これもレディスで、ハリソンズの生地(通年用)を使い、ビジネス、ちょっとしたパーティー用に。革の包みボタンでオーガニックな温かみを。しかし裏地はやはりダンスフォードのセクシーなものを使用。
わりとぴったりタイト目にお仕立てしました。鮮やかな冴えのある色もいいですね。
どんな人間国宝級のテーラーよりも、やつには頭が上がりません。ところで、テーラー業者どうし、いろんな話しますよね。メジャリングやります、フィッティングやります、生地カットをやります、縫製やります、生地を織っています、糸を作っています、羊飼ってます、マンクス・ロフタン羊を育てています、羊の飼料をつくっています、飼料の植物を畑で苗から育てています、苗にするために種から育てています、その種のための土つくっています、、、、どのへんからスーツ作ってるって点において、完璧にえらそうな顔ができるんでしょうね?ちょっと彼に訊いてみましょう。
草くれや、とりあえず。
水分が多いところが緑で、だんだん秋色へ、ということでしょうか?
松本の写真館の社長氏Sさん。ビフォアの着用分が結構ビッグサイズで着ていられたので、ジャストフィットへの移行期間として少々ゆったり目にお仕立て。
雰囲気のある、素敵なお店ですね。
蔵久前にて。横溝正史作・市川昆監督1976年の映画『犬神家の一族』のロケ地。築200年、2000坪の敷地。蔵は江戸末期から明治。もとは、造り酒屋だったそうですね。
義理の妹夫婦。金融関係の彼に、世界経済の謎をいろいろ質問しました。まだまだ疑問は解けないので、みんな食べ物、飲み物、質問を持参する、質問パーティーをしようと企画。週末の田舎農業ライフを模索中とのこと。
松本から戻り、もう一人納品がありました!自宅にてこちらもレディスのジレ(ベスト)+ペンシルシルエットのパンツのダンディ&セクシー・コンシャス。逆Ⅲ角形体系の上半身の彼女には、黒に近いダーク・ネイビー色の小さめペイズリー柄の裏地を使ってご提案していました。
既製服とメイド・トゥ・メジャー(≒オーダーメイド)との差は、ジレほどわかりやすいものはありません。既製服のぼんやりした最大公約数的なサイジングによるシルエットとはちがい、オーダーの世界は、インディヴィジュアル・カットなので、パンツもフレアやバギーなどサイジングの許容量が広いアイテムでごまかさず、寸分も妥協のない絶対的細身+ハイヒール(要7cm以上)のペンシル・シルエットでお仕立てできることが価値です。
色も、ボヤけているか、冴えがあるかわかるのと同じですが、サイズに関しても、サイズがぼやけている、サイズに冴え(さえ)がある、これが既製服とオーダー服の違いです。クラシック寄りのペンシルシルエット(絶対的細身シルエット)が特に今一番クールです。レディスにおいて、“セクシー”だけならモードでできますが、ダンディはメイド・トゥ・メジャーが必要です。
特にジレは、ただでさえ“ピタっ”と細身シルエットで繰り出してきたパンツのラインを、コントラスト効果を使って相対的に“ふわっ”としたシルエットに見せようとする狙いがあるので、よりいっそう“ピタ~っ”とキツ目にコンシャスしておきたいです。ポイントは以下2点です。これらはすべて、男性の3ピース・スーツ(ジャケット・ベスト・トラウザーズ)効果からの応用からきています。
1. ジレによってウエスト位置、腰の位置、足の始まり位置をしっかり高めにマーキングする。(美脚パンツ特集、といっても美脚パンツというひとつのアイテムで美脚を果たそうとする、その考え方自体に無理があり、シルエットは全体のつながりなので、単体だけでは構造的限界を感じます)
2. ジレをちょっとキツめ、タイトめにサイジングし、もともとが細いペンシルシルエットのパンツをジレにくらべて相対的にタイトにしないことで、コントラスト効果により一層、細く・長く・縦に縦に、、、シルエットが伸びます。たとえば、一般人は、シャツ・インよりも、ニット・アウトにしてウエストにピッタリはりつかせた、ほうがきれいな線が描けるのと同じです。
美脚パンツとは、すでに美脚のモデルがパンツをはいて見せて、自分もああいうふうに見えるんだろうな、と安心という気分を醸造させることではなく、確かな効果をつくりだしたほうがいいですね。“プラシーボ効果”は、美肌には効果があってもこと洋服には期待できません。リアリストに徹して、客観的にセレクトするほうが賢いですね。
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