2011/05/29
英仏弾丸記 1
なにや、かにやで、時が経過してしまいました。細かいことを書きだすと時間が足りないので、心が動いたことをメモ程度に記すことにします。ネタがありすぎるのもこれまた困ったもの。どれもおもしろすぎて、どれを書き留めようか迷い疲れてしまいます。
12日深夜(日付が13日になったばかり)羽田発の飛行機でした。体調管理に慎重にスタート、といいながらもラウンジにて生ビールで上機嫌に乾杯。僕はさっそく足首に巻く、血行をよくするサポーターを忘れたことが発覚、厄払い・厄払い・・・。
(ロゴが最近もとに戻った)JALのビジネスクラスの電子制御のシートはとても快適でした。充分な睡眠確保。M氏の奥様Cさんは、小柄のメリットを生かし、何度か座席前でスクワットしてリフレッシュを図っていたいた模様。
シャルル・ドゴール空港に13日、早朝到着。日の出ずる国、日本のメリットを生かし、この時点で計算上、時差ロスがゼロです。タクシーで北駅へ(上写真)。北駅から、一路ロンドンへ向かいます。メトロは 乗継が結構わかりにくいらしいです。さらに、早朝・深夜時間のパリのメトロはあまり治安がよろしくないので、タクシーがお薦めです。
M氏は、ウィリアム・ハルステッドの、モヘアツイルのジャケット。ぎっしりと噛み込んだモヘアの質感が独自の静かで力強い光沢を放ちます。Cさんは、エルメスの乗馬ジャケットで、上半身に関してはかなりクラシックな装いでキメておられます。フランスの空気のさらっとした爽快さに、われわれは驚きました。
英仏を横断するユーロスターの車窓の風景は、まず北フランスからパリへとつづく豊かな小麦畑など豊かな農村風景がとても印象的でした。ゴダールの映画にもよく登場する田園風景の中の並木道も印象的です。これが、パリでの圧倒的においしいフレンチ体験の前ふりだったようにも思います。豊かな田園風景、日本もそうなればいいのに、と思います。
アンダーソン&シェパードでの仮縫い、というのが、この旅の40%くらいの目的でした。セヴィルロウ通りから一筋横の落ち着いた通り。ちょっと気になったのが、近くのレストランに加えてイタリアのブランド、クチネリのショップがあったことです。すこぶる英国的に振り切っている空間は、そのまま温存しておかないと、lose uniqness 、、独自な佇まいが失われる、、ということになるのではと少々心配しました。
仮縫いも順調に、若手スペンサー氏がトラウザーズ、ダニー氏がジャケットと役割分担しています。ダニー氏とは、親バカ自慢で、スマートフォン画像で、お互いの子供を見せあうという、パパタイム有りでした。まっすぐ頑張り中の若手スペンサー氏、リズム感よくテキパキと進める気のイイ紳士のダニー氏のコンビでした。無事仮縫い終了。
そのあと、乗馬ブーツの老舗、シュニーダー、ルドルフ氏を訪ねて。すでに彼に会うのは3度目でメジャリングとなりました。形を作る技術、磨く技術など、いくつかの秘密を知ることができました。氏自身、オリンピック出場の馬を二頭所有しているので、自身の経験の裏打ちから様々な工夫をこらしておられました。Cさん、腰抜かすほどファンシーな5本指ソックスで、シュニーダー氏大爆笑しテンションが急上昇した場面。
M氏もメジャリング、僕もメジャリングする予定だったのですが、彼の様子的に、燃料使い切った感ありだったので、あせらず次にまわしました。ロンドンでの用事はこの2つでほぼ終了。まずはホッと一息つけました。
ユーロスターで、ロンドン入りそのまま、スーツケース持ったまま、セヴィルロウ直行し用件を済ませたので、まずはホテルへ。ロンドンで一番いい気分で落ち着けるホテル、The Connaught へ。各自の部屋で一服してホテルのバーへ。最近、ロンドン最高の評価を得ているホテル内の、Connaught Bar
にて二人の反対を押してドライ・マティーニを飲んでしまいました。絵的に飲みたいところでしょ、やっぱり(笑)
夕食は、同じホテル内のHélène Darroze へ。日本人スタッフのお陰で、円滑に予約ができました。やや早めのディナーがはじまり、アルコールがまわってきた僕はだんだん睡魔が襲ってきます。アラカルトだったかコースだったか、正直思いだすことすら実は困難です。かすかに記憶に残っているのは、最後のシェフの自信作のピジョン料理に行きつく直前に僕が、その場に座っていることすらできないくらい眠くなり(というかほぼ眠っていた)ギブアップした、ということです。
ロンドンにて、メジャー番長が、リッツ・ロンドンだとしたら、プライヴェート番長?がコンノートだと思います。メイフェアのひっそりした空間にあって、控えめでクラシックな玄関、中に入るとコンパクト・コンサバ・(よい湯加減の)モダンな室内。テーラーとしての僕のスタイルづくりの仕事は、“ 美しさ・素敵さを見出す目 ” がすべてです。そのための投資は惜しみません。コンノートからは様々なインスピレーションをもらいます。
夜、8時に寝て、午前2時に起きました。歯を磨き、ゆっくりシャワーを浴び、室内にあるフルーツの山を相当分食し(フルーツ、ヨーロッパでは、いちいちがえらく美味いです)、ルームサービスでお湯をリクエストし、味噌汁2配分を食しました。ほおおっっ、生き返った!むだに元気が湧いていました。
朝は、6時40分ごろには二人を待ってぼんやりしていました。ぼんやりするにも、朝日が差し込んでくるこのきれいなホールでは退屈することはありません。クラシックを重苦しくしないさまざまな工夫を尽くしています。ところどころに、モダンを入れて、抜けの良さを演出しています。
英国では唯一、朝ごはんだけが美味い、という説がありますが、個人的には 『それさ、ちゃんと調べて行ったの?』と切り返したいところです(笑)。たとえば、ロンドン在住の食通に訊く手間さえ厭わなければ、たいがい美味いゴハンにありつけます。一般論を述べている、ガイドブックなんか信用しちゃいけませんね。一般(アザーズ)の世界で満足なのだったらかまいませんが、せっかくなら、自分の好きな世界に特化した、特別(スペシャル)の世界を生きたいですね。アザーズな、ぬるい一般論は退屈じゃあありませんか。
たんなる英国びいきというわけでしょうね。。。
セント・パンクラス駅へ向かうところ。一路パリへ向かいます。
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