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2008/06/28
風合(ふうあ)い
風合いがよい、風合いが悪い、という表現、これらは服地を手で触ってみたときの評価で、試験器具の測定値ではありません。視覚的なものであったり、指先の感覚、そして経験値がもたらす主観的な判断です。一般的には、
1 しなやかさ
2 張り
3 弾力性
4 腰(シワの回復力、ドレープ性)
5 シャリ味(フレスコ、トロピカル、モヘアなどの特長を形容する際)
6 ふくらみ
など物性面だけでなく、発色の良さ、艶など見た目の感覚的な面も多分に加味した総合的な評価を『風合い』と表現しています。
生地によっても判断基準が変わります。この業界何十年的なテーラーの方や生地屋の業界人が口にする独特の表現は面白く、そしてそれは単に面白いだけではなくて、そのコトバが発生してきた必然性、経験知的な“判断のモノサシ”が存在します。
『腰』、『くた』、『たら』、『ぬるみ』、『ふくらみ』、『ペーパーライク』、『ふかついた』、『底艶』『付け艶』『テカリ』『がさツク』『生機くさい』『シャリ味』『手触りも良くて腰がある、、、』
私は、新しい言葉や言い回しに出会うと、おおっでた!と内心の感動を隠しつつ、数分後に同じように、あたかも自分も何十年も前から使っているような顔をしながら口にしてみたりして、心の中でニヤついたりするのでした。
どんな業界でも、その業界独特の一見(一聞?)わけのわからない、独特の隠語(術語)をジャーゴン、というのですね。ちなみにスーツ発祥の地、英国のセビル・ローでの隠語集はここで見られます。“Savile Row Jargon”プリントアウトして、電車の中でクロスワードパズル作ってみても面白いですね。
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