2009/03/21

Sand beige(サンド・ベージュ)の装い、


キーワードを1つ2つ、後は全て、細かいところまでぜんぶお任せ、よろしく、というお客様が増えました。前寸のデータがある場合は、手ぶらで出かけて、生地バンチも持っていないことがあります。

接客だったか、気持ち良いお茶の時間だったか、あいまいな時もありますが、しかし、ふとこれは理想に近い状態ではないか、と思っています。

お客様でも、細かいマニアックな話が好きな趣味・嗜好性の強い方と、めんどくさがりだけど直観的でエレガントな方がおられます。

こちらにとっては、“オマカセ”は、やりがいあることです。でも、その一方でエネルギーは一番使います。全部お任せと言われると、だいたいの予算をあたまに置きつつ、納得いくまで徹底的にその人の魅力を追究します。

予算もお任せで、と涼しくおっしゃられるお客さまもいます。一瞬恐怖を覚えますが、バランス感覚を信じて、様々なシーンを描きながら、全力で挑みます。結果的には御値打もののお買いものになるべく頑張っております。

今回Fさんは、タイ、フィリピン、カンボジアと、政府系視察のミッションを持ちアジア各国を訪れます。日差しが強い、湿度も高い、野外も屋内も、時にビジネス、時にはアフターのパーティ、、、

旅先ゆえに皺になりにくくて、ハンガーにつるしておけばシワの回復が早いもの、街で浮き上がらない色と質感なのだけど、充分にエレガントで上品な佇まい、、、

その環境をかんがみて、彼女が選ばれたのは ANDREWS&MAY ,4ply Travel Suit ,wool100% SUPER120's(295gms)のサンド・ベージュでした。

ジャングルの中を、ベージュやカーキのサファリジャケットを着て、白いジャングル探検用のヘルメットをかぶる、というような50'sのマリリン・モンローの雰囲気を僕は勝手にイメージしながら、パッチ&フラップ&ステッチの細かい仕様など決めました。

SUPER120'の生地の質感のおかげで、本来、ザラザラ・ゴワゴワしがちな多孔性(空気の通り道が沢山ある)生地にももかかわらず、生地が下に向かってストーンと落ちる、『落ち感』が抜群で、ドレッシー&セクシーな佇まいです。正直、個人的にも作りたくなりました。

2009/03/17

優雅で軽やかな 『マンダリン・カラー』


Mao collor(マオカラー)
マオカラーとは、中国人が着ている人民服にヒントを得て作られたスタンド・カラーの一種。マオカラーはステンカラーと同様の、立ち衿が外側に折りかえった形のものを指し、ファッション用語の分類では「チャイニーズ・カラー(マンダリン・カラー)」と同じ意味とされる。

上着に限らずブラウスなどにも用いられ、第一ボタンまで留めて着ると清楚な印象の胸元が演出できる。マオとは、中国の元主席・毛沢東の名前(マオツォートン)から由来している。

同じような衿を指した言葉に、「ネール・カラー」というものもあるが、こちらの呼び名はインドの元首相・ネール(Panditjawaharlal Nehru)にちなんでおり、インド政府の高官たちが着ている上着の衿を模したものを指す。(※All Aboutのファッション用語集より)

カッコイイ、マオカラーとしては、ベルトルッチ監督の『ラスト・エンペラー』での溥儀役のジョン・ローンのイメージがあります。僕自身、大学生時代にサークルの先輩からもらった、イン・アンド・ヤンというブランドの“インセンス・プラクティス・オブ・サイレンス”(われながら良く覚えているのは、ブランド名が素敵だったから)の、ジャガードのマオ・カラーを一張羅にしていました。しかし昨今、マオカラーに関しては、実は正直ちょっとどうかな~?という印象がありました。

数年前にAPCがマオカラーモデルを出して、着こなし次第で、スッキリしたアイテムなんだな、という印象を持って数年経っていました。何も、日本の料理研究家や、建築家、陶芸家だけの専売特許じゃないんだ、という感じを持っていました。

今年、60代前半の横浜在住のダンディなD氏(おしゃれなA嬢のこれまたおしゃれな義父)から、MartinSons&Co.マーチンソンのENGLISH FLANNEL Woollen Spun 18/1,Wool 100%,400gmsのミディアムグレイ生地で、マオカラーのお仕立てを承りました、さすがですね。ご本人もすでにおしゃれ上級者であられ、服飾関係に進む可能性もあった、という青春時代を過ごされており、こちらのほうで、学ぶことがいくつもありました。

アイリッシュ・ツイード、ドニゴール・ツイード、、、しょっぱなから飛び出す話も本気モードで、自宅に帰り、あわてて服飾辞典で確認ということが何度かありました。そして、出来上がった柔らかい雰囲気、しかしながら、ジャストサイズのマオカラー。とても上品で、クールな装い。

エドワードでは、この秋冬に、スポルベリーノ仕様でマーチンソンをいくつもお仕立てしましたが、コートというよりも、軽いジャケットのように着て、さらに、スポルベリーノを着たままレストランで食事できる、というスイーツ男爵K氏の言葉がずっと頭にあったので、いろんな場面でそれを検討していました。

フラノの場合、基本的にアウト・ドア、野良着なのですが、きれいに&軽く仕立てられて、爽やかな印象のあるフラノのスポルベリーノの場合、レストランで着たまま食事もアリ、ではないかと考えます。

もちろん、通常の艶系のソリッドな生地のほうが、ロングジャケットっぽく、レストアランのスタッフは迷うことなく、コート預かりではなくそのまま席につかれる客様を見ておられるのでしょうが、フラノの場合は、もしかすると、スタッフによっては違和感を持つ(あれ?このお客様はコートのままでお食事されるのか?)ということも50-50で考えられます。

そのあたりは、挑戦の要素もありながら、進取の気鋭でドレスコードを拡大させていけると楽しいですね。

写真上)素敵な英国風のインテリアに囲まれた横浜の自宅にて。昨年末は最高にセンス良い、暖かいクリスマスパーティーを体験させていただきました、ありがとうございます。

下)ボタン選び、野外の太陽光での確認も熱心に。この雰囲気、一朝一夕では醸し出せません。若造はとうてい敵いません。


2009/03/12

春、そして夏に向けて


生地の準備が、ほぼ整いました。今季初夏の生地は、スタートから、通好みのものを皆様セレクトされています。ANDREWS&MAY ,4ply Travel Suit ,wool100% SUPER120's(295gms)のシリーズ。色はチャコール・グレイ、そしてブルーがかったサンド・ベージュ。これは、マーチンソンのフレスコほど重くなく、エドウィン・ウッドハウスのエアウール・シリーズ(280gms)よりやや厚みがあります。

そして、グアベロのSUPER130'sの18ミリ巾のネイビー・ストライプ、今この生地は為替のせいかクオリティにくらべて価格が安く感じて値ごろ感ありです。あとは人気を予感させる、HARRISONS of EDINBURGHの 『HAVANA』 シリーズ。横糸双糸で、無地ネイビーの発色の鮮やかさと深みは、最近手に入れたおもちゃ、デジタル一眼レフで、今度じっくりきちんと撮影します。

来週月曜にせまった税務申告のしめきりを前に、昨日、午前中に提出も完了し(今年はパートナーのおかげで、無事に青色申告でいけました)ほっと一安心。写真は、先日7日(土曜日)から泊まりがけで、8日(日曜日)の鎌倉ジャズフェスティバルに行って来ました。

なにしろカメラ全然初心者なので、いかにも“一眼レフ的な写真”を撮っては、いちいち嬉しがっていました。ハリソンズの“『SUN BEAM』”と江ノ島。(※鎌倉プリンスホテルには、“ミステリーコース”というようなプランがあって、一人様5000円で、全室オーシャンビュー。かなりお得感ありました。ネットからのみ予約)