2011/10/09

Not fashion,but code



たとえば、ヨーロッパの田舎を移動する鉄道の旅。見慣れぬ東洋人が乗り込んでくる、かすかに走る乗客の緊張。コンパートメントの空間には、英国人風の老夫婦、そしてゲルマン系の中年の紳士。謎の東洋人はスーツの内ポケットから宿泊先の絵葉書を取り出す。右手にはモンブラン。


この時点で、この見知らぬ東洋人は、ヨーロッパ系乗客から人としての信用のおそらく半分以上は稼いでいる。軽い挨拶、着用しているスーツ、取り出した絵葉書にちらっと見えたホテル名、そしてさらさらと流れるように動くモンブラン。乗客は彼がいったいどういった人物かを知る手がかりを十分すぎるほど与えられている。あとの50%は本人の人生を愉しむ才覚だろう。


スーツはもちろん、鞄から筆記具にいたるまで、Gents世界では“Code”にまで高まったアイコン的アイテムがある。時には、確信犯的に、わかりやすく選び、わかりやすく効かせることが賢い。Fashionでたびたび登場するコーディネート用語、ヒネル、ハズす、アソブ、、、、。しかしながら、モノ世界内で閉じて小さく遊ぶよりも、口笛を吹きながら軽々とCodeを突破して、人生という大人の遊び場でぞんぶんに遊んだほうが愉しい。写真(※氏はモンブランにてペンGAIUS MAECENASを購入、一番下のダレスバッグはmade in Japanの万双製)は、重量感溢れるモデルを購入されたP氏@銀座モンブランブティック。

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