同じなのに、何でおれだけ、一緒に外出できないわけ?って皆目見当がつかないで、おおいふざけんなよ~という感じで鳴いている感じですね。
これは、アンダーソン&シェパードの若手の方の袖口。基本的なことなんですが、今年の目標のひとつである 『基本に飽きない』 ということから、007ダニエル・クレイグの袖をはじめ、セヴィルロウ歩いてても紳士達の袖をはじめ、基本的なポイントをよくよく見てきました。英国はやはり結構短いです。だらんと横にやった位置ですでにかなり短い。しかし一般的日本人ビジネスマンは電車に乗って吊革につかまる。そうするとえらくシャツが飛び出てしまう。シャツも、袖口の広さによってシャツの収まり方が違ってきますね。つまり基本的にシャツも、スーツも一緒に調整してつくらないと、理想のシャツの出方を出現させられません。アンダーソン、ハンツマン、結構中まで見せていただき、カッティングのシーンや実際の型紙の映像はちょっとアップできないのですが、たくさんのナック(こつ)や隠し技がありました。袖ボタンの隠し技には、ちょっと驚きました。
ジャーミンストリートを行く、現代のビクトリアン・レベルのウエストの絞り。ご年配のマダムでいらっしゃいました。
この見事なキャラクターに、つい撮影させていただきました。デビット・リンチの映画に出てくるようなスタイル。映画を勉強しているとのこと。最初スタイリスト・ヘアメイク関係の方かな~と思いました。
深夜のバー巡りをリードしてくださったJ氏夫妻。妻の友人で、顧客でもある国際派Cちゃんのお友達ネットワークでした。なんと18世紀まで遡る建築物にあるパブまで、そうとうなコアなパブを4軒はしごしました。深夜のロンドンも街角、横道から切り裂きジャックでも飛び出してきそうなそんな暗闇をみんなで歩きながら、妖しい深夜のロンドンを味わいました。『クレジット・クランチ(信用崩壊?)』という銘柄のビールを良く飲みました。飲み倒してしまえ~とさぞ盛り上がることですね。味とコクのある、古いパブをみながら、ロンドンの方々が古い歴史と触れ合う接点が身近に、たとえば、こんな飲みの場所にあったり、近所のカフェにあったりすることに非常にうらやましさを感じました。
ノーフォーク・ジャケットの話になりました。というのは、最近思うのですが、ショルダーバックやリュックを持ちたいビジネスマンは、ショルダー・パッチのついたノーフォーク・ジャケットを着ればいいんじゃないかな?と思っているからです。基本的に(僕は旅行中ということでやらかしていますが)スーツに肩掛けバックはダメということになっていますが、やはり体のバランスから骨格がゆがむ重い荷物の場合、なんらかの策を講じたほうがいいんじゃなか、と思います。↓さすが英国グーグル勤務のJ氏、スーパー・スマートに、ブラックベリーのようなもの(グーグル・オリジナルのギア?)を取り出し、瞬時に『ノーフォークジャケット』を参照しておられました。
地下のハンツマンの工房から地上を見上げる。この風景を50年ほど見続けた方がおられました。
セヴィル・ロウでおそらく一番ながく働いている女性職人の手です。袖ボタンを縫っています。握手してその力強さに感動しました。表情はまるで、日々ゆったりとしたカントリーライフをおくられているような穏やかで優しい瞳をされていました。厳しい仕事を長年されていると人間こうなるのかな~と尊敬とあこがれの念を抱きました。
今回は、貴重なアーカイブを目を皿のようにして目ダウンロードしてきました。20、30、40年代の生地とカルテ、まるで中世の薔薇の名前や敦煌に出てくる古文書のようにわらっ、わらっ、とページをめくるたびに音がして、歴史に圧倒されました。
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